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アスピリン「ヤマゼン」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○慢性関節リウマチ、リウマチ熱、変形性関節症、強直性脊椎炎、関節周囲炎、結合織炎、術後疼痛、歯痛、症候性神経痛、関節痛、腰痛症、筋肉痛、捻挫痛、打撲痛、痛風による痛み、頭痛、月経痛
  • ○下記疾患の解熱・鎮痛

    • 急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
  • ○川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)

用法・用量

  • <慢性関節リウマチ、リウマチ熱、変形性関節症、強直性脊椎炎、関節周囲炎、結合織炎、術後疼痛、歯痛、症候性神経痛、関節痛、腰痛症、筋肉痛、捻挫痛、打撲痛、痛風による痛み、頭痛、月経痛>

    • 通常、成人にはアスピリンとして、1回0.5~1.5g、1日1.0~4.5gを経口投与する。
      なお、年齢、疾患、症状により適宜増減する。
      ただし、上記の最高量までとする。
  • <急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)の解熱・鎮痛>

    • 通常、成人にはアスピリンとして、1回0.5~1.5gを頓用する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
      ただし、原則として1日2回までとし、1日最大4.5gを限度とする。また、空腹時の投与は避けることが望ましい。
  • <川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)>

    • 急性期有熱期間は、アスピリンとして1日体重1kgあたり30~50mgを3回に分けて経口投与する。解熱後の回復期から慢性期は、アスピリンとして1日体重1kgあたり3~5mgを1回経口投与する。
      なお、症状に応じて適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • <効能共通>

    • 2.1 本剤又はサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
    • 2.2 消化性潰瘍のある患者[プロスタグランジン生合成の抑制により、胃の血流量が減少し、消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。][9.1.1参照],[11.1.7参照]
    • 2.3 アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)、又はその既往歴のある患者[重症の喘息発作を誘発させるおそれがある。][9.1.4参照],[11.1.5参照]
    • 2.4 出産予定日12週以内の妊婦[9.5.1参照]
  • <川崎病以外の効能又は効果>

    • 2.5 重篤な血液の異常のある患者[血小板機能障害を起こし、血液の異常をさらに悪化させるおそれがある。][9.1.2参照],[11.1.4参照]
    • 2.6 重篤な肝機能障害のある患者[9.3.1参照],[11.1.6参照]
    • 2.7 重篤な腎機能障害のある患者[9.2.1参照]
    • 2.8 重篤な心機能不全のある患者[9.1.3参照]
  • <川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)>

    • 2.9 出血傾向のある患者[9.1.9参照],[11.1.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
<効能共通>
9.1.1 消化性潰瘍の既往歴のある患者
消化性潰瘍を再発させることがある。[2.2参照],[11.1.7参照]
9.1.2 血液の異常又はその既往歴のある患者(川崎病以外の効能又は効果で重篤な血液の異常のある患者を除く)
血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。[2.5参照],[11.1.4参照]
9.1.3 心機能異常のある患者(川崎病以外の効能又は効果で重篤な心機能不全のある患者を除く)
心機能をさらに悪化させるおそれがある。腎のプロスタグランジン生合成を抑制し、浮腫、循環体液量の増加が起こり、心臓の仕事量が増加する。[2.8参照]
9.1.4 気管支喘息のある患者(アスピリン喘息又はその既往歴のある患者を除く)
アスピリン喘息でないことを十分に確認すること。気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では重篤な喘息発作を誘発させることがある。[2.3参照],[11.1.5参照]
9.1.5 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者
本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある。
9.1.6 アルコール常飲者
消化管出血を誘発又は増強することがある。[10.2参照],[11.1.2参照]
9.1.7 手術、心臓カテーテル検査又は抜歯前1週間以内の患者
術前の投与は慎重に行うこと。手術、心臓カテーテル検査又は抜歯時の失血量を増加させるおそれがある。また、手術前1週間以内にアスピリンを投与した例では失血量が有意に増加したとの報告がある。
9.1.8 感染症を合併している患者
必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。
<川崎病以外の効能又は効果>
9.1.9 出血傾向のある患者
出血傾向を助長するおそれがある。血小板機能異常が起こることがある。[2.9参照],[11.1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
<川崎病以外の効能又は効果>
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
投与しないこと。腎機能障害をさらに悪化させるおそれがある。[2.7参照]
<効能共通>
9.2.2 腎機能障害又はその既往歴のある患者(川崎病以外の効能又は効果で重篤な腎機能障害のある患者を除く)
腎機能障害を悪化又は再発させるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
<川崎病以外の効能又は効果>
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。肝機能障害をさらに悪化させるおそれがある。[2.6参照],[11.1.6参照]
<効能共通>
9.3.2 肝機能障害又はその既往歴のある患者(川崎病以外の効能又は効果で重篤な肝機能障害のある患者を除く)
肝機能障害を悪化又は再発させるおそれがある。[11.1.6参照]
9.5 妊婦
9.5.1 出産予定日12週以内の妊婦
投与しないこと。妊娠期間の延長、動脈管の早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加につながるおそれがある。海外での大規模な疫学調査では、妊娠中のアスピリン服用と先天異常児出産の因果関係は否定的であるが、長期連用した場合は、母体の貧血、産前産後の出血、分娩時間の延長、難産、死産、新生児の体重減少・死亡などの危険が高くなるおそれを否定できないとの報告がある。また、ヒトで妊娠末期に投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。さらに、妊娠末期のラットに投与した実験で、弱い胎児の動脈管収縮が報告されている。[2.4参照]
9.5.2 妊婦(出産予定日12週以内の妊婦は除く)又は妊娠している可能性のある女性
<効能共通>
(1)治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。動物実験(ラット)で催奇形性作用があらわれたとの報告がある。妊娠期間の延長、過期産につながるおそれがある。
<川崎病以外の効能又は効果>
(2)投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与すること。
9.6 授乳婦
授乳中の女性には本剤投与中は授乳を避けさせること。母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
<効能共通>
9.7.1 副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用があらわれやすい。
9.7.2 本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群注)との関連性を示す疫学調査報告がある。
<川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)>
9.7.3 本剤投与中の15歳未満の患者が水痘、インフルエンザを発症した場合には、投与を中断することを原則とするが、やむを得ず投与を継続する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群注)との関連性を示す疫学調査報告がある。
注)ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST・ALT・LDH・CKの急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である。
9.8 高齢者
副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始し必要最小限の使用にとどめるなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用があらわれやすい。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.2 過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う小児及び高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
8.3 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・長期投与する場合には、定期的に尿検査、血液検査及び肝機能検査等を行うこと。また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること。
・薬物療法以外の療法も考慮すること。
8.4 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・疼痛、発熱の程度を考慮し投与すること。
・原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
・原因療法があればこれを行うこと。
<川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)>
8.5 急性期に対して投与する場合には、適宜、肝機能検査を行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること。肝機能障害の報告がある。[11.1.6参照]
8.6 長期投与する場合には、定期的に尿検査、血液検査及び肝機能検査等を行うこと。また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること。肝機能障害の報告がある。[11.1.4参照],[11.1.6参照],[11.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ性製剤と配合しないこと。
14.1.2 湿潤しやすい製剤との配合は望ましくない。
14.2 薬剤投与時の注意
本剤は空腹時の服用を避けることが望ましい。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 他の消炎鎮痛剤との併用を避けることが望ましい。[10.2参照]
<川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)>
7.2 原則として川崎病の診断がつき次第、投与を開始することが望ましい。
7.3 川崎病では発症後数カ月間、血小板凝集能が亢進しているので、川崎病の回復期において、本剤を発症後2~3カ月間投与し、その後断層心エコー図等の冠動脈検査で冠動脈障害が認められない場合には、本剤の投与を中止すること。冠動脈瘤を形成した症例では、冠動脈瘤の退縮が確認される時期まで投与を継続することが望ましい。
7.4 川崎病の治療において、低用量では十分な血小板機能の抑制が認められない場合もあるため、適宜、血小板凝集能の測定等を考慮すること。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝固剤
クマリン系抗凝固剤
(ワルファリンカリウム)
[11.1.2参照]
クマリン系抗凝固剤の作用を増強し、出血時間の延長、消化管出血等を起こすことがあるので、クマリン系抗凝固剤を減量するなど、慎重に投与すること。本剤は血漿蛋白に結合したクマリン系抗凝固剤と置換し、遊離させる。また、本剤は血小板凝集抑制作用、消化管刺激による出血作用を有する。
抗凝固剤
血液凝固阻止剤
(ヘパリン製剤、ダナパロイドナトリウム、第Xa因子阻害剤(リバーロキサバン等)、抗トロンビン剤(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等)、トロンボモデュリン アルファ等)
[11.1.2参照]
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
(チクロピジン塩酸塩、シロスタゾール、クロピドグレル硫酸塩、トロンボキサン合成酵素阻害剤(オザグレルナトリウム)、プロスタグランジンE1製剤、E1及びI2誘導体製剤(ベラプロストナトリウム等)、サルポグレラート塩酸塩、イコサペント酸エチル等)
[11.1.2参照]
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
血栓溶解剤
(ウロキナーゼ、t-PA製剤等)
[11.1.2参照]
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
糖尿病用剤
(ヒトインスリン等)
糖尿病用剤の作用を増強し、低血糖を起こすことがあるので糖尿病用剤を減量するなど、慎重に投与すること。本剤は血漿蛋白に結合した糖尿病用剤を遊離させる。
また、本剤は大量で血糖降下作用を有する。
メトトレキサートメトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化器障害等)が増強されることがある。本剤は血漿蛋白に結合したメトトレキサートと置換し、遊離させる。
また、本剤はメトトレキサートの腎排泄を阻害すると考えられている。
バルプロ酸ナトリウムバルプロ酸ナトリウムの作用を増強し、振戦等を起こすことがある。本剤は血漿蛋白に結合したバルプロ酸ナトリウムを遊離させる。
フェニトイン総フェニトイン濃度を低下させるが、非結合型フェニトイン濃度を低下させないとの報告があるので、総フェニトイン濃度に基づいて増量する際には臨床症状等を慎重に観察すること。本剤は血漿蛋白に結合したフェニトインと置換し、遊離させる。
炭酸脱水酵素阻害剤
(アセタゾラミド等)
これら薬剤の副作用を増強し、嗜眠、錯乱等の中枢神経系症状、代謝性アシドーシス等を起こすことが報告されている。本剤は血漿蛋白に結合したこれら薬剤と置換し、遊離させる。
副腎皮質ホルモン剤
(ベタメタゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン等)
サリチル酸中毒を起こすことが報告されている。機序は不明である。併用時に、副腎皮質ホルモン剤を減量するとサリチル酸系製剤の血中濃度が増加したとの報告がある。
リチウム製剤
(炭酸リチウム)
類薬(インドメタシン等)でリチウム中毒を起こすことが報告されている。類薬(インドメタシン等)は腎のプロスタグランジン生合成を抑制し、リチウムの腎排泄を低下させる。
チアジド系利尿剤
(ヒドロクロロチアジド)
類薬(インドメタシン等)でチアジド系利尿剤の作用を減弱させることが報告されている。類薬(インドメタシン等)は腎のプロスタグランジン生合成を抑制し、チアジド系利尿剤の作用を減弱させることがある。
尿酸排泄促進剤
(プロベネシド、ベンズブロマロン)
これらの薬剤の作用を減弱させることがある。サリチル酸製剤は尿酸の排泄を抑制することが知られているため、これら薬剤の効果が減弱すると考えられる。
乳酸ナトリウム本剤の作用を減弱させることがある。乳酸ナトリウムにより尿がアルカリ性となり、サリチル酸の尿中排泄が増加し、血中濃度が治療域以下になることがある。
非ステロイド系解熱鎮痛消炎剤
インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム等
[7.1参照],[11.1.2参照]
(1)これら薬剤の血中濃度を低下させるおそれがある。
(2)消化器系の副作用を増強させるおそれがある。
(3)出血及び腎機能低下を起こすことがある。
(1)本剤との併用により、これら薬剤の血漿蛋白結合部位からの遊離置換によると考えられる。
(2)、(3)機序不明
非ステロイド系解熱鎮痛消炎剤
オキシカム系消炎鎮痛剤
(ピロキシカム等)
[7.1参照],[11.1.7参照]
両剤又は一方の薬剤の副作用の発現頻度を増加させ、消化性潰瘍、胃腸出血の発現が高まるおそれがある。両剤ともにプロスタグランジン生合成阻害作用を有するためと考えられている。
非ステロイド系解熱鎮痛消炎剤
スリンダク
[7.1参照]
消化器系の副作用の発現率が上昇する。
また、スリンダクの活性代謝物(スルフィド体)の血中濃度が低下する。
機序不明
非ステロイド系解熱鎮痛消炎剤
イブプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、スルピリン
[7.1参照]
本剤の血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある。血小板のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)と本剤の結合を阻害するためと考えられる。
非ステロイド系解熱鎮痛消炎剤
COX-2選択的阻害剤
(セレコキシブ)
[7.1参照]
低用量の本剤(1日325mg以下)とセレコキシブを併用した場合、セレコキシブのみを服用したときに比べて消化性潰瘍等の発生率が高くなることが報告されている。主に本剤併用によるNSAIDsの消化管障害誘発によると考えられる。
ドネペジル塩酸塩
[11.1.7参照]
消化性潰瘍を起こすことがある。コリン系が賦活され胃酸分泌が促進される。
β-遮断剤
(プロプラノロール塩酸塩等)
降圧作用が減弱することがある。本剤がプロスタグランジン生合成を抑制することにより、プロスタグランジンを介した降圧効果を減弱させる。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤
(カプトプリル等)
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤
(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)
アンジオテンシンII受容体拮抗剤
(バルサルタン等)
直接的レニン阻害剤
(アリスキレン)
(1)降圧作用が減弱することがある。
(2)腎機能を悪化させるおそれがある。
(1)本剤がプロスタグランジン生合成を抑制することにより、プロスタグランジンを介した降圧効果を減弱させる。
(2)本剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
ループ利尿剤
(フロセミド等)
(1)これらの薬剤の利尿作用を減弱させるおそれがある。
(2)サリチル酸中毒が発現するおそれがある。
(1)本剤が腎のプロスタグランジン生合成を抑制することにより、これら薬剤の作用を減弱させるためと考えられる。
(2)腎の排泄部位において両剤の競合が起こり、サリチル酸誘導体の排泄が遅れるためと考えられる。
ニトログリセリンニトログリセリンの作用を減弱させるおそれがある。本剤がプロスタグランジン生合成を抑制することにより、ニトログリセリンの血管拡張作用を減弱させる。
タクロリムス水和物、シクロスポリン腎機能障害が発現することがある。腎機能障害の副作用が相互に増強されると考えられる。
プロスタグランジンD2、トロンボキサンA2受容体拮抗剤
(セラトロダスト、ラマトロバン)
ヒト血漿蛋白結合に対する相互作用の検討(in vitro)において、本剤によりこれら薬剤の非結合型分率が上昇することがある。これら薬剤が本剤と血漿蛋白結合部位で置換し、遊離型血中濃度が上昇すると考えられる。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
(フルボキサミンマレイン酸塩、塩酸セルトラリン等)
[11.1.2参照]
皮膚の異常出血(斑状出血、紫斑等)、出血症状(胃腸出血等)が報告されている。SSRIの投与により血小板凝集が阻害され、本剤との併用により出血傾向が増強すると考えられる。
アルコール
[9.1.6参照],[11.1.2参照]
消化管出血が増強されるおそれがある。アルコールによる胃粘膜障害と本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、相加的に消化管出血が増強すると考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショックやアナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
11.1.2 出血(頻度不明)
脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等があらわれることがある。[2.9参照],[9.1.6参照],[9.1.9参照],[10.2参照]
11.1.3 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)
11.1.4 再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少(いずれも頻度不明)[2.5参照],[8.6参照],[9.1.2参照]
11.1.5 喘息発作の誘発(頻度不明)[2.3参照],[9.1.4参照]
11.1.6 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。[2.6参照],[8.5参照],[8.6参照],[9.3.1参照],[9.3.2参照]
11.1.7 消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍(いずれも頻度不明)
下血(メレナ)を伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍、消化管出血、腸管穿孔を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがある。[2.2参照],[9.1.1参照],[10.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
消化器食欲不振、胸やけ、悪心・嘔吐、胃痛、腹痛、胃腸障害、便秘、下痢、食道炎、口唇腫脹、吐血、胃部不快感
過敏症蕁麻疹、発疹、浮腫、鼻炎様症状
血液(注1)貧血、血小板機能低下(出血時間の延長)
皮膚そう痒、発汗
精神神経系めまい、頭痛、興奮
肝臓(注1)AST上昇、ALT上昇
腎臓(注1)腎機能障害
循環器血圧低下、血管炎、心窩部痛
呼吸器気管支炎
感覚器耳鳴、難聴、角膜炎、結膜炎
その他(注2)過呼吸、代謝性アシドーシス、倦怠感、低血糖

(注1)[8.6参照]
(注2)血中濃度が著しく上昇していることが考えられる。

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