製品名 トロペロン注4mg

一般名
Timiperone
薬効分類
抗精神病薬
 >抗精神病薬(ブチロフェノン系)
価格
4mg2mL1管:195円/管

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 統合失調症、躁病

用法・用量

  • 急性期症状において緊急を要する場合及び経口投与が困難な場合に用いる。
    チミペロンとして、通常成人1回4mg(2mL)を1日1回もしくは2回、筋肉内又は静脈内注射する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 昏睡状態の患者[症状が悪化するおそれがある。]
  • バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制薬の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]
  • 重症の心不全患者[一過性の血圧低下、頻脈等があらわれるおそれがある。]
  • パーキンソン病のある患者[錐体外路症状が悪化するおそれがある。]
  • 本剤の成分又はブチロフェノン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
  • アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)(「相互作用」の項参照)
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
副作用
Syndrome malin(悪性症候群)(頻度不明注1)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。
麻痺性イレウス(頻度不明注1)
経口剤で腸管麻痺(初期症状:食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩、腸内容物のうっ滞等)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺が認められた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
遅発性ジスキネジア(頻度不明注1)
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
無顆粒球症、白血球減少(頻度不明注1)
無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明)
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注1)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。
心室頻拍(Torsades de pointesを含む)
類似化合物(ハロペリドール)で心室頻拍(Torsades de pointesを含む)が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
類似化合物(ハロペリドール)で、低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることが報告されているので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

心・血管疾患、低血圧、又はこれらの疑いのある患者[一過性の血圧低下があらわれることがある。]
てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]
肝障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。また、血中濃度が上昇するおそれがある。]
甲状腺機能亢進状態にある患者[錐体外路症状が起こりやすい。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
小児等(「小児等への投与」の項参照)
薬物過敏症の既往歴のある患者
脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者[著しい血圧低下、Syndrome malin(悪性症候群)が起こるおそれがある。]

重要な基本的注意

眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等の嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。

適用上の注意

投与経路
筋肉内又は静脈内注射にのみ使用すること。
筋肉内注射時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
同一部位への反復注射は避けること。
なお、低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には特に注意すること。
神経走行部位を避けるよう注意すること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
開封時
アンプルカット時の異物混入を避けるため、エタノール消毒綿等で清拭しカットすること。
ジアゼパムと混合しないこと(白濁が認められる)。

高齢者への投与

高齢者では、錐体外路症状等の副作用があらわれやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[類似化合物(ハロペリドール)で催奇形性を疑う症例が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。]
授乳中の婦人には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されており、また類似化合物(ハロペリドール)でヒト母乳中へ移行することがある。]

小児等への投与

錐体外路症状等、中枢神経系の副作用が起こりやすい。

薬物動態

血中濃度
血漿中濃度の推移
統合失調症患者7例にチミペロン4mgを単回筋肉内投与した場合、血漿中濃度は0.5~8時間(平均3.7時間)で最高濃度8~21ng/mL(平均13.6ng/mL)に達し、その後半減期平均15.7時間で消失した。なお、本剤の血漿中濃度の推移には個人差が認められた。
また、同一患者に4mgを1日1回7日間連続筋肉内投与した場合、3、5、7日目の投薬前における平均血漿中濃度は2.4~3.1ng/mLで推移し、単回投与後24時間値(3.6ng/mL)と比較し濃度の上昇は認められなかった。また、連続投与3、5、7日目の投薬後30分値も11.9~14.0ng/mLで、単回投与30分値(10.5ng/mL)にほぼ一致し、連続投与による血漿中濃度の上昇傾向は認められなかった。
血漿蛋白結合率
14C-チミペロンのin vitroでのヒト血漿蛋白結合率は超遠心分離法で95%以上、平衡透析法で約90~96%、ゲル濾過法では約77~79%であった。なお、14C-チミペロンとヒト血漿蛋白との結合は可逆的であった。
分布
参考(動物実験)
ラットに14C-チミペロンを静脈内あるいは筋肉内に単回投与した場合、放射能は速やかに血中より組織に移行し、血中からの消失に類似して組織からも速やかに消失した。脳内には、抗精神病作用発現本体である未変化体が主として存在し、脳内放射能濃度は投与後4時間まで血漿中濃度の1~4倍を示し、大脳皮質に高く、次いで大脳辺縁系及び脳幹に分布が認められた。
代謝
参考(動物実験)
ラットでチミペロンはN-脱アルキル化とブチロフェノン側鎖の還元により代謝され、3種の代謝物を生成することが確認されている。ラット静脈内投与後の血漿中及び組織内では未変化体が主として存在することが認められているが、尿中には代謝物2,3-dihydro-1-(4-piperidinyl)-2-thioxo-1H-benzimidazoleが多く排泄され、未変化体はわずかであった。
排泄
参考(動物実験)
ラットに14C-チミペロンを静脈内(0.1mg/kg、2mg/kg)あるいは筋肉内(0.1mg/kg)に単回投与した場合、尿及び糞中への排泄は投与後48時間までにほぼ終了し、投与量の51~54%が尿中に、39~42%が糞中に認められた。また排泄率には投与経路、投与量による相違は認められなかった。また、胆汁中へは投与後24時間で投与量の33%が排泄され、胆汁中に排泄されたチミペロンは腸管から再吸収されることが認められている。