膀胱炎 :トップ    
監修: 中川昌之 鹿児島大学
濵砂良一 産業医科大学病院 泌尿器科

概要

疾患のポイント:
  1. 膀胱炎とは、膀胱内で起こった感染症である。排尿時痛、残尿感、頻尿、下腹部痛など膀胱刺激症状を呈する。
  1. 病勢により急性膀胱炎と慢性膀胱炎に分類され、また基礎疾患の有無により、複雑性膀胱炎と単純性膀胱炎に分けられる。通常、単純性膀胱炎は急性単純性膀胱炎のみである。
  1. 急性単純性膀胱炎の原因菌の60~80%は大腸菌であり、このほかStaphylococcus saprophyticusKlebsiella属、Proteus属、Streptococcus属などが原因となる。
  1. 複雑性膀胱炎の原因菌は大腸菌のほかE. faecalisProteus mirabilisSerratia marcescensPseudomonas aeruginosa、MRSAなどであり、多剤耐性菌が検出されることがある。
  1. ※基礎疾患
  1. 成人:前立腺肥大症、尿路結石、尿路腫瘍、神経因性膀胱、水腎症、糖尿病など
  1. 小児:膀胱尿管逆流 (VUR)、重複腎盂尿管、尿管狭窄、尿管瘤、尿道憩室など
 
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  1. 膀胱炎の診断:
  1. 尿路感染症は細菌尿と膀胱刺激症状(頻尿、残尿感、排尿時痛など)または膿尿によって診断する。ただし、膀胱刺激症状を認める場合でも、帯下の増加、陰部掻痒感、性交時痛などを認める場合は、女性性器感染症を最初の鑑別に挙げる。
  1. 無症状で、膿尿がなく単に細菌尿のみが観察される場合は、無症候性細菌尿として扱う。
  1. 膿尿の評価:
  1. 膿尿は、尿中白血球数にて診断する。
  1. 尿沈渣法で5個/1視野(400倍による検鏡)、直接検鏡法または自動分析器において10個/mm3 (10個/μl)以上、エステラーゼ反応を利用した試験紙法では(+)以上を病的所見とする。
  1. 細菌尿の評価:
  1. 細菌尿は、尿の定量培養で得られたコロニー数の結果にて診断する。ただし、この評価で菌量が少ない場合も膀胱炎は否定できないことに留意が必要である。
  1. 男性の中間尿では104 …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時
  1. 検尿および尿沈渣(または非遠心尿による尿成分検査)にて膿尿を認めた場合、尿細菌培養と薬剤感受性試験を追加する。
○ 膀胱炎が疑われる場合は、スクリーニングとして1)と2)を行い、膿尿が認められた場合、3)と4)を追加する。

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リファレンス

img  1:  M. Grabe, R. Bartoletti, T.E. Bjerklund Johansen, T. Cai、M. Çek, B. Köves, K.G. Naber, R.S. Pickard, P. Tenke, F. Wagenlehner, B. Wullt. Guideline on Urologicl infctions. European Association of Urology 2015.
img  2:  日本感染症学会,日本化学療法学会,JAID/JSC 感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会 尿路感染症・男性性器感染症ワーキンググループ:JAID/JSC 感染症治療ガイドライン2015―尿路感染症・男性性器感染症―. 日本化学療法学会雑誌, 64(1):1-30, 2016
img  3:  日本泌尿器科学会編:泌尿器科領域における周術期感染予防ガイドライン2015、メディカルビュー社、2016
img  4:  Carolyn V. Gould, Craig A. Umscheid, Rajender K. Agarwal,Gretchen Kuntz, David A. Pegues and the  Healthcare Infection Control Practices Advisory Committee (HICPAC). GUIDELINE FOR PREVENTION OF CATHETER ASSOCIATED URINARY TRACT INFECTIONS 2009. 
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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急性単純性膀胱炎 診断・治療 アルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2017/04/27


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