双極性障害 :トップ    
監修: 上島国利 昭和大学
寺尾 岳 大分大学

概要

疾患のポイント:
  1. 双極性障害は、躁病ないし軽躁病とうつ病を生じる気分障害である。
  1. 双極性障害は、躁病エピソードのある双極I型障害、軽躁病エピソードのある双極II型障害から構成される。
  1. うつ病と診断されている患者の少なくとも一部は軽躁病を伴う双極性障害であり、抗うつ薬よりも気分安定薬が奏効する。

診断: >詳細情報 
  1. 詳細情報に記載した躁病エピソードや軽躁病エピソードの診断基準を満たすエピソードがあったことがそれぞれ双極I型障害と双極I型障害の診断には必要である。
  1. 躁病エピソードの診断基準、軽躁病エピソードの診断基準: >詳細情報 
  1. 双極II型障害の診断にはさらに、うつ病エピソードの診断基準を満たすエピソードが存在したことが必要となる。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 双極性障害の重症度は、現在存在する気分エピソードの重症度や過去におけるエピソードの回数、QOLや社会的機能の障害の程度などによって規定される。
  1. 双極I型障害の場合には、一生の病気と考え、気分安定薬による予防療法を続けるのが望ましい。双極II型障害の場合もできるだけ、気分安定薬を継続する。

治療: >詳細情報 
  1. 躁病エピソードの場合や、うつ病エピソードで自殺念慮が強い場合などはすぐに専門医へ相談したほうがよい。
  1. 軽躁病エピソードの場合にはリチウムやバルプロ酸などの気分安定薬を単剤で投与する。
  1. 双極性障害のうつ病エピソードに対してもできるだけ気分安定薬で対応し、抗うつ薬は用いないように心掛ける。

専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 躁病エピソードの場合には何らかの鎮静が適宜必要となるために、専門医へ紹介する。うつ病エピソードの場合にも自殺念慮があれば、専門医に紹介する。
 
臨床のポイント:
  1. 抑うつ状態で受診しても必ず過去の躁病や軽躁病エピソードの存在を確かめる。その際家族負因も確認しておく。
  1. 双極性障害はうつ病相の期間の方が長く持続する。うつ状態への対策も重要である。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

躁病の診断時の評価例
  1. 躁状態を呈した患者が初診したときに、まずは器質性もしくは症状性の躁状態(DSM-5では、一般身体疾患による気分障害[躁病性の特徴を有するもの])を疑い、身体診察や神経学的診察を行い、さらに血液生化学、血算、甲状腺ホルモン検査、副腎皮質ホルモン検査、梅毒、頭部CT検査(もしくはMRI検査)、脳波検査などを行う。
  1. MRI検査や脳波検査が難しい場合には、頭部CTだけでも撮像する。
  1. このような器質性もしくは症状性の躁状態でないときには、DSM-5の躁病エピソードの診断基準や軽躁病エピソードの診断基準に合致するか否かを検討する。
○ 器質性もしくは症状性の躁状態が否定できる場合に、DMS-5の躁病エピソードの診断基準や軽躁病エピソードの診断基準に合致するか否かを検討する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
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(詳細はこちらを参照)

日本うつ病学会治療ガイドライン
躁病エピソードと軽躁病エピソードの違い
双極I型障害
双極II型障害
双極II型障害
著者校正/監修レビュー済
2017/04/27


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