労作性胸痛 :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
門前幸志郎 医療法人社団鶴亀会 新宿海上ビル診療所

概要

症状のポイント:
  1. 労作性胸痛とは、労作(運動)に伴って認められる胸痛のことである。
  1. 胸痛は頻度の高い症状であり、緊急性が高く、早急な診断と処置が要求される機会が多い。
  1. 胸痛の性状として、症状が労作により起きるかどうかは鑑別の重要なポイントの1つである。
  1. 全身運動ではない「体動」、例えば胸部、上肢に限局した運動、姿勢の変換などが誘因となる胸痛は、一般的には心臓性のものではなく、神経疾患、消化器疾患、ないし整形外科的疾患により生じることが多い。

緊急時対応: >詳細情報 
  1. 緊急度の判定において、安定狭心症と急性冠症候群との鑑別が重要である。  <オーダーセット> 

症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 胸痛発作時に、ニトロペン舌下錠、ミオコールスプレーなどの即効性硝酸薬の投与にて、数分以内胸痛の消失が見られるかどうかは診断的治療として重要である。認められれば労作性狭心症の疑いがある。しかし胃食道逆流症の症状にもニトロ製剤が効くこともある。

入院適応: >詳細情報 
  1. 急性冠症候群の疑い、心不全、呼吸不全の合併、軽労作で症状が起こるなどリスクが高い状態、などの際には、原則として入院させる。
  1. 診断が確定されなくても、疑いが残る場合は入院させ、症状、心電図、心筋逸脱酵素などの経過を慎重にみる。

診断へのアプローチ:(身体診察 >詳細情報 ・鑑別疾患 鑑別疾患 )
  1. 労作性胸痛では、まずは労作性狭心症を念頭におき、発症時期や頻度、どの程度の運動で症状が現れるか、安静時にも症状が起きることがあるか、などの詳しい病歴聴取を行う。
  1. 症状が発現する労作強度の変化や発現頻度の変化や安静時の症状の有無は、狭心症の場合、安定狭心症と不安定狭心症との鑑別に重要である。不安定狭心症は、1)安静時狭心症、2)新たに生じた労作性狭心症、3)症状増悪型の狭心症、のいずれかの場合に疑われる。( 不安定狭心症 Braunwald分類の表参照)。…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

労作性胸痛を認める場合の主な検査
  1. 労作性狭心症を念頭におき、不安定狭心症、急性冠症候群などの緊急性の高い疾患を見落とさないようにする。
  1. 急性冠症候群、心不全、他臓器疾患が否定的な場合には、労作性狭心症の診断を進めるための検査を行う。
○ 1)2)や3)-7)の血液検査を適宜実施する。精査のため8)-12)が行われることがある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

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2016/08/05