統合失調症 :トップ    
監修: 上島国利 昭和大学
鈴木健文 山梨大学医学部 精神神経医学・臨床倫理学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 統合失調症とは、妄想や、幻覚、解体した会話(陽性症状)、無為自閉や、感情鈍麻、受動性(陰性症状)、および認知機能障害などを特徴とする精神科疾患である。
  1. 統合失調症は世界的に0.7%程度の発症率であり、比較的頻度の高い疾患であるにもかかわらず、未治療で放置されたり、偏見や差別、非人道的治療にさらされてきた歴史がある。早期介入により、よりよい治療効果、予後も期待されている。早期発見、早期治療が大切であることは、他の疾患同様である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 米国精神医学会の診断マニュアル(DSM-5)によれば、下記症状のうち、2つ(またはそれ以上)、おのおのが1カ月間(または治療が成功した際はより短い時間)ほとんどいつも存在する。これらのうち少なくとも1つは(1)か(2)か(3)である。同時に機能レベルの著しい低下を認め、障害の徴候が6カ月以上持続しており、他の原因を除外したうえで、統合失調症の診断に至る。
  1. (1)妄想
  1. (2)幻覚
  1. (3)まとまりのない発語(例:頻繁な脱線または滅裂)
  1. (4)ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動
  1. (5)陰性症状(すなわち感情の平板化、意欲欠如)
  1. 統合失調感情障害、妄想性障害、気分障害、物質誘発性精神障害、身体疾患に伴う精神障害、認知症などとの鑑別が重要になる。広汎性発達障害との判別は困難な場合がある。
  1. ICD-10による診断基準は、別項を参照のこと( >詳細情報 )。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 重症度判定には、概括的評価やスケールの点数を用いることもある。
  1. 予後不良と関連する因子がいくつか知られている。
 
治療: >詳細情報 
  1. 統合失調症薬物療法の原則は、抗精神病薬単剤治療である。
  1. 統合失調症における抗精神病薬の治療アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 第1選択薬として、非定型抗精神病薬が考慮されるが、定型抗精神病薬でも用量が低ければ奏効する可能性は…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の検査オーダー
  1. 統合失調症の診断は、症例の観察(症状の同定)にのみに基づき、それを決定づける客観的生物学的マーカーは今のところ存在しないため、症状をうまく引き出す(見抜く)面接技術が大変重要になる。看護者や家族からの情報も活用し、過小評価しない(見落としのない)よう留意する。
○ 治療の中心である薬物療法の効果判定の際には、多面的要因を考慮する必要がある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

統合失調症における抗精神病薬の治療アルゴリズム
治療アルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2017/05/31

編集部編集コンテンツ:
 
関連する医療事故:
  1. 統合失調症の症状の1つとして早食い、丸飲みがあり、かつ嚥下機能が低下しているケースがあるため、誤嚥、窒息のリスク評価をし適切な対応を行う:
  1. 事例:統合失調症にて精神科病棟入院中。病棟内の食堂で朝食摂取時、患者がむせ込みながら、口腔内に食物を掻き込んでいるのを看護師が発見。その後、チアノーゼが出現して心肺停止に至った(詳細情報ページ:医療事故情報 詳細表示