製品名 モルヒネ塩酸塩注射液10mg「タケダ」
モルヒネ塩酸塩注射液50mg「タケダ」

一般名
Morphine Hydrochloride Hydrate
薬効分類
鎮痛・解熱薬
 >麻薬性鎮痛・鎮咳薬
価格
1%1mL1管:299円/管
1%5mL1管:1346円/管

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 〔皮下及び静脈内投与の場合〕

    • 激しい疼痛時における鎮痛・鎮静
    • 激しい咳嗽発作における鎮咳
    • 激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制
    • 麻酔前投薬、麻酔の補助
    • 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
  • 〔硬膜外及びくも膜下投与の場合〕

    • 激しい疼痛時における鎮痛
    • 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛

用法・用量

  • 〔皮下及び静脈内投与の場合〕

    • 通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として、1回5~10mgを皮下に注射する。また、麻酔の補助として、静脈内に注射することもある。なお、年齢、症状により適宜増減する。
    • 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛において持続点滴静注又は持続皮下注する場合には、通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として、1回50~200mgを投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
  • 〔硬膜外投与の場合〕

    • 通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として、1回2~6mgを硬膜外腔に注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
    • 硬膜外腔に持続注入する場合は、通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物の1日量として2~10mgを投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
  • 〔くも膜下投与の場合〕

    通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として、1回0.1~0.5mgをくも膜下腔に注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
禁忌

【警告】

  • 本剤の硬膜外及びくも膜下投与は、これらの投与法に習熟した医師のみにより、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ実施すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 〔皮下、静脈内、硬膜外及びくも膜下投与共通〕

    • 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する。]
    • 気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる。]
    • 重篤な肝障害のある患者[昏睡に陥ることがある。]
    • 慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する。]
    • 痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる。]
    • 急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する。]
    • アヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
    • 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
  • 〔硬膜外投与の場合〕

    • 注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。]
    • 敗血症の患者[敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。]
  • 〔くも膜下投与の場合〕

    • 注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。]
    • 敗血症の患者[敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。]
    • 中枢神経系疾患(髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄癆等)の患者[くも膜下投与により病状が悪化するおそれがある。]
    • 脊髄・脊椎に結核、脊椎炎及び転移性腫瘍等の活動性疾患のある患者[くも膜下投与により病状が悪化するおそれがある。]
原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること

  • 〔皮下、静脈内、硬膜外及びくも膜下投与共通〕

    細菌性下痢のある患者[治療期間の延長をきたすおそれがある。]
副作用
(いずれも頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。
呼吸抑制があらわれることがあるので、息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。
錯乱、せん妄があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
無気肺、気管支痙攣、喉頭浮腫があらわれるとの報告がある。
炎症性腸疾患の患者に投与した場合、麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸があらわれるとの報告がある。
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

〔皮下、静脈内、硬膜外及びくも膜下投与共通〕
心機能障害のある患者[循環不全を増強するおそれがある。]
呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。]
脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。]
ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。]
代謝性アシドーシスのある患者[呼吸抑制を起こすおそれがある。]
甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者[呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。]
副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。]
薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
新生児、乳児(「小児等への投与」の項参照)
衰弱者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。]
前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者[排尿障害を増強することがある。]
器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者[消化管運動を抑制する。]
痙攣の既往歴のある患者[痙攣を誘発するおそれがある。]
胆嚢障害及び胆石のある患者[胆道痙攣を起こすことがある。]
重篤な炎症性腸疾患のある患者[連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。]
ジドブジン(アジドチミジン)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
〔硬膜外投与の場合〕
中枢神経系疾患(髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄癆等)の患者[硬膜外投与により病状が悪化するおそれがある。]
脊髄・脊椎に結核、脊椎炎及び転移性腫瘍等の活動性疾患のある患者[硬膜外投与により病状が悪化するおそれがある。]
血液凝固障害のある患者又は抗凝血剤を投与中の患者[出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。]
脊柱に著明な変形のある患者[脊髄や神経根の損傷のおそれがある。]
〔くも膜下投与の場合〕
血液凝固障害のある患者又は抗凝血剤を投与中の患者[出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。]
脊柱に著明な変形のある患者[脊髄や神経根の損傷のおそれがある。]

重要な基本的注意

〔皮下、静脈内、硬膜外及びくも膜下投与共通〕
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。(「重大な副作用」の項参照)
眠気、眩暈が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
〔硬膜外投与の場合〕
本剤の使用に際しては、初回投与あるいは導入時から、鎮痛状態が安定し、安全性上問題ないと判断できるまでは、必ず気道確保、呼吸管理等の蘇生設備の完備された場所で、厳重な管理の下に使用すること。
重篤な呼吸抑制が投与から数時間以上経過した後に発現することがあるので、十分に注意すること。
硬膜外腔内留置カテーテルを介した投与により肉芽腫等の腫瘤が生じることがあるので、十分に注意すること(「その他の副作用」の項参照)。
〔くも膜下投与の場合〕
本剤の使用に際しては、必ず気道確保、呼吸管理等の蘇生設備の完備された場所で、厳重な管理の下に使用すること。
重篤な呼吸抑制が投与から数時間以上経過した後に発現することがあるので、十分に注意すること。
くも膜下腔内留置カテーテルを介した投与により肉芽腫等の腫瘤が生じることがあるので、十分に注意すること(「その他の副作用」の項参照)。

適用上の注意

調製時
低温下では結晶が析出することがあるので、このような場合には体温付近まで加温し、溶解後使用する。
皮下及び静脈内投与時
投与経路
モルヒネ製剤の癌疼痛における臨床使用方法としては経口投与又は直腸内投与が不可能なとき、はじめて注射を用いる。
投与速度
静注する場合には緩徐に行うことが望ましい。[急速静注により、アナフィラキシー、重篤な呼吸抑制、低血圧、末梢循環虚脱、心停止が起こるおそれがある。]
硬膜外投与時
調製時
5~10mLの生理食塩液等に希釈し投与すること。持続投与する場合には、生理食塩液等に希釈し投与すること。
投与時
注射針又はカテーテル先端が、血管又はくも膜下腔に入っていないことを確かめること。
試験的に注入(test dose)し、注射針又はカテーテルが適切に留置されていることを確認すること。
くも膜下投与時
調製時
生理食塩液等に希釈し投与すること。なお、本剤と混合又は希釈する液の種類及び比重により鎮痛効果の持続時間、鎮痛領域(分節性)に違いが生じる可能性があるので、疼痛の種類、患者の状態に応じて適切な希釈液を選択すること。
投与時
髄液の漏出を最小に防ぐために、脊髄くも膜下麻酔針は、できるだけ細いものを用いること(脊髄くも膜下腔穿刺により脊髄麻酔後頭痛が、また、まれに一過性の外転神経麻痺等があらわれることがある。なお、このような症状があらわれた場合には輸液投与を行うなど適切な処置を行うこと。)。
まれに脊髄神経障害があらわれることがあるので、穿刺に際して患者が放散痛を訴えた場合、脳脊髄液が出にくい場合又は血液混入を認めた場合には、本剤を注入しないこと。
アンプルカット時
本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルの首部をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
患者等に対する指導
本剤が不要となった場合には、病院又は薬局へ返却する等の処置について適切に指導すること。
〔皮下及び静脈内投与の場合〕
200mg注射液(4%製剤)は、10mgあるいは50mg注射液(1%製剤)の4倍濃度であるので、1%製剤から4%製剤への切り替えにあたっては、持続注入器の注入速度、注入量を慎重に設定し、過量投与とならないように注意して使用すること。
〔硬膜外投与の場合〕
200mg注射液(4%製剤)は硬膜外投与には使用しないこと。
オピオイド系鎮痛薬を使用していない患者に対しては、初回投与時には、24時間以内の総投与量が10mgを超えないこと。
硬膜外投与で十分な鎮痛効果が得られず、さらに追加投与が必要な場合には、患者の状態(呼吸抑制等)を観察しながら慎重に投与すること。
〔くも膜下投与の場合〕
200mg注射液(4%製剤)はくも膜下投与には使用せず、原則として10mg注射液(1%製剤)を使用すること。
患者の状態(呼吸抑制等)を観察しながら慎重に投与すること。
原則として追加投与や持続投与は行わないが、他の方法で鎮痛効果が得られない場合には、患者の状態を観察しながら、安全性上問題がないと判断できる場合にのみ、その実施を考慮すること。

高齢者への投与

高齢者では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。[一般に高齢者では生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[動物試験(マウス、ラット)で催奇形作用が報告されている。]
分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。
分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することがある。]

小児等への投与

新生児、乳児では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。[新生児、乳児では呼吸抑制の感受性が高い。]