製品名 クロザリル錠25mg
クロザリル錠100mg

一般名
Clozapine
薬効分類
抗精神病薬
 >非定型抗精神病薬(MARTA)
価格
25mg1錠:87.7円/錠
100mg1錠:309.2円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 治療抵抗性統合失調症

用法・用量

  • 通常、成人にはクロザピンとして初日は12.5mg(25mg錠の半分)、2日目は25mgを1日1回経口投与する。3日目以降は症状に応じて1日25mgずつ増量し、原則3週間かけて1日200mgまで増量するが、1日量が50mgを超える場合には2~3回に分けて経口投与する。維持量は1日200~400mgを2~3回に分けて経口投与することとし、症状に応じて適宜増減する。ただし、1回の増量は4日以上の間隔をあけ、増量幅としては1日100mgを超えないこととし、最高用量は1日600mgまでとする。
禁忌

【警告】

  • 本剤の投与は、統合失調症の診断、治療に精通し、無顆粒球症、心筋炎、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重篤な副作用に十分に対応でき、かつクロザリル患者モニタリングサービス(Clozaril Patient Monitoring Service:CPMS)注)に登録された医師・薬剤師のいる登録医療機関・薬局において、登録患者に対して、血液検査等のCPMSに定められた基準がすべて満たされた場合にのみ行うこと。また、基準を満たしていない場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を講じること。(【禁忌】、「1.慎重投与」、「2.重要な基本的注意」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
  • 本剤の投与に際しては、治療上の有益性が危険性を上回っていることを常に検討し、投与の継続が適切であるかどうか定期的に判断すること。
  • 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることのある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中はCPMSに準拠して定期的に血糖値等の測定を行うこと。また、臨床症状の観察を十分に行い、高血糖の徴候・症状に注意するとともに、糖尿病治療に関する十分な知識と経験を有する医師と連携して適切な対応を行うこと。特に、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。なお、糖尿病性ケトアシドーシス又は糖尿病性昏睡の徴候が認められた場合には投与を中止し、インスリン製剤を投与するなど適切な処置を行うこと。(【原則禁忌】、「1.慎重投与」、「2.重要な基本的注意」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
  • 本剤の投与にあたっては、患者又は代諾者に本剤の有効性及び危険性を文書によって説明し、文書で同意を得てから投与を開始すること。また、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の耐糖能異常に関しては、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意し、異常が認められた場合には、直ちに医師の診察を受けるよう指導すること。(【原則禁忌】、「1.慎重投与」、「2.重要な基本的注意」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
  • 無顆粒球症等の血液障害は投与初期に発現する例が多いので、原則として投与開始後18週間は入院管理下で投与を行い、無顆粒球症等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。(「2.重要な基本的注意」の項参照)
  • 注)定期的な血液モニタリング等を実施し、無顆粒球症等の早期発見を目的として規定された手順
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • CPMSへの患者登録前(4週間以内)の血液検査で、白血球数が4,000/mm3未満又は好中球数が2,000/mm3未満の患者
  • CPMSの規定を遵守できない患者(【警告】、「2.重要な基本的注意」の項参照)
  • CPMSで定められた血液検査の中止基準により、本剤の投与を中止したことのある患者〔無顆粒球症が発現するおそれがある。〕(「2.重要な基本的注意」の項参照)
  • 無顆粒球症又は重度の好中球減少症の既往歴のある患者〔無顆粒球症が発現するおそれがある。〕
  • 骨髄機能障害のある患者〔骨髄機能が悪化し、無顆粒球症が発現するおそれがある。〕
  • 骨髄抑制を起こす可能性のある薬剤を投与中の患者又は放射線療法、化学療法等の骨髄抑制を起こす可能性のある治療を行っている患者(「3.相互作用」の項参照)
  • 持効性抗精神病剤(ハロペリドールデカン酸エステル注射液、フルフェナジンデカン酸エステル注射液、リスペリドン持効性懸濁注射液、パリペリドンパルミチン酸エステル持効性懸濁注射液、アリピプラゾール水和物持続性注射剤)を投与中の患者(「3.相互作用」の項参照)
  • 重度の痙攣性疾患又は治療により十分な管理がされていないてんかん患者〔症状が悪化するおそれがある。〕
  • アルコール又は薬物による急性中毒、昏睡状態の患者〔これらの状態を悪化させるおそれがある。〕
  • 循環虚脱状態の患者又は中枢神経抑制状態の患者〔これらの状態を悪化させるおそれがある。〕
  • 重度の心疾患(心筋炎等)のある患者〔心疾患が悪化するおそれがある。〕
  • 重度の腎機能障害のある患者〔腎機能が悪化するおそれがある。〕
  • 重度の肝機能障害のある患者〔肝機能が悪化するおそれがある。〕
  • 麻痺性イレウスの患者〔抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。〕
  • アドレナリン作動薬(アドレナリン、ノルアドレナリン)を投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)(「3.相互作用」の項参照)
原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること

  • 糖尿病又は糖尿病の既往歴のある患者〔血糖値が上昇するおそれがある。〕(【警告】、「2.重要な基本的注意」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
副作用
無顆粒球症、白血球減少症(いずれも5%未満)、好中球減少症(5%以上)
無顆粒球症、白血球減少症、好中球減少症があらわれることがある。通常、投与中止により回復するが、致死的な転帰をたどる可能性もあるため、本剤の投与開始前より定期的な血液検査(白血球数、好中球数等)を行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(【警告】、「1.慎重投与」、「2.重要な基本的注意」の項参照)
心筋炎、心筋症(いずれも頻度不明)、心膜炎(5%未満)、心嚢液貯留(5%以上)
心筋炎、心筋症、心膜炎、心嚢液貯留があらわれることがあり、死亡例も報告されている。安静時の持続性頻脈、動悸、不整脈、胸痛や心不全の症状又は徴候(原因不明の疲労、呼吸困難、頻呼吸等)が認められた場合には循環器内科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、投与初期により多く報告されているので、投与初期及び増量時には患者の状態を注意深く観察すること。(【警告】、「2.重要な基本的注意」の項参照)
胸膜炎(頻度不明)
感染を伴わない胸膜炎があらわれることがあるので、呼吸困難、発熱、胸痛等があらわれた場合には速やかに胸部X線検査等を実施すること。異常が認められた場合には感染症等との鑑別診断を行い、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高血糖(5%以上)、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(いずれも頻度不明)
高血糖があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至った例も報告されているので、本剤の投与中はCPMSに準拠して定期的に血糖値等を測定するとともに、臨床症状の観察を十分に行い、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意し、異常が認められた場合には速やかに糖尿病治療に関する十分な知識と経験を有する医師と連携して適切な対応を行うこと。また、糖尿病性ケトアシドーシス又は糖尿病性昏睡の徴候が認められた場合には投与を中止し、インスリン製剤を投与するなど適切な処置を行うこと。(【警告】、【原則禁忌】、「1.慎重投与」、「2.重要な基本的注意」の項参照)
悪性症候群(5%未満)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
てんかん発作、痙攣、ミオクローヌス発作(いずれも5%未満)
てんかん発作、痙攣、ミオクローヌス発作等があらわれることがある。本剤は用量依存的に痙攣閾値低下をもたらし、脳波変化を生じ、痙攣発作を引き起こすおそれがある。特にてんかんの既往歴のある患者では注意深く観察を行い、本剤の急激な増量を行わないこと。このような場合には減量又は中止し、抗痙攣剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
起立性低血圧(5%以上)、失神、循環虚脱(いずれも頻度不明)
起立性低血圧、失神があらわれることがあり、循環虚脱から心停止、呼吸停止に至ることもある。投与初期の漸増を行う時期に急激に増量した場合により多くみられるため、注意深く観察すること。
肺塞栓症、深部静脈血栓症(いずれも頻度不明)
肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓塞栓症があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
劇症肝炎、肝炎、胆汁うっ滞性黄疸(いずれも頻度不明)
劇症肝炎、肝炎、胆汁うっ滞性黄疸が報告されているので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腸閉塞(5%以上)、麻痺性イレウス(頻度不明)
本剤の抗コリン作用により腸閉塞、麻痺性イレウスがあらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注)承認時までの国内臨床試験で認められなかった副作用は頻度不明とした。
注意

次の患者には慎重に投与すること

軽度から中等度の好中球減少症の既往歴のある患者〔血液障害が発現するおそれがある。〕(【警告】、「2.重要な基本的注意」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣閾値を低下させるおそれがある。〕
心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者〔心・血管疾患の悪化及び一過性の血圧低下があらわれるおそれがある。〕
QT延長の家族歴のある患者、QTを延長させる又は電解質異常を引き起こすことが知られている薬剤を投与中の患者〔QT延長が起こるおそれがある。〕
軽度から中等度の腎機能障害のある患者〔腎機能障害が悪化するおそれがある。〕
軽度から中等度の肝機能障害のある患者〔肝機能障害が悪化するおそれがある。〕
前立腺肥大又は閉塞隅角緑内障のある患者〔抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがある。〕
糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者〔血糖値が上昇するおそれがある。〕(【警告】、「2.重要な基本的注意」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
アルコール又は薬物の依存・乱用又はその既往歴のある患者〔これらの状態を悪化させるおそれがある。〕
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
本剤の投与にあたっては、無顆粒球症、心筋炎、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重篤な副作用が発現するおそれがあることから、CPMSに登録された医療機関・薬局において、登録医師・薬剤師によって、登録患者に対しCPMSの規定を遵守し、本剤の投与の可否を判断した後に投与すること。(【警告】の項参照)
本剤の投与にあたっては、以下の基準に基づき適切な頻度で血液検査を行うとともに、好中球減少症等の血液障害が発現した場合には、適切な処置を行うこと。
投与前(10日以内)に血液検査を行い、白血球数が4,000/mm3以上かつ好中球数が2,000/mm3以上(下表[1]の範囲)であることを確認すること。
投与開始から最初の26週間は血液検査を週1回行うこと。
白血球数が3,000/mm3以上4,000/mm3未満又は好中球数が1,500/mm3以上2,000/mm3未満を示した場合(下表[2]の範囲)は、下表[1]の範囲に回復するまで、その後の血液検査を週2回以上行うこと。また、著しい減少傾向(直近の過去3週間以内の白血球数が最も高い値より3,000/mm3以上減少した場合)を示した場合は、再検査を行うなど減少傾向の確認を考慮すること。
白血球数が3,000/mm3未満又は好中球数が1,500/mm3未満を示した場合(下表[3]の範囲)は、直ちに本剤の投与を中止した上で血液内科医に連絡し、下表[1]の範囲に回復するまで血液検査を毎日行い、少なくとも回復後4週間までは血液検査を週1回以上行うとともに感染の徴候(発熱、咽頭痛等の感冒様症状等)を注意深く観察し、感染予防をするなど適切な処置を行うこと。
白血球数及び好中球数が下表[3]の範囲に減少することにより本剤の投与を中止した場合には、投与中止後に回復しても本剤を再投与してはならない。〔本剤の再投与後、短期間で白血球減少症、好中球減少症が再発したとの報告がある。〕(【禁忌】の項参照)
下表[3]の基準以外により本剤の投与を中止又は終了した場合には、投与終了後4週間はそれまでと同じ頻度で血液検査を行うこと。
最初の26週間の白血球数及び好中球数が下記のいずれかであり、かつ血液障害以外の理由による中断が1週間未満の場合には、その後の血液検査は2週間に1回の頻度で行うことができる。ただし、1週間以上の投与中断があった場合には、投与再開より26週間は血液検査を週1回行うこと。
下表[1]の範囲を維持
白血球数が4,000/mm3未満3,500/mm3以上かつ好中球数が2,000/mm3以上となったが下表[1]の範囲に回復
表)本剤投与開始基準及び本剤投与中の検査頻度と中止基準
白血球数(/mm3好中球数(/mm3処置
[1]4,000以上かつ2,000以上投与開始可能。
投与継続可能。
投与開始から最初の26週間は血液検査を週1回行うこと。なお、26週間以降は、条件を満たした場合に2週に1回の血液検査とすることができる。ただし、2週に1回の血液検査に移行した後、4週間以上の投与中断があった場合には、再投与開始から26週間は週1回の血液検査を行うこと。
[2]3,000以上4,000未満又は1,500以上2,000未満[1]の範囲に回復するまで血液検査を週2回以上行い、注意しながら投与継続可能。
[3]3,000未満又は1,500未満直ちに投与を中止し、[1]の範囲に回復するまで血液検査を毎日行い、十分な感染症対策を行う。回復後も再投与は行わない。なお、少なくとも回復後4週間までは血液検査を週1回以上行うこと。
感染症又は感染の徴候(発熱、咽頭痛等の感冒様症状)が発現した場合には、速やかに医師に連絡するよう、患者又は代諾者に注意を促すこと。また、感染症の症状又は徴候を認めた場合には、直ちに血液検査を行うこと。
心筋炎、心筋症、心膜炎、心嚢液貯留があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察し、安静時の持続性頻脈、動悸、不整脈、胸痛や心不全の症状又は徴候(原因不明の疲労、呼吸困難、頻呼吸等)がみられた場合には循環器内科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(【警告】、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることのある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中はCPMSに準拠して定期的に血糖値等の測定を行うこと。また、臨床症状の観察を十分に行い、高血糖の徴候・症状に注意するとともに、糖尿病治療に関する十分な知識と経験を有する医師と連携して適切な対応を行うこと。特に、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。なお、糖尿病性ケトアシドーシス又は糖尿病性昏睡の徴候が認められた場合には投与を中止し、インスリン製剤を投与するなど適切な処置を行うこと。(【警告】、【原則禁忌】、「1.慎重投与」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
本剤の投与にあたっては、患者又は代諾者に本剤の有効性及び危険性を文書によって説明し、文書で同意を得てから投与を開始すること。また、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の耐糖能異常に関しては、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意し、異常が認められた場合には、直ちに医師の診察を受けるよう指導すること。(【警告】、【原則禁忌】、「1.慎重投与」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。
体重増加を来すことがあるので、肥満に注意し、肥満の徴候があらわれた場合には、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと。
肝機能障害のある患者に投与する場合には、定期的に肝機能検査を行うこと。治療中に悪心、嘔吐、食欲不振等の肝機能障害を疑わせる症状があらわれた場合には、直ちに肝機能検査を行い、臨床上重要な検査値の上昇や黄疸が認められた場合には投与を中止し、肝機能検査値が正常に回復するまで投与を再開しないこと。投与再開後は肝機能検査値の変動に十分注意すること。
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
本剤は、原則として投与開始後18週間は入院管理下で投与を行うが、本剤の有効性及び安全性が十分に確認され、以下の基準をすべて満たした場合には必要に応じて外来での治療に移行することができる。(【警告】の項参照)
投与後3週間を経過し、かつ至適用量設定後1週間以上経過した場合。
患者と同居して患者の症状を確認し、規定量の服薬及びCPMSの規定どおりの通院を支援できる者がいる場合。
ただし、感染症の徴候等血液障害に関連すると思われる症状がみられた場合には、直ちに主治医に相談するよう、退院の際に患者又は代諾者に十分説明すること。
好酸球増多症の報告があるので、好酸球数が3,000/mm3以上を示した場合には投与を中止することが望ましい。異常が認められた場合には、血液内科医に相談するなど、適切な処置を行うこと。なお、投与再開は好酸球数が1,000/mm3未満に回復した場合にのみ行うこと。
血小板減少症の報告があるので、血小板数が50,000/mm3未満を示した場合は投与を中止することが望ましい。異常が認められた場合には、血液内科医に相談するなど、適切な処置を行うこと。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
投与初期に血圧低下、痙攣発作等の副作用の発現が多く報告されているので、患者の状態を十分観察しながら慎重に用量の漸増を行うこと。
十分な臨床効果が得られた後は、本剤の投与量が必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に漸減して維持量を設定すること。
本剤は原則として単剤で使用し、他の抗精神病薬とは併用しないこと。
他の抗精神病薬を投与されている患者では、原則として他の抗精神病薬を漸減し、投与を中止した後に本剤の投与を行うこと。なお、他の抗精神病薬を漸減中に本剤を投与する場合は、4週間以内に他の抗精神病薬の投与を中止すること。
2日以上の休薬後に治療を再開する場合には、治療開始時と同様に低用量から漸増し、用量設定を行うこと。
本剤の投与を終了する際には、2週間以上かけて用量を漸減することが望ましい。副作用の発現等により直ちに投与を中止する場合には、精神症状の再燃や発汗、頭痛、悪心、嘔吐、下痢等のコリン作動性の離脱症状に注意すること。
本剤は、他の抗精神病薬治療に抵抗性を示す統合失調症の患者(下記の反応性不良又は耐容性不良の基準を満たす場合)にのみ投与すること。
<反応性不良の基準>
忍容性に問題がない限り、2種類以上の十分量の抗精神病薬a)b)(クロルプロマジン換算600mg/日以上で、1種類以上の非定型抗精神病薬(リスペリドン、ペロスピロン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール等)を含む)を十分な期間(4週間以上)投与しても反応がみられなかったc)患者。なお、服薬コンプライアンスは十分確認すること。
a)非定型抗精神病薬が併用されている場合は、クロルプロマジン換算で最も投与量が多い薬剤を対象とする。
b)定型抗精神病薬については、1年以上の治療歴があること。
c)治療に反応がみられない:GAF(Global Assessment of Functioning)評点が41点以上に相当する状態になったことがないこと。
<耐容性不良の基準>
リスペリドン、ペロスピロン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール等の非定型抗精神病薬のうち、2種類以上による単剤治療を試みたが、以下のいずれかの理由により十分に増量できず、十分な治療効果が得られなかった患者。
中等度以上の遅発性ジスキネジアa)、遅発性ジストニアb)、あるいはその他の遅発性錐体外路症状の出現、または悪化
コントロール不良のパーキンソン症状c)、アカシジアd)、あるいは急性ジストニアe)の出現
a)DIEPSS(Drug-Induced Extra-Pyramidal Symptoms Scale)の「ジスキネジア」の評点が3点以上の状態。
b)DIEPSSの「ジストニア」の評点が3点以上の遅発性錐体外路症状がみられる状態。
c)常用量上限の抗パーキンソン薬投与を行ったにもかかわらず、DIEPSSの「歩行」、「動作緩慢」、「筋強剛」、「振戦」の4項目のうち、3点以上が1項目、あるいは2点以上が2項目以上存在する状態。
d)常用量上限の抗パーキンソン薬投与を含む様々な治療を行ったにもかかわらず、DIEPSSの「アカシジア」が3点以上である状態。
e)常用量上限の抗パーキンソン薬投与を含む様々な治療を行ったにもかかわらず、DIEPSSの「ジストニア」の評点が3点に相当する急性ジストニアが頻発し、患者自身の苦痛が大きいこと。
高齢者では、抗コリン作用による尿閉・便秘等があらわれやすく、また特に循環器機能が低下している高齢者では起立性低血圧や頻脈があらわれやすいとの報告があるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物を用いた生殖発生毒性試験において、胚・胎児毒性及び催奇形性は認められていない。プロラクチン濃度の増加に伴う二次的な影響と考えられる性周期の乱れ、交配所要日数の延長、着床前死亡数の増加及び受胎動物数の減少(ラット、20あるいは40mg/kg/日、経口)が、母動物の体重減少に伴う二次的な影響と考えられる胎児の発育遅延(ラット及びウサギ、40mg/kg/日、経口)及び流産(ウサギ、40mg/kg/日、経口)が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。〕
授乳中の婦人に投与する場合は授乳を避けさせること。〔動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が報告されている。〕
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する有効性及び安全性は確立していない(国内での使用経験はない)。
血中濃度
日本人治療抵抗性統合失調症患者10名に、クロザピン25mgを単回経口投与したときの血漿中クロザピン濃度推移及びその際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
クロザピン25mg単回投与後の血漿中未変化体濃度推移
クロザピン25mg単回投与後の血漿中未変化体薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)Tmax(h)AUC0-24(ng・h/mL)T1/2(h)
62±243.1±2.1761±34916±7.2
(平均値±標準偏差、n=10)
また、日本人治療抵抗性統合失調症患者8名に、クロザピン50mgを単回経口投与後、漸増法により50、100及び150mgをそれぞれ1日2回8日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
クロザピンの単回及び反復投与後の血漿中未変化体薬物動態パラメータ
投与法・投与量Cmax(ng/mL)Tmax(h)AUC0-12(ng・h/mL)AUC0-24(ng・h/mL)T1/2(h)
単回投与50mg(n=8)168±561.8±1.4908±1661,260±22416±4.5
反復投与
1日2回8日間
50mg(n=8)453±1671.8±1.03,540±1,59015±5.1
100mg(n=7)728±2774.7±8.55,440±2,61016±9.0
150mg(n=3)1,140±3631.3±0.67,820±3,78014±4.4
(平均値±標準偏差、※n=6)
分布
クロザピン100ng/mLでの血漿蛋白結合率は91%であった(in vitro)。
代謝
クロザピンは、主に代謝酵素チトクロームP450(CYP1A2、3A4)で代謝される。クロザピン25mgを単回投与後の血漿中濃度は、未変化体が最も高く、代謝物としてはN-脱メチル体及びN-オキシド体が認められた。N-脱メチル体及びN-オキシド体のAUC0-24は、それぞれ未変化体の32%及び9%であった。N-脱メチル体のドパミンD2及び5-HT2A受容体親和性は未変化体と同程度であり、N-オキシド体は極めて低かった。
排泄
14Cクロザピン50mgを単回経口投与した場合の投与後144時間までの放射能は、尿中に49.0%、糞中に29.6%が排泄された。また、未変化体として尿中及び糞中にそれぞれ投与量の0.5%及び2.2%が排泄された。(外国人のデータ)
薬物相互作用
外国人統合失調症患者を対象として薬物相互作用を検討した結果、クロザピン単独投与時と比較して、CYP1A2阻害作用を有するフルボキサミンと併用投与時の血漿中クロザピンのCmax及びAUCはそれぞれ1.5倍及び2.8倍に上昇した。消失半減期はフルボキサミンの併用により15.5時間から28.7時間に延長した。また、CYP3A4誘導能を有するカルバマゼピンとの併用により、クロザピンの血漿中濃度は32~64%減少した。