視神経乳頭腫脹 :トップ    
監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科
柏井聡 愛知淑徳大学 健康医療科学部医療貢献学科視覚科学専攻

概要

症状のポイント:
  1. 検眼鏡的に視神経乳頭が腫脹している状態を、乳頭腫脹optic disc swellingと呼ぶ。乳頭浮腫disc edemaと呼ばれる場合もあるが、検眼鏡的には、文字通り間質の浮腫による腫脹か、軸索流の渋滞によって篩状板の前で増大した軸索の容積増大による腫脹であるのか、区別できないので、乳頭浮腫という用語は、混乱を招くため用いない方がよい。
  1. 視神経乳頭が隆起している場合、先天性に構造上隆起している乳頭隆起と、後天性に視神経乳頭が腫脹して隆起する乳頭腫脹に分かれる。
  1. 乳頭腫脹は、さらに、頭蓋内圧亢進に基づくうっ血乳頭(papilledema)、視神経の浸潤性ないし圧迫性病変による視神経症、および、乳頭の局所的病因による乳頭腫脹の3つに分類できる。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. うっ血乳頭は、小児では、水頭症のように可及的速やかに脳外科的な治療が必要な場合がある。また、成人と異なり小児では、うっ血乳頭は前部視神経炎との鑑別が問題となる。小児の視神経炎は、脳脊髄膜炎の部分症状として発症することが多いため、小児の後天性の視神経乳頭腫脹は、ただちに、小児神経専門医を受診させる。
  1. 高齢者で血沈の異常亢進(ESR≧50mm/時)、CRP陽性、Fibrinogen高値を認め動脈炎性前部虚血性視神経症が疑われる場合、側頭動脈の生検の結果を待たずにステロイド薬の投与を可及的速やかに開始することが、他眼への発症を予防するという観点から重要である。

症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 原疾患の治療が基本である。
 
診断へのアプローチ: >詳細情報 アルゴリズム
  1. 乳頭腫脹の診断は、ほんとうに視神経乳頭が腫れている後天性の隆起か、もともと視神経乳頭が隆起している先天的な形の異常か、細隙灯顕微鏡下に区別する(<図表>)ことから始まる。
  1. 先天性の乳頭低形成による乳頭隆起(偽性うっ血乳頭)は、眼底検査で、視神経乳頭に①生理的陥凹がなく②乳頭上の大血管系の異常(3分岐、ループ)を認めるが、③乳頭周囲の網膜神経線維層は水様透明で…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

うっ血乳頭を疑う場合の検査例
  1. うっ血乳頭が疑われる患者には、脳の画像検査が正常だからといって頭蓋内圧が正常だとは言えない。必ず、脳脊髄圧を測定する。
○ 必ず脳脊髄圧を測定する。

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(詳細はこちらを参照)

乳頭腫脹の診断フローチャート
うっ血乳頭(初期)
先天性乳頭隆起(偽性うっ血乳頭)
前部視神経炎
非動脈炎性前部虚血性視神経症眼(蒼白性腫脹)左眼
非動脈炎性前部虚血性視神経症の僚眼(小さな混雑した乳頭)右眼
レーバー星芒状網膜症(視神経網膜炎)
圧迫性視神経症
先天性と後天性の視神経乳頭隆起
乳頭の局所的病因に基づく乳頭腫脹
著者校正/監修レビュー済
2016/11/30


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