製品名 イミグラン点鼻液20
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- 一般名
- Sumatriptan
- 薬効分類
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鎮痛・解熱薬>トリプタン系薬
- 価格
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20mg0.1mL1個:765.9円/個
- 製薬会社
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- 製造販売元:グラクソ・スミスクライン株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 片頭痛
用法・用量
- 通常、成人にはスマトリプタンとして1回20mgを片頭痛の頭痛発現時に鼻腔内投与する。
なお、効果が不十分な場合には、追加投与をすることができるが、前回の投与から2時間以上あけること。
ただし、1日の総投与量を40mg以内とする。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれることがある]
- 脳血管障害や一過性脳虚血性発作の既往のある患者[脳血管障害や一過性脳虚血性発作があらわれることがある]
- 末梢血管障害を有する患者[症状を悪化させる可能性が考えられる]
- コントロールされていない高血圧症の患者[一過性の血圧上昇を引き起こすことがある]
- 重篤な肝機能障害を有する患者[本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある]
- エルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤、あるいは他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与中の患者[「相互作用」の項参照]
- モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)を投与中、あるいは投与中止2週間以内の患者[「相互作用」の項参照]
- 副作用
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- アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(頻度不明注1))がまれにあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
- 不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状(頻度不明注1))をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
- てんかん様発作(頻度不明注1))をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
- 薬剤の使用過多による頭痛(頻度不明注1))があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 発現頻度は承認時までの臨床試験及び使用成績調査の結果をあわせて算出した。
- 注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
- 注意
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次の患者には慎重に投与すること
- 虚血性心疾患の可能性のある患者(例えば、虚血性心疾患を疑わせる重篤な不整脈のある患者、閉経後の女性、40歳以上の男性、冠動脈疾患の危険因子を有する患者)[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある]
- てんかん様発作の既往歴のある患者あるいはてんかん様発作発現を来す危険因子のある患者(脳炎等の脳疾患のある患者、痙攣の閾値を低下させる薬剤を使用している患者等)[てんかん様発作が発現したとの報告がある(「相互作用」の項参照)]
- 肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある]
- 腎機能障害のある患者[本剤は腎臓を介して排泄されるので、重篤な腎機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者[本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)があらわれる可能性がある]
- コントロールされている高血圧症患者[一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇が少数の患者でみられたとの報告がある]
- 脳血管障害の可能性のある患者[脳血管障害があらわれるおそれがある]
- 本剤投与後、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれることがある。このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。
- 心血管系の疾患が認められない患者においても、重篤な心疾患が極めてまれに発生することがある。このような場合は以後の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 片頭痛あるいは本剤投与により眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意すること。
- 本剤を含むトリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 投与方法
- 鼻腔内噴霧用にのみ使用すること。
- 薬剤交付時
- 患者には本剤に添付の使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。
- 鼻汁、鼻閉のある患者では本剤を投与する前に鼻をかむよう指導すること。
なお、鼻症状のある患者における本剤の安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
- 本剤は頭痛発現時にのみ使用し、予防的には使用しないこと。
- 本剤投与により全く効果が認められない場合は、その発作に対して追加投与をしないこと。このような場合は、再検査の上、頭痛の原因を確認すること。
- スマトリプタン製剤を組み合わせて使用する場合には少なくとも以下の間隔をあけて投与すること。
- 点鼻液投与後に注射液あるいは錠剤を追加投与する場合には2時間以上
- 錠剤投与後に点鼻液を追加投与する場合には2時間以上
- 注射液投与後に点鼻液を追加投与する場合には1時間以上
- 本剤は国際頭痛学会による片頭痛診断基準(「参考」の項参照)により「前兆のない片頭痛」あるいは「前兆のある片頭痛」と確定診断が行われた場合にのみ投与すること。特に次のような患者は、くも膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与すること。
- 今までに片頭痛と診断が確定したことのない患者
- 片頭痛と診断されたことはあるが、片頭痛に通常見られる症状や経過とは異なった頭痛及び随伴症状のある患者
- 家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛あるいは眼筋麻痺性片頭痛の患者には投与しないこと。
- 本剤は主として肝臓で代謝され、腎臓で排泄されるが、高齢者では肝機能あるいは腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので慎重に投与すること(「慎重投与」の項参照)。
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
- 授乳中の婦人には本剤投与後12時間は授乳を避けさせること[皮下投与後にヒト母乳中へ移行することが認められている]。
- 小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
- 血中濃度
- 健康成人
- 健康成人男性に20mgを単回鼻腔内投与した時の血漿中スマトリプタン濃度は下記のとおりである。本剤は鼻腔内投与後速やかに吸収され、投与10分後に鼻腔粘膜より吸収されたと考えられる最初のピークを認め、1.5時間後には主に嚥下により消化管より吸収されたと考えられる第2のピークを認めた。消失半減期は約2時間であった(日本人のデータ)。
なお、健康成人男性に20mgを単回鼻腔内投与した時の薬物動態パラメータは、日本人の成績と大きな差を認めなかった。また、健康成人女性に20mgを単回鼻腔内投与した時の薬物動態パラメータは、健康成人男性の成績と大きな差を認めなかった(外国人のデータ)。- 図1 健康成人男性における単回投与時の血漿中濃度(平均値±標準偏差)
投与量 Tmax(hr) t1/2(hr) Cmax(ng/mL) AUC0-∞(ng・hr/mL) 20mg 1.30±0.73 1.87±0.53 12.2±2.9 54.2±13.3 (平均値±標準偏差)
- 健康成人男性に20mgを1日1回5日間反復鼻腔内投与したとき、蓄積性は認められなかった(日本人のデータ)。
- 健康成人男性に20mgを単回鼻腔内投与した時の血漿中スマトリプタン濃度は下記のとおりである。本剤は鼻腔内投与後速やかに吸収され、投与10分後に鼻腔粘膜より吸収されたと考えられる最初のピークを認め、1.5時間後には主に嚥下により消化管より吸収されたと考えられる第2のピークを認めた。消失半減期は約2時間であった(日本人のデータ)。
- 肝機能障害患者(外国人のデータ)
- 中等度の肝機能障害患者にスマトリプタン錠50mgを経口投与した場合、健康成人と比較してCmax及びAUC0-∞は約1.8倍に上昇した。
- 経口投与時の薬物動態との比較(外国人のデータ)
- 健康成人男性に点鼻液20mg及び錠剤25mgを単回投与した時の投与後2時間までの血清中濃度推移は下記のとおりである。本剤では、経口投与と比較して、鼻腔粘膜からの吸収と思われる速やかな血中濃度の上昇を認めた。
- 図2 健康成人における点鼻液及び錠剤単回投与時の血清中濃度(平均値±標準偏差)
- 皮下及び経口投与時の薬物動態
- 健康成人男性に注射液3mg及び錠剤50mgを単回投与した時の薬物動態パラメータは下記の通りである。
製剤 投与量 Tmax(hr) t1/2(hr) Cmax(ng/mL) AUC0-∞(ng・hr/mL) 注射液 3mg 0.21±0.05 1.46±0.30 44.0±17.5 46.3±12.2 錠剤 50mg 1.8±0.9 2.2±0.3 32.6±8.4 117.8±23.7 (平均値±標準偏差)
- 代謝・排泄
- ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝試験において、モノアミンオキシダーゼAの阻害剤による強い代謝阻害作用が認められ、本剤は主にモノアミンオキシダーゼAにより代謝されると考えられる。
- 健康成人男性に20mgを単回鼻腔内投与した時の投与後24時間までの未変化体及びインドール酢酸体の尿中排泄率は、それぞれ約3%及び約50%であった。
- 相互作用(外国人のデータ)
- モノアミンオキシダーゼA阻害薬(モクロベミド)を予め単回あるいは反復経口投与することにより、本剤のAUCは増加(経口投与:約4.4倍、皮下投与:約1.8倍)し、消失半減期が延長(経口及び皮下投与:約1.4倍)した。
- β遮断薬(プロプラノロール)、Ca拮抗薬(フルナリジン)あるいはアルコールとの併用投与において、本剤の薬物動態に変化は認められなかった。
- その他の薬物速度論的パラメータ
- 血漿蛋白結合率
- 約34%(in vitro)
- 皮下投与に対する相対的生物学的利用率
- 約16%