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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、または無効の場合

    • 頻脈性不整脈(心室性)

用法・用量

  • 通常、成人にはピルメノール(遊離塩基)として1回100mgを1日2回経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者[刺激伝導抑制作用により、刺激伝導障害をさらに増悪させるおそれがある。][9.1.3参照]
  • 2.2 うっ血性心不全のある患者[陰性変力作用により、症状を悪化させることがある。また、催不整脈作用により、不整脈を誘発又は悪化させることがある。]
  • 2.3 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  • 2.4 尿貯留傾向のある患者[抗コリン作用により、尿閉を悪化させるおそれがある。]
  • 2.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.6 バルデナフィル、モキシフロキサシン、アミオダロン(注射剤)又はトレミフェンクエン酸塩を投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。開始後1~2週間は入院させること。陰性変力作用により、心不全をきたすことがある。また、催不整脈作用により、不整脈を誘発又は悪化させることがあり、開始後1~2週間は心室頻拍、心室細動が発現するおそれが高い。[8.1参照]
9.1.2 高度の心拡大のある患者
陰性変力作用により、心不全をきたすおそれがある。また、催不整脈作用により、不整脈を誘発又は悪化させることがある。
9.1.3 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者(高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者を除く)
刺激伝導抑制作用により、刺激伝導障害をさらに増悪させるおそれがある。[2.1参照]
9.1.4 著明な洞性徐脈のある患者
刺激伝導抑制作用により、洞房ブロックに移行させるおそれがある。
9.1.5 血清カリウム低下のある患者
QT延長等の心電図異常が生じるおそれがある。
9.1.6 治療中の糖尿病の患者[10.2、11.1.2参照]
9.1.7 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.1.8 他の抗不整脈薬を併用している患者
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。併用時の有効性、安全性が確立していない。[8.1参照]
9.2 腎機能障害患者
少量から開始するなど用法・用量を調整するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。本剤は主に腎臓より排泄される薬剤であり、腎機能の低下している患者では、半減期が延長又は血中濃度が予想以上に上昇する可能性がある[7.、8.1、9.8、16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害患者
本剤は肝臓で代謝されるため、肝機能障害のある患者において薬物動態を変化させるおそれがある。[9.8参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳中の女性には、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで母乳中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
入院させて投与を開始することが望ましい。低用量(例えば、1回50mg)から投与を開始し、投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。高齢者では肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど、副作用が発現しやすい。[7.、8.1、9.2、9.3.1、16.6.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べること。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。[9.1.1、9.1.8、9.2、9.8参照]
8.2 本剤には抗コリン作用があり、その作用に基づくと思われる排尿障害、口渇、霧視等の症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するか投与を中止すること。
8.3 1日用量200mgを超えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
8.4 失神、めまい、ふらつき、手足のしびれ等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。[11.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤は下記のとおり腎機能障害患者では血中濃度が持続するので、内因性クレアチニンクリアランス(Ccr)を指標とした障害の程度に応じ投与量を減じるなど用法・用量を調整すること。[9.2、9.8、16.6.1参照]
・軽度~中等度障害例(30≦Ccr<70mL/min)
半減期及び血中濃度曲線下面積は、腎機能正常例に比し、それぞれ約1.5倍、約2倍に延長・増大する。
・高度障害例(Ccr<30mL/min)
半減期及び血中濃度曲線下面積は、腎機能正常例に比し、それぞれ約1.5倍、約3倍に延長・増大する。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤は他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合にのみ適用を考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)心室性期外収縮患者
心室性期外収縮患者6例に100mgを1回経口投与した場合、血漿中未変化体濃度は以下のとおりであった。
投与量(mg)Tmax(h)Cmax(μg/mL)t1/2β(h)AUC(μg・h/mL)
1002.83±0.280.78±0.1411.63±1.4311.23±3.45
平均値±標準誤差
(2)健康成人
健康成人各5例に50mg又は100mgを1回経口投与した場合、血漿中未変化体濃度は以下のとおりであった。
投与量(mg)Tmax(h)Cmax(μg/mL)t1/2β(h)AUC(μg・h/mL)
501.3±0.10.35±0.057.4±0.72.99±0.57
1001.3±0.20.86±0.109.1±0.57.35±0.94
平均値±標準誤差
16.1.2 反復投与
健康成人に1回100mgを1日2回7日間反復経口投与(食後30分)した場合、血漿中未変化体濃度は3日目で定常状態に達し、7日目の最高血漿中濃度は初回投与時の約1.6倍であった。
16.2 吸収
16.2.1 吸収率
心室性期外収縮患者に経口投与した場合、吸収率は約83%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
健康成人に100mgを1回投与した場合、吸収に及ぼす食事の影響はほとんど認められなかった。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
心室性期外収縮患者に100mgを1回投与した場合、限外ろ過法による血漿蛋白結合率は約80%であった。
16.4 代謝
ラット、イヌにおける主な代謝物はピペリジン環脱水素体であった。
16.5 排泄
16.5.1 排泄経路
主として尿中に排泄される。
16.5.2 排泄率
健康成人に50mg又は100mgを1回経口投与した場合、投与後48時間の尿中には、投与量の17~25%が未変化体として排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
クレアチニンクリアランス(Ccr)が50≦Ccr<70mL/minの軽度腎機能障害患者3例、30≦Ccr<50mL/minの中等度腎機能障害患者4例、Ccr<30mL/minの高度腎機能障害患者4例(腎機能障害患者はいずれも老年者)に100mgを1回経口投与した場合の薬物動態は以下のとおりであった。[7.、9.2、9.8参照]
患者群Tmax(h)Cmax(μg/mL)t1/2β(h)AUC(μg・h/mL)
軽度障害例1.74±0.311.13±0.0813.70±2.7115.07±1.18
中等度障害例1.70±0.631.07±0.1513.12±1.6013.63±3.35
高度障害例3.21±1.351.55±0.4013.34±1.3324.70±3.99
平均値±標準誤差

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
バルデナフィル
レビトラ
モキシフロキサシン
アベロックス
アミオダロン(注射剤)
アンカロン注
トレミフェンクエン酸塩
フェアストン
[2.6参照]
心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
糖尿病用剤
インスリン
スルホニル尿素系薬剤等
[9.1.6、11.1.2参照]
低血糖があらわれるおそれがある。本剤で低血糖があらわれることがあり、併用により血糖の低下が増強される。
ジゴキシンジゴキシンの血中濃度が上昇することがあるので、用量を調節するなど注意すること。機序は不明である。
リファンピシン本剤の血中濃度が低下することがあるので、用量を調節するなど注意すること。リファンピシンにより代謝酵素が賦活され、本剤の血中濃度が低下すると考えられる。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
スパルフロキサシン等
QT延長作用が増強するおそれがある。併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 心不全(0.6%)、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)(0.6%)、心室細動(頻度不明)、房室ブロック(頻度不明)、洞停止(頻度不明)、失神(頻度不明)[8.4参照]
11.1.2 低血糖(頻度不明)
低血糖症状があらわれた場合には、投与を中止し、ブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。[9.1.6、10.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~2%未満1%未満頻度不明
循環器動悸、胸部不快感QT延長、徐脈、心室性期外収縮、脚ブロック
血液リンパ球増多、好中球減少好酸球増多、血小板減少
肝臓AST・ALT・ALP・γ-GTP・LDH・ビリルビン上昇等の肝機能障害
腎臓クレアチニンの上昇BUNの上昇
消化器胃部不快感、悪心、胸やけ、腹痛便秘、口渇、下痢、食欲不振、嘔吐、腹部膨満感、口内炎
泌尿器排尿困難尿閉、排尿障害、尿量減少
視覚器霧視、複視
精神神経系頭痛、不眠めまい、手足のしびれ頭重感、ふらつき、眠気
過敏症発疹、蕁麻疹
その他全身倦怠感口中苦味、疲労感、気分不快感、血糖値の上昇、ほてり
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