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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○頻脈性不整脈(心室性)
  • ○糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善

用法・用量

  • <頻脈性不整脈(心室性)>

    • 通常、成人にはメキシレチン塩酸塩として、1日300mgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は450mgまで増量し、1日3回に分割し食後に経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
  • <糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善>

    • 通常、成人にはメキシレチン塩酸塩として、1日300mgを1日3回に分割し食後に経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 重篤な刺激伝導障害(ペースメーカー未使用のII~III度房室ブロック等)のある患者[刺激伝導障害の悪化、心停止を来すことがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
<糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善>
9.1.1 重篤な心不全を合併している患者
自覚症状(自発痛、しびれ感)に対する本剤の有益性が危険性(心不全の悪化、不整脈の誘発等)を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
心不全を合併している糖尿病性神経障害患者に対する安全性は確立していない。使用経験がない。
<効能共通>
9.1.2 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
心機能抑制や催不整脈作用が出現することがある。心不全を来すおそれのある患者では、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。また、開始後1~2週間は入院させること。心室頻拍、心室細動等が出現するおそれが高い。[8.1参照]
9.1.3 軽度の刺激伝導障害(不完全房室ブロック、脚ブロック等)のある患者
刺激伝導障害を悪化させることがある。[8.1参照]
9.1.4 著明な洞性徐脈のある患者
徐脈を悪化させることがある。[8.1参照]
9.1.5 心不全のある患者
心不全を悪化、不整脈を悪化・誘発させることがあり、また、本剤の血中濃度が上昇することがある。開始後1~2週間は入院させること。心室頻拍、心室細動が発現するおそれが高い。少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。[8.1参照]
9.1.6 恒久的ペースメーカー使用中あるいは一時的ペーシング中の患者
適当な間隔でペーシング閾値を測定すること。また、異常が認められた場合には直ちに減量又は投与を中止すること。本剤は心臓ペーシング閾値を上昇させる場合がある。
9.1.7 植え込み型除細動器(ICD)を使用中の患者
本剤を追加投与した場合又は本剤の投与量の変更を行った場合には、十分に注意して経過観察を行うこと。ICDの除細動閾値を上昇させる場合がある。
9.1.8 低血圧の患者
循環状態を悪化させることがある。
9.1.9 パーキンソン症候群の患者
振戦を増強させることがある。
9.1.10 血清カリウム低下のある患者
不整脈を誘発させることがある。
9.1.11 他の抗不整脈薬による治療を受けている患者
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。有効性、安全性が確立していない。[8.1、10.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
本剤の血中濃度が上昇することがある。[16.1.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
本剤の血中濃度が上昇することがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等に対する臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
入院させて開始することが望ましい。少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。[8.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べること。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。[9.1.2-9.1.5、9.1.11、9.8参照]
8.2 紅斑、水疱・びらん、結膜炎、口内炎、発熱等があらわれた場合には中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症の前駆症状である可能性があるため、投与を中止し、直ちに皮膚科専門医を受診させる等適切な処置を行うこと。[11.1.1参照]
8.3 頭がボーとする、めまい、しびれ等の精神神経系症状が発現し、増悪する傾向がある場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。また、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.4 糖尿病性神経障害の患者に投与する場合
8.4.1 本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であるので、漫然と投与しないこと。
8.4.2 糖尿病性神経障害の患者に対し1日300mgを超える投与での安全性は確立していない。使用経験が少ない。
8.4.3 2週間投与しても症状の改善が認められない場合は投与を中止し、血糖コントロールや食事療法等の適切な治療を継続すること。
8.4.4 糖尿病性神経障害の患者では、下肢の状態を十分に観察すること。本剤の投与により疼痛が緩解され、末梢血管障害性の下肢の潰瘍や壊疽の進行を看過するおそれがある。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.2 薬剤服用時の注意
食道に停留し、崩壊すると食道潰瘍を起こすことがあるので、多めの水で服用させ、特に就寝直前の服用等には注意すること。

7.用法及び用量に関連する注意

<頻脈性不整脈(心室性)>
7.1 1日用量450mgを超えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。[13.参照]
<糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善>
7.2 2週間投与しても効果が認められない場合には、投与を中止すること。[8.4.1、8.4.3参照]
7.3 1日300mgの用量を超えて投与しないこと。[8.4.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人、不整脈患者及び糖尿病性神経障害患者
健康成人に経口投与した場合、消化管からの吸収は良好で肝初回通過効果をほとんど受けず、約3~4時間で最高血漿中濃度に達する。不整脈患者及び糖尿病性神経障害患者に経口投与した場合、血漿中濃度の半減期は約10時間である。
16.1.2 腎障害患者
腎不全例に対してメキシレチン1回50mgを1日3回10日間投与したとき、定常状態での薬物動態は次のとおりである(外国人データ)。
例数クレアチニンクリアランス(mL/min)血漿中濃度(8日目)(μg/mL)血中濃度半減期(hr)
コントロール群9>750.14±0.1510.35±3.2
腎不全患者群710~300.19±0.1013.76±3.76
8<100.31±0.1515.69±4.96
16.3 分布
経口投与した場合、消化管の他に肝、腎、肺、唾液腺、脾、副腎に分布し、血液-脳関門を通過する。静脈内投与した場合の分布パターンは経口投与時と同様である(ラット)。胎児及び乳汁中にわずかに移行する(ラット)。
16.4 代謝
健康成人での主代謝産物はメキシレチンの2-ヒドロキシメチル体と4-ヒドロキシ体である(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人に経口投与した場合、24時間で60%、96時間で82%が尿中に排泄される(外国人データ)。
1回経口投与時の未変化体尿中排泄率(24時間)は約5~6%である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リドカイン
プロカインアミド
キニジン
アプリンジン
カルシウム拮抗剤
β受容体遮断剤
[9.1.11参照]
本剤の作用が増強することがある。両剤の陰性変力作用と変伝導作用が相加的又は相乗的に増強することがある。
アミオダロン[9.1.11参照]torsade de pointesを発現したとの報告がある。機序不明。
胃排出能を抑制する薬剤
モルヒネ 等
本剤の吸収が遅延することがある。モルヒネ等により胃の運動が低下し、胃内容排出時間が延長すると、本剤の吸収が遅延することがある。
肝薬物代謝酵素機能(特にチトクロームP-450系のCYP1A2及び2D6)に影響を与える薬剤本剤の血中濃度に影響を与えるおそれがある。チトクロームP-450(CYP1A2、2D6)による本剤の代謝が影響を受けるおそれがある。
シメチジン本剤の血中濃度が上昇することがある。シメチジンによりチトクロームP-450の薬物代謝が阻害され本剤の血中濃度が上昇することがある。
リファンピシン
フェニトイン
本剤の血中濃度が低下することがある。本剤の代謝が促進されることがある。
テオフィリンテオフィリンの血中濃度が上昇することがある。本剤はテオフィリンに比べ、チトクロームP-450への親和性が強く、テオフィリンの代謝が抑制される。
尿のpHをアルカリ化させる薬剤
炭酸水素ナトリウム 等
本剤の血中濃度が上昇することがある。アルカリ性尿は、本剤の腎排泄を抑制する。
尿のpHを酸性化させる薬剤
塩化アンモニウム 等
本剤の血中濃度が低下することがある。酸性尿は、本剤の腎排泄を促進する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)、紅皮症(0.3%未満)[8.2参照]
11.1.2 過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがある。
また、過敏症症候群に伴い、1型糖尿病を発症しケトアシドーシスに至った例も報告されている。
11.1.3 心室頻拍、房室ブロック(いずれも頻度不明)
心室頻拍(torsade de pointesを含む)、房室ブロックがあらわれることがある。
11.1.4 腎不全(頻度不明)
11.1.5 幻覚、錯乱(いずれも頻度不明)
11.1.6 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.7 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)
間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.8 心停止、心室細動、失神、洞房ブロック(いずれも頻度不明)、徐脈(0.1%)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~5%未満1%未満頻度不明
循環器動悸、徐脈起立時めまい、QRS延長、血圧上昇、浮腫、胸部圧迫感、心房細動、低血圧
消化器食欲不振、消化不良、腹痛胃・腹部不快感、便秘、下痢、腹部膨満感悪心・嘔吐、胸やけ、口渇
精神神経系振戦、めまい頭痛、不眠、耳鳴、眼振、複視しびれ感、眠気、いらいら感、発汗、意識障害、痙攣、譫妄、構音障害
過敏症そう痒感、発熱多形(滲出性)紅斑全身発疹、蕁麻疹、紅斑
肝臓尿ウロビリノゲンの上昇
腎臓BUN、クレアチニンの上昇腎機能障害
血液赤血球減少、ヘマトクリット減少、好酸球増加症、リンパ球減少白血球数異常、血色素量減少、血小板数異常、好中球増多、顆粒球減少
泌尿器排尿困難、尿失禁尿閉
その他咳、血清カリウム、総コレステロールの上昇、ほてり咽頭異和感、にがみ、倦怠感、足のこわばり、脱力感、味覚異常
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