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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○下記疾患の消炎、鎮痛、解熱

    • 関節リウマチ、変形性関節症、痛風発作、強直性脊椎炎、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎、月経困難症、帯状疱疹
  • ○外傷後並びに手術後の消炎、鎮痛
  • ○歯科・口腔外科領域における抜歯並びに小手術後の消炎、鎮痛

用法・用量

  • 通常、成人にはナプロキセンとして1日量300~600mg(本剤3~6錠)を2~3回に分け、なるべく空腹時をさけて経口投与する。痛風発作には初回400~600mg(本剤4~6錠)を経口投与する。頓用する場合及び外傷後並びに術後初回には300mg(本剤3錠)を経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 消化性潰瘍のある患者[胃粘膜の防御因子の一つであるプロスタグランジン(PG)の生合成を阻害し、胃潰瘍を悪化させるおそれがある。][9.1.2、11.1.4参照]
  • 2.2 重篤な血液の異常のある患者[血液の異常を更に悪化させるおそれがある。][9.1.3、9.1.4、11.1.5参照]
  • 2.3 重篤な肝機能障害のある患者[9.3.1、11.1.7参照]
  • 2.4 重篤な腎機能障害のある患者[9.2.1、11.1.6参照]
  • 2.5 重篤な心機能不全のある患者[2.6、9.1.5参照]
  • 2.6 重篤な高血圧症の患者[2.5、9.1.6参照]
  • 2.7 本剤の成分又は他の非ステロイド性消炎鎮痛剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.8 アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等により誘発される喘息発作)又はその既往歴のある患者[気管支筋拡張に関与するPGの合成を阻害することにより、気管支のれん縮が引き起こされ喘息発作を誘発する。][9.1.7参照]
  • 2.9 妊娠後期の女性[9.5.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 消化性潰瘍の既往歴のある患者[11.1.4参照]
9.1.2 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者
本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察すること。ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある。[2.1、11.1.4参照]
9.1.3 血液の異常又はその既往歴のある患者(重篤な血液の異常のある患者を除く)
投与する場合は定期的に血液検査を実施すること。まれに血液障害がある。[2.2、11.1.5参照]
9.1.4 出血傾向のある患者
血小板機能低下が起こることがある。[2.2、11.1.5、12.2参照]
9.1.5 心機能障害のある患者(重篤な心機能不全のある患者を除く)
非ステロイド性消炎鎮痛剤一般に、腎血流量及び水・電解質代謝の調節作用を有するPGの生合成を阻害することにより、Na・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させるおそれがある。[2.5、9.1.6参照]
9.1.6 高血圧症の患者(重篤な高血圧症の患者を除く)
非ステロイド性消炎鎮痛剤一般に、腎血流量及び水・電解質代謝の調節作用を有するPGの生合成を阻害することにより、Na・水分貯留傾向があるため血圧をさらに上昇させるおそれがある。[2.6、9.1.5参照]
9.1.7 気管支喘息の患者(アスピリン喘息又はその既往歴のある患者を除く)
アスピリン喘息でないことを十分に確認すること。気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では喘息発作を誘発させることがある。[2.8参照]
9.1.8 潰瘍性大腸炎の患者
病態を悪化させることがある。[11.1.7参照]
9.1.9 クローン病の患者
病態を悪化させることがある。
9.1.10 感染症を合併している患者
必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
投与しないこと。腎血流量を低下させることがあるので、腎障害をさらに悪化させるおそれがある。[2.4、11.1.6参照]
9.2.2 腎機能障害又はその既往歴のある患者及び腎血流量が低下している患者(重篤な腎機能障害のある患者を除く)
非ステロイド性消炎鎮痛剤一般に、腎血流量及び水・電解質代謝の調節作用を有するPGの生合成を阻害することにより、腎障害、浮腫、高血圧症等を発生させる可能性がある。また腎血流量が低下している患者では代償的に腎内PGが増加するとされており、PG合成阻害作用をもつ本剤の影響をうけやすい。[11.1.6参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。副作用として肝障害が報告されているため、さらに悪化させるおそれがある。[2.3、11.1.7参照]
9.3.2 肝機能障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)
投与する場合は定期的に肝機能検査を実施すること。まれに肝障害があらわれることがある。[11.1.7参照]
9.5 妊婦
9.5.1 妊娠後期の女性
投与しないこと。動物実験で周産期・授乳期投与により母体への影響(ラット:妊娠期間延長、死亡)及び新生児毒性(ウサギ、マウス:死産児数増加、離乳率の抑制)並びに胎児毒性(ラット(妊娠後期):動脈管収縮)が報告されている。[2.9参照]
9.5.2 妊婦(妊娠後期を除く)又は妊娠している可能性のある女性
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。医薬品の薬理作用(PG抑制作用)から妊娠、胎児又は出生児への影響が懸念される。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ヒトで哺乳中の児における影響が認められている。
9.7 小児等
9.7.1 副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 1歳以下の児には投与しないことが望ましい。
9.8 高齢者
少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に消炎鎮痛剤による消化管の潰瘍、出血等の発現率が高い傾向が認められている。

8.重要な基本的注意

8.1 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。
8.2 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・長期投与する場合には、定期的に尿検査、血液検査及び肝機能検査等を行うこと。
また、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講ずること。
・薬物療法以外の療法も考慮すること。
8.3 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・急性炎症、疼痛及び発熱の程度を考慮し、投与すること。
・原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
・原因療法があればこれを行うこと。
8.4 患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意すること。
過度の体温降下、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う小児及び高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子6例にナプロキセンを経口単回投与(250mg)した場合、速やかに吸収され、血漿中濃度のピークは2~4時間後に認められ、半減期は約14時間(8~16時間)であった。
16.3 分布
血清蛋白結合率は約99%であった(ヒト)。
16.4 代謝
健康成人にナプロキセンを経口投与(200mg)した場合、尿中代謝物は約50%がナプロキセンのグルクロン酸抱合体で、他は主としてO-脱メチル化をうけた6-Demethylnaproxenの硫酸抱合体やグルクロン酸抱合体であった。
16.5 排泄
健康成人(腎機能正常者)にナプロキセンを経口投与(250mg)した場合、主として腎臓より排泄され、尿中排泄率は24時間後で61.8%、48時間後で78.9%であった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ヒダントイン系抗てんかん剤
フェニトイン
ヒダントインの血中濃度が上昇し、作用が増強することがある。
異常が認められた場合には本剤を減量するなど適切な処置を行う。
血漿蛋白結合の競合的拮抗作用
(本剤の蛋白結合率が高く、併用により作用が増強する。)
スルホニル尿素系血糖降下剤
クロルプロパミド
トルブタミド
グリベンクラミド
血糖降下剤の作用が増強(低血糖)することがある。
血糖値に注意し、異常が認められた場合には本剤を減量するなど適切な処置を行う。
血漿蛋白結合の競合的拮抗作用
(本剤の蛋白結合率が高く、併用により作用が増強する。)
抗凝固剤
ワルファリン
ダビガトランエテキシラート等
出血の危険性が増大する可能性がある。このような場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。
抗血小板剤
クロピドグレル等
出血の危険性が増大する可能性がある。このような場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。
プロベネシド本剤の血中濃度が上昇し、半減期が延長することがある。
異常が認められた場合には本剤を減量するなど適切な処置を行う。
プロベネシドは、本剤の腎排泄ならびに肝代謝を抑える可能性がある。
メトトレキサートメトトレキサートの血中濃度が上昇し、副作用(骨髄抑制、腎機能不全等)が増強することがある。
異常が認められた場合にはメトトレキサートを減量するなど適切な処置を行う。
メトトレキサートの腎クリアランス及び尿細管分泌を抑制する。
降圧剤
β遮断剤
利尿剤
ACE阻害剤
A-II受容体拮抗剤等
降圧作用及び利尿作用が低下することがある。
併用する場合には、定期的に血圧を測定し、用量について注意する。
本剤はPGを介する血管拡張作用及び水、Na排泄作用を抑制する。
ACE阻害剤
A-II受容体拮抗剤
腎障害があらわれることがある。
異常が認められた場合には両剤を減量するなど適切な処置を行う。
本剤のPG合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
リチウム製剤
炭酸リチウム
リチウム中毒(振戦、悪心、嘔吐等)を起こすことがある。
定期的にリチウムの血中濃度を測定し、異常が認められた場合にはリチウム製剤を減量するなど適切な処置を行う。
本剤はリチウムの腎クリアランスを低下させ、血中濃度を上昇させる。
ジドブジンジドブジンの血中濃度が上昇し、副作用(骨髄抑制等)があらわれるおそれがある。
定期的に血液検査を行うなど観察を十分行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
ジドブジンの代謝を抑制する。
ニューキノロン系抗菌剤
エノキサシン等
痙攣発作が増強するおそれがある。
異常が認められた場合には両剤の投与を中止し、適切な処置を行う。
ニューキノロン系抗菌剤の持つGABA結合阻害作用が考えられる。
イグラチモド
[11.1.4参照]
胃腸障害の発現率が増加するおそれがあるので、特に消化性潰瘍があらわれた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。両剤ともにPG生合成阻害作用を有する。
アスピリン製剤
(抗血小板剤として投与している場合)
アスピリンの血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある。本剤が血小板シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)とアスピリンの結合を阻害するためと考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)
11.1.2 PIE症候群(頻度不明)
好酸球増多を伴う肺浸潤
発熱、咳嗽、喀痰を伴うことが多い。
11.1.3 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
11.1.4 胃腸出血、潰瘍(いずれも頻度不明)[2.1、9.1.1、9.1.2、10.2参照]
11.1.5 再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)[2.2、9.1.3、9.1.4参照]
11.1.6 糸球体腎炎、間質性腎炎、腎乳頭壊死、ネフローゼ症候群、腎不全(いずれも頻度不明)[2.4、9.2.1、9.2.2参照]
11.1.7 表皮水疱症、表皮壊死、多形性紅斑、胃腸穿孔、大腸炎、劇症肝炎、聴力障害、視力障害、無菌性髄膜炎、血管炎(いずれも頻度不明)[2.3、9.1.8、9.3.1、9.3.2参照]
注)発現頻度は、再評価結果を含む。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹、そう痒蕁麻疹
皮膚光線過敏症
消化器胃部不快感、胃痛、悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、便秘、口内炎腹部膨満感、口渇
血液血小板機能低下(出血時間の延長)注1)
肝臓黄疸、AST・ALTの上昇
精神神経系眠気めまい、頭痛、手足のしびれ感、耳鳴、聴力減退痙攣、集中力低下、見当識障害、不眠症、脱毛
その他浮腫心悸亢進、脱力感、血尿

注1)[12.2参照]
注)発現頻度は、再評価結果を含む。

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