今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 松浦誠 岩手医科大学 薬学部 臨床薬学講座 地域医療薬学分野

監修: 中原 保裕 (有)ファーマシューティカルケア研究所

著者校正/監修レビュー済:2024/11/27
参考ガイドライン:
  1. WHO(世界保健機関):WHO方式がん疼痛治療法2018改訂
  1. 日本緩和医療学会:がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2020年版)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、下記の点を加筆・修正した。
  1. 販売中止となった医薬品を削除した。
  1. 2024年10月8日、アスピリン、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)について添付文書改定が行われ、注意喚起がなされている。
  1. アスピリンおよび非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)について添付文書の「重大な副作用」の項に「心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性」事象が追加された。
  1. 低用量アスピリン製剤を除くNSAIDsについて、添付文書の「特定の背景を有する患者に関する注意」の妊婦の項に、「シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児の動脈管収縮が起きたとの報告がある」の追記がなされた。

概要・推奨   

  1. 鎮痛薬には、アセトアミノフェン、NSAIDs(アントラニル酸系・サリチル酸系・ピリン系・アリール酢酸系・塩基性・プロピオン酸系・オキシカム系・コキシブ系・ブコローム・ジメトチアジン)、麻薬性鎮痛薬(アヘンアルカロイド:モルヒネ、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロモルフォン)合成麻薬性鎮痛薬(フェンタニル、レミフェンタニル、メサドン、タペンタドール、ペチジン)、非麻薬性鎮痛薬(トラマドール、ペンタゾシン、ブプレノルフィン)、神経性疼痛緩和薬、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液などが存在する。
  1. また、片頭痛に対しては急性期治療薬(カフェイン、トリプタン系薬5-HT1F受容体作動薬[ジタン系]、予防薬が存在する。
  1. 麻薬性鎮痛薬、合成麻薬性鎮痛薬、モルヒネ様活性を有する内因性、合成ペプチド類をオピオイド(Opioid)という。
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総論 

疼痛医療の基本  
  1. 疼痛医療の基本として、下記のWHO方式がある[1]。ただし、病状が進行すると経口投与が困難となることも少なくないため、貼付薬(経皮投与)、坐薬(直腸内投与)、持続皮下注射、持続静脈注射などの経口以外の投与経路も考えておく必要がある。
  1. 薬物の種類、剤形の特徴を理解し、患者に合わせて選択する。
  1. 2018年の「WHO方式がん疼痛治療法」でby the ladderは削除された。
  1. できるだけ経口薬を選択する(by the mouth)。
  1. 痛みが起きる前に定期的に使用する(by the clock)。
  1. それぞれの患者ごとに投与量を調整する(for the individual)。
  1. 副作用対策、レスキューの設定、鎮痛補助薬の投与などの細かい設定を行う(with attention to detail)。
  1. 疼痛強度が軽度(NRS3以下)の場合アセトアミノフェン、NSAIDsを用い、中等度から高度(NRS4以上)の場合は強オピオイド(モルヒネ、ヒドロモルフォン、オキシコドン、フェンタニル)を用いる。
  1. 強オピオイドの投与ができないとき、弱オピオイド(コデイン、トラマドール)を用いる。

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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
松浦誠 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:中原 保裕 : 原稿料(学研)[2024年]

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