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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)
  • ○他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法

用法・用量

  • 成人

    • 通常、成人にはレベチラセタムとして1日1000mgを1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により1日3000mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は2週間以上の間隔をあけて1日用量として1000mg以下ずつ行うこと。
  • 小児

    • 通常、4歳以上の小児にはレベチラセタムとして1日20mg/kgを1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により1日60mg/kgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は2週間以上の間隔をあけて1日用量として20mg/kg以下ずつ行うこと。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ用法・用量を用いること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分又はピロリドン誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎機能障害のある患者[7.2、16.6.1参照]
9.2.2 血液透析を受けている末期腎機能障害のある患者[7.2、16.6.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類C)[7.3、16.6.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、以下のようなリスクを考慮し治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
・ヒトにおいて、妊娠中にレベチラセタムの血中濃度が低下したとの報告があり、第3トリメスター期間に多く、最大で妊娠前の60%となったとの報告がある。
・ラットにおいて胎児移行性が認められている。
・動物実験において、ラットではヒトへの曝露量と同程度以上の曝露で骨格変異及び軽度の骨格異常の増加、成長遅延、児の死亡率増加が認められ、ウサギでは、ヒトへの曝露量の4~5倍の曝露で胚致死、骨格異常の増加及び奇形の増加が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
ヒト乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
低出生体重児又は新生児を対象とした臨床試験は国内・海外ともに実施していない。
9.8 高齢者
クレアチニンクリアランス値を参考に投与量、投与間隔を調節するなど慎重に投与すること。高齢者では腎機能が低下していることが多い。[7.2、16.6.1、16.6.4参照]

8.重要な基本的注意

8.1 連用中における投与量の急激な減量ないし投与中止により、てんかん発作の増悪又はてんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、少なくとも2週間以上かけて徐々に減量するなど慎重に行うこと。
8.2 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.3 易刺激性、錯乱、焦燥、興奮、攻撃性等の精神症状があらわれ、自殺企図に至ることもあるので、本剤投与中は患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。[8.4、11.1.6、15.1.1参照]
8.4 患者及びその家族等に攻撃性、自殺企図等の精神症状発現の可能性について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。[8.3、11.1.6、15.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤を強直間代発作に対して使用する場合には、他の抗てんかん薬と併用すること。強直間代発作に対する本剤単独投与での臨床試験は実施していない。
7.2 腎機能障害を有する成人患者に本剤を投与する場合は、下表に示すクレアチニンクリアランス値を参考として本剤の投与量及び投与間隔を調節すること。また、血液透析を受けている成人患者では、クレアチニンクリアランス値に応じた1日用量に加えて、血液透析を実施した後に本剤の追加投与を行うこと。なお、ここで示している用法及び用量はシミュレーション結果に基づくものであることから、患者ごとに慎重に観察しながら、用法及び用量を調節すること。また、腎機能障害を有する小児患者についても腎機能の程度に応じて、本剤の投与量及び投与間隔を調節するなど慎重に投与すること。[9.2.1、9.2.2、9.8、16.6.1、16.6.2参照]
クレアチニンクリアランス(mL/min)≧80≧50-<80≧30-<50<30透析中の腎不全患者血液透析後の補充用量
1日投与量1000~3000mg1000~2000mg500~1500mg500~1000mg500~1000mg
通常投与量1回500mg
1日2回
1回500mg
1日2回
1回250mg
1日2回
1回250mg
1日2回
1回500mg
1日1回
250mg
最高投与量1回1500mg
1日2回
1回1000mg
1日2回
1回750mg
1日2回
1回500mg
1日2回
1回1000mg
1日1回
500mg
7.3 重度の肝機能障害のある患者では、肝臓でのクレアチン産生が低下しており、クレアチニンクリアランス値からでは腎機能障害の程度を過小評価する可能性があることから、より低用量から開始するとともに、慎重に症状を観察しながら用法及び用量を調節すること。[9.3.1、16.6.3参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 成人
(1)単回投与
健康成人にレベチラセタム250、500、1000、1500、2000、3000、4000注)、5000mg注)(各投与量6例)を空腹時に単回経口投与したとき、すべての投与量でレベチラセタムの血漿中濃度は投与後ほぼ1時間に最高値を示し、消失半減期(t1/2)は投与量にかかわらず7~9時間であった。
単回投与時の薬物動態パラメータ
投与量(mg)Cmax(μg/mL)tmax(h)AUC0-48h(μg・h/mL)t1/2(h)
2506.9±1.31.0±0.656.7±6.26.9±0.9
50016.4±4.81.0±0.6148.7±18.47.9±1.0
100029.7±9.30.8±0.6288.9±34.07.9±1.0
150040.8±7.20.8±0.3458.1±50.98.1±0.4
200053.3±8.30.8±0.6574.6±71.48.0±0.8
300082.9±7.40.6±0.2925.2±102.17.8±0.8
4000注)114.1±11.00.9±0.61248.2±152.48.6±1.0
5000注)115.1±14.31.0±0.61363.3±151.98.1±0.7
各投与量6例、平均値±SDCmax:最高血中濃度tmax:最高血中濃度到達時間AUC:血中薬物濃度-時間曲線下面積t1/2:消失半減期
注)国内で承認された本剤の1日最高投与量は3000mgである。
(2)反復投与
健康成人にレベチラセタムとして1回1000mg又は1500mg(各投与量6例)を1日2回7日間投与したとき、投与1日目(初回投与時)と7日目(最終回投与時)の血漿中濃度は共に投与後約2~3時間にCmaxを示し、その後約8時間の消失半減期で低下した。また、血漿中濃度は投与3日目には定常状態に達すると推測された。
薬物動態パラメータ2000mg/日(N=6)3000mg/日(N=6)
初回投与時最終回投与時初回投与時最終回投与時
Cmax(μg/mL)24.1±3.036.3±5.733.3±3.652.0±4.6
tmax(h)2.2±1.22.8±1.02.2±0.82.5±1.0
AUC0-12h(μg・h/mL)191.3±26.7318.3±63.2253.7±30.3445.6±56.9
t1/2(h)8.0±1.48.3±0.97.5±0.77.7±0.4
平均値±SD
(3)点滴静脈内投与と経口投与の比較
健康成人25例にレベチラセタム1500mgを15分間点滴静脈内投与又は経口投与したとき、レベチラセタムの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。経口投与時と比較して、点滴静脈内投与時のCmaxは約1.6倍高く、AUC及びt1/2は類似していた。なお、レベチラセタム経口投与時の生物学的利用率は約100%であった。
単回投与時の薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ点滴静脈内投与(N=25)経口投与(N=25)幾何平均比a)(90%信頼区間)
Cmax(μg/mL)97.0[27.6]58.9[37.0]1.64(1.47-1.83)
AUC0-t(μg・h/mL)472.3[15.4]487.4[15.9]0.97(0.95-0.99)
tmax(h)0.25(0.17-0.27)0.75(0.50-3.00)
t1/2(h)7.11[11.7]7.23[12.7]
幾何平均値[CV(%)]、tmaxは中央値(最小値-最大値)a)点滴静脈内投与/経口投与
16.1.2 小児
6~12歳の小児てんかん患者にレベチラセタムとして20mg/kgを単回経口投与したとき、レベチラセタムの血漿中濃度は投与後ほぼ2時間に最高値を示し、消失半減期は6時間であった(外国人データ)。
投与量(mg/kg)Cmax(μg/mL)tmax(h)AUC0-24h(μg・h/mL)t1/2(h)
2025.8±8.62.3±1.2226±646.0±1.1
24例(t1/2:23例)、平均値±SD
16.1.3 母集団薬物動態解析
成人
日本人及び外国人の健康成人及びてんかん患者(クレアチニンクリアランス:49.2~256.8mL/min)から得られた血漿中レベチラセタム濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を行った。その結果、見かけの全身クリアランス(CL/F)に対して、体重、性別、CLCR及び併用抗てんかん薬、見かけの分布容積(V/F)に対して体重、併用抗てんかん薬及び被験者の健康状態(健康成人又はてんかん患者)が統計学的に有意な因子として推定された。
小児
小児(4~16歳)及び成人(16~55歳)のてんかん患者から得られた血漿中レベチラセタム濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を行った。その結果、CL/Fに対して体重及び併用抗てんかん薬、V/Fに対して体重が統計学的に有意かつ臨床的に意味のある因子として推定された。小児及び成人てんかん患者の血漿中薬物濃度をシミュレーションした結果、小児てんかん患者に10~30mg/kgを1日2回投与した際の血漿中薬物濃度は、成人てんかん患者に500~1500mg1日2回投与した際と同様と予測された。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人12例に、レベチラセタム1500mgを空腹時又は食後に単回経口投与したとき、空腹時と比べて、食後投与時ではtmaxが約1.3時間延長し、Cmaxは30%低下したが、AUCは同等であった。
16.3 分布
日本人てんかん患者の見かけの分布容積は、母集団薬物動態解析の結果、0.64L/kgと推定され、体内総水分量に近い値となった。外国人健康成人17例を対象にレベチラセタム1500mgを単回静脈内投与したとき、分布容積の平均値は41.1L(0.56L/kg)であり、体内総水分量に近い値であった。
in vitro及びex vivo試験の結果、レベチラセタム及び主代謝物であるucb L057の血漿たん白結合率は、10%未満である。
16.4 代謝
レベチラセタムは、肝チトクロームP450系代謝酵素では代謝されない。主要な代謝経路はアセトアミド基の酵素的加水分解であり、これにより生成されるのは主代謝物のucb L057(カルボキシル体)である。なお、本代謝物に薬理学的活性はない。
in vitro試験において、レベチラセタム及びucb L057はCYP(3A3/4、2A6、2C9、2C19、2D6、2E1及び1A2)、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1及びUGT1A6)及びエポキシドヒドロラーゼに対して阻害作用を示さなかった。また、バルプロ酸ナトリウムのグルクロン酸抱合にも影響を及ぼさなかった。
16.5 排泄
健康成人(各投与量6例)にレベチラセタム250~5000mg注)を空腹時に単回経口投与したとき、投与48時間後までの投与量に対する尿中排泄率の平均値は、未変化体として56.3~65.3%、ucb L057として17.7~21.9%であった。
外国人健康成人男性4例に14C-レベチラセタム500mgを単回経口投与したとき、投与48時間後までに投与量の92.8%の放射能が尿中から、0.1%が糞中から回収された。投与48時間後までの投与量に対する尿中排泄率は、未変化体として65.9%、ucb L057として23.7%であった。
レベチラセタムの排泄には糸球体ろ過及び尿細管再吸収が、ucb L057には糸球体ろ過と能動的尿細管分泌が関与している。
注)国内で承認された本剤の1日最高投与量は3000mgである。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能の程度の異なる成人被験者を対象に、レベチラセタムを単回経口投与したとき、見かけの全身クリアランスは腎機能正常者(CLCR:≧80mL/min/1.73m2)と比較して、軽度低下者(CLCR:50~<80mL/min/1.73m2)では40%、中等度低下者(CLCR:30~<50mL/min/1.73m2)で52%、重度低下者(CLCR:<30mL/min/1.73m2)で60%低下した。レベチラセタムとucb L057の腎クリアランスはクレアチニンクリアランスと有意に相関した。[7.2、9.2.1、9.8、16.6.4参照]
薬物動態パラメータ腎機能の程度
正常(N=6)軽度(N=6)中等度(N=6)重度(N=6)
CLCR(mL/min/1.73m2≧8050-<8030-<50<30
投与量500mg500mg250mg250mg
レベチラセタム
Cmax(μg/mL)22.8±6.316.0±4.111.0±2.29.5±3.0
tmax(h)0.5(0.5-2.0)1.0(0.5-2.0)0.5(0.5-1.0)0.5(0.5-1.0)
AUC0-t(μg・h/mL)167.9±27.9250.5±41.0171.2±27.8215.3±41.0
t1/2(h)7.6±0.512.7±1.415.7±2.620.3±5.5
CL/F(mL/min/1.73m251.7±4.131.2±4.824.9±3.920.6±4.0
CLR(mL/min/1.73m232.5±8.315.7±4.110.0±2.46.6±2.7
ucb L057
Cmax(μg/mL)0.36±0.030.77±0.170.58±0.171.10±0.36
tmax(h)5.0(2.0-8.0)8.0(6.0-12.0)12.0(8.0-12.0)24.0(12.0-24.0)
AUC0-t(μg・h/mL)5.9±0.624.0±7.620.7±10.066.5±45.8
t1/2(h)12.4(11.3-15.3)19.0(17.3-19.9)20.3(19.7-23.6)26.8(17.2-33.3)
CLR(mL/min/1.73m2251.4±35.8111.8±43.988.8±44.131.3±11.6
平均値±SD、tmax及びucb L057のt1/2は中央値(最小値-最大値)CL/F:見かけの全身クリアランスCLR:腎クリアランス
16.6.2 血液透析を受けている末期腎機能障害患者
血液透析を受けている末期腎機能障害の成人被験者にレベチラセタム500mgを透析開始44時間前に単回経口投与したとき、レベチラセタムの非透析時の消失半減期は34.7時間であったが、透析中は2.3時間に短縮した。レベチラセタム及びucb L057の透析による除去効率は高く、81%及び87%であった。[7.2、9.2.2、13.2参照]
薬物動態パラメータレベチラセタムucb L057
Cmax(μg/mL)18.7±1.68.86±0.63
tmax(h)0.7(0.4-1.0)44.0(44.0-44.0)
t1/2(h)34.7(29.2-38.6)
AUC0-44h(μg・h/mL)464.6±49.6231.0±18.0
CL/F(mL/min/1.73m210.9(9.4-13.1)
ダイアライザーの除去効率(%)81.3±5.886.9±5.9
血液透析中の消失半減期(h)2.3(2.1-2.6)2.1(1.9-2.6)
血液透析クリアランス(mL/min/1.73m2115.7±9.3123.1±8.6
N=6、平均値±SDtmax、t1/2、CL/F、血液透析中の消失半減期は中央値(最小値-最大値)
16.6.3 肝機能障害患者
軽度及び中等度(Child-Pugh分類A及びB)の成人肝機能低下者にレベチラセタムを単回経口投与したとき、レベチラセタムの全身クリアランスに変化はみられなかった。重度(Child-Pugh分類C)の肝機能低下者では、全身クリアランスが健康成人の約50%となった(外国人データ)。[7.3、9.3.1参照]
薬物動態パラメータ健康成人(N=5)肝機能低下者
Child-Pugh分類A(N=5)Child-Pugh分類B(N=6)Child-Pugh分類C(N=5)
CLCR(mL/min/1.73m2a)93.1±13.8120.8±11.999.6±13.263.5±13.5
レベチラセタム
Cmax(μg/mL)23.1±1.223.6±4.924.7±3.324.1±3.8
tmax(h)0.8±0.30.6±0.20.5±0.01.6±1.5
AUC(μg・h/mL)234±49224±25262±58595±220
t1/2(h)7.6±1.07.6±0.78.7±1.518.4±7.2
CL/F(mL/min/1.73m263.4±9.762.5±8.755.4±10.529.2±13.5
平均値±SDa)レベチラセタム投与後の値
16.6.4 高齢者
高齢者におけるレベチラセタムの薬物動態について、クレアチニンクリアランスが30~71mL/minの被験者16例(年齢61~88歳)を対象として評価した結果、高齢者では消失半減期が約40%延長し、10~11時間となった(外国人データ)。[9.8、16.6.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 フェニトイン
フェニトインの単剤治療で十分にコントロールできない部分発作又は二次性全般化強直間代発作を有する成人てんかん患者6例を対象に、レベチラセタム3000mg/日を併用投与したとき、フェニトインの血清中濃度や薬物動態パラメータに影響を及ぼさなかった。フェニトインもレベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.2 バルプロ酸ナトリウム
健康成人16例を対象に、バルプロ酸ナトリウムの定常状態下においてレベチラセタムを1500mg単回経口投与したとき、バルプロ酸ナトリウムはレベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった。レベチラセタムもバルプロ酸ナトリウムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.3 経口避妊薬(エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルの合剤)
健康成人女性18例を対象に、経口避妊薬(エチニルエストラジオール0.03mg及びレボノルゲストレル0.15mgの合剤を1日1回)及びレベチラセタムを1回500mg1日2回21日間反復経口投与したとき、レベチラセタムはエチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルの薬物動態パラメータに影響を及ぼさなかった。各被験者の血中プロゲステロン及び黄体形成ホルモン濃度は低濃度で推移し、経口避妊薬の薬効に影響を及ぼさなかった。経口避妊薬は、レベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.4 ジゴキシン
健康成人11例を対象に、ジゴキシン(1回0.25mgを1日1回)及びレベチラセタム1回1000mg1日2回7日間反復経口投与したとき、レベチラセタムはジゴキシンの薬物動態パラメータに影響を及ぼさなかった。ジゴキシンもレベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.5 ワルファリン
プロトロンビン時間の国際標準比(INR)を目標値の範囲内に維持するよう、ワルファリンの投与を継続的に受けている健康成人26例を対象に、ワルファリン(2.5~7.5mg/日)及びレベチラセタム1回1000mg1日2回7日間反復経口投与したとき、レベチラセタムはワルファリン濃度に影響を及ぼさず、プロトロンビン時間も影響を受けなかった。ワルファリンもレベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.6 プロベネシド
健康成人23例を対象に、プロベネシド(1回500mgを1日4回)及びレベチラセタム1回1000mg1日2回4日間反復経口投与したとき、プロベネシドはレベチラセタムの薬物動態には影響を及ぼさなかったが、主代謝物ucb L057の腎クリアランスを61%低下させた(外国人データ)。
16.8 その他
16.8.1 生物学的同等性
健康成人26例にレベチラセタム500mg(ドライシロップ50%を1g又は500mg錠を1錠)を空腹時単回投与したとき、レベチラセタムの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。ドライシロップ50%と500mg錠は生物学的に同等であることが確認された。
単回投与時の薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータドライシロップ(N=26)錠剤(N=26)製剤間の比較
幾何平均比a)(90%信頼区間)
Cmax(μg/mL)20.9[24.5]19.6[28.1]1.0680(0.9689,1.1772)
AUC0-t(μg・h/mL)149[15.6]151[15.2]0.9871(0.9701,1.0044)
tmax(h)0.500(0.233-1.50)0.633(0.250-2.00)
Cmax及びAUC0-tは幾何平均値[幾何CV(%)]tmaxは中央値(最小値-最大値)a)ドライシロップ50%/500mg錠

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
11.1.3 重篤な血液障害(頻度不明)
汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、好中球減少、血小板減少があらわれることがある。
11.1.4 肝不全、肝炎(いずれも頻度不明)
肝不全、肝炎等の重篤な肝障害があらわれることがある。
11.1.5 膵炎(頻度不明)
激しい腹痛、発熱、嘔気、嘔吐等の症状があらわれたり、膵酵素値の上昇が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6 攻撃性、自殺企図(いずれも1%未満)
易刺激性、錯乱、焦燥、興奮、攻撃性等の精神症状があらわれ、自殺企図に至ることもある。[8.3、8.4、15.1.1参照]
11.1.7 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.8 急性腎障害(頻度不明)
11.1.9 悪性症候群(頻度不明)
発熱、筋強剛、血清CK上昇、頻脈、血圧の変動、意識障害、発汗過多、白血球の増加等があらわれた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

3%以上1~3%未満1%未満頻度不明
精神神経系浮動性めまい(10.4%)、頭痛(11.8%)、不眠症、傾眠(27.9%)感覚鈍麻、気分変動、振戦、易刺激性、痙攣、抑うつ激越、健忘、注意力障害、幻覚、運動過多、記憶障害、錯感覚、思考異常、平衡障害、感情不安定、異常行動、協調運動異常、怒り、ジスキネジー、不安、体位性めまい、睡眠障害、緊張性頭痛、精神病性障害、パニック発作、譫妄錯乱状態、敵意、気分動揺、神経過敏、人格障害、精神運動亢進、舞踏アテトーゼ運動、嗜眠、てんかん増悪、強迫性障害
複視、結膜炎霧視、眼精疲労、眼そう痒症、麦粒腫
血液好中球数減少貧血、血中鉄減少、鉄欠乏性貧血、血小板数減少、白血球数増加、白血球数減少
循環器心電図QT延長、高血圧
消化器腹痛、便秘、下痢、胃腸炎、悪心、口内炎、嘔吐、齲歯歯肉炎、痔核、胃不快感、歯痛消化不良、口唇炎、歯肉腫脹、歯周炎
肝臓ALP増加肝機能異常
泌尿・生殖器膀胱炎、尿中ブドウ糖陽性、尿中血陽性、尿中蛋白陽性、月経困難症頻尿
呼吸器鼻咽頭炎(30.2%)、咽喉頭疼痛、上気道の炎症気管支炎、咳嗽、鼻漏、咽頭炎、インフルエンザ、鼻炎鼻出血、肺炎
代謝及び栄養食欲不振
皮膚湿疹皮膚炎、そう痒症、発疹、ざ瘡脱毛症、単純ヘルペス、帯状疱疹、白癬感染多形紅斑、血管性浮腫
筋骨格系背部痛肩痛、筋肉痛、筋骨格硬直、関節痛頸部痛、四肢痛、筋力低下
感覚器耳鳴回転性めまい
その他倦怠感、発熱、体重減少血中トリグリセリド増加、胸痛、体重増加無力症、疲労、末梢性浮腫、抗痙攣剤濃度増加事故による外傷(皮膚裂傷等)
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