製品名 アマージ錠2.5mg
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- 一般名
- Naratriptan Hydrochloride
- 薬効分類
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鎮痛・解熱薬>トリプタン系薬
- 価格
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2.5mg1錠:825.9円/錠
- 製薬会社
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- 製造販売元:グラクソ・スミスクライン株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 片頭痛
用法・用量
- 通常、成人にはナラトリプタンとして1回2.5mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。
なお、効果が不十分な場合には、追加投与することができるが、前回の投与から4時間以上あけること。ただし、1日の総投与量を5mg以内とする。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれることがある。]
- 脳血管障害や一過性脳虚血性発作の既往のある患者[脳血管障害や一過性脳虚血性発作があらわれることがある。]
- 末梢血管障害を有する患者[症状を悪化させる可能性が考えられる。]
- コントロールされていない高血圧症の患者[一過性の血圧上昇を引き起こすことがある。]
- 重度の肝機能障害又は重度の腎機能障害のある患者[本剤は肝臓で代謝されるとともに腎臓から排泄されるので、重度の肝機能障害あるいは重度の腎機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある。](「薬物動態」の項参照)
- エルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤、あるいは他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与中の患者[「相互作用」の項参照]
- 副作用
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- アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(頻度不明注1))
- アナフィラキシーショック、アナフィラキシーがまれにあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状(頻度不明注1))
- 狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 薬剤の使用過多による頭痛(頻度不明注1))
- 薬剤の使用過多による頭痛があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 虚血性心疾患の可能性のある患者(例えば、虚血性心疾患を疑わせる重篤な不整脈のある患者、閉経後の女性、40歳以上の男性、冠動脈疾患の危険因子を有する患者)[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある。]
- 肝機能障害又は腎機能障害のある患者[本剤は肝臓で代謝を受けるとともに腎臓から排泄されるので、血中濃度が上昇するおそれがある。](「禁忌」、「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)
- スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者[本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)があらわれる可能性がある。]
- 脳血管障害の可能性のある患者[脳血管障害があらわれるおそれがある。]
- てんかんあるいは痙攣を起こしやすい器質的脳疾患のある患者[類薬(スマトリプタン)でてんかん様発作が発現したとの報告がある。]
- コントロールされている高血圧症患者[類薬(スマトリプタン)で一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇が少数の患者でみられたとの報告がある。]
重要な基本的注意
- 本剤投与後、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれることがある。このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。
- 心血管系の疾患が認められない患者においても、重篤な心疾患が極めてまれに発生することがある。このような場合は以後の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 片頭痛あるいは本剤投与により眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意すること。
- 本剤を含むトリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
適用上の注意
- 薬剤交付時
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
- 本剤は、頭痛発現時のみに使用し、予防的には使用しないこと。
- 本剤投与により全く効果が認められない場合は、その発作に対して追加投与しないこと。このような場合は、再検査の上、頭痛の原因を確認すること。
- 肝機能障害患者又は腎機能障害患者では、血中濃度が上昇するおそれがあるので、1日の総投与量を2.5mgとすること(「慎重投与」の項参照)。
- 本剤は、国際頭痛学会による片頭痛診断基準(「参考」の項参照)により、「前兆のない片頭痛」あるいは「前兆のある片頭痛」と確定診断が行われた場合にのみ投与すること。特に次のような患者は、くも膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与すること。
- 今までに片頭痛と診断が確定したことのない患者
- 片頭痛と診断されたことはあるが、片頭痛に通常見られる症状や経過とは異なった頭痛及び随伴症状のある患者
- 家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛あるいは眼筋麻痺性片頭痛の患者には投与しないこと。
高齢者への投与
- 本剤は肝臓で代謝されるとともに、腎臓から排泄されるため、一般に生理機能が低下している高齢者では高い血中濃度が持続する可能性があるので注意すること(「薬物動態」の項参照)。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
- 授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で経口投与後乳汁中への移行が認められている。]
小児等への投与
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(国内での使用経験が少ない)。
薬物動態
- 血中濃度
- 単回投与
- 健康成人男性に、ナラトリプタン1mg、2.5mg及び5mgを空腹時に単回経口投与した時の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す。Cmax及びAUC0-tは用量に対して線形性が認められた。t1/2は約5時間であった。
- 図-1 健康成人男性における単回投与後の血漿中ナラトリプタン濃度(平均値±標準偏差、n=18)
- 表-1 健康成人男性における単回投与後の薬物動態パラメータ
投与量 Cmax(ng/mL) AUC0-t(ng・hr/mL) Tmax(hr) t1/2(hr) 1mg 2.12±0.58 16.50±5.46 2.17±0.86 4.47±1.73 2.5mg 5.62±1.31 48.59±14.43 2.68±1.34 5.05±1.71 5mg 12.74±4.15 111.91±25.90 2.42±1.52 5.36±0.89 平均値±標準偏差、(n=18)
- 健康成人女性にナラトリプタン1mg、2.5mg及び5mgを空腹時に単回経口投与した時の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは、健康成人男性と比較してCmaxは0.99~1.39倍、AUC0-tは1.19~1.33倍であった。t1/2はほぼ同様であった。
また、女性片頭痛患者の片頭痛発作発現時にナラトリプタン2.5mgを経口投与した時の薬物動態は、片頭痛発作のない時と比べてCmaxがやや低下したが、AUC0-∞に変化はみられなかった(外国人データ)。
- 健康成人男性に、ナラトリプタン1mg、2.5mg及び5mgを空腹時に単回経口投与した時の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す。Cmax及びAUC0-tは用量に対して線形性が認められた。t1/2は約5時間であった。
- 反復投与
- 健康成人男性にナラトリプタン5mgを1日1回5日間反復経口投与した時、反復投与による薬物動態への影響及び蓄積性は認められなかった。
- 食事の影響
- 健康成人男性にナラトリプタン2.5mgを空腹時及び食後に単回経口投与した時の薬物動態はほぼ同様であり、食事による顕著な影響は受けなかった。
- 代謝・排泄
- 健康成人男性にナラトリプタン2.5mgを空腹時に単回経口投与した時、投与後24時間までに投与量の約50%が未変化体として尿中に排泄された。
- ナラトリプタンはCYP1A2、CYP2C9、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4/5などの複数のCYP分子種で代謝された。
- ナラトリプタンはモノアミンオキシダーゼ(A型及びB型)の代謝活性を阻害しない。また各CYP分子種(CYP1A1、CYP1A2、CYP2A6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4/5)の代謝活性も阻害しない。
- 腎機能障害患者(外国人データ)
- 軽度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス;40~75mL/min)及び中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス;15~39mL/min)にナラトリプタン5mg及び2.5mgを単回経口投与した時の薬物動態は、健康成人と比べて2.5mg投与量に換算したCmaxがそれぞれ39、43%上昇し、t1/2が86、62%延長した。また全身クリアランスは46、50%低下した。
クレアチニンクリアランス
(被験者数)>75mL/min
(n=8)40~75mL/min
(n=8)15~39mL/min
(n=7)投与量 5mg 5mg 2.5mg Cmax(ng/mL)
(2.5mg投与量換算)9.8±3.27 14.9±10.12 14.3±4.31 AUC0-∞(ng・hr/mL)
(2.5mg投与量換算)92.5±31.26 185.2±85.80 208.8±110.25 t1/2(hr) 6.3±1.69 12.1±4.16 11.3±3.72 CL/F(mL/min) 510.7±213.05 275.3±129.19 238.8±99.69 CLr(mL/min) 173.7±78.40 85.3±46.53 47.7±14.95 平均値±標準偏差
- 軽度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス;40~75mL/min)及び中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス;15~39mL/min)にナラトリプタン5mg及び2.5mgを単回経口投与した時の薬物動態は、健康成人と比べて2.5mg投与量に換算したCmaxがそれぞれ39、43%上昇し、t1/2が86、62%延長した。また全身クリアランスは46、50%低下した。
- 肝機能障害患者(外国人データ)
- 肝機能障害患者(Child-PughグレードA又はB)にナラトリプタン2.5mgを単回経口投与した時の薬物動態は、健康成人と比べてAUC0-∞が48%増加しt1/2が42%延長した。また全身クリアランスは33%低下した。Cmaxはほぼ同様であった。
- 高齢者(外国人データ)
- 高齢者にナラトリプタンを1日量として2又は5mgを経口投与(1又は2.5mg投与4時間後にそれぞれ同量を追加投与)した時、若年者と比べてCmaxはそれぞれ28、15%上昇し、AUC0-∞は38、32%増加した。t1/2はそれぞれ18、14%延長し、全身クリアランスは28、24%低下した。
- その他の薬物速度論的パラメータ(外国人データ)
- 健康成人に本剤5mgを単回経口投与した時の生物学的利用率は70%であった。
- ナラトリプタンのヒト血漿蛋白に対する結合率は血漿中濃度50~1000ng/mLで29%であり、血球への移行率は血液中濃度50~1000ng/mLで52%であった(in vitro)。