薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
麻酔剤 セボフルラン プロポフォール フェンタニル等 | 過剰の交感神経抑制を来すおそれがあるので、注意すること。 | 相互に作用(交感神経抑制作用)を増強させる。 |
筋弛緩剤 スキサメトニウム等 | 脱分極性筋弛緩剤の筋弛緩作用時間を延長することがあるので、注意すること。 | 本剤はスキサメトニウムの筋弛緩作用時間を延長したとの報告がある。 |
交感神経系抑制剤 | 交感神経系の過剰の抑制(徐脈、心不全等)を来すことがあるので、減量するなど注意すること。 | 相互に作用(交感神経抑制作用)を増強させる。 |
カルシウム拮抗剤 ベラパミル ジルチアゼム ニフェジピン等 | 低血圧、徐脈、房室ブロック等の伝導障害、心不全が発現するおそれがあるので、減量するなど注意すること。 | 相互に作用(心収縮力や刺激伝導系の抑制作用、降圧作用等)を増強させる。 |
降圧作用を有する他の薬剤 ニトロプルシドナトリウム等 | 降圧作用を増強することがあるので、減量するなど適切な処置を行うこと。 | 相互に降圧作用を増強させる。 |
モルヒネ | 本剤の作用が増強する可能性があるので、注意すること。 | モルヒネは本剤の全血中濃度を上昇させたとの報告がある。 |
血糖降下剤 インスリン アセトヘキサミド等 | 血糖降下作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。 | 血糖値が低下するとカテコールアミンが副腎から分泌され、肝でのグリコーゲンの分解を促し、血糖値を上昇させる。この時、肝臓のβ受容体が遮断されていると、カテコールアミンによる血糖上昇作用が抑えられ、血糖降下作用を増強させる可能性がある。 |
クラスI抗不整脈剤 ジソピラミド プロカインアミド等 アナモレリン塩酸塩 | 過度の心機能抑制(徐脈、心停止等)があらわれることがあるので、減量するなど注意すること。 | 相互に作用(心機能抑制作用)を増強させる。 |
ジギタリス製剤 | 房室伝導時間が延長し、徐脈、房室ブロック等が発現することがあるので注意すること。 | 相互に作用(心刺激伝導抑制作用)を増強させる。 |
交感神経作動薬 アドレナリン等 | 相互の薬剤の効果が減弱する。また血管収縮、血圧上昇、徐脈を来すことがあるので注意すること。 | β遮断剤により末梢血管のβ受容体が遮断された状態でアドレナリン等の交感神経作動薬が投与されるとα受容体を介する血管収縮作用だけがあらわれる。副交感神経の反射による徐脈を来す可能性がある。 |
コリンエステラーゼ阻害剤 ネオスチグミン ジスチグミン臭化物 エドロホニウム塩化物等 | 本剤の代謝を阻害し、作用が増強及び作用時間が延長するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はエステラーゼで代謝されるため、これらの薬剤との併用により本剤の作用が増強及び作用時間が延長するおそれがある。 |
クロニジン塩酸塩 グアナベンズ酢酸塩 | クロニジン塩酸塩又はグアナベンズ酢酸塩投与中止後のリバウンド現象(血圧上昇)を増強する可能性がある。手術前数日以内にこれらの薬剤を投与中止した場合には、本剤の投与を慎重に行うこと。 | クロニジン塩酸塩を中止すると、血中カテコールアミンが上昇し、血圧上昇を来す。β遮断剤を投与すると、カテコールアミンによるα刺激作用が優位になり、血管収縮がさらに増強されるおそれがある。 グアナベンズ酢酸塩も作用機序から同様な反応が予想される。 |
パシレオチドパモ酸塩 | 併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められるおそれがあるので、注意すること。 | いずれも徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。 |
フィンゴリモド塩酸塩 | フィンゴリモド塩酸塩の投与開始時に併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがあるので、注意すること。 | いずれも徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。 |
セリチニブ | 徐脈を起こすおそれがあるので、可能な限り併用しないこと。 | いずれも徐脈を起こすおそれがある。 |