製品名 フルデカシン筋注25mg

一般名
Fluphenazine Decanoate
薬効分類
抗精神病薬
 >抗精神病薬(フェノチアジン系)
価格
25mg1mL1瓶:1489円/瓶

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 統合失調症

用法・用量

  • 通常成人には,フルフェナジンデカン酸エステルとして1回12.5mg~75mgを4週間隔で筋肉内注射する.
    薬量及び注射間隔は病状又は本剤による随伴症状の程度に応じて適宜増減並びに間隔を調節する.
    なお,初回用量は,可能な限り少量より始め,50mgを超えないものとする.
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 昏睡状態の患者〔昏睡状態を悪化させるおそれがある.〕
  • バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者〔中枢神経抑制剤の作用を延長し増強させる.〕
  • 重症の心不全患者〔症状を悪化させるおそれがある.〕
  • パーキンソン病の患者〔錐体外路症状を悪化させるおそれがある.〕
  • フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
  • アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)(「相互作用」の項参照)
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
  • クロザピンを投与中,あるいは投与を検討されている患者〔クロザピンは原則として単剤で使用し,他の抗精神病薬とは併用しないこととされている.〕(「相互作用」の項参照)
原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが,特に必要とする場合には慎重に投与すること

  • 皮質下部の脳障害(脳炎,脳腫瘍,頭部外傷後遺症等)の疑いがある患者〔高熱反応があらわれるおそれがあるので,このような場合には全身を氷で冷やすか,又は解熱剤を投与するなど適切な処置を行うこと.〕
副作用
Syndrome malin(悪性症候群)(0.1%未満)
無動緘黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合は,投与を中止し,体冷却,水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと.本症発症時には,白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある.なお,高熱が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し,死亡した例が報告されている.
無顆粒球症,白血球減少(いずれも頻度不明)
無顆粒球症,白血球減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
麻痺性イレウス(0.1%未満)
腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し,麻痺性イレウスに移行することがあるので,腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること.なお,この悪心・嘔吐は,本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること.
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと.
遅発性ジスキネジア(頻度不明)
抗精神病薬の長期投与により,遅発性ジスキネジア(口周部,四肢等の不随意運動)が発症することがある.通常,抗パーキンソン剤を投与しても,この症状は軽減しない場合があり,本剤投与の継続の必要性を,他の抗精神病薬への変更も考慮して慎重に判断すること.
肺塞栓症,深部静脈血栓症(いずれも頻度不明)
抗精神病薬において,肺塞栓症,静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので,観察を十分に行い,息切れ,胸痛,四肢の疼痛,浮腫等が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
突然死
他のフェノチアジン系化合物には血圧降下,心電図異常(QT間隔の延長,T波の平低化や逆転,二峰性T波ないしU波の出現等)につづく突然死が報告されているので,特にQT部分に変化があれば投与を中止すること.また,フェノチアジン系化合物投与中の心電図異常は,大量投与されていた例に多いとの報告がある.
再生不良性貧血
他のフェノチアジン系化合物(クロルプロマジン)で,再生不良性貧血があらわれることが報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,減量又は投与を中止すること.
眼障害
他のフェノチアジン系化合物(クロルプロマジン)の長期又は大量投与により,角膜・水晶体の混濁,網膜・角膜の色素沈着があらわれることが報告されている.
SLE様症状
他のフェノチアジン系化合物(クロルプロマジン)で,SLE様症状があらわれることが報告されている.
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

肝障害又は血液障害のある患者〔肝障害又は血液障害を悪化させるおそれがある.〕
褐色細胞腫,動脈硬化症あるいは心疾患の疑いのある患者〔血圧の急速な変動がみられることがある.〕
重症喘息,肺気腫,呼吸器感染症等の患者〔呼吸抑制があらわれることがある.〕
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣閾値を低下させることがある.〕
薬物過敏症の患者
脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい.〕
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
高温環境にある者〔体温調節中枢を抑制するため,環境温度に影響されるおそれがある.〕

重要な基本的注意

本剤は,抗精神病薬の長期投与が必要な慢性精神病患者に使用するものである.本剤を用いる場合は,過去の治療で抗精神病薬の投与により症状が安定した患者に投与することが望ましい.
本剤の投与にあたっては,本剤が持効性製剤であることを考慮して,初回用量は患者の既往歴,病状,過去の抗精神病薬への反応に基づいて決める.なお,複数の抗精神病薬を使用している場合は,可能な限り整理した後,できるだけ低用量より始め,必要に応じ漸増することが望ましい.投与初期に用量の不足による精神症状の再発の可能性も考えられるが,その場合には原則として,本剤以外の抗精神病薬の追加が望ましい.また,次回投与時にはその間の十分な臨床観察を参考に用量調節を行う必要がある.
本剤による副作用の種類はフルフェナジン製剤のそれと同様のものであるが,本剤が持効性製剤であり,直ちに薬物を体外に排除する方法がないため,副作用の予防,副作用発現時の処置,過量投与等について十分留意する必要がある.
本剤投与においても,他のフルフェナジン製剤と同様,Syndrome malin(悪性症候群)や重篤な錐体外路症状に対しては抗パーキンソン剤等による対症療法を速やかに行うこと(「副作用」の項参照).
誤用等による過量投与により呼吸抑制,血圧低下,過度の鎮静等が生じた場合には,気道の確保,人工呼吸,輸液・血漿・アルブミン製剤・ノルアドレナリン等の昇圧剤(アドレナリンは禁忌)等による血圧の確保等の処置を行うこと.
眠気,注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること.
制吐作用を有するため,他の薬剤に基づく中毒,腸閉塞,脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること.
抗精神病薬において,肺塞栓症,静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので,不動状態,長期臥床,肥満,脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること.

適用上の注意

投与経路
筋肉内注射にのみ使用し,深部に注射すること.
筋肉内注射時
筋肉内注射により局所の硬結,疼痛,発赤,腫脹等がみられることがある.
筋肉内注射にあたっては,組織・神経等への影響を避けるため,下記の点に注意すること.
同一部位への反復注射は避けること.また,小児には特に注意すること.
神経走行部位を避けるよう注意すること.
注射針を刺入したとき,激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合には,直ちに針を抜き,部位をかえて注射すること.

高齢者への投与

高齢者では錐体外路症状,脱力感,運動失調,排泄障害が起こりやすいので,患者の状態を観察しながら,慎重に投与すること.

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと.〔本剤は動物実験で催奇形性作用は認められていないが,死産児の増加が認められている.類似化合物(フルフェナジンエナント酸エステル)で動物における催奇形性が報告されている.また,妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合,新生児に哺乳障害,傾眠,呼吸障害,振戦,筋緊張低下,易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある.〕
授乳中の婦人に投与する場合には,授乳を中止させること.〔動物実験で乳汁中への移行がみられている.〕

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない.(使用経験がない.)

薬物動態

血漿中濃度
統合失調症患者(6例)にフルフェナジンデカン酸エステル(FD)25mgを1回筋肉内投与後の血漿中フルフェナジン濃度は,1日目以降0.12~0.64ng/mLで推移し,投与後28日目には0.15~0.21ng/mLを示した.また,4週間隔で投与した連続投与試験では,血漿中フルフェナジン濃度は個体差はあるものの5回投与でほぼプラトーに達した.12回にわたる長期投与例においてもプラトーに達した後は血漿中濃度の上昇傾向は認められなかった.
FD25mg投与後の血漿中フルフェナジン濃度(GC/MS法)
代謝<参考>外国人のデータ
フルフェナジンデカン酸エステルは筋肉内投与後緩徐に血中に移行し,エステラーゼによりフルフェナジンに変換される.その後は肝臓で代謝され,主代謝物として,7-ヒドロキシフルフェナジン及びフルフェナジンスルホキシドが同定された.7-ヒドロキシフルフェナジン及びフルフェナジンスルホキシドはフルフェナジン同様ドパミン受容体を遮断する作用を有する.
排泄<参考>外国人のデータ
統合失調症患者(3例)にフルフェナジンデカン酸エステル25mgを単回筋肉内投与後の累積尿糞中回収率(30日間)は10~23%であった.
チトクロームP450の分子種
CYP2D6