今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 藤原寛行 自治医科大学付属病院 産婦人科

監修: 青木大輔 赤坂山王メディカルセンター

著者校正/監修レビュー済:2024/05/15
参考ガイドライン:
  1. 日本婦人科腫瘍学会:卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン 2020年版 第5版
  1. 日本産科婦人科学会日本病理学会:卵巣腫瘍・卵管癌・腹膜癌取扱い規約 病理編 第2版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 「卵巣腫瘍・卵管癌・腹膜癌取扱い規約 病理編 第2版」の発行に伴いレビューを行った。
  1. 第2版の本規約では、WHO組織分類(2020年)に基づき病理学的な取扱いが一新されたが、本臨床レビューの内容においては変更なし。
 

概要・推奨   

  1. 早期卵巣癌は無症状のことが多く、偶然発見されることも多い。
  1. 手術療法が原則であり、正確なstaging laparotomyにより術後追加治療の有無を決定する。
  1. しかしながら、staging laparotomy自体が直接予後を改善するかどうかのエビデンスはまだないのが現状である。

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 日本人女性の卵巣癌罹患率(人口10万人対)は16.0(2015年)である。
  1. I~IIA期は早期癌、IIB期以上が進行癌と分類されることが多い。
  1. 病理学的には、漿液性癌、類内膜癌、明細胞癌、粘液癌、その他、に分けられる。
  1. 早期癌の場合、無症状であることが多い。そのため、別の目的で施行した検査で偶然発見されることや、良性卵巣腫瘍(内膜症性嚢胞など)のフォロー中に発見されることもある。
  1. 原則手術療法を行い、病理学的に診断する。
問診・診察のポイント  
  1. リスクファクター:家族歴(乳癌、卵巣癌、大腸癌など)、既往歴、未妊婦、早発初経、晩期閉経など(問診:リスクファクターの有無を聴取)

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
藤原寛行 : 講演料(武田薬品工業(株))[2024年]
監修:青木大輔 : 特に申告事項無し[2024年]

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卵巣癌(早期):I~IIA期

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