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コートン錠25mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○慢性副腎皮質機能不全(原発性、続発性、下垂体性、医原性)、急性副腎皮質機能不全(副腎クリーゼ)、副腎性器症候群、亜急性甲状腺炎、甲状腺疾患に伴う悪性眼球突出症、ACTH単独欠損症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む)、リウマチ熱(リウマチ性心炎を含む)
  • ○エリテマトーデス(全身性及び慢性円板状)
  • ○ネフローゼ及びネフローゼ症候群
  • ○気管支喘息、薬剤その他の化学物質によるアレルギー・中毒(薬疹、中毒疹を含む)、血清病
  • ○重症感染症(化学療法と併用する)
  • ○溶血性貧血(免疫性又は免疫性機序の疑われるもの)、白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性リンパ性白血病)(皮膚白血病を含む)、顆粒球減少症(本態性、続発性)、紫斑病(血小板減少性及び血小板非減少性)、再生不良性貧血
  • ○限局性腸炎、潰瘍性大腸炎
  • ○重症消耗性疾患の全身状態の改善(癌末期、スプルーを含む)
  • ○慢性肝炎(活動型、急性再燃型、胆汁うっ滞型)(但し、一般的治療に反応せず肝機能の著しい異常が持続する難治性のものに限る)、肝硬変(活動型、難治性腹水を伴うもの、胆汁うっ滞を伴うもの)
  • ○サルコイドーシス(但し、両側肺門リンパ節腫脹のみの場合を除く)、びまん性間質性肺炎(肺線維症)(放射線肺臓炎を含む)
  • ○肺結核(粟粒結核、重症結核に限る)(抗結核剤と併用する)、結核性髄膜炎(抗結核剤と併用する)
  • ○脳脊髄炎(脳炎、脊髄炎を含む)(但し、一次性脳炎の場合は頭蓋内圧亢進症状がみられ、かつ他剤で効果が不十分なときに短期間用いること)、末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む)、小舞踏病、顔面神経麻痺
  • ○悪性リンパ腫(リンパ肉腫症、細網肉腫症、ホジキン病、皮膚細網症、菌状息肉症)及び類似疾患(近縁疾患)
  • ○特発性低血糖症
  • ○副腎摘除、副腎皮質機能不全患者に対する外科的侵襲
  • 湿疹・皮膚炎群(急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、アトピー皮膚炎、乳・幼・小児湿疹、ビダール苔癬、その他の神経皮膚炎、脂漏性皮膚炎、進行性指掌角皮症、その他の手指の皮膚炎、陰部あるいは肛門湿疹、耳介及び外耳道の湿疹・皮膚炎、鼻前庭及び鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎など)(但し、重症例以外は極力投与しないこと)、蕁麻疹(慢性例を除く)(重症例に限る)、乾癬及び類症〔尋常性乾癬(重症例)、乾癬性関節炎、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、稽留性肢端皮膚炎、疱疹状膿痂疹、ライター症候群〕、紅斑症(多形滲出性紅斑、結節性紅斑)(但し、多形滲出性紅斑の場合は重症例に限る)、粘膜皮膚眼症候群〔開口部びらん性外皮症、スチブンス・ジョンソン病、皮膚口内炎、フックス症候群、ベーチェット病(眼症状のない場合)、リップシュッツ急性陰門潰瘍〕、天疱瘡群(尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、Senear-Usher症候群、増殖性天疱瘡)、デューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡、妊娠性疱疹を含む)、紅皮症(ヘブラ紅色粃糠疹を含む)
  • ○内眼・視神経・眼窩・眼筋の炎症性疾患の対症療法(ブドウ膜炎、網脈絡膜炎、網膜血管炎、視神経炎、眼窩炎性偽腫瘍、眼窩漏斗尖端部症候群、眼筋麻痺)、外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法で点眼が不適当又は不十分な場合(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、虹彩毛様体炎)
  • ○アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)
  • ★印 外用剤を用いても効果が不十分な場合あるいは十分な効果を期待し得ないと推定される場合にのみ用いること

用法・用量

  • コルチゾン酢酸エステルとして、通常成人1日12.5~150mgを1~4回に分割して経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 以下の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないこと。
(1)有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者
免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]
(2)消化性潰瘍の患者
粘膜防御能の低下等により、消化性潰瘍が増悪するおそれがある。[11.1.3参照]
(3)精神病の患者
中枢神経系に影響し、精神病が増悪するおそれがある。[11.1.4参照]
(4)結核性疾患の患者
免疫抑制作用により、結核性疾患が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]
(5)単純疱疹性角膜炎の患者
免疫抑制作用により、単純疱疹性角膜炎が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]
(6)後嚢白内障の患者
水晶体線維に影響し、後嚢白内障が増悪するおそれがある。[8.4、11.1.6参照]
(7)緑内障の患者
眼圧が上昇し、緑内障が増悪するおそれがある。[8.4、11.1.6参照]
(8)高血圧症の患者
ナトリウム・水貯留作用等により、高血圧症が増悪するおそれがある。
(9)電解質異常のある患者
ナトリウム・水貯留作用により、電解質異常が増悪するおそれがある。
(10)血栓症の患者
血液凝固能が亢進し、血栓症が増悪するおそれがある。[11.1.7参照]
(11)最近行った内臓の手術創のある患者
創傷治癒を遅延するおそれがある。
(12)急性心筋梗塞を起こした患者
心破裂を起こしたとの報告がある。
9.1.2 感染症の患者(有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者を除く)
免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]
9.1.3 糖尿病の患者
糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある。[11.1.2参照]
9.1.4 骨粗鬆症の患者
骨形成抑制作用及びカルシウム代謝の障害を起こすことにより、骨粗鬆症が増悪するおそれがある。[11.1.5参照]
9.1.5 甲状腺機能低下のある患者
血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。
9.1.6 脂肪肝の患者
脂質代謝に影響し、脂肪肝が増悪するおそれがある。
9.1.7 脂肪塞栓症の患者
脂質代謝に影響し、脂肪塞栓症が増悪するおそれがある。
9.1.8 重症筋無力症の患者
使用当初、一時症状が増悪することがある。
9.1.9 うっ血性心不全の患者
ナトリウム・水貯留作用等により、うっ血性心不全が増悪するおそれがある。
9.1.10 B型肝炎ウイルスキャリアの患者
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。[11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎不全の患者
症状が増悪するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝硬変の患者
慢性肝疾患患者では、血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で催奇形作用が報告されており、また、新生児に副腎不全を起こすことがある。
コルチゾン10mgをマウスの妊娠8日から14日までの各日にそれぞれ1回投与した試験、及び2.5mgを妊娠9日から14日の各日を投与初日としそれぞれ4日間連続投与した試験において、口蓋裂の発生が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.7.1 観察を十分に行うこと。小児等の発育抑制があらわれることがある。
9.7.2 長期投与した場合、頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある。
9.8 高齢者
長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である。
8.1.1 投与に際しては特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できる場合には、本剤を投与しないこと。また、局所的投与で十分な場合には、その他の副腎皮質ホルモン剤の局所療法を行うこと。
8.1.2 投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には増量するなど適切な処置を行うこと。
8.1.3 連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量すること。
8.2 本剤の長期あるいは大量投与中の患者、又は投与中止後6ヵ月以内の患者では、免疫機能が低下していることがあり、生ワクチンの接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、これらの患者には生ワクチンを接種しないこと。[11.1.1参照]
8.3 特に、本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。[11.1.1参照]
8.3.1 本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。
8.3.2 水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。
8.3.3 水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。
8.4 連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがあるので、定期的に検査をすることが望ましい。[9.1.1、11.1.6参照]
8.5 リンパ系腫瘍を有する患者にヒドロコルチゾン製剤(注射剤)を投与した際に腫瘍崩壊症候群があらわれたとの報告があるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.8参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
副腎不全患者10例と健康成人2例にコルチゾン酢酸エステル50mgを経口投与した場合、1.79±0.16時間後に最高血中濃度739±74nmol/Lに到達した(外国人のデータ)。
16.4 代謝
体内では酢酸エステル結合は加水分解され、コルチゾンは主に肝で代謝されてほとんど腎を通して排泄される。一部はそのまま尿中に見いだされるが、大部分は肝で3-OH体に還元され、更に3α-(β-glucosiduronate)となり、尿中に排泄される。また、4,5位の二重結合の水素化、20位のCOの還元(CHOH体の生成)が起こるほか、一部はC17側鎖が酸化離脱され、17-ケトステロイドを生じる。
16.5 排泄
0.25mg(ラベル体)経口投与で24時間までに61%が尿中に排泄された(外国人のデータ)。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
[2.2参照]
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。機序不明。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
バルビツール酸誘導体
フェノバルビタール
フェニトイン
リファンピシン
本剤の作用が減弱することが報告されている。これらの薬剤はチトクロームP450を誘導し、本剤の代謝が促進される。
ソマトロピン(遺伝子組換え)血清コルチゾール濃度が低下することがある。成長ホルモンが11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD-1)を抑制することにより、コルチゾンからコルチゾールへの変換を減少させるため。
サリチル酸誘導体
アスピリン
併用時に本剤を減量すると、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加し、サリチル酸中毒を起こすことが報告されている。本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する。
抗凝血剤
ワルファリンカリウム
抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されている。本剤は血液凝固促進作用がある。
糖尿病用薬
ビグアナイド系薬剤
スルホニルウレア剤
速効型インスリン分泌促進剤
α-グルコシダーゼ阻害剤
チアゾリジン系薬剤
DPP-4阻害剤
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害剤
インスリン製剤等
これらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている。本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を阻害する。
利尿剤(カリウム保持性利尿剤を除く)
トリクロルメチアジド
フロセミド等
β2-刺激剤
クレンブテロール塩酸塩
ツロブテロール塩酸塩
プロカテロール塩酸塩水和物等
アムホテリシンB
併用により、低カリウム血症があらわれることがある。本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
ジゴキシンジゴキシン中毒があらわれるおそれがある。本剤の尿細管でのカリウム排泄促進作用により、血中カリウム値が低下し、ジゴキシンの作用が増強する。
シナカルセト血清カルシウム濃度が低下するおそれがある。シナカルセトの血中カルシウム低下作用が増強される可能性がある。
シクロスポリン副腎皮質ホルモン剤の大量投与により、併用したシクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告がある。シクロスポリンの代謝を阻害する。
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン
エストロゲン(経口避妊薬を含む)
副腎皮質ホルモン剤の作用が増強されるとの報告がある。本剤の代謝が阻害されるおそれがある。
エフェドリン副腎皮質ホルモン剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するとの報告がある。機序不明
ジクロフェナク消化器系の副作用(消化性潰瘍、消化管出血等)を起こすおそれが高くなる。ともに消化器系の副作用を起こすおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 誘発感染症、感染症の増悪(いずれも頻度不明)
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。[8.2、8.3、9.1.1、9.1.2、9.1.10参照]
11.1.2 続発性副腎皮質機能不全、糖尿病(いずれも頻度不明)[9.1.3参照]
11.1.3 消化性潰瘍、膵炎(いずれも頻度不明)[9.1.1参照]
11.1.4 精神変調、うつ状態、痙攣(いずれも頻度不明)[9.1.1参照]
11.1.5 骨粗鬆症、大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死、ミオパシー(いずれも頻度不明)[9.1.4参照]
11.1.6 緑内障、後嚢白内障(いずれも頻度不明)[8.4、9.1.1参照]
11.1.7 血栓症(頻度不明)[9.1.1参照]
11.1.8 腫瘍崩壊症候群(頻度不明)
リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合、腫瘍崩壊症候群があらわれることがある。異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.5参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
内分泌月経異常
消化器下痢、悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇、食欲不振、食欲亢進
精神神経系多幸症、不眠、頭痛、めまい
筋・骨格筋肉痛、関節痛
脂質・蛋白質代謝満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝
体液・電解質浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカローシス
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出
血液白血球増多
皮膚ざ瘡、多毛、脱毛、色素沈着、皮下いっ血、紫斑、線条、そう痒、発汗異常、顔面紅斑、創傷治癒障害、皮膚菲薄化・脆弱化、脂肪織炎
過敏症発疹
その他発熱、疲労感、ステロイド腎症、体重増加、精子数及びその運動性の増減
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