製品名 モルヒネ塩酸塩注射液200mg「第一三共」
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- 一般名
- Morphine Hydrochloride Hydrate
- 薬効分類
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鎮痛・解熱薬>麻薬性鎮痛・鎮咳薬
- 価格
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4%5mL1管:5065円/管
- 製薬会社
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- 製造販売元:第一三共プロファーマ株式会社
販売元:第一三共株式会社
- 製造販売元:第一三共プロファーマ株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 激しい疼痛時における鎮痛・鎮静
- 激しい咳嗽発作における鎮咳
- 激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制
- 麻酔前投薬、麻酔の補助
- 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
用法・用量
- 通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として、1回5~10mgを皮下に注射する。また、麻酔の補助として、静脈内に注射することもある。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛において持続点滴静注又は持続皮下注する場合には、通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として、1回50~200mgを投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する。]
- 気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる。]
- 重篤な肝障害のある患者[昏睡に陥ることがある。]
- 慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する。]
- 痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる。]
- 急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する。]
- アヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
- 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
- ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中又は投与中止後1週間以内の患者(「相互作用」の項参照)
- 原則禁忌
次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること
- 細菌性下痢のある患者[治療期間の延長をきたすおそれがある。]
- 副作用
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- (頻度不明)
- 依存性
- 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、譫妄、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。
- 呼吸抑制
- 呼吸抑制があらわれることがあるので、息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。
- 錯乱、譫妄
- 錯乱、譫妄があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 無気肺、気管支痙攣、喉頭浮腫
- 無気肺、気管支痙攣、喉頭浮腫があらわれるとの報告がある。
- 麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸
- 炎症性腸疾患の患者に投与した場合、麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸があらわれるとの報告がある。
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 心機能障害のある患者[循環不全を増強するおそれがある。]
- 呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
- 肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。]
- 脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。]
- ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。]
- 代謝性アシドーシスのある患者[呼吸抑制を起こすおそれがある。]
- 甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者[呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。]
- 副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。]
- 薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 新生児、乳児(「小児等への投与」の項参照)
- 衰弱者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。]
- 前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者[排尿障害を増悪することがある。]
- 器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者[消化管運動を抑制する。]
- 痙攣の既往歴のある患者[痙攣を誘発するおそれがある。]
- 胆嚢障害及び胆石のある患者[胆道痙攣を起こすことがある。]
- 重篤な炎症性腸疾患のある患者[連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。]
- ジドブジン(アジドチミジン)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
重要な基本的注意
- 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること(「副作用」の項参照)。
- 眠気、眩暈が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
適用上の注意
- 調製時
- 低温下では結晶が析出することがあるので、このような場合には体温付近まで加温し、溶解後使用する。
- 投与経路
- モルヒネ製剤の癌疼痛における臨床使用方法としては経口投与又は直腸内投与が不可能なとき、はじめて注射を用いる。
- 投与速度
- 急速静注により、アナフィラキシー、重篤な呼吸抑制、低血圧、末梢循環虚脱、心停止が起こるおそれがあるので、静注する場合には緩徐に行うことが望ましい。
- アンプルカット時
- 本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルの首部をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
- 患者等に対する指導
- 本剤が不要となった場合には、病院又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること。
用法用量に関連する使用上の注意
- 本剤(4%製剤)は、10mgあるいは50mg注射液(1%製剤)の4倍濃度であるので、1%製剤から4%製剤への切り替えにあたっては、持続注入器の注入速度、注入量を慎重に設定し、過量投与とならないように注意して使用すること。
- 本剤(4%製剤)は、皮下又は静脈内注射にのみ使用すること。(硬膜外及びくも膜下投与には使用しないこと。)
高齢者への投与
- 低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。[一般に高齢者では生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(マウス、ラット)で催奇形作用が報告されている。]
- 分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。
- 分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
- 授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することがある。]
小児等への投与
- 新生児、乳児では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。[呼吸抑制の感受性が高い。]
薬物動態
- (参考:動物)
- 吸収・排泄・代謝
- モルヒネ塩は胃腸管より吸収される。また皮下注射後容易に血中に移行し、全身に分布するが、腎、肝、肺、脾の臓器で高く、脳及び筋肉で低い。
- 肝でmorphine-3-glucuronideとなり、一部はN-脱メチル及びO-メチル化を受ける。胆汁より糞便に約10%が排泄されるが、残りは尿中に排泄される。