製品名 ノーベルバール静注用250mg
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- 一般名
- Phenobarbital Sodium
- 薬効分類
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抗てんかん薬>バルビツール酸系薬
- 価格
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250mg1瓶:2153円/瓶
- 製薬会社
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- 製造販売元:ノーベルファーマ株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 新生児けいれん
- てんかん重積状態
用法・用量
新生児けいれん
初回投与
フェノバルビタールとして、20mg/kgを静脈内投与する。けいれんがコントロールできない場合は、患者の状態に応じ、初回投与量を超えない範囲で用量を調節し、静脈内に追加投与する。
維持投与
フェノバルビタールとして、2.5~5mg/kgを1日1回静脈内投与する。
てんかん重積状態
- フェノバルビタールとして、15~20mg/kgを1日1回静脈内投与する。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分又はバルビツール酸系化合物に対して過敏症の既往歴のある患者
- 急性間欠性ポルフィリン症の患者[ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある。]
- ボリコナゾール、タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、アスナプレビル、ダクラタスビル、マシテンタン、エルバスビル、グラゾプレビル、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル、ダルナビル・コビシスタット、リルピビリン、リルピビリン・テノホビル ジソプロキシル・エムトリシタビン、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル、ソホスブビル・ベルパタスビル、ドルテグラビル・リルピビリンを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
- 副作用
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- 注4)
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)
- 観察を十分に行い、発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 過敏症症候群(0.1%)
- 初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
- 依存性(頻度不明)
- 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、不安、不眠、けいれん、悪心、幻覚、妄想、興奮、錯乱又は抑うつ状態等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
- 顆粒球減少(0.4%)、血小板減少(頻度不明)
- 観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 肝機能障害(3.6%)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 呼吸抑制(0.7%)
- 観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 注4)てんかん重積状態を対象として実施された使用成績調査の結果に基づき、発現頻度を記載した。なお、本調査では発現しなかった副作用については頻度不明として記載した。
- 注意
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次の患者には慎重に投与すること
- 低出生体重児[これらの症例に対する投与経験が少ない(「小児等への投与」の項参照)。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 虚弱者、呼吸機能の低下している患者[呼吸抑制を起こすことがある。]
- 頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症の患者[本剤の作用が強くあらわれることがある。]
- 心障害のある患者[血圧低下や心拍数減少を起こすおそれがある。]
- 肝障害、腎障害のある患者[これらの症状の悪化、また血中濃度上昇のおそれがある。]
- 薬物過敏症の患者
- アルコール中毒のある患者[中枢抑制作用が増強される。]
- 薬物依存の傾向又は既往歴のある患者[精神依存及び身体依存を示すことがある。]
- 重篤な神経症の患者[依存を示すおそれがある。]
- 甲状腺機能低下症の患者[甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。]
- 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。なお、高齢者、虚弱者の場合は特に注意すること。
- 連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。
- 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
- 本剤は静脈内にのみ投与すること。
- 調製方法
- 投与に際しては、通常、1バイアルを5mLの注射用水又は生理食塩液に溶解する(溶解後の濃度:フェノバルビタールとして50mg/mL)。なお、溶解後は、速やか(6時間以内)に使用すること。
- 以下に示す注射剤との配合変化を起こすことが確認されているので、混合しないこと。ドパミン塩酸塩、L-アスパラギン酸カリウム、メナテトレノン(ビタミンK)、ベクロニウム臭化物、アミカシン硫酸塩、ゲンタマイシン硫酸塩、注射用エリスロマイシン(エリスロマイシンラクトビオン酸塩)。
- <新生児けいれん及びてんかん重積状態>
- 意識障害、血圧低下、呼吸抑制があらわれることがあるので、用量調節を適切に行うために、本剤の血中濃度測定を行うことが望ましい。また、呼吸抑制があらわれた場合には、直ちに人工呼吸など適切な処置を行うこと。(「小児等への投与」、「過量投与」の項参照)
- <新生児けいれん>
- 新生児では、5~10分かけて緩徐に投与すること。ただし、患者の状態に応じ、より緩徐に投与することも考慮すること。また、追加投与を行う際には、患者の状態を観察し、初回投与から十分な間隔をあけた上で、実施すること。(「臨床成績」の項参照)
- <てんかん重積状態>
- 小児及び成人では、10分以上かけて緩徐に投与すること。ただし、100mg/分の投与速度を超えないこと。
- 本剤は、作用発現が遅く、長時間作用型に属することから、てんかん重積状態の患者では、速効性の薬剤を第一選択とし、本剤は第二選択以降に使用することが望ましい。(「薬効薬理」の項参照)
- 少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。なお、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。[高齢者では、呼吸抑制、興奮、抑うつ、錯乱等があらわれやすい(「重要な基本的注意」の項参照)。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中に本剤を単独、又は併用投与された患者の中に、奇形を有する児(口唇裂、口蓋裂、心奇形、大動脈縮窄症等)を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。]
- 妊娠中の投与により、新生児に出血傾向、呼吸抑制等を起こすことがある。
- 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状(多動、振戦、反射亢進、過緊張等)があらわれることがある。
- 妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある。
- 授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には、授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行し、新生児、乳児に傾眠、哺乳量低下を起こすことがある。]
- 本剤の主要代謝系は生後10日~20日に完成するとの報告があることから、特に低出生体重児及び新生児では血中濃度モニタリングを実施することが望ましい。
- 薬物血中濃度
- 本剤を新生児けいれんに対し、初回投与量として20mg/kgを、けいれんがコントロールできない場合は追加投与として同量を、維持投与量として1日1回2.5~5mg/kgを、静脈内投与した。その結果、初回投与量は17.5~20.8mg/kg、追加投与量は20.1mg/kg、維持投与量は2.2~5mg/kgであった。初回投与後2時間における血中濃度(9例)は、22.38±2.34μg/mL(18.8~25.8μg/mL);平均±標準偏差(最小値~最大値)であり、追加投与(初回投与30分後)を実施した1例では42.8μg/mLであった。また、維持投与最終投与前(中止時)の血中濃度(10例)は、27.65±9.46μg/mL(18.7~45.3μg/mL)であった,。