製品名 ブレビブロック注100mg

一般名
esmolol hydrochloride
薬効分類
降圧薬
 >β遮断薬(β1選択性)
価格
100mg10mL1瓶:3316円/瓶

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 手術時の上室性頻脈性不整脈に対する緊急処置

用法・用量

  • 通常、成人には1回0.1mL/kg(エスモロール塩酸塩として1mg/kg)を30秒間で心電図の連続監視下に静脈内に投与する。
    なお、年齢、症状により適宜減量する。
  • 引き続き持続投与を行う場合は、0.9mL/kg/時(150μg/kg/分)の投与速度で持続静脈内投与を開始し、適宜投与速度を調節し、目標とする心拍数を維持する。
    なお、持続投与は、年齢、症状により適宜低用量から開始する。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤及び他のβ遮断剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。]
  • 洞性徐脈、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
  • 心原性ショックの患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
  • 肺高血圧による右心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
  • うっ血性心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
  • 未治療の褐色細胞腫の患者[「用法・用量に関連する使用上の注意(2)」の項参照]
副作用
心不全(頻度不明*注、末梢性虚血(1%未満)
このような症状があらわれた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
心停止、高度徐脈、房室ブロック(1%未満)
このような症状があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
気管支痙攣、呼吸困難、喘鳴(1%未満)
このような症状があらわれた場合には、減量又は中止し、必要に応じてβ2作動薬を用いるなど適切な処置を行うこと。
痙攣発作、血栓性静脈炎(頻度不明*注、肺水腫(1%未満)
このような症状があらわれた場合には中止するなど適切な処置を行うこと。
低血圧(23.0%)
このような症状があらわれた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
*注:海外において認められている副作用のため頻度不明
心不全(頻度不明*注、末梢性虚血(1%未満)
このような症状があらわれた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
痙攣発作、血栓性静脈炎(頻度不明*注、肺水腫(1%未満)
このような症状があらわれた場合には中止するなど適切な処置を行うこと。
*注:海外において認められている副作用のため頻度不明
注意

次の患者には慎重に投与すること

低血圧症の患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
左室収縮機能障害のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者[症状を引き起こすおそれがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与する。]
異型狭心症の患者[症状が悪化するおそれがある。]
低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者[低血糖からの回復が遷延するおそれがある。]
重篤な腎機能障害のある患者、重篤な血液疾患の患者[薬物の代謝・排泄が影響を受けるおそれがある。]
末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)[末梢循環障害が増悪するおそれがある。]
房室ブロック(I度)のある患者[房室伝導時間が延長し、症状が悪化するおそれがある。]
出血量の多い患者、脱水症状のある患者、血液透析を行っている患者[本剤投与により血圧低下を来すおそれがある。]
高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]
洞性頻脈に対して本剤を投与する場合は、心筋虚血の発生及びその悪化のリスクを有する患者における心筋酸素需給バランスの維持等、頻脈処置の必要性を十分考慮し、患者の基礎疾患や合併症の内容、手術内容及びRate Pressure Product(RPP)等より、心拍数の上昇を抑える必要がある場合にのみ適用を考慮すること(「効能・効果に関連する使用上の注意」の項参照)。また、頻脈による心筋虚血の発生及びその悪化のリスクが通常の手術患者より高い冠動脈バイパス術施行患者等では、RPPが高くない場合(12000以下)でも本剤を必要とすることがある。なお、本剤による心拍数の上昇の抑制は、心筋虚血の発生及びその悪化のリスクを軽減することが期待できると考えられるが、海外では本剤使用にもかかわらず心筋虚血の重篤例が報告されている。また国内でもCK-MB(CPK-MB)の上昇例が認められており、心電図や経食道心エコーなどにより患者状態を慎重に観察すること。
本剤の投与は心電図による監視、血圧の測定などの心機能検査を行いながら慎重に行うこと。
心不全の徴候又は症状が見られた場合は本剤を直ちに中止し、適切な処置を行うこと[「8.過量投与」3)心不全の項参照]。
本剤は緊急処置を要する場合に必要な期間のみの投与にとどめること。患者の状態を十分観察し、緊急治療の必要性がなくなった場合は、漫然と継続投与しないこと。
持続投与を行う場合、単回投与に比べて低血圧及び徐脈の発現頻度が増加することから、患者状態を慎重に観察すること。
気管挿管時頻脈に対して本剤を使用する場合、血圧の低下を来しやすいため、患者の麻酔状態や循環動態を十分に観察すること。
投与時
静注点滴において皮膚の湿潤や血管外漏出による皮膚の落屑や壊死が起きることが報告されているので、点滴の側管を利用するなど、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。
本剤を持続投与するにあたっては、投与速度の調節可能な注入器具(シリンジポンプ等)を使用すること。
本剤の単回投与により効果を認めたものの、その後頻脈が再発し、再投与が必要な場合には、少なくとも5分間の投与間隔を置くこと(「臨床成績」及び「薬物動態」の項参照)。
褐色細胞腫の患者では、他のβ遮断剤投与により急激に血圧が上昇したとの報告があるため、褐色細胞腫の患者に投与する場合には、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を投与すること。
国内臨床試験において、本剤150μg/kg/分を超える速度に増量することによる有効性の増強は証明されておらず、国内臨床試験において、本剤300μg/kg/分を超える速度での投与経験はないことを踏まえ、用量調節に当たっては、心拍数、血圧等の変化に十分注意すること。
洞性頻脈においては、その原因検索及びその除去が重要であることに十分留意するとともに、本剤の効果が心拍数の減少であることを踏まえて、本剤は緊急処置として必要に応じて使用すること(「2.重要な基本的注意(1)」の項参照)。
高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
高齢者では一般に過度の血圧降下、高度の徐脈が起きた場合には脳梗塞等が起こるおそれがある。
高齢者では、エスモロール塩酸塩の消失半減期の延長がみられることがある。
高齢者では生理機能が低下していることが多く、本剤の作用が強く発現するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、胎児及び母体に影響が及ぶ可能性を十分に考慮し、治療上の有益性が危険性を上回る場合にだけ投与すること。[妊娠末期又は陣痛ないし分娩時に本剤を使用すると、胎児の徐脈を引き起こしたとの報告がある。また、動物実験(ヒツジ)において胎児移行率は低かったが、胎児の心拍数を低下させたとの報告がある。高用量持続投与時の血中代謝物濃度において子宮平滑筋のオキシトシン収縮を抑制する可能性も示唆されている(ラット)。]
授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
全血中濃度
健康成人にエスモロール塩酸塩を1000μg/kgの用量で30秒間かけて単回静脈内投与した時、全血中未変化体は3.6分の半減期で消失し、AUCは3.8μg・min/mL、クリアランスは243mL/min/kg、分布容積は1320mL/kgであった(表1)。代謝物であるASL-8123は投与後100分で最高全血中濃度を示し、約3.5時間の半減期で消失した。
表1
Cmax(μg/mL)AUC(μg・min/mL)t1/2(min)CL(mL/min/kg)Vd(mL/kg)
1.83±0.873.8±0.83.58±1.03243.4±61.11320.3±696.3
(平均±標準偏差)
健康成人にエスモロール塩酸塩を25,50,100,及び200μg/kg/分で1時間持続静脈内投与した時、全血中未変化体濃度(平均±標準偏差)は、それぞれ0.14±0.06,0.17±0.14,0.56±0.23及び1.07±0.47μg/mLであった。
高齢者(70~76歳)にエスモロール塩酸塩を1000μg/kgの用量で30秒間かけて単回静脈内投与した時、健康成人と比較して未変化体のクリアランスが低下した(表2)。
表2
Cmax(μg/mL)AUC(μg・min/mL)t1/2(min)CL(mL/min/kg)Vd(mL/kg)
5.11±2.507.6±2.610.8±10.7135.1±69.62010.5±2009.4
(平均±標準偏差)
手術患者にエスモロール塩酸塩を1000μg/kgの用量で30秒間かけて単回静脈内投与した時、投与後初期の全血中未変化体濃度は健康成人と比較して高かった(表3)。
表3
対象投与量(μg/kg)測定時期(投与終了時)
1分2分15分
健康成人10001.01±1.210.65±0.580.01±0.01
手術患者10003.49±1.900.59±0.320.05±0.04
(平均±標準偏差)(単位:μg/mL)
手術患者にエスモロール塩酸塩を150μg/kg/分及び300μg/kg/分で1時間持続投与したときの投与終了時における全血中未変化体濃度(平均±標準偏差)はそれぞれ2.09±0.87μg/mL及び3.03±1.56μg/mLであった。
(参考)繰り返し投与による影響
健康成人にエスモロール塩酸塩を1000μg/kgの用量で30秒間かけて単回静脈内投与した時の2コンパートメントモデル解析による全血中未変化体薬物動態パラメータを用いた5分間隔の繰り返し投与のシミュレーションでは、繰り返し投与による未変化体濃度の上昇は認められなかった。
代謝・排泄
エスモロール塩酸塩は血球中エステラーゼにより代謝(加水分解)される。健康成人にエスモロール塩酸塩を1000μg/kgの用量で30秒間かけて単回静脈内投与した場合、投与後24時間までに未変化体としては1%以下、代謝物であるASL-8123は約80%が尿中に排泄された。
肝・腎障害時の薬物動態(外国試験成績 参考)
肝障害患者にエスモロール塩酸塩を200μg/kg/分の投与量で4時間静脈内持続投与した時、未変化体及び代謝物の全血中薬物動態には影響はなかった。腎障害患者にエスモロール塩酸塩を150μg/kg/分の投与量で4時間静脈内持続投与した時、全血中のASL-8123の半減期が約10倍に延長し、尿中への排泄が遅延した。
相互作用(外国試験成績 参考)
健康成人にエスモロール塩酸塩(300μg/kg/分)とモルヒネ(3mg)を併用した時、未変化体の定常状態での全血中濃度は単独投与時と比較して46%上昇した。ジゴキシンとの併用では、ジゴキシンの血清中濃度は単独投与時と比較して9.6~19.2%上昇したが、未変化体の定常状態での全血中濃度の有意な上昇は認められず、また、ワルファリンとの併用では、ワルファリンの血漿中及び未変化体の定常状態での全血中濃度の有意な上昇は認められなかった。