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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかんの下記発作型における抗てんかん薬との併用
    • 部分発作

      • 単純部分発作、複雑部分発作、二次性全般化強直間代発作
    • 全般発作

      • 強直間代発作、強直発作、非定型欠神発作、ミオクロニー発作、脱力発作

用法・用量

  • 通常、成人にはクロバザムとして1日10mgの経口投与より開始し、症状に応じて徐々に増量する。維持量は1日10~30mgを1~3回に分割経口投与する。
    なお、症状により適宜増減する(最高1日量は40mgまでとする)。
  • 小児に対しては、通常クロバザムとして1日0.2mg/kgの経口投与より開始し、症状に応じて徐々に増量する。維持量は1日0.2~0.8mg/kgを1~3回に分割経口投与する。
    なお、症状により適宜増減する(最高1日量は1.0mg/kgまでとする)。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 急性閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
  • 2.3 重症筋無力症の患者[重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心障害のある患者
心障害が悪化するおそれがある。
9.1.2 脳に器質的障害のある患者
作用が強くあらわれる。
9.1.3 衰弱患者
作用が強くあらわれる。
9.1.4 呼吸機能の低下している患者
呼吸抑制作用が増強されることがある。[11.1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。一般に排泄が遅延する傾向がある。
9.3 肝機能障害患者
薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。一般に排泄が遅延する傾向がある。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(1)妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤の投与を受けた患者の中に、口唇裂、口蓋裂等の奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査が報告されている。
(2)ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
(3)分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
9.5.2 本剤を妊娠動物へ投与した試験において、胎児死亡及び死産が認められている。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠、体重減少、肝障害等を起こすことが報告されている。また、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、クロナゼパム)で新生児に無呼吸、嗜眠、体重減少等を起こすことがあり、新生児の黄疸を増強する可能性がある。
9.7 小児等
9.7.1 新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 喘鳴、喀痰増加、気道分泌過多、唾液分泌過多、嚥下障害があらわれ、肺炎、気管支炎に至ることがある。[11.2参照]
9.8 高齢者
9.8.1 少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。高齢者では、本剤の消失半減期の延長が報告されている。[16.6.2参照]
9.8.2 喘鳴、喀痰増加、気道分泌過多、唾液分泌過多、嚥下障害があらわれ、肺炎、気管支炎に至ることがある。[11.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 投与初期に眠気、ふらつき等の症状があらわれることがあるので、本剤の投与は少量から開始し、慎重に維持量まで漸増すること。[11.2参照]
8.2 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
8.3 本剤の投与により発作が悪化又は誘発されることがあるので、このような場合には、適切な処置を行うこと。
8.4 長期投与により抗けいれん作用の減弱が認められることがあるので、耐性の発現に十分注意すること。
8.5 本剤の投与に際しては、併用抗てんかん薬との相互作用に注意すること。[10.2参照]
8.6 連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。
8.7 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤は他の抗てんかん薬と併用して使用すること。(本剤単独での使用経験が少ない。)

16.薬物動態

16.1 血中濃度
(健康成人5例、空腹時1回経口投与後の血漿中未変化体の薬動力学的パラメータ)
投与量
(mg)
Tmax
(h)
Cmax
(ng/mL)
t1/2(h)
αβ
51.4±0.468.1±4.31.3±0.625.3±5.2
101.7±0.6112.5±2.81.1±0.630.1±7.9
平均値±標準誤差
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
89.6~90.6%(in vitro、ヒト血漿、0.05~5μg/mL、限外ろ過法)
16.4 代謝
16.4.1 主な代謝産物
N-脱メチルクロバザム(M-9、活性あり)、4'-水酸化-N-脱メチルクロバザム(M-5)、4'-水酸化クロバザム(M-7)
16.4.2 代謝経路
主として肝臓でN-脱メチル、5-フェニル基の3'、4'位の水酸化、水酸基のメチル化、N位の抱合化等によって代謝される。
16.4.3 代謝酵素
チトクロームP-450分子種[10.参照]
(1)クロバザムの代謝
主としてCYP3A4(脱メチル化反応)
(2)N-脱メチルクロバザムの代謝
主としてCYP2C19(水酸化反応)
16.5 排泄
16.5.1 排泄経路
尿中、糞便中
16.5.2 排泄率
(健康成人5例、空腹時1回経口投与後168時間)
投与量
(mg)
尿中排泄率(投与量に対する%)
未変化体M-5M-7M-9合計
52.7±0.714.3±3.66.2±1.66.8±1.330.0±3.9
101.0±0.34.8±1.09.6±2.83.6±0.718.9±3.2
平均値±標準誤差
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
(空腹時20mg1回経口投与)(外国人データ)[9.3参照]
被験者Tmax
(h)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(h)
Vd/F
(L)
CL/F
(L/h)
健康成人(6例)1.6(50)350(18)22(26)81(25)2.8(14)
肝炎患者(6例)3.0(63)239(29)47(36)173(51)3.3(84)
肝硬変患者(9例)2.5(44)240(47)51(39)178(40)2.7(40)
平均値(変動係数%)Vd/F:分布容積、CL/F:クリアランス
16.6.2 高齢者
(健康成人男子、空腹時20mg1回経口投与)(外国人データ)[9.8.1参照]
被験者年齢Tmax
(h)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(h)
Vd/F
(L/kg)
CL/F
(mL/min/kg)
高齢者
(7例)
63
(60-69)
1.6
(0.5-2.5)
390
(243-710)
48
(29-77)
1.4
(0.9-1.9)
0.4
(0.2-0.6)
非高齢者
(8例)
28
(20-37)
1.6
(0.5-2.5)
408
(337-485)
17
(11-23)
0.9
(0.7-1.1)
0.6
(0.4-0.8)
平均値(範囲)Vd/F:分布容積、CL/F:クリアランス

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢抑制薬
フェノチアジン誘導体
バルビツール酸誘導体
モノアミン酸化酵素阻害剤 等
相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。本剤及びこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による。
アルコール併用により本剤の血中濃度の上昇がみられ、相互に作用が増強したとの報告がある。中枢神経抑制作用による。
フェニトイン
[8.5参照]
本剤の血中未変化体濃度が低下することがある。また、フェニトインの血中濃度を上昇させることがあるので、眼振等が認められた場合には、フェニトインを減量するなど適切な処置を行うこと。本剤の血中未変化体濃度の低下は、フェニトインがCYP3A4を誘導することによると考えられる。フェニトインの血中濃度上昇の機序は不明である。
フェノバルビタール
カルバマゼピン
[8.5参照]
本剤の血中未変化体濃度が低下することがある。また、これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。本剤の血中未変化体濃度の低下は、これらの薬剤がCYP3A4を誘導することによると考えられる。これらの薬剤の血中濃度上昇の機序は不明である。
バルプロ酸
[8.5参照]
本剤の血中未変化体濃度が低下することがある。また、バルプロ酸の血中濃度を上昇させることがある。バルプロ酸により、本剤の血漿蛋白結合率が低下することによると考えられる。バルプロ酸の血中濃度上昇の機序は不明である。
スチリペントール
[8.5参照]
本剤及び活性代謝物の血中濃度が上昇することがある。スチリペントールがCYP3A4及びCYP2C19を阻害することによると考えられる。
シメチジン併用により本剤の血中消失半減期が遅延し、AUCが増大することがある。シメチジンが本剤の肝薬物代謝酵素を阻害することによると考えられる。
CYP3A4を阻害する薬剤
リトナビル等
本剤の血中濃度が上昇することが予測される。これらの薬剤がCYP3A4による薬物代謝を抑制することによると考えられる。
主にCYP3A4によって代謝される薬剤主にCYP3A4によって代謝される薬剤及び本剤の血中濃度が上昇することが予測される。本剤はin vitro試験で主にCYP3A4で代謝され、これらの薬剤との間で互いに代謝を競合的に阻害することが予測される。
CYP2C19を阻害する薬剤
オメプラゾール等
本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇することが予測される。これらの薬剤がCYP2C19による薬物代謝を阻害することによると考えられる。
主にCYP2D6によって代謝される薬剤
デキストロメトルファン等
併用によりデキストロメトルファンの血中濃度が上昇するとの報告がある。本剤のCYP2D6阻害作用によると考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 依存性(頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。
また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、けいれん発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
11.1.2 呼吸抑制(頻度不明)
投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。[9.1.4参照]
11.1.3 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
精神神経系眠気・傾眠(38.6%)、ふらつき・めまい(10.9%)構音障害、無気力、不機嫌、失調、情動不安ぼんやり感、焦燥、筋緊張低下、易刺激性、行動異常、多動、頭重感、酩酊感、想起力低下、精神活動減退、軽躁状態、発揚状態、浮遊感、気分高揚、注意力低下、活動低下、不眠、意欲低下妄想、意識障害、振戦、不随意運動、幻覚、不穏、攻撃性
複視眼振、眼のかすみ、眼痛
呼吸器(注1)喀痰増加、気道分泌過多、喘鳴
消化器唾液分泌過多(注1)、食欲不振嘔気、嘔吐、便秘、胃腸障害、胃部不快感、下痢嚥下障害(注1)、腹痛
血液白血球減少、好酸球増加血小板減少
肝臓AST・ALT・γ-GTP・ALP上昇等の肝機能検査値異常
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇
皮膚発疹、かゆみ、湿疹
その他倦怠感脱力感、体重増加、疲労感、尿失禁、胸痛、肩の重圧感、心窩部痛転倒(注2)、浮腫、脱毛、発熱、尿閉、女性化乳房

注1:[9.7.2、9.8.2参照]
注2:眠気、ふらつき・めまい、失調、意識障害等から転倒することがあるので注意すること。[8.1参照]

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