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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 気管支喘息

用法・用量

  • 通常、1歳以上6歳未満の小児にはモンテルカストとして4mg(本剤1包)を1日1回就寝前に経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 長期ステロイド療法を受けている患者
本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。海外の市販後において、妊娠中に本剤を服用した患者から出生した新生児に先天性四肢奇形がみられたとの報告がある。これらの妊婦のほとんどは妊娠中、他の喘息治療薬も服用していた。本剤とこれらの事象の因果関係は明らかにされていない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
9.7.1 6歳以上の小児[7.2参照]
9.7.2 低出生体重児、新生児、1歳未満の乳児
国内において、低出生体重児、新生児、1歳未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は、喘息の悪化時ばかりでなく、喘息が良好にコントロールされている場合でも継続して服用するよう、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に十分説明しておくこと。
8.2 本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起こっている喘息発作を緩解する薬剤ではないので、このことは患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に十分説明しておく必要がある。
8.3 本剤を投与中、大発作をみた場合は、気管支拡張剤あるいはステロイド剤を投与する必要がある。
8.4 本剤投与によりステロイド維持量を減量し得た患者で、本剤の投与を中止する場合は、原疾患再発のおそれがあるので注意すること。
8.5 本剤との因果関係は明らかではないが、うつ病、自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。[15.1参照]
8.6 本剤を含めロイコトリエン拮抗剤使用時に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症様の血管炎を生じたとの報告がある。これらの症状は、おおむね経口ステロイド剤の減量・中止時に生じている。本剤使用時は、特に好酸球数の推移及びしびれ、四肢脱力、発熱、関節痛、肺の浸潤影等の血管炎症状に注意すること。
8.7 本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
8.8 小児では一般に自覚症状を訴える能力が劣るので、本剤の投与に際しては、保護者等に対し、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡する等の適切な処置をするように注意を与えること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。
14.1.2 本剤は口に直接入れるか、スプーン1杯程度の柔らかい食物(室温以下)と混ぜて服用することができる。またスプーン1杯(約5mL)の調製ミルク又は母乳(室温以下)と混ぜて服用することもできる。本剤服用後は水などの飲み物を摂取してもよい。
14.1.3 本剤は光に不安定であるため、服用の準備ができるまで開封せず、開封後直ちに(15分以内に)服用すること。柔らかい食物、調製ミルク又は母乳と混ぜた場合も、放置せずに直ちに(15分以内に)服用すること。
14.1.4 本剤は光に不安定であるため、再分包しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 体重、年齢、症状等による用量調節をせず、全量を服用すること。
7.2 6歳以上の小児に対しては、モンテルカストチュアブル錠5mgを1日1回就寝前に投与すること。[9.7.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)6ヵ月以上2歳未満小児気管支喘息患者にモンテルカスト細粒剤4mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後約2時間に最高血漿中濃度(Cmax)に到達した。血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)の幾何平均比(95%信頼区間)は、健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注)を投与したときに対して6ヵ月以上2歳未満小児気管支喘息患者では1.26(1.02,1.54)、6ヵ月以上1歳未満小児気管支喘息患者では1.35(0.97,1.87)、1歳小児気管支喘息患者では1.18(0.97,1.44)であった(表1)(外国人データ)。
表1 6ヵ月以上2歳未満小児気管支喘息患者にモンテルカスト細粒剤4mgを空腹時単回経口投与時の薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータAUCpop(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUCpopの平均比
(95%信頼区間)
6ヵ月以上1歳未満小児患者
(n=12)
3470.9
[499.3]
583.5
[84.8]
2.07
[0.28]
3.24
[0.36]
1.35
(0.97,1.87)
1歳小児患者
(n=14)
3039.3
[212.5]
470.1
[40.7]
2.34
[0.14]
3.48
[0.20]
1.18
(0.97,1.44)
6ヵ月以上2歳未満小児患者
(n=26)
3226.6
[250.0]
514.4
[43.1]
2.24
[0.14]
3.39
[0.20]
1.26
(1.02,1.54)
健康成人
(n=16)
2569.0
[165.7]
279.0
[26.5]
3.39
[0.20]
4.09
[0.17]
母集団薬物動態解析法による推定値[標準誤差](健康成人はモンテルカストフィルムコーティング錠10mg空腹時単回経口投与時のデータ)
(2)2歳以上6歳未満小児気管支喘息患者にモンテルカストチュアブル錠4mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後約2時間にCmaxに到達した。健康成人(モンテルカストフィルムコーティング錠10mg注)空腹時投与)に対する小児気管支喘息患者のAUC幾何平均比(90%信頼区間)は1.05(0.90,1.22)であった(表2)(外国人データ)。
表2 2歳以上6歳未満小児気管支喘息患者にモンテルカストチュアブル錠4mgを空腹時単回経口投与時の薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータAUCpop(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUCpopの平均比
(90%信頼区間)
2歳以上6歳未満小児患者
(n=15)
2721
[164.4]
471.01
[65.27]
2.07
[0.30]
3.17
[0.20]
1.05
(0.90,1.22)
健康成人
(n=16)
2595
[164.5]
283.71
[54.35]
3.36
[0.60]
4.09
[0.09]
母集団薬物動態解析法による推定値[標準誤差](健康成人はモンテルカストフィルムコーティング錠10mg空腹時単回経口投与時のデータ)
16.1.2 反復投与
(1)軽症から中等症の1歳以上6歳未満小児気管支喘息患者にモンテルカスト細粒剤4mgを1日1回4週間経口投与した後のモンテルカスト血漿中濃度(1患者あたり投与後1.0~2.1時間あるいは12.0~20.9時間の1時点)は、健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注)あるいは9歳以上14歳未満小児気管支喘息患者にモンテルカストチュアブル錠5mg注)を経口投与したときの平均血漿中濃度推移付近に分布した(下図)。
図 1歳以上6歳未満小児気管支喘息患者にモンテルカスト細粒剤4mgを経口投与時のモンテルカスト血漿中濃度
○ 1歳以上6歳未満小児気管支喘息患者にモンテルカスト細粒剤4mgを4週間経口投与時の1患者あたり1時点での血漿中濃度;n=67
▲ 9歳以上14歳未満小児気管支喘息患者にモンテルカストチュアブル錠5mgを単回経口投与時の血漿中濃度推移[平均±標準偏差];n=8
■ 健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mgを単回経口投与時の血漿中濃度推移(3試験)[平均±標準偏差];n=36~44
(2)軽症から中等症の6歳以上15歳未満小児気管支喘息患者にモンテルカストチュアブル錠5mg注)を1日1回7日間食後反復経口投与したとき、1日目は投与後3.1時間、7日目は投与後4.3時間にCmax(630ng/mL及び628ng/mL)に達し、消失半減期(t1/2)はいずれもおよそ4時間であった。1日目及び7日目のAUC0-24hrはそれぞれ4170ng・hr/mL及び4910ng・hr/mLであった。血漿中にモンテルカストはほとんど蓄積しないことが示唆された。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
(1)健康成人にモンテルカスト細粒剤4mgを食後(和食)単回経口投与したとき、空腹時に比べて最高血漿中濃度到達時間(Tmax)(平均)は1.6時間から5.0時間に延長し、Cmax(平均)は251.6ng/mLから154.2ng/mLに39%減少した。AUC0-∞(平均)は空腹時1449.1ng・hr/mL及び食後1444.9ng・hr/mL、t1/2(平均)は空腹時5.1時間及び食後4.8時間であった。
(2)健康成人にモンテルカスト細粒剤4mgをアップルソースと共に単回経口投与したとき、本剤単独投与時に比べてTmax(平均)は2.1時間から3.4時間に遅延した。単独投与時及びアップルソース併用投与時のCmax(平均)はそれぞれ198.8ng/mL及び182.8ng/mL、AUC0-∞(平均)は1223.1ng・hr/mL及び1225.7ng・hr/mLであった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
モンテルカストのヒト血漿蛋白との結合率は99.6%であった。モンテルカストは生理的な濃度のアルブミン及びα1-酸性糖蛋白質の両方に99%以上結合した(in vitro)。
16.4 代謝
ヒトにおけるモンテルカストの主要代謝物は側鎖メチル基の水酸化体及びベンジル位メチレン基の水酸化体であった。これら代謝物の生成にはそれぞれチトクロームP450(CYP)の分子種であるCYP2C8/2C9及び3A4が関与しており、CYP2C8がモンテルカストの主要代謝酵素であった。[10.参照]
更に側鎖メチル基の水酸化体はカルボン酸体まで酸化的代謝を受けることが確認されている。In vitro試験により治療時の血漿中濃度では、モンテルカストはCYP3A4、2C9、1A2、2A6、2C19又は2D6を阻害しないことが示された。
また、in vitro試験によりモンテルカストはCYP2C8を阻害することが示されたが、in vivoにおいてはモンテルカストは主にCYP2C8で代謝される代表的な薬剤であるロシグリタゾンとの臨床薬物相互作用試験で、CYP2C8を阻害しないことが示された(外国人データ)。したがって、モンテルカストはCYP2C8で代謝される薬剤(パクリタキセル等)の代謝に影響を及ぼさないと考えられる。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人にモンテルカストカプセル剤400mg注)を単回経口投与したとき尿中に未変化体は検出されなかった。
16.5.2 健康成人に14C標識モンテルカストカプセル剤102mg注)を単回経口投与した後5日間の、糞中及び尿中放射能排泄率はそれぞれ約86%及び0.1%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
軽度から中等度の肝機能障害のある成人肝硬変患者にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注)を単回経口投与したとき、AUC0-∞(平均)は健康成人と比べて41%増加し、t1/2(平均)は4.7時間から8.6時間に延長した(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 フェノバルビタール
健康成人にフェノバルビタール100mg(14日間反復)を経口投与したとき、モンテルカストフィルムコーティング錠10mg注)(単回)を経口投与により併用するとモンテルカストのAUC0-∞は約40%減少した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 テオフィリン
健康成人にモンテルカストカプセル剤を高用量(200mg注)を1日1回6週間反復あるいは1日3回8日間反復)で経口投与し、テオフィリンの経口投与(250mg単回)あるいは静脈内投与(5mg/kg単回)を併用したとき、血漿中テオフィリン濃度の低下が認められたが、モンテルカストフィルムコーティング錠10mg注)(10日間反復)の経口投与とテオフィリン5mg/kg(単回)の静脈内投与の併用では血漿中テオフィリン濃度の変化は認められなかった(外国人データ)。
16.7.3 プレドニゾン、プレドニゾロン
健康成人にモンテルカストカプセル剤200mg注)(6週間反復)とプレドニゾン20mg(単回)を経口投与により併用したとき、プレドニゾンのAUC0-∞がプラセボ群と比較して有意に低下したが、同一被験者のモンテルカストカプセル剤200mg注)投与前後の比較では変化はなく、活性代謝物であるプレドニゾロンの薬物動態も変化はなかった。また、健康成人にモンテルカストカプセル剤200mg注)(6週間反復)とプレドニゾロン20mg(単回)を静脈内投与により併用したとき、プレドニゾン及びプレドニゾロンの薬物動態はいずれも影響を受けなかった(外国人データ)。
16.7.4 経口避妊薬(エチニルエストラジオール35μg/ノルエチンドロン1mg)
健康成人にモンテルカストカプセル剤100mg注)(8日間反復)と経口避妊薬(エチニルエストラジオール35μg/ノルエチンドロン1mg単回)を経口投与により併用したとき、エチニルエストラジオール及びノルエチンドロンの薬物動態はいずれも影響を受けなかった(外国人データ)。
16.7.5 ジゴキシン
健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注)(7日間反復)とジゴキシン0.5mg(単回)を経口投与により併用したとき、免疫反応性ジゴキシンの薬物動態は影響を受けなかった(外国人データ)。
16.7.6 ワルファリン
健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注)(7日間反復)とワルファリン30mg(単回)を経口投与により併用したとき、ワルファリンの血漿中総薬物濃度は影響を受けなかった。また、プロトロンビン時間への影響もなかった(外国人データ)。
注)承認された用法及び用量は、1歳以上6歳未満の小児に1回4mgである。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
フェノバルビタール
[16.7.1参照]
本剤の作用が減弱するおそれがある。フェノバルビタールがCYP3A4を誘導し、本剤の代謝が促進される。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
11.1.2 血管浮腫(頻度不明)
11.1.3 劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)
11.1.5 血小板減少(頻度不明)
初期症状として、紫斑、鼻出血、歯肉出血等の出血傾向があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満注)頻度不明
過敏症皮疹そう痒、蕁麻疹、肝臓の好酸球浸潤
精神神経系頭痛、傾眠異夢、易刺激性、情緒不安、痙攣、不眠、幻覚、めまい、感覚異常(しびれ等)、激越、振戦、夢遊症、失見当識、集中力低下、記憶障害、せん妄、強迫性症状
呼吸器肺好酸球増多症
消化器系下痢、腹痛、胃不快感、嘔気、胸やけ、嘔吐、便秘消化不良、口内炎
肝臓肝機能異常、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇
筋骨格系筋痙攣を含む筋痛、関節痛
その他口渇、尿潜血、血尿、尿糖、浮腫、倦怠感、白血球数増加、尿蛋白、トリグリセリド上昇出血傾向(鼻出血、紫斑等)、挫傷、動悸、頻尿、発熱、脱力、疲労、脱毛、遺尿

注)副作用の頻度は、錠剤、チュアブル錠剤、細粒剤での国内臨床試験の結果を合わせて算出した。

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