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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○統合失調症
  • ○術前・術後の悪心・嘔吐
  • ○メニエル症候群(眩暈、耳鳴)

用法・用量

  • ペルフェナジンとして、通常、成人1回2~5mgを筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 昏睡状態、循環虚脱状態の患者[これらの状態を悪化させるおそれがある。]
  • 2.2 バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制剤の作用を延長し増強させる。]
  • 2.3 アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)[10.1参照]
  • 2.4 フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 皮質下部の脳障害(脳炎、脳腫瘍、頭部外傷後遺症等)の疑いがある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。高熱反応があらわれるおそれがあるので、このような場合には全身を氷で冷やすか、又は解熱剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
9.1.2 血液障害のある患者
血液障害を悪化させるおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.3 褐色細胞腫又はパラガングリオーマ、動脈硬化症あるいは心疾患の疑いのある患者
血圧の急速な変動がみられることがある。
9.1.4 重症喘息、肺気腫、呼吸器感染症等の患者
呼吸抑制があらわれることがある。
9.1.5 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣閾値を低下させることがある。
9.1.6 高温環境にある患者
体温調節中枢を抑制するため、環境温度に影響されるおそれがある。
9.1.7 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者
Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい。[11.1.1参照]
9.1.8 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。[11.1.8参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス、ラット)で、催奇形作用(口蓋裂の増加)が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与された場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状(新生児薬物離脱症候群)や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。
9.6 授乳婦
投与中及び投与後一定期間は授乳しないことが望ましい。ヒトで母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
幼児、小児では錐体外路症状、特にジスキネジアが起こりやすい。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
少量から投与を開始するなど患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。起立性低血圧、錐体外路症状、脱力感、運動失調、排泄障害等が起こりやすい。

8.重要な基本的注意

8.1 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.2 制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。[11.1.4参照]
8.3 治療初期に起立性低血圧があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には減量等適切な処置を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
接触皮膚炎、蕁麻疹等の過敏症状を起こすことがあるので、直接の接触を極力避け、付着のおそれのあるときはよく洗浄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 筋肉内注射時
(1)筋肉内投与により局所の発赤、発熱、腫脹、壊死、化膿等がみられることがある。
(2)筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため、下記の点に注意すること。
・同一部位への反復注射は行わないこと。また低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児には特に注意すること。
・神経走行部位を避けるよう注意すること。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
14.2.2 投与速度
起立性低血圧があらわれることがあるので、注射方法について十分注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 経口投与が困難な場合や緊急の場合、また、経口投与が不十分と考えられる場合にのみ使用すること。なお、経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には、速やかに経口投与にきりかえること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
ペルフェナジンは、遺伝的多型を有する薬物代謝酵素CYP2D6(チトクロームP450分子種の一つ)により代謝される。CYP2D6の遺伝的欠損者におけるペルフェナジンの血清中濃度は、正常者の約2倍高い濃度になるという報告事例もある。また、その報告事例において、2~24mg/manの経口投与で、欠損者と正常者の定常状態におけるペルフェナジン血清中濃度の範囲は0.5~12nmol/Lであった(外国人のデータ)。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アドレナリン
(アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)
(ボスミン)
[2.3参照]
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧低下を起こすことがある。アドレナリンはアドレナリン作動性α,β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧低下作用が増強される。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経抑制剤
(バルビツール酸誘導体・麻酔剤等)
睡眠(催眠)・精神機能抑制の増強、麻酔効果の増強・延長、血圧低下等を起こすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。なお、バルビツール酸誘導体等の抗痙攣作用は、フェノチアジン系薬剤との併用によっても増強されることはないので、この場合抗痙攣剤は減量してはならない。相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。
降圧剤起立性低血圧等を起こすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。相互に降圧作用を増強させることがある。
アトロピン様作用を有する薬剤口渇、眼圧上昇、排尿障害、頻脈、腸管麻痺等を起こすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。相互にアトロピン様作用を増強させることがある。
アルコール
(飲酒)
眠気、精神運動機能低下等を起こすことがある。相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。
ドンペリドン
メトクロプラミド
内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現するおそれがある。ともに中枢ドパミン受容体遮断作用を有する。
リチウム心電図変化、重症の錐体外路症状、持続性のジスキネジア、突発性のSyndrome malin(悪性症候群)、非可逆性の脳障害を起こすおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。機序は不明であるが、併用による抗ドパミン作用の増強等が考えられている。
ドパミン作動薬
(レボドパ製剤、ブロモクリプチンメシル酸塩)
相互に作用を減弱させることがあるので、投与量を調節するなど慎重に投与すること。ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる。
パロキセチン塩酸塩水和物本剤の作用が増強され、過鎮静及び錐体外路症状が発現したとの報告があるので、減量するなど慎重に投与すること。本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。
有機燐殺虫剤縮瞳、徐脈等の症状があらわれることがあるので接触しないように注意すること。本剤は有機燐殺虫剤の抗コリンエステラーゼ作用を増強し毒性を強めることがある。
アドレナリン含有歯科麻酔剤
(リドカイン・アドレナリン)
重篤な血圧低下を起こすことがある。アドレナリンはアドレナリン作動性α,β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧低下作用が増強されるおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 Syndrome malin(悪性症候群)(頻度不明)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。[9.1.7参照]
11.1.2 突然死(頻度不明)
血圧低下、心電図異常(QT間隔の延長、T波の平低化や逆転、二峰性T波ないしU波の出現等)に続く突然死が報告されているので、特にQT部分に変化があれば投与を中止すること。また、フェノチアジン系化合物投与中の心電図異常は、大量投与されていた例に多いとの報告がある。
11.1.3 再生不良性貧血、無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)[9.1.2参照]
11.1.4 麻痺性イレウス(0.1%未満)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。[8.2参照]
11.1.5 遅発性ジスキネジア(0.1~5%未満)
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ投与中止後も持続することがある。
11.1.6 眼障害(頻度不明)
長期又は大量投与により、角膜・水晶体の混濁、角膜の色素沈着があらわれることがある。
11.1.7 SLE様症状(頻度不明)
11.1.8 肺塞栓症、深部静脈血栓症(いずれも頻度不明)
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[9.1.8参照]
11.1.9 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
注)発現頻度は、再評価結果を含む。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
循環器血圧低下、頻脈、不整脈、心疾患悪化
血液白血球減少症、顆粒球減少症、血小板減少性紫斑病
消化器食欲亢進、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、便秘
肝臓肝障害
錐体外路症状パーキンソン症候群(手指振戦、筋強剛、流涎等)、ジスキネジア(口周部、四肢等の不随意運動等)、ジストニア(眼球上転、眼瞼痙攣、舌突出、痙性斜頸、頸後屈、体幹側屈、後弓反張等)、アカシジア(静坐不能)
縮瞳、視覚障害
内分泌体重増加、女性化乳房、乳汁分泌、月経異常
精神神経系不眠、眩暈、頭痛、不安、興奮、易刺激
過敏症過敏症状、光線過敏症
その他口渇、鼻閉、倦怠感、浮腫、皮膚の色素沈着

注)発現頻度は、再評価結果を含む。

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