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ペチジン塩酸塩注射液35mg「タケダ」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 激しい疼痛時における鎮痛・鎮静・鎮痙
  • 麻酔前投薬、麻酔の補助、無痛分娩

用法・用量

  • 激しい疼痛時における鎮痛・鎮静・鎮痙には、通常、成人には、ペチジン塩酸塩として、1回35~50mgを皮下又は筋肉内に注射する。なお、必要に応じて3~4時間ごとに追加する。特に急を要する場合には、緩徐に静脈内に注射する。
  • 麻酔前投薬には、通常、麻酔前30~90分にペチジン塩酸塩として、50~100mgを皮下又は筋肉内に注射する。
  • 全身麻酔の補助には、通常、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液で、1mL当りペチジン塩酸塩として、10mgを含有するように希釈し、ペチジン塩酸塩として、10~15mgずつ間歇的に静脈内に注射する。なお、投与量は場合によりペチジン塩酸塩として50mgまで増量することもある。
  • 無痛分娩には、通常、子宮口二横指開大ないし全開時に、ペチジン塩酸塩として、70~100mgを皮下又は筋肉内に注射する。なお、必要に応じて3~4時間ごとに35~70mgずつ1~2回追加する。この場合、母体及び胎児の呼吸抑制を防ぐために、ペチジン塩酸塩100mgに対してレバロルファン酒石酸塩1mgの投与比率で混合注射するとよい。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する。]
  • 重篤な肝障害のある患者[昏睡に陥ることがある。]
  • 慢性肺疾患に続発する心不全のある患者[呼吸抑制や循環不全を増強する。]
  • 痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる。]
  • 急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する。]
  • 既往に本剤に対する過敏症のある患者
  • モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
  • ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中又は投与中止後1週間以内の患者(「相互作用」の項参照)

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

心筋梗塞、心房細動、上室性頻脈のある患者[病態が増悪するおそれがある。]
手術後の患者等の血圧保持の困難な患者[著しい血圧降下が生じることがある。]
呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
気管支喘息発作中の患者[気管支平滑筋を収縮させる。]
肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。]
頭部外傷、脳の器質的障害のある患者及び頭蓋内圧亢進のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を増強するおそれがある。]
痙攣の既往歴のある患者[痙攣を誘発するおそれがある。]
ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。]
代謝性アシドーシスのある患者[呼吸抑制を起こすおそれがある。]
甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者[呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。]
副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。]
薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
新生児、乳児(「小児等への投与」の項参照)
衰弱者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。]
前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者[排尿障害を増強することがある。]
急性腹症のある患者[急性腹症の経過及び診断を混乱させるおそれがある。]
器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者[消化管運動を抑制する。]
胆嚢障害及び胆石のある患者[胆道痙攣を起こすことがある。]
重篤な炎症性腸疾患のある患者[連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。]

重要な基本的注意

連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。(「重大な副作用」の項参照)
眠気、眩暈が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

適用上の注意

静脈内注射
静脈内注射をする場合は、患者をねかせて極めて緩徐に投与するか、又は希釈(5%ブドウ糖液又は生理食塩液)して投与するのが望ましい。[急速に注射した場合、呼吸抑制、血圧降下、循環障害、心停止等があらわれることがある。]
麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)や呼吸の調節・補助設備のないところでは静脈内注射を行わないこと。
静脈炎・発赤を起こすことがあるので、なるべく太い静脈を選び、注射速度はできるだけ遅くすること。
筋肉内注射
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
筋肉内注射はやむを得ない場合にのみ、必要最少限に行うこと。なお、特に同一部位への反復注射は行わないこと。また、低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には特に注意すること。
神経走行部位を避けるよう注意すること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
アンプルカット時
本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルの首部をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
注射部位
皮下、筋肉内注射により注射部位の疼痛、膨疹があらわれることがある。

高齢者への投与

高齢者では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。[一般に高齢者では生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[類似化合物(モルヒネ)の動物試験(マウス、ラット)で催奇形作用が報告されている。]
分娩前に連用した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。
分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することがある。]

小児等への投与

新生児、乳児では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。[新生児、乳児では呼吸抑制の感受性が高い。]

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
モノアミン酸化酵素阻害剤興奮、錯乱、呼吸循環不全等を起こすことがある。モノアミン酸化酵素阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおくことが望ましい。中枢神経系にセロトニンが蓄積することが考えられている。
ナルメフェン塩酸塩水和物
セリンクロ
本剤の離脱症状があらわれるおそれがある。また、本剤の効果が減弱するおそれがある。緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合、患者毎に用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察すること。また、手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること。μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経抑制剤
フェノチアジン系薬剤、
バルビツール酸系薬剤 等
吸入麻酔剤、
三環系抗うつ剤、
β-遮断剤
プロプラノロール塩酸塩 等
アルコール
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある。
併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させる。
クマリン系抗凝血剤
ワルファリンカリウム 等
抗凝血作用が増強することがある。
併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
機序不明
抗コリン作動性薬剤
アトロピン硫酸塩水和物 等
麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある。
併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
本剤の類似化合物(モルヒネ)には腸管神経叢でのアセチルコリン遊離抑制作用、尿路平滑筋収縮作用があり、抗コリン作動性薬剤には消化管緊張、自動運動の抑制作用並びに膀胱括約筋を収縮させる傾向がある。
相加的に作用(抗コリン作用)を増強させる。
イソニアジドイソニアジドのMAO阻害作用により呼吸抑制、低血圧、昏睡、痙攣等が起こることがある。
併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
本剤は神経系のセロトニンの取り込みを阻害する。
イソニアジド併用により中枢神経のセロトニンが蓄積する。
アンフェタミンアンフェタミンのMAO阻害作用により呼吸抑制、低血圧、昏睡、痙攣等が起こることがある。
併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する。
本剤は神経系のセロトニンの取り込みを阻害する。
アンフェタミン併用により中枢神経のセロトニンが蓄積する。
セロトニン作用薬
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI) 等
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行うこと。本剤は神経系のセロトニンの取り込みを阻害する。併用によりセロトニン作用が増強するおそれがある。
尿アルカリ化剤
炭酸水素ナトリウム 等
本剤の作用が増強することがある。本剤の尿中排泄が減少し、作用を増強させる。

重大な副作用 

(いずれも頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、呼吸困難、意識低下等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
呼吸抑制があらわれることがあるので、息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。
錯乱、せん妄があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
痙攣があらわれるとの報告がある。
無気肺、気管支痙攣、喉頭浮腫があらわれるとの報告がある。
炎症性腸疾患の患者に投与した場合、麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸があらわれるとの報告がある。
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