製品名 インヴェガ錠3mg
インヴェガ錠6mg
インヴェガ錠9mg

一般名
Paliperidone
薬効分類
抗精神病薬
 >非定型抗精神病薬(SDA)
価格
3mg1錠:253.2円/錠
6mg1錠:465.7円/錠
9mg1錠:590.4円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 統合失調症

用法・用量

  • 通常、成人にはパリペリドンとして6mgを1日1回朝食後に経口投与する。なお、年齢、症状により1日12mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は5日間以上の間隔をあけて1日量として3mgずつ行うこと。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]
  • バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強されることがある。]
  • アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)[「相互作用」の項参照]
  • 本剤の成分及びリスペリドンに対し過敏症の既往歴のある患者
  • 中等度から重度の腎機能障害患者(クレアチニン・クリアランス50mL/分未満)[本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがある(「薬物動態」の項参照)。]
副作用
悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)注)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡することがある。
遅発性ジスキネジア(頻度不明)注)
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
麻痺性イレウス(頻度不明)注)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤は動物実験(イヌ)で制吐作用を有することから、悪心・嘔吐を不顕性化する可能性があるので注意すること。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)注)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがある。
肝機能障害(4.2%)、黄疸(頻度不明)注)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)注)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
不整脈(0.6%)
心房細動、心室性期外収縮等があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
脳血管障害(頻度不明)注)
脳血管障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
高血糖(1.3%)、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(頻度不明)注)
高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与等の適切な処置を行うこと。[「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照]
低血糖(0.3%)
低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]
無顆粒球症(頻度不明)注)、白血球減少(0.3%)
無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明)注)
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]
持続勃起症(頻度不明)注)
α交感神経遮断作用に基づく持続勃起症があらわれることがあるので、このような場合には適切な処置を行うこと。
注)本剤の国内臨床試験では認められなかったが、外国臨床試験又は市販後において認められた副作用、並びにパリペリドンパルミチン酸エステル持効性懸濁注射液で認められ、国内でも発生が予測される副作用を頻度不明とした。
注意

次の患者には慎重に投与すること

心・血管系疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者[一過性の血圧降下があらわれることがある。]
不整脈の既往歴のある患者、先天性QT延長症候群の患者又はQT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者[本剤の投与によりQTが延長する可能性がある。]
パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者[悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすくなる。また、錐体外路症状の悪化に加えて、錯乱、意識レベルの低下、転倒を伴う体位不安定等の症状が発現するおそれがある。]
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させるおそれがある。]
自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者[症状を悪化させるおそれがある。]
肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]
軽度の腎機能障害のある患者[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照]
糖尿病又はその既往歴のある患者、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者[血糖値が上昇することがある(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。]
高齢者[「高齢者への投与」、「薬物動態」の項参照]
小児[「小児等への投与」の項参照]
薬物過敏症の患者
脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者[悪性症候群が起こりやすい。]
高度な消化管狭窄のある患者[本剤は消化管内でほとんど変形しない錠剤であり、他のOROS製剤の投与により、まれに閉塞症状が報告されている(「適用上の注意」の項参照)。]
投与初期、再投与時、増量時にα交感神経遮断作用に基づく起立性低血圧があらわれることがあるので、低血圧があらわれた場合は減量等、適切な処置を行うこと。
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
興奮、誇大性、敵意等の陽性症状を悪化させる可能性があるので観察を十分に行い、悪化がみられた場合には他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
本剤の投与により、高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、特に糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。[「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照]
低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。[「重大な副作用」の項参照]
本剤の投与に際し、あらかじめ上記4.及び5.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう指導すること。[「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照]
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。[「重大な副作用」の項参照]
薬剤交付時
PTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
本剤は徐放性製剤であるため、噛んだり、割ったり、砕いたり、溶解したりしないよう指導すること。また、開封後は時間を置かずに必ず飲み物と一緒に服用するよう指導すること。
製剤残渣
本剤の外皮は内部の不溶性の成分と一緒に糞便中に排泄されるが、正常なことであり心配する必要はないことを説明すること。
薬剤服用時
本剤が消化管内に滞留した可能性がある場合には、腹部デジタルX線において可視化できるので、必要に応じて滞留の有無を確認すること。
軽度腎機能障害患者(クレアチニン・クリアランス50mL/分以上80mL/分未満)には、1日用量として3mgから開始し、1日用量は6mgを超えないこと[本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがある(「慎重投与」、「薬物動態」の項参照)。]
本剤は徐放性製剤であるため、分割して投与しないこと。
本剤はリスペリドンの活性代謝物であり、リスペリドンとの併用により作用が増強するおそれがあるため、本剤とリスペリドンを含有する経口製剤との併用は、避けること。
本剤の投与量は必要最低限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。
一般に高齢者では腎機能が低下している可能性がある。腎機能障害を有する患者では最高血漿中濃度が上昇し、半減期が延長することがあるので、1日量として3mgから開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。]
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[ヒトで乳汁移行が認められている。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
血漿中濃度
健康成人における薬物動態
健康成人に本剤3及び6mgを単回経口投与したときの血漿中パリペリドン濃度は、投与後、内部充填された薬物が浸透圧変化で徐々に放出されることにより緩やかに上昇し、約24時間後にCmaxを示し、20~23時間のt1/2で消失した。
健康成人に本剤3及び6mgを単回経口投与したときの血漿中パリペリドン濃度推移[平均値+S.D.]
健康成人に本剤3mgを1日1回7日間反復経口投与したとき、投与開始5日までには定常状態に達した。反復経口投与7日目のAUCτと単回経口投与時のAUCとに差がなかったことから、反復投与による薬物動態への影響がないことが示唆された。
健康成人に本剤3及び6mgを単回経口投与したとき、並びに3mgを1日1回7日間反復経口投与したときの血漿中パリペリドンの薬物動態パラメータ[平均値±S.D.、(N=23)]
投与法Cmax(ng/mL)tmaxb)(hr)AUC(ng・hr/mL)t1/2(hr)
3mg単回投与6.60±2.1924.0(9.0-27.2)241±84.219.6±3.5e)
6mg単回投与13.8±8.2224.0(6.0-24.1)565±368c)22.9±6.5
3mg反復投与a)11.8±3.9512.0(2.0-24.0)230±78.2d)25.4±3.5
a):反復経口投与7日目、b):中央値(範囲)、c):N=22、d):AUCτ、e):N=24
健康成人(外国人)において、本剤を単回経口投与したとき、3、6、9及び12mgの範囲で用量比例性が示された。本剤の絶対的生物学的利用率は約28%であり、吸収率も同程度であると考えられた。
食事による影響
健康成人を対象に、本剤3mgを空腹時及び食後に単回経口投与したとき、空腹時投与と比較して食後投与ではCmax及びAUCが、それぞれ36%及び37%増加した。なお、tmax及びt1/2に食事の影響は認められなかった。
腎機能障害による影響(外国人)
種々の程度の腎機能障害患者に本剤3mgを単回経口投与したとき、腎機能の低下に伴い、健康成人と比較してCmax及びAUCの増加、t1/2の延長、CLRの低下、並びに尿中排泄率の減少が認められた。なお、tmaxに差は認められなかった。
健康成人及び種々の程度の腎機能障害患者に本剤3mgを単回経口投与したときのパリペリドンの薬物動態パラメータ[平均値±S.D.]
腎機能注)Cmax(ng/mL)tmaxa)(hr)AUC(ng・hr/mL)t1/2(hr)CL/F(mL/分)CLR(mL/分)
正常(N=12)2.63±1.6120.5(12.0-26.0)114±74.023.2±7.8561±22570.5±26.8
軽度障害(N=11)4.29±2.3924.0(12.0-26.0)169±83.123.6±4.9433±40049.2±16.8
中等度障害(N=12)6.65±5.4624.0(12.0-28.0)416±44440.2±18.3271±25321.9±11.9b)
重度障害(N=10)5.55±2.8124.0(16.0-26.0)429±24751.0±15.4217±26112.9±9.64
a):中央値(範囲)、b):N=11注)クレアチニン・クリアランスを腎機能の指標とした軽度[50mL/分以上80mL/分未満]、中等度[30mL/分以上50mL/分未満]及び重度[10mL/分以上30mL/分未満]の腎機能障害患者
肝機能障害による影響(外国人)
中等度肝機能障害患者(Child-Pughスコア7~9)に本薬1mg(液剤)を単回経口投与したとき、肝機能の低下に伴い、健康成人と比較してCmax及びAUCはそれぞれ35%及び27%低下したが、非結合型濃度は同程度であった。なお、重度の肝機能障害患者における検討はなされていない。
高齢者における薬物動態(外国人)
健康成人及び健康高齢者を対象に、本剤3mgを単回経口投与及び1日1回7日間反復経口投与したとき、健康成人と比較して、健康高齢者ではCmax及びAUCがそれぞれ9~20%及び24~34%増加し、t1/2は27~58%延長した。
分布
ヒト血漿蛋白結合率
パリペリドン73.2%(in vitro、平衡透析法、50~250ng/mL)
代謝
ヒト肝試料を用いたin vitro試験成績より、肝での代謝率は低いと推定された。
代謝酵素(チトクロームP450)の分子種
CYP3A4及びCYP2D6でわずかに代謝される。
排泄
健康成人に本剤3及び6mgを単回経口投与したとき、投与後48時間までに尿中に排泄された未変化体は投与量の約9%であった。
なお、健康成人(外国人)に14C-パリペリドン1mg経口液剤を単回投与したとき、投与後7日までに投与放射能の約80%が尿中に、約11%が糞便中に排泄された。また、尿中に排泄された未変化体は投与量の約59%であった。
相互作用(外国人での成績)
<カルバマゼピン>
統合失調症又は双極I型障害患者64例にCYP3A4及びp-糖たん白誘導作用を有するカルバマゼピン(400mg/日反復投与)と本剤(6mg/日反復投与)を21日間併用したとき、パリペリドンのCmax,ss及びAUCτはそれぞれ37.5%及び36.6%減少した。
<パロキセチン>
健康成人男性60例にCYP2D6阻害作用を有するパロキセチン(20mg/日反復投与)と本剤(3mg単回投与)を併用したとき、パリペリドンのAUCは16.48%増加した。
<バルプロ酸>
健康成人男性24例にバルプロ酸(徐放性製剤として1000mg/日反復投与)と本剤(12mg単回投与)を併用したとき、パリペリドンのCmax及びAUCはそれぞれ51.5%及び51.8%増加した。また、統合失調症、双極I型障害又は統合失調感情障害患者17例にバルプロ酸(徐放性製剤として500~2000mg/日反復投与)と本剤(12mg反復投与)を併用したとき、バルプロ酸の薬物動態に併用の影響は認められなかった。
<トリメトプリム>
健康成人男性30例に有機カチオントランスポーター阻害作用を有するトリメトプリム(400mg/日反復投与)と本剤(6mg単回投与)を併用したとき、それぞれの薬剤の薬物動態に併用の影響は認められなかった。