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デプロメール錠25、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • うつ病・うつ状態、強迫性障害、社会不安障害

用法・用量

  • 成人への投与

    • <うつ病・うつ状態、強迫性障害、社会不安障害>

      • 通常、成人には、フルボキサミンマレイン酸塩として、1日50mgを初期用量とし、1日150mgまで増量し、1日2回に分割して経口投与する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減する。
  • 小児への投与

    • <強迫性障害>

      • 通常、8歳以上の小児には、フルボキサミンマレイン酸塩として、1日1回25mgの就寝前経口投与から開始する。その後1週間以上の間隔をあけて1日50mgを1日2回朝及び就寝前に経口投与する。年齢・症状に応じて1日150mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として25mgずつ行うこと。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[10.1参照]
  • 2.3 ピモジド、チザニジン塩酸塩、ラメルテオン、メラトニンを投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣を起こすことがある。[11.1.1参照]
9.1.2 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。[5.1、5.4、8.2-8.5、8.7、9.1.3参照]
9.1.3 躁うつ病患者
躁転、自殺企図があらわれることがある。[5.1、5.4、8.2-8.5、8.7、9.1.2参照]
9.1.4 脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者
精神症状を増悪させることがある。[8.3、8.5、9.1.5参照]
9.1.5 衝動性が高い併存障害を有する患者
精神症状を増悪させることがある。[8.3、8.5、9.1.4参照]
9.1.6 心疾患のある患者
房室ブロック、心室頻拍等があらわれたとの報告がある。[9.8参照]
9.1.7 出血性疾患の既往歴又は出血性素因のある患者
出血傾向が増強するおそれがある。[9.8、10.2参照]
9.1.8 緑内障又は眼内圧亢進のある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害患者
排泄が遅延するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
本剤のAUCが増大又は半減期が延長するおそれがある。
9.5 妊婦
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。また、投与中に妊娠が判明した場合は投与を中止することが望ましい。
9.5.2 妊娠後期(第3三半期)に本剤を投与された妊婦から出生した新生児において、呼吸困難、振戦、筋緊張異常、痙攣、易刺激性、傾眠傾向、意識障害、嘔吐、哺乳困難、持続的な泣き等の症状が発現したとの報告がある。なお、これらの症状は、薬物離脱症状として報告される場合もある。
9.5.3 海外の疫学調査において、妊娠中に他のSSRIを投与された妊婦から出生した新生児において、新生児遷延性肺高血圧症のリスクが増加したとの報告がある。このうち1つの調査では、妊娠34週以降に生まれた新生児における新生児遷延性肺高血圧症発生のリスク比は、妊娠早期の投与では2.4(95%信頼区間1.2-4.3)、妊娠早期及び後期の投与では3.6(95%信頼区間1.2-8.3)であった。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
<効能共通>
9.7.1 類薬において、海外で実施された18歳以下の大うつ病性障害(DSM-IVにおける分類)患者を対象としたプラセボ対照の臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告がある。[5.2参照]
<うつ病・うつ状態及び社会不安障害>
9.7.2 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
<強迫性障害(小児)>
9.7.3 11歳以下の女性では、男性及び12歳以上の女性と比較して本剤のAUC及びCmaxが増大する。[16.6.1参照]
9.7.4 小児に長期間本剤を服用させる場合には、身長、体重の観察を行うこと。海外で、強迫性障害の小児にSSRIを投与し、食欲低下と体重減少・増加が発現したとの報告がある。
9.7.5 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は8歳未満の小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
高い血中濃度が持続し、出血傾向の増強等がおこるおそれがあるので、増量に際しては、用量等に注意して慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多い。また、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群は主に高齢者において報告されているので、注意すること。なお、因果関係は不明であるが、心疾患のある高齢者において、房室ブロック、心室頻拍等があらわれたとの報告がある。[9.1.6、9.1.7、10.2、11.1.8参照]

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 眠気、意識レベルの低下・意識消失等の意識障害が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.2 うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。[5.1、5.4、8.3-8.5、8.7、9.1.2、9.1.3参照]
8.3 不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。[5.1、5.4、8.2、8.4、8.5、8.7、9.1.2-9.1.5参照]
8.4 自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。[5.1、5.4、8.2、8.3、8.5、8.7、9.1.2、9.1.3参照]
8.5 家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。[5.1、5.4、8.2-8.4、8.7、9.1.2-9.1.5参照]
8.6 投与量の急激な減少ないし投与の中止により、頭痛、嘔気、めまい、不安感、不眠、集中力低下等があらわれることが報告されているので、投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行うこと。
<強迫性障害(小児)>
8.7 本剤投与により自殺念慮、自殺企図があらわれる可能性がある。本剤投与中は定期的に安全性及び有効性を評価し、漫然と投与しないこと。[5.1、5.4、8.2-8.5、9.1.2、9.1.3、15.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.2 薬剤投与時の注意
十分な水とともに服用し、かみ砕かないよう指導すること。かみ砕くと苦みがあり、舌のしびれ感があらわれることがある。

7.用法・用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。

5.効能・効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。[5.4、8.2-8.5、8.7、9.1.2、9.1.3、15.1.1参照]
<うつ病・うつ状態>
5.2 本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。[9.7.1参照]
<社会不安障害>
5.3 社会不安障害の診断は、DSM等の適切な診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。
※DSM:American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(精神疾患の診断・統計マニュアル)
<強迫性障害(小児)>
5.4 強迫性障害(小児)に本剤を投与する場合は、保護者又はそれに代わる適切な者等に自殺念慮や自殺企図があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。[5.1、8.2-8.5、8.7、9.1.2、9.1.3、15.1.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 成人における血中濃度
健康成人男子(n=6)に1回25~200mgを単回経口投与したときの血清中濃度は、約4~5時間後に最高値に達し、半減期約9~14時間で低下した(図1)。薬物動態パラメータは表1のとおりであった。また、健康成人男子(n=5)に75mgを1日1回反復経口投与したときの血清中濃度は投与3日目でほぼ定常状態に達した。
図1 健康成人男子における単回経口投与時の血清中フルボキサミン濃度
表1 成人におけるフルボキサミン薬物動態パラメータ
投与量Tmax(hr)Cmax(ng/mL)T1/2(hr)AUC0-∞(ng・hr/mL)
25mg5.17±1.479.14±3.978.91±1.25133±51
50mg4.67±1.3717.25±3.039.83±2.23302±69
100mg3.50±1.2243.77±15.4911.84±2.38804±322
200mg4.67±1.5191.81±16.6714.11±4.132020±655
Mean±S.D.
(注)本剤の承認された1日用量は、通常50~150mgである。
16.3 分布
平衡透析法により測定したヒト血清蛋白との結合率は、0.1μg/mLと0.5μg/mLの濃度で約81%であった(in vitro、外国人データ)。
16.4 代謝
本剤は肝臓で代謝され、肝薬物代謝酵素CYP2D6が関与していると考えられている。[10.参照]
16.5 排泄
本剤は、肝臓で酸化的に脱メチル化されて薬理活性を持たない代謝物となり、尿中に排泄される。健康成人男子に14C-フルボキサミン1mg(n=1)又は5mg(n=5)を経口投与したとき、投与後約70時間までの尿中累積放射能排泄率は、平均約94%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 小児
強迫性障害又はその他の精神疾患患者に本剤25mg/日を開始用量とし、6~11歳の患者には本剤50~200mg/日、12~17歳の患者には本剤50~300mg/日を1日2回反復経口投与したとき、薬物動態パラメータは表2のとおりであった。定常状態におけるフルボキサミンの曝露量は、6~11歳の女性患者で高かった(外国人データ)。[9.7.3参照]
表2 小児におけるフルボキサミン薬物動態パラメータ
1日投与量評価例数Cmax(ng/mL)AUC0-12(ng・hr/mL)CL/F(L/hr)
6~11歳の男性
50mg933.0±11.9295.1±125.472.0±27.7
100mg8114.5±57.91104.7±651.743.8±22.9
200mg7347.9±183.03640.6±2086.226.4±14.5
6~11歳の女性
50mg786.0±25.9876.0±305.923.8±10.1
100mg7357.5±165.03529.9±1551.415.0±13.6
200mg3859.7±284.98876.3±3274.09.0±3.2
12~17歳の男性
50mg927.3±13.0257.3±138.9100.4±72.9
100mg975.8±52.1748.0±520.980.0±64.8
200mg9248.3±124.52536.6±1347.348.0±47.1
300mg6436.8±210.74508.4±2377.833.6±22.1
12~17歳の女性
50mg922.4±14.6202.5±137.9144.7±130.1
100mg864.3±43.7644.7±456.5132.1±186.4
200mg8216.1±150.32250.0±1610.967.7±81.4
300mg7296.4±213.63169.3±2474.881.4±111.0
Mean±S.D.
(注)本剤の承認された小児の1日最高用量は150mgである。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
セレギリン塩酸塩
(エフピー)
ラサギリンメシル酸塩
(アジレクト)
サフィナミドメシル酸塩
(エクフィナ)
[2.2参照]
両薬剤の作用が増強されることがあるので、MAO阻害剤の中止後、本剤を投与する場合は、2週間以上の間隔をあけること。また、本剤投与後MAO阻害剤に切り替える場合は、少なくとも1週間以上の間隔をあけること。
なお、本剤の類薬とMAO阻害剤との併用によりセロトニン症候群があらわれたとの報告がある。
脳内セロトニン濃度が高まるためと考えられる。
ピモジド
(オーラップ)
[2.3参照]
ピモジドの血中濃度が上昇又は半減期が延長することにより、QT延長、心室性不整脈(torsade de pointesを含む)等の心血管系の副作用が発現するおそれがある。本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させると考えられる。
チザニジン塩酸塩
(テルネリン)
[2.3参照]
チザニジンの血中濃度が上昇又は半減期が延長することにより、著しい血圧低下等の副作用が発現するおそれがある。本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させると考えられる。
ラメルテオン
(ロゼレム)
メラトニン
(メラトベル)
[2.3参照]
これらの薬剤の最高血中濃度、AUCが顕著に上昇するとの報告があり、併用により作用が強くあらわれるおそれがある。本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させると考えられる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
セロトニン作用を有する薬剤
炭酸リチウム
L-トリプトファン含有製剤(アミノ酸製剤、経腸成分栄養剤等)
トリプタン系薬剤(スマトリプタンコハク酸塩等)
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
トラマドール塩酸塩
リネゾリド
メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)等
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
[11.1.4参照]
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれるおそれがあるので、減量するなど、観察を十分に行いながら慎重に投与すること。セロトニン作用を相互に増強させるためと考えられる。
抗てんかん剤
フェニトイン
カルバマゼピン
三環系抗うつ剤
イミプラミン塩酸塩
アミトリプチリン塩酸塩
クロミプラミン塩酸塩
ベンゾジアゼピン系薬剤
アルプラゾラム
ブロマゼパム
ジアゼパム等
オランザピン
クロザピン
ロピニロール塩酸塩
メキシレチン塩酸塩
シルデナフィルクエン酸塩
これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがあるので、これらの薬剤の用量を減量するなど、注意して投与すること。本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇、血中半減期を延長、又はAUCを増加させることがある。
β-遮断剤
プロプラノロール塩酸塩
プロプラノロールの血中濃度上昇によると考えられる徐脈、低血圧等が報告されているので、注意して投与すること。本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇、血中半減期を延長、又はAUCを増加させることがある。
キサンチン系気管支拡張剤
テオフィリン等
テオフィリンのクリアランスを1/3に低下させることがあるので、テオフィリンの用量を1/3に減量するなど、注意して投与すること。なお、併用により、めまい、傾眠、不整脈等があらわれたとの報告がある。本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇、血中半減期を延長、又はAUCを増加させることがある。
シクロスポリン
ゾルピデム酒石酸塩
これらの薬剤の血中濃度上昇が報告されているので、注意して投与すること。本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇、血中半減期を延長、又はAUCを増加させることがある。
クマリン系抗血液凝固剤
ワルファリンカリウム
ワルファリンの血中濃度が上昇することが報告されているので、プロトロンビン時間を測定し、ワルファリンの用量を調節するなど、注意して投与すること。本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇、血中半減期を延長、又はAUCを増加させることがある。
アブロシチニブアブロシチニブの作用が増強する可能性があるので、可能な限り併用しないことを考慮すること。併用する場合には、アブロシチニブを減量するなど注意して投与すること。本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇、血中半減期を延長、又はAUCを増加させることがある。
メサドン塩酸塩メサドンの血中濃度上昇が報告されているので、注意して投与すること。機序不明
出血傾向が増強する薬剤
非定型抗精神病薬
フェノチアジン系薬剤
三環系抗うつ薬
アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤
ワルファリンカリウム等
[9.1.7、9.8参照]
皮膚の異常出血(斑状出血、紫斑等)、出血症状(胃腸出血等)が報告されているので、注意して投与すること。SSRIの投与により血小板凝集が阻害され、これらの薬剤との併用により出血傾向が増強することがある。
アルコール
(飲酒)
本剤服用中は、飲酒を避けさせることが望ましい。相互作用は認められていないが、他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 痙攣(頻度不明)、せん妄、錯乱、幻覚、妄想(各0.1~5%未満)[9.1.1参照]
11.1.2 意識障害(頻度不明)
意識レベルの低下・意識消失等の意識障害があらわれることがある。
11.1.3 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
11.1.4 セロトニン症候群(頻度不明)
錯乱、発熱、ミオクロヌス、振戦、協調異常、発汗等が発現した場合は投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。なお、セロトニン作用薬との併用において、昏睡状態となり、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。[10.2参照]
11.1.5 悪性症候群(頻度不明)
向精神薬(抗精神病薬、抗うつ薬等)との併用により、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
11.1.6 白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
血液検査等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP、総ビリルビン等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、肝機能検査等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.8 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム増加、高張尿、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、食欲不振、頭痛、嘔気、嘔吐、全身倦怠感等があらわれた場合には電解質の測定を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等の適切な処置を行うこと。[9.8参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満頻度不明
精神神経系眠気めまい・ふらつき・立ちくらみ、振戦・アカシジア様症状・顎の不随意運動・開口障害・きょう筋の痙攣等の錐体外路障害、頭痛、不眠、頭がボーっとする、ぼんやり、集中力低下、記憶減退、動作緩慢、あくび、圧迫感、抑うつ感、神経過敏、焦燥感、不安感、躁転、気分高揚、舌麻痺、言語障害、しびれ、運動失調、知覚異常、異常感覚・冷感激越、性欲障害
循環器頻脈、動悸、血圧上昇、低血圧、起立性低血圧徐脈
過敏症発疹、蕁麻疹、湿疹、そう痒感光線過敏性反応
血液白血球減少、ヘモグロビン減少、血清鉄上昇あるいは低下紫斑・胃腸出血・斑状出血等の異常出血、貧血
肝臓AST、ALT、γ-GTP、LDH、Al-P上昇等の肝機能障害
消化器嘔気・悪心、口渇、便秘嘔吐、下痢、腹痛、腹部膨満感、食欲不振、消化不良、空腹感、口腔内粘膜腫脹
泌尿器排尿困難、排尿障害、頻尿、乏尿、BUN上昇、尿蛋白陽性尿失禁、尿閉
血清電解質血清カリウム上昇あるいは低下、血中ナトリウム低下低ナトリウム血症
その他倦怠感、脱力感、上肢の虚脱、息切れ、胸痛、熱感、ほてり、灼熱感、発汗、視調節障害、眼痛、眼圧迫感、眼がチカチカする、耳鳴、鼻閉、苦味、歯がカチカチする、体重増加、脱毛、CK上昇乳汁漏出、高プロラクチン血症、月経異常、勃起障害・射精障害等の性機能異常、関節痛、筋肉痛、浮腫、発熱、しゃっくり、味覚異常、散瞳、緑内障
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