感染性眼内炎 :トップ    
監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科
薄井紀夫 総合新川橋病院 眼科

概要

疾患のポイント:
  1. 感染性眼内炎とは病原微生物の眼内感染により生じる虹彩毛様体炎、網脈絡膜炎の総称である。
  1. 病原微生物に関して、細菌性、真菌性、ウイルス性、寄生虫性に大別される。
  1. 基本的な初期病態は、①病原微生物による眼組織への侵襲、②病原微生物に対する炎症反応で形成される。したがって、初期治療に関しては常に①②ともにマネージメントしなければならない。以下、各疾患について記す。
 
術後眼内炎:アルゴリズム
  1. 急性眼内炎:
  1. 術後急性眼内炎とは、術後発症1カ月以内に著明な前房炎症細胞、前房蓄膿、前房内のフィブリン析出を認める疾患である。原因菌の多くは、通常グラム陽性球菌である。
  1. 遅発性眼内炎:
  1. 術後遅発性眼内炎とは、白内障手術後1カ月以上経過した後に、前房炎症細胞の増加、角膜後面沈着物、水晶体嚢内のwhite plaque を認める疾患である。原因菌の多くは、グラム陽性桿菌であるPropionibacterium acnesである。
  1. 晩期眼内炎:
  1. 術後晩期眼内炎とは、緑内障手術後数カ月~数年後に、著しい結膜および毛様充血を背景に濾過胞内が白色に混濁する疾患である。
 
内因性眼内炎: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 免疫不全を背景に肝膿瘍などの化膿巣から血行性に感染を起こし発症するものを内因性(転移性)眼内炎という。
  1. 高齢者、糖尿病、臓器膿瘍、免疫抑制療法などを背景に発熱、全身倦怠感などの敗血症の症状とともに前房炎症、前房蓄膿、前房内のフィブリン析出を認めた際には内因性眼内炎を疑う。
  1. 原因菌としては肝膿瘍を背景とした肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)の頻度が最も多い。
 
外傷性眼内炎: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 外傷性眼内炎とは、穿孔性眼外傷に起因する眼内炎である。
  1. 穿孔性眼外傷を契機にグラム陽性球菌のほか、土壌中にも存在するグラム陽性桿菌(バシラス属)やグラム陰性桿菌(緑膿菌など)が起炎菌となって発症する。
 
梅毒性ぶどう膜炎: >詳細情報 <…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

細菌性眼内炎の治療例
  1. 急性細菌性眼内炎に関しては、速やかに、①抗菌薬の硝子体内注射、あるいは②抗菌薬添加灌流液を用いた硝子体手術+硝子体内注射を行う。同時に補助療法も行う。
  1. 遅発性眼内炎に関しては、①抗菌薬添加灌流液を用いた前房洗浄+水晶体嚢内洗浄+硝子体内注射、あるいは②抗菌薬添加灌流液を用いた硝子体手術+硝子体内注射を行う。同時に急性細菌性眼内炎に準じた補助療法も行う。
  1. 内因性眼内炎ではまず全身的に抗菌薬を投与する。可能であれば速やかに硝子体手術を行うが、多くの場合で全身状態が不良であり、その場合には硝子体内注射を行う。
○ 眼内炎フォローチャートアルゴリズムに従い、下記の治療法を選択する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

術後細菌性眼内炎フォローチャート
内因性(転移性)眼内炎
真菌性眼内炎のリスクファクター
角膜ぶどう膜炎
白内障術後急性眼内炎 
白内障術後遅発性眼内炎 
緑内障術後晩期眼内炎
内因性(転移性)眼内炎
梅毒性ぶどう膜炎
結核性ぶどう膜炎
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05


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