下肢静脈怒張 :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
高木郁代1) 新本春夫2) 1)日本医科大学 循環器内科/榊原記念ク... 2)榊原記念病院

概要

症状のポイント
  1. 下肢静脈怒張(<図表>)は、静脈瘤(varicose vein = 蛇行し拡張した静脈)と病態的にはほぼ同義語である。
  1. 一次性静脈瘤( 静脈瘤 )とは、家族歴、加齢、肥満、喫煙、妊娠、職業、長時間の立位、下肢外傷など多数の危険因子が関与し発症した静脈瘤をいう。ほとんどがこのタイプである。
  1. 一方、二次性静脈瘤は、 深部静脈血栓症 (deep vein thrombosis、DVT)などにより深部静脈の還流が阻害され、表在静脈が側副血行路となるときに生じる静脈瘤である。
  1. 下肢静脈怒張を認めたら、問診・診察はもちろん、まずは下肢静脈超音波検査を行い、静脈怒張が一次性なのか、二次性なのかを見極めることが重要で、病態を正しく理解し、適切な治療を開始し、患者を無益な危険にさらさないよう努力しなければならない。
 
重症度評価
  1. 下肢静脈怒張、言い換えると拡張・緊満した静脈瘤は、病態と重症度に応じCEAP分類により(<図表>)タイプ分類されている。臨床徴候(Clinical signs)、病因(Etiologic classification)、解剖学的分布(Anatomical distribution)、病態生理(Pathophysiologic dysfunction)の4 項目からなっている。
  1. 臨床決断すべきは、肺動脈血栓塞栓症( 深部静脈血栓症 )、血栓性静脈炎、局所出血などの合併症の予防、もしくは症状・外観の改善、を目的として治療介入すべきか否かである。
  1. 合併症として最も重要なのは肺動脈血栓塞栓症であり、致死的となる場合もあるため、血栓部位のスクリーニングを積極的に行う必要がある。
  1. 血栓性静脈炎では、まずは局所の安静および消炎鎮痛薬により加療を開始し、難治性の場合は抗凝固薬の投与を検討する。
 
臨床のポイント:
  1. 問診、診察とともに下肢静脈超音波検査を実施し、一次性静脈瘤であるのか、深部静脈血栓症などに伴う深部静脈閉塞による二次性の静脈瘤であるのかを鑑別する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

治療例
  1. 各種検査により新鮮血栓の存在が明らかな場合には、下記の処方を考慮する。薬物治療には抗凝固薬であるヘパリンとワーファリンの併用を第1選択とし治療を開始する(ClassⅠ)
○ 1)または2)を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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下肢静脈怒張 診断と治療のアルゴリズム
静脈怒張
CEAP分類
著者校正/監修レビュー済
2016/08/19