製品名 タナトリル錠2.5
タナトリル錠5
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- 一般名
- Imidapril Hydrochloride
- 薬効分類
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降圧薬>ACE阻害薬
- 価格
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2.5mg1錠:29円/錠
5mg1錠:47.6円/錠
- 製薬会社
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- 製造販売元:田辺三菱製薬株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 高血圧症、腎実質性高血圧症
- 1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症
用法・用量
高血圧症、腎実質性高血圧症
- 通常、成人にはイミダプリル塩酸塩として5~10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、重症高血圧症、腎障害を伴う高血圧症又は腎実質性高血圧症の患者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。
1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症
- 通常、成人にはイミダプリル塩酸塩として5mgを1日1回経口投与する。ただし、重篤な腎障害を伴う患者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分に対し、過敏症の既往歴のある患者
- 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)〔呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。〕
- デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者〔ショックを起こすことがある。〕(「相互作用」の項参照)
- アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者〔アナフィラキシーを発現することがある。〕(「相互作用」の項参照)
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕
- アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
- 副作用
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- 呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫(自発報告につき頻度不明)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤の投与及び気道確保等の適切な処置を行うこと。
- 重篤な血小板減少(0.1%未満)があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 急性腎障害(自発報告につき頻度不明)、また、腎機能障害の増悪(0.1%未満)があらわれることがあるので、腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重篤な高カリウム血症(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
- 紅皮症(剥脱性皮膚炎)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、天疱瘡様症状(いずれも自発報告につき頻度不明)があらわれることがあるので、紅斑、水疱、そう痒、発熱、粘膜疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、汎血球減少があらわれたとの報告があるので、このような異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、膵炎があらわれたとの報告があるので、血中のアミラーゼ、リパーゼの上昇等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 注意
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次の患者には慎重に投与すること
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 高カリウム血症の患者〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 腎機能障害のある患者〔<用法・用量に関連する使用上の注意>及び「重大な副作用」の項参照〕
- 脳血管障害のある患者〔過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させることがある。〕
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
- 高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。
- アリスキレンフマル酸塩を併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
- 1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症の場合、投与初期(1ヶ月以内)に急速に腎機能の悪化や高カリウム血症が発現するおそれがあるので、投与初期は血清クレアチニン値及び血清カリウム値を測定し、急速な腎機能の悪化や血清カリウム値の上昇が認められた場合には減量あるいは投与中止などの適切な処置を行うこと。
- 本剤の投与により、次の患者では、初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
- 重症の高血圧症患者
- 血液透析中の患者
- 利尿降圧剤投与中の患者(特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者)
- 厳重な減塩療法中の患者
- 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
- 手術前24時間は投与しないことが望ましい。
- 薬剤交付時
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。〕
- クレアチニンクリアランスが30mL/分以下、又は血清クレアチニンが3mg/dL以上の重篤な腎機能障害のある患者では、投与量を半量にするか、若しくは投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。〔排泄の遅延による過度の血圧低下及び腎機能を悪化させるおそれがある。〕(「慎重投与」及び【薬物動態】の項参照)
- 低用量(例えば2.5mg)から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
- 本剤は主として腎臓から排泄されるが、一般に高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがあり、副作用が発現又は作用が増強しやすい。
- 高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。〔妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。〕
- 授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。〔動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。〕
- 小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
- 本剤は、未変化体のほかに4種の代謝物が検出・同定されているが、これらの代謝物の中で活性を有する代謝物はジアシド体(イミダプリラート)のみである。
- 血漿中濃度
- 単回投与
- 健康成人に本剤10mgを単回経口投与した場合、イミダプリルは投与2時間前後に最高血漿中濃度に達し、以後約2時間の半減期で減少した。一方、活性代謝物であるイミダプリラートの血漿中濃度は投与後6~8時間に最高血漿中濃度(約15ng/mL)に達した後、半減期約8時間で緩徐に血漿中より消失した。
- 反復投与
- 健康成人
- 健康成人に本剤10mgを1日1回、7日間反復経口投与した時のイミダプリラートの血漿中濃度は投与3~5日目で定常状態に達した。
- 健康成人に本剤10mgを1日1回、7日間反復経口投与した時の薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ イミダプリル イミダプリラート 初回投与 反復投与 初回投与 反復投与 Cmax(ng/mL) 28.9 27.1 7.8 20.3 Tmax(h) 2.0 2.3 9.3 7.0 t1/2(h) 1.7 1.6 14.8 7.6 AUC0-24h(ng・h/mL) 113.3 113.6 107.8 246.6 (平均値,n=6)
- 腎障害患者
- 高度腎障害を伴う高血圧症患者(血清クレアチニン:3.3,2.9,1.9mg/dL)に本剤5mgを1日1回反復経口投与した時の血漿中イミダプリラート濃度推移は、腎障害を伴わない高血圧症患者に10mgを投与した成績と比較すると、最高血漿中濃度到達時間(Tmax)の延長(約11時間)ならびに消失半減期の延長(約18時間)が認められた。腎障害患者の最高血漿中濃度(Cmax)(約18ng/mL)は腎障害を伴わない患者の値(約11ng/mL)に比べ高かった。
- 代謝、排泄
- 健康成人に本剤10mgを単回経口投与した場合、投与後24時間までの尿中総排泄率は投与量の25.5%である。