製品名 カプトリル-Rカプセル18.75mg
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- 一般名
- Captopril
- 薬効分類
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降圧薬>ACE阻害薬
- 価格
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18.75mg1カプセル:30.2円/カプセル
- 製薬会社
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- 製造販売元:アルフレッサファーマ株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 本態性高血圧症、腎性高血圧症
用法・用量
- 通常、成人1回1~2カプセル、1日2回(カプトプリルとして37.5~75mg)経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、重症本態性高血圧症及び腎性高血圧症の患者では1回1カプセル、1日1~2回(カプトプリルとして18.75~37.5mg)から投与を開始することが望ましい。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現するおそれがある。]
- デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者(「相互作用」の項参照)
- アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者(「相互作用」の項参照)
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている(「重要な基本的注意」の項参照)。]
- 副作用
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- (頻度不明)
- 血管浮腫
- 呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがある。このような場合には、気管の閉塞を起こしやすくなるので、直ちに投与を中止し、アドレナリンの皮下注射、気道確保など適切な処置を行うこと。また、腹痛を伴う腸管の血管浮腫があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
- 汎血球減少、無顆粒球症
- 汎血球減少、無顆粒球症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
- 急性腎不全、ネフローゼ症候群
- 急性腎不全、ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
- 高カリウム血症
- 重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
- 天疱瘡様症状
- 天疱瘡様症状があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 狭心症、心筋梗塞、うっ血性心不全、心停止
- 狭心症、心筋梗塞、うっ血性心不全、心停止があらわれたとの報告がある。
- アナフィラキシー
- アナフィラキシーがあらわれたとの報告がある。
- 皮膚粘膜眼症候群、剥脱性皮膚炎
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎があらわれたとの報告がある。
- 錯乱
- 錯乱があらわれたとの報告がある。
- 膵炎
- 膵炎があらわれたとの報告がある。
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 高カリウム血症の患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 重篤な腎障害のある患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)
- 造血障害のある患者[好中球減少症、無顆粒球症等の副作用が発現することがある。]
- 全身性エリテマトーデス(SLE)などの免疫異常のある患者[好中球減少症、無顆粒球症等の副作用が発現することがある。]
- 重篤な肝障害のある患者[黄疸等の副作用が発現することがある。]
- 消化性潰瘍又はその既往歴のある患者[副作用として消化器症状が発現することがある。]
- 脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させることがある。]
- 光線過敏症の既往歴のある患者[副作用として発疹等の皮膚症状が発現することがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
- 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
- 高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。
- 本剤の投与によって次の患者では、初回投与後、一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
- 重症の高血圧症患者
- 血液透析中の患者
- 利尿降圧剤投与中の患者(特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者)
- 厳重な減塩療法中の患者
- アリスキレンフマル酸塩を併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
- 腎疾患の既往歴のある患者、腎障害のある患者では、本剤の投与により蛋白尿があらわれやすいので、腎機能、尿所見に留意し、定期的に検査を行うこと。
- 持続的な蛋白尿の増加傾向が認められる場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 腎障害のある患者に投与する場合には低用量より開始するなど特に注意すること。
- 腎障害のある患者、重篤な自己免疫疾患(特に全身性エリテマトーデス)又は免疫抑制剤の投与を受けている患者では、好中球減少、無顆粒球症があらわれやすいので、血液像に留意して、定期的に検査を行うこと。
- 白血球数の急激な減少あるいは4,000/mm3未満となった場合には、白血球分画を含む経過観察を十分に行い、3,000/mm3未満を示す場合には投与を中止すること。
- 手術前24時間は投与しないことが望ましい。
- 血圧低下に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者で高所作業、自動車の運転等危険を伴う作業に注意させること。
適用上の注意
- 薬剤交付時
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
用法用量に関連する使用上の注意
- 重篤な腎障害のある患者では、血清クレアチニン値が3mg/dLを超える場合には、投与量を減らすか、又は投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。[過度の血圧低下及び血液障害が起こるおそれがある。](「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照)
高齢者への投与
- 低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。[妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。]
- 妊娠中に本剤を投与された重症高血圧症の患者で、羊水過少症、また、その新生児に低血圧・腎不全等があらわれたとの報告がある。
- 授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[ヒト母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
薬物動態
- 血中濃度
- 健康成人8例にカプトリル-R(持効性製剤)を1回25mg食後30分に経口投与(交叉法)した場合、カプトリル-R(25mg/カプセル)はカプトリル錠(25mg/錠)に比べ投与後4時間以降の濃度は有意に高く、投与後8時間でも遊離カプトプリルの存在を確認できた。
また、生物学的半減期は2.13時間、平均体内滞留時間は3.59時間といずれもカプトリル錠の2~3.5倍の値を示している。パラメータ カプトリル-R カプトリル錠 Cmax(ng/mL) 73.7 121.0 Tmax(hr) 1.25 1.13 t1/2(hr) 2.13 0.62 〔AUC〕∞0(ng・hr/mL) 238.5 250.5 MRT(hr) 3.59 1.75 MRT:Mean residence time - これらの実験より得られた薬物速度論的パラメータを用い、さらに線形性が成立するという仮定の下にカプトリル-Rとカプトリル錠との多回投与時の血漿中濃度をシミュレートした結果は図のとおりである。
- カプトリル-Rとカプトリル錠との多回投与時の血漿中濃度シミュレーション
- 本態性高血圧症患者(WHO病期分類I~II期)10例にカプトリル-R、1カプセル(18.75mg)を朝食後30分に1回投与した結果、急性降圧効果は8~12時間持続することが示され、また血漿中遊離カプトプリル濃度、血漿ACE阻害活性でも持効性が認められ、製剤の持効化に伴うBioavailabilityの低下はなかった。
- 健康成人8例にカプトリル-R(持効性製剤)を1回25mg食後30分に経口投与(交叉法)した場合、カプトリル-R(25mg/カプセル)はカプトリル錠(25mg/錠)に比べ投与後4時間以降の濃度は有意に高く、投与後8時間でも遊離カプトプリルの存在を確認できた。
- 排泄
- 健康成人8例にカプトリル-Rを1回25mg食後30分に経口投与(交叉法)した場合、24時間までの尿中排泄率は遊離カプトプリルでは25.7%、トータルカプトプリルでは42.5%であり、カプトリル錠とほぼ同等である。
- 腎障害患者への適用
- 腎障害患者に14C-カプトプリルを1回100mg経口投与し、総放射能の血中半減期を求め、腎障害患者におけるカプトプリルの用法・用量について検討した(外国人)。その結果に基づく腎障害患者の投与量・投与間隔の例を次表に示す。
- 投与間隔による調節
Ccr(mL/min) >75 75~35 34~20 19~8 7~5 投与間隔(hr) 8 12~24 24~48 48~72 72~108
- 投与量による調節
Ccr(mL/min) 投与間隔(hr) 投与量(mg) 30 24 100 25 24 90 20 24 80 15 24 70 10 24 55 5 24 35