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エトキシスクレロール1%注射液

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮

用法・用量

  • 本剤は、経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に用いるものである。
    通常、成人には1穿刺あたり本剤1~3mLを食道静脈瘤周囲に注入する。なお、注入量は静脈瘤の状態及び患者の病態により適宜増減するが、1内視鏡治療あたりの総注入量は30mL以内とする。

禁忌 

【警告】

  • 本剤による内視鏡的食道静脈瘤硬化療法では、ときにショック等の重篤な副作用が起こることがある。[2.1、2.5、8.2、9.1.2、11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 ショックあるいは前ショック状態にある患者。[ショックによる障害を起こし易い。][1.、2.5、8.2、9.1.2、11.1.1参照]
  • 2.2 多臓器障害あるいは播種性血管内凝固症候群(DIC)状態の患者。[全身状態が悪いので障害が起こり易い。][11.1.2参照]
  • 2.3 胃潰瘍出血、十二指腸潰瘍出血又は胃びらん出血のある患者。[食道静脈瘤塞栓の結果、血行路の変化による胃・十二指腸部出血悪化のおそれがある。]
  • 2.4 内視鏡検査が危険と判断される患者。[内視鏡的食道静脈瘤硬化療法で障害が起こり易い。]
  • 2.5 重篤な心疾患のある患者。[用量依存性の血圧降下作用(心拍数減少、心伝導系抑制作用)によると考えられるショックのおそれがある。][1.、2.1、8.2、9.1.2、11.1.1参照]
  • 2.6 動脈硬化又は糖尿病性細小血管症のある患者。[末梢血管病変が悪化するおそれがある。]
  • 2.7 血液凝固阻止剤を使用している患者。[血栓形成が抑制・阻害されるおそれがある。]
  • 2.8 投与部位並びにその周辺に炎症又は潰瘍のある患者。[催炎作用により既存炎症の悪化、また潰瘍部よりの出血のおそれがある。]
  • 2.9 妊娠初期(妊娠3ケ月以内)の女性。[9.5.1、9.5.2参照]
  • 2.10 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。[8.2、11.1.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 全身消耗性疾患を有する患者
全身状態が悪くなるおそれがある。
9.1.2 心疾患のある患者
用量依存性の血圧降下作用(心拍数減少、心伝導系抑制作用)によると考えられるショックのおそれがある。[1.、2.1、2.5、8.2、11.1.1参照]
9.1.3 発熱のある患者
催炎性物質であり、発熱症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
腎機能障害が悪化するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
肝機能障害が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
9.5.1 妊娠初期(妊娠3ケ月以内)の女性
投与しないこと。動物実験(ラット)で妊娠初期に胎児への移行が報告されている。[2.9参照]
9.5.2 妊婦(妊娠3ケ月以内の女性を除く)又は妊娠している可能性のある女性
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。動物実験(ウサギ)において器官形成期の投与により胚胎児死亡率の増加及び胎児体重の低下が報告されている。[2.9参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
用量に注意すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は、内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に十分な知識及び経験のある医師が使用すること。
8.2 ときに、ショック等の重篤な症状を起こすことがあるので、内視鏡的食道静脈瘤硬化療法施行に際しては、十分に問診し、患者の全身状態を観察し、異常が生じた場合直ちに中止すること。使用に際しては、救急処置がとれるようにすること。[1.、2.1、2.5、2.10、9.1.2、11.1.1参照]
8.3 本剤の投与により食道血腫を形成することがあるので、経過観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 希釈して使用しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 注入量は必要最小限にとどめること。
14.2.2 食道静脈瘤内へ使用しないこと。

5.効能又は効果に関連する注意

患者の選択にあたっては、内視鏡的食道静脈瘤硬化療法の適応患者であることを十分に確認すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
ラット及びイヌに14C標識ポリドカノール(2mg/kg)を静脈内投与したとき、血中からのポリドカノールの消失は比較的速やかであった。また、ラット及びイヌのいずれにおいても、血漿中濃度が血中濃度を上回った。
16.3 分布
ラットに14C標識ポリドカノール(2mg/kg)を静脈内投与したとき、投与1時間後に、腎、肝に高濃度で認められた。14C標識ポリドカノールを24時間毎4回の反復静脈投与で、14C標識ポリドカノールの蓄積は認められなかった。また、血液-脳関門通過性は低く、胎盤の通過性は分化の進む妊娠後期(19日目)には低下した。哺育中ラットに14C標識ポリドカノール(2mg/kg)静脈内投与したとき、乳汁中放射能濃度は投与後30分に最高濃度に達したのち、6時間から48時間まで半減期17時間で消失した。
16.4 代謝
イヌに14C標識ポリドカノール(2mg/kg)を静脈内投与したとき、尿中に5種類のポリドカノール代謝体を認め、その代謝体は尿より検出された全放射能の40%を占めた。
16.5 排泄
ラット及びイヌに14C標識ポリドカノール(2mg/kg)を静脈内投与したとき、ラットでは、48時間後に投与量の約100%(尿中約43%、糞中約57%)が排泄され、イヌでは、72時間後に投与量の約97%(尿中約61%、糞中約37%)が排泄された。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
モノエタノールアミンオレイン酸塩同時投与を避けることが望ましい。1内視鏡治療で同時に使用すると、食道潰瘍、食道狭窄、胸水貯留の発現率が高くなることが報告されている。同様の作用機序を有する。
麻酔剤麻酔剤の心臓に対する作用(抗不整脈作用)を増強することがある。本剤は当初、麻酔剤として開発されたものであり、本剤の心拍数減少、心伝導系抑制作用により、相互に心機能抑制作用を増強させることが考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
喘鳴、呼吸困難、血圧低下、意識消失、全身潮紅、蕁麻疹、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)等があらわれることがある。[1.、2.1、2.5、2.10、8.2、9.1.2参照]
11.1.2 播種性血管内凝固症候群(DIC)(1%未満)[2.2参照]
希少疾病用医薬品で臨床試験データが限定的であり、アンケート結果を含む発現頻度である。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
血液血小板減少、貧血白血球増加、プロトロンビン時間延長、白血球減少脳血管障害、菌血症、門脈血栓、好酸球増多
食道食道潰瘍食道狭窄食道びらん・潰瘍出血、血腫食道静脈瘤出血、食道穿孔
消化器嚥下障害出血性胃炎、嘔気、嘔吐胃・十二指腸潰瘍出血
胸部胸痛胸水貯留、縦隔炎
肺炎、肺塞栓
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇
肝臓AST・ALT・ビリルビン・LDHの上昇、アルブミン低下Al-P・アンモニアの上昇、血清総蛋白減少
その他発熱心窩部痛、尿糖陽性

希少疾病用医薬品で臨床試験データが限定的であり、アンケート結果を含む発現頻度である。

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