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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 片頭痛

用法・用量

  • 通常、成人にはゾルミトリプタンとして1回2.5mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。
    なお、効果が不十分な場合には、追加投与をすることができるが、前回の投与から2時間以上あけること。
    また、2.5mgの経口投与で効果が不十分であった場合には、次回片頭痛発現時から5mgを経口投与することができる。
    ただし、1日の総投与量を10mg以内とすること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれることがある。]
  • 2.3 脳血管障害や一過性脳虚血性発作の既往のある患者[脳血管障害や一過性脳虚血性発作があらわれることがある。]
  • 2.4 末梢血管障害を有する患者[症状を悪化させる可能性が考えられる。]
  • 2.5 コントロールされていない高血圧症の患者[一過性の血圧上昇を引きおこすことがある。]
  • 2.6 エルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤、あるいは他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与中の患者[10.1参照]
  • 2.7 モノアミン酸化酵素阻害剤(MAO阻害剤)を投与中、あるいは投与中止2週間以内の患者[10.1、16.7.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 虚血性心疾患の可能性のある患者
例えば、以下のような患者では不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある。[11.1.2参照]
・虚血性心疾患を疑わせる重篤な不整脈のある患者
・閉経後の女性
・40歳以上の男性
・冠動脈疾患の危険因子を有する患者
9.1.2 ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群(WPW症候群)又は他の心臓副伝導路と関連した不整脈のある患者[11.1.3参照]
9.1.3 脳血管障害の可能性のある患者
脳血管障害があらわれるおそれがある。
9.1.4 てんかんあるいは痙攣を起こしやすい器質的脳疾患のある患者
てんかん様発作が発現したとの報告がある。[11.1.5参照]
9.1.5 コントロールされている高血圧症患者
一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇が少数の患者でみられたとの報告がある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度又は重度肝機能障害患者
血中濃度が上昇するおそれがある。[7.3、16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で経口投与後に乳汁中への移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 心血管系の疾患が認められない患者においても、重篤な心疾患が極めてまれに発生することがある。このような場合は以後の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.2 本剤を含むトリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。[11.1.4参照]
8.3 片頭痛あるいは本剤投与により眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤はブリスターシートから取り出して服用すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 ブリスターシートから取り出す際には、指の腹で押し出さず、裏面の目印箇所からシートを剥がして本剤を取り出すこと。
14.1.3 本剤は吸湿性を有するため、使用直前にブリスターシートから取り出すこと。
14.1.4 本剤は口腔内で速やかに崩壊することから唾液のみ(水なし)でも服用可能であるが、口腔粘膜から吸収されることはないため、水なしで服用した場合は唾液で飲み込むこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は片頭痛の頭痛発現時に限り使用し、予防的に使用しないこと。
7.2 本剤投与により全く効果が認められない場合は、その発作に対して追加投与をしないこと。このような場合は、再検査の上、頭痛の原因を確認すること。
7.3 重度肝機能障害患者では、1日の総投与量を5mg以内とするなど慎重に投与すること。[9.3.1、16.6.2参照]
7.4 CYP1A2阻害剤と併用する場合は、本剤の1日の総投与量を5mg以内とするなど慎重に投与すること。[10.2参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤は、国際頭痛学会による片頭痛診断基準により、「前兆のない片頭痛」あるいは「前兆のある片頭痛」と診断が確定された場合にのみ使用すること。特に次のような患者は、クモ膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与すること。
5.1.1 今までに片頭痛と診断が確定したことのない患者
5.1.2 片頭痛と診断されたことはあるが、片頭痛に通常みられる症状や経過とは異なった頭痛及び随伴症状のある患者
5.2 家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛あるいは眼筋麻痺性片頭痛の患者には投与しないこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)RM錠
欧米人健康成人18名(男女各9名)にRM錠2.5mg各2錠(5mg)を単回経口投与したときの未変化体及び活性代謝物(N-脱メチル体)の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す。
単回投与時の血漿中薬物濃度の推移(幾何平均±標準偏差、n=18:女性9、男性9)
・未変化体
・N-脱メチル体
薬物動態パラメータ(n=18:女性9、男性9)
Cmax注1)
(ng/mL)
AUC0-∞注1)
(ng・hr/mL)
Tmax注2)
(hr)
t1/2注3)
(hr)
未変化体8.82
(5.81~13.39)
51.06
(31.34~83.19)
2.98
(0.57~5.00)
2.90
(0.35)
N-脱メチル体5.83
(4.77~7.12)
36.47
(30.47~43.64)
3.00
(1.02~5.98)
2.97
(0.48)
注1)幾何平均(幾何平均-標準偏差~幾何平均+標準偏差)注2)中央値(範囲)注3)平均(標準偏差)
(2)普通錠
・日本人における成績
日本人健康成人30名(男女各15名)にゾルミトリプタン2.5mgを単回経口投与したときの未変化体及び活性代謝物(N-脱メチル体)の薬物動態パラメータを以下に示す。
ゾルミトリプタンのAUC及びCmaxは、女性が男性より約50%高値を示した。
薬物動態パラメータ(n=30:女性15、男性15)
Cmax注4)
(ng/mL)
AUC0-∞注4)
(ng・hr/mL)
Tmax注5)
(hr)
t1/2注6)
(hr)
未変化体5.23
(3.64~7.50)
24.98
(17.22~36.24)
3.00
(1.00~5.00)
2.40
(0.30)
N-脱メチル体3.51
(2.78~4.44)
18.72
(14.93~23.49)
3.00
(1.50~5.00)
2.35
(0.45)
注4)幾何平均(幾何平均-標準偏差~幾何平均+標準偏差)注5)中央値(範囲)注6)平均(標準偏差)
・外国人における成績
欧米人健康成人に単回経口投与したとき、速やかに吸収され、吸収率は高かった(64%以上)。投与後1時間以内に最高血漿中濃度(Cmax)の約3/4に達し、その後4~6時間血漿中濃度が維持された。未変化体及びN-脱メチル体は、ゾルミトリプタン2.5~10mgの用量範囲で用量依存のAUC及びCmaxを示した。絶対生物学的利用率は約40%であり、また、初回通過効果を受ける。
16.1.2 反復投与
日本人健康成人男子9名にゾルミトリプタン2.5mgを初回投与量として1日3回(5時間間隔で服用)2日間反復経口投与し、10mgまで漸次増量したとき、反復投与による薬物動態に与える影響はみられなかった。
16.1.3 生物学的同等性
RM錠及び普通錠を経口投与したとき、それぞれの剤型で未変化体及びN-脱メチル体の血漿中濃度推移はほぼ同じであり、両剤型は生物学的に同等である(外国人でのデータ)。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
食後投与では空腹時と比べ未変化体のCmax及びAUCが各々13%及び16%低下したが、N-脱メチル体では変化がなく、食事による臨床使用上の影響は受けなかった(外国人でのデータ)。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合
ヒト血漿蛋白に対する結合率は、10~1000ng/mLの範囲でほぼ一定で約20%であった(in vitro)。
16.4 代謝
本剤は主に肝臓でCYP1A2及びA型モノアミン酸化酵素(MAO)により代謝され尿中及び糞中に排泄される。主代謝物はN-脱メチル体、N-酸化体、インドール酢酸体(血漿中及び尿中の主代謝物)の3種である(外国人でのデータ)。[10.参照]
16.5 排泄
ゾルミトリプタン25mgを単回経口投与したとき、投与量の60%以上が主にインドール酢酸体として尿中に排泄され、約30%が主に未変化体として糞中に排泄される(外国人でのデータ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能障害患者にゾルミトリプタン10mgを単回経口投与したとき、N-脱メチル体のAUCは健康人と比べて約35%高値であったが、未変化体及びN-脱メチル体のCmaxは健康人と差はほとんどみられなかった。また、腎機能障害患者における未変化体及びN-脱メチル体のt1/2は、健康人に比べ約1時間の延長がみられた。これらの薬物動態パラメータは健康人で認められる範囲である(外国人でのデータ)。
16.6.2 肝機能障害患者
ゾルミトリプタン10mgを単回経口投与したとき、健康人に比べて、中等度肝機能障害患者では未変化体のAUC及びCmaxが各々94%及び50%増加し、重度肝機能障害患者では各々226%及び47%増加した。N-脱メチル体については、中等度肝機能障害患者ではAUC及びCmaxが各々33%及び44%、重度肝機能障害患者では各々82%及び90%低下した。
未変化体のt1/2は健康人に比べて、中等度肝機能障害患者で57%、重度肝機能障害患者で157%延長した。N-脱メチル体のt1/2は健康人に比べて、中等度肝機能障害患者で32%、重度肝機能障害患者で37%延長した(外国人でのデータ)。[7.3、9.3.1参照]
16.6.3 高齢者
高齢者と非高齢者の血漿中濃度は類似している。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 モクロベミド
少数(12例)の健康人において、ゾルミトリプタンとモクロベミド(A型MAO阻害剤;本邦未承認)を併用したとき、未変化体のAUC及びCmaxが各々26%及び23%、N-脱メチル体のAUC及びCmaxが各々213%及び154%増加した(外国人でのデータ)。[2.7、10.1参照]
16.7.2 その他の薬剤
少数(12~18例:試験毎に異なる)の健康人において、エルゴタミン酒石酸塩とカフェインの合剤、ジヒドロエルゴタミン、プロプラノロール、アセトアミノフェン、メトクロプラミド、リファンピシン、セレギリン(B型MAO阻害剤)、フルオキセチン(選択的セロトニン再取り込み阻害剤;本邦未承認)、ピゾチフェン(5-HT拮抗剤;本邦未承認)とゾルミトリプタンを併用したとき、臨床上留意すべき相互作用は示唆されていない(外国人でのデータ)。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
エルゴタミン
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)
エルゴタミン誘導体含有製剤
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット)、
エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリンF)、
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン)
[2.6参照]
血圧の上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
5-HT1B/1D受容体作動薬
スマトリプタンコハク酸塩(イミグラン)、
エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)、
リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト)、
ナラトリプタン塩酸塩(アマージ)
[2.6参照]
血圧の上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。併用により相互に作用を増強させる。
MAO阻害剤
[2.7、16.7.1参照]
本剤及び活性代謝物の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。A型MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP1A2阻害剤
シメチジン、
フルボキサミンマレイン酸塩、
キノロン系抗菌剤(シプロフロキサシン塩酸塩等)等
[7.4参照]
本剤及び活性代謝物の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加する。本剤の主要代謝酵素であるCYP1A2を阻害するため、作用が増強される可能性が考えられる。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
フルボキサミンマレイン酸塩、
パロキセチン塩酸塩水和物等
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
ミルナシプラン塩酸塩、
デュロキセチン塩酸塩
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)があらわれることがある。セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させる。5-HT1B/1D受容体作動薬との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
11.1.2 不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状(頻度不明)
本剤投与後、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれることがある。このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。[9.1.1、11.2参照]
11.1.3 頻脈(WPW症候群における)(頻度不明)
WPW症候群の典型的症状である重篤な発作性頻脈が、本剤を投与したWPW症候群の既往のある患者で認められている。[9.1.2参照]
11.1.4 薬剤の使用過多による頭痛(頻度不明)[8.2参照]
11.1.5 てんかん様発作(頻度不明)[9.1.4参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1%以上5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症じん麻疹、血管浮腫等の過敏症状
循環器動悸高血圧頻脈、消化管の虚血又は梗塞注1)(腸管虚血、腸管梗塞、脾梗塞等)
消化器悪心、口内乾燥、嘔吐、腹痛下痢嚥下困難
精神神経系傾眠、めまい、知覚減退、知覚過敏、異常感覚、頭痛
泌尿器頻尿多尿、尿意切迫
筋・骨格系筋脱力筋肉痛
その他無力症、熱感、重圧感注2)、絞扼感注2)、疼痛注2)、圧迫感注2)、倦怠感疲労

なお、発現頻度は承認時までの国内臨床試験(普通錠)及び使用成績調査(普通錠及びRM錠)の合計より算出した。
注1)血性下痢又は腹痛を呈することがある。
注2)これらの症状は通常一過性であるが、ときに激しい場合があり、胸部、咽喉頭部を含む身体各部でおこる可能性がある。また、痛みは頭痛、筋肉痛、関節痛、背部痛、頚部痛等を含む。[11.1.2参照]

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