製品名 モービック錠5mg
モービック錠10mg
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- 一般名
- Meloxicam
- 薬効分類
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鎮痛・解熱薬>NSAIDs(オキシカム系)
- 価格
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5mg1錠:29.6円/錠
10mg1錠:45.8円/錠
- 製薬会社
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- 製造販売:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
- 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群
用法・用量
- 通常、成人にはメロキシカムとして10mgを1日1回食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高用量は15mgとする。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 消化性潰瘍のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、胃粘膜防御能が低下し、消化性潰瘍を悪化させるおそれがある(ただし、「慎重投与」(2)の項参照)]
- 重篤な血液の異常がある患者[血液の異常を悪化させるおそれがある]
- 重篤な肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある]
- 重篤な腎障害のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、腎障害を悪化させるおそれがある]
- 重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、心機能不全を悪化させるおそれがある]
- 重篤な高血圧症の患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、血圧を上昇させるおそれがある]
- 本剤の成分、サリチル酸塩(アスピリン等)又は他の非ステロイド性消炎鎮痛剤に対して過敏症の既往歴のある患者
- アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発するおそれがある]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 副作用
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- 消化性潰瘍(0.1%未満)(穿孔を伴うことがある)、吐血(0.1%未満)、下血等の胃腸出血(0.1%未満)、大腸炎(0.1%未満注))
- 観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 喘息(0.1%未満注))
- 観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 急性腎不全(0.1%未満)
- 観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 無顆粒球症(頻度不明注))、血小板減少(0.1%未満)
- 観察を十分に行い、定期的かつ必要に応じて血液検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。特にメトトレキサートのような骨髄機能を抑制する薬剤と併用する際には、留意すること。(「相互作用」の項参照)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明注))、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(頻度不明注))、水疱(頻度不明注))、多形紅斑(頻度不明注))
- 観察を十分行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- アナフィラキシー反応/アナフィラキシー様反応(0.1%未満注))、血管浮腫(0.1%未満注))
- 観察を十分行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 肝炎(頻度不明注))、重篤な肝機能障害(1%以下注))
- 観察を十分行い、定期的かつ必要に応じて臨床検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 注):頻度は海外の臨床試験成績に基づく。また、頻度不明は海外の市販後の自発報告によるもの(注の記載がないものは国内の臨床試験及び製造販売後調査に基づく)。
- ショック、再生不良性貧血、骨髄機能抑制、ネフローゼ症候群
- 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤でこのようなことがあらわれることがあるので、観察を十分行い、定期的かつ必要に応じて臨床検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 消化性潰瘍の既往歴のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、胃粘膜防御能が低下するため、消化性潰瘍を再発させるおそれがある]
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。)
- 抗凝血剤(ワルファリン等)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 血液の異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある]
- 肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させるおそれがある]
- 腎障害又はその既往歴のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、腎機能障害を悪化又は再発させるおそれがある]
- 心機能障害のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、心機能障害を悪化させるおそれがある]
- 高血圧症の患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、血圧を上昇させるおそれがある]
- 気管支喘息のある患者[喘息発作を誘発するおそれがある]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 体液喪失を伴う大手術直後の患者[循環体液量が減少している状態にある患者では、プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流の低下、腎機能障害が惹起されるおそれがある]
- 出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがあるため、出血傾向を助長するおそれがある]
- 炎症性腸疾患(クローン病あるいは潰瘍性大腸炎)の患者[症状が悪化するおそれがある]
重要な基本的注意
- 本剤はin vitro試験において、シクロオキシゲナーゼ(COX)-1に対してよりもシクロオキシゲナーゼ-2をより強く阻害することが確認されているが、日本人を対象とした臨床試験ではシクロオキシゲナーゼ-2に対してより選択性の低い非ステロイド性消炎鎮痛剤と比較して、本剤の安全性がより高いことは検証されていない。特に、消化管障害発生のリスクファクターの高い患者(消化性潰瘍の既往歴のある患者等)への投与に際しては副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。(「臨床成績」、「薬効薬理」の項参照)
- 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。また、薬物療法以外の療法も考慮すること。
- 長期投与する場合には、定期的かつ必要に応じて臨床検査(尿検査、血液検査、肝機能検査及び便潜血検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には、減量又は休薬する等の適切な処置を行うこと。
- 患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意すること。なお、消化器系の重篤な副作用〔消化性潰瘍(穿孔を伴うことがある)、吐血、下血等の胃腸出血〕が報告されているので、観察を十分に行い(消化管障害、特に胃腸出血に注意すること)、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「副作用」の項参照)
- 感染症を不顕性化するおそれがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
- 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい[他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で、相互に副作用を増強することが報告されている]。(「相互作用」の項参照)
- 眼の調節障害、眠気等の精神神経系症状があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること。
適用上の注意
- 薬剤交付時
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
- 国内において1日15mgを超える用量での安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
高齢者への投与
- 高齢者では副作用があらわれやすいので、少量(1回5mg1日1回)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。なお、一般に高齢者においては胃腸出血、潰瘍、穿孔はより重篤な転帰をたどり、きわめてまれにではあるが致死性の消化管障害も報告されている。これらの事象は治療のどの時点でも発現し、重篤な消化管障害の既往の有無にかかわらず発現する可能性があるので、観察を十分行い(消化管障害、特に胃腸出血に注意すること)、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 動物実験(ラット及びウサギ)において、次のことが認められているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
- ラットの妊娠前及び妊娠初期投与試験において、黄体数、着床数及び生存胎児数が減少し、着床率の低下と着床後死亡率の増加がみられた。
- ラットの器官形成期投与試験において妊娠期間の延長及び死産児数の増加がみられた。
- ウサギの器官形成期投与試験において有意ではないが着床後死亡率の増加がみられた。
- ラット周産期及び授乳期投与試験において、妊娠期間の延長及び分娩時間の遷延、死産児数及び生後4日までの死亡児数の増加がみられた。
- 授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている]。
小児等への投与
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する使用経験はなく安全性は確立していない。
薬物動態
- 吸収
- 健康成人に14C-メロキシカム30mg注)を経口投与したときの吸収率は約100%であると推定された。
- 血中濃度
- 単回投与
- 健康成人にメロキシカム5、10、20mg注)をカプセル剤として空腹時投与したとき、最高血中濃度は約7時間後に得られ、血中濃度のピークは二峰性を示し、これは腸肝循環及び腸管内へ排泄された後、腸から再吸収される腸から腸への再循環(enteroenteric circulation)によると考えられる。Cmax及びAUCは用量相関性を示した。
- 健康成人男子を対象にメロキシカム10mgを錠剤及びカプセル剤として空腹時投与し、薬物動態パラメータを比較した結果、両製剤が生物学的に同等であることが確認された。
- 反復投与
- 健康成人男子にメロキシカム10mgをカプセル剤として食後に7日間反復投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりである。
- メロキシカム10mg反復投与後の薬物動態パラメータ(食後投与)
薬物動態パラメータ 平均値±S.D. Cmax(μg/mL) 1.842±0.428 AUC0-τ(μg・h/mL) 30.21±7.88 Cτ(μg/mL) 0.875±0.300 MRT(h) 29.95±7.40 t1/2(h) 18.68±5.20 tmax(h) 5.160±1.599 (n=25)
- メロキシカム10mg反復投与後の血漿中濃度推移(食後投与,平均値±S.D.)
- 食事の影響
- 健康成人にメロキシカム10mgを空腹時及び食後に投与したときの薬物動態パラメータを比較した。その結果、Cmaxは食後投与時で高かったが、AUCに差は認められず、メロキシカムの吸収に対する食事の影響は少ないものと考えられた。
- メロキシカム10mg単回経口投与後の薬物動態パラメータ(空腹時及び食後投与)
薬物動態パラメータ Cmax
(μg/mL)tmax
(h)t1/2
(h)AUC0-72
(μg・h/mL)空腹時投与 0.741±0.101 8.0±8.0 28.7±5.6 26.6±5.0 食後投与 0.851±0.139 5.0±1.0 23.7±5.3 26.9±5.1 (平均値±S.D.,n=12)
- 分布(参考)
- 14C-メロキシカム1mg/kgを経口投与した場合、消化管の他に血液、肝臓、腎臓、肺、甲状腺で高濃度であり、脳にはほとんど分布しなかった(ラット)。また乳汁中に移行した(ラット)。
- 蛋白結合率
- in vivo試験成績
- 健康成人に14C-メロキシカム30mg注)を経口投与したとき、血清蛋白との結合率は99%以上であった。
- in vitro試験成績
- ヒト血漿蛋白との結合率は99%以上であり、主結合蛋白はアルブミンであると考えられた。
- 代謝
- 健康成人に14C-メロキシカム30mg注)を経口投与したとき、血漿中ではほとんどが未変化体であり、代謝物はほとんど認められなかった。尿中には未変化体は認められず、主な代謝物は5'-ヒドロキシメチル体、5'-カルボキシ体及びチアジン環の酸化的開裂によって生じるオキサム酸化合物等であった。メロキシカムの代謝には主に肝臓のチトクロームP-450のCYP2C9が、また、部分的にCYP3A4が関与することが示唆された。
- 排泄
- 健康成人に14C-メロキシカム30mg注)を経口投与したとき、未変化体及び代謝物の総量は、投与後168時間までに尿中に約43%、180時間までに糞中に約47%排泄された。
- [は外国人でのデータ]
- 注)本剤の承認された用法・用量は、メロキシカムとして1日1回10mg食後経口投与である。