製品名 プラザキサカプセル75mg
プラザキサカプセル110mg

一般名
Dabigatran Etexilate Methanesulfonate
Dabigatran Etexilate
薬効分類
凝固・抗血栓薬
 >直接経口抗凝固薬
価格
75mg1カプセル:136.4円/カプセル
110mg1カプセル:239.3円/カプセル

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制

用法・用量

  • 通常、成人にはダビガトランエテキシラートとして1回150mg(75mgカプセルを2カプセル)を1日2回経口投与する。なお、必要に応じて、ダビガトランエテキシラートとして1回110mg(110mgカプセルを1カプセル)を1日2回投与へ減量すること。
禁忌

【警告】

  • 本剤の投与により消化管出血等の出血による死亡例が認められている。本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
  • 本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
  • [「禁忌」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「過量投与」の項参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 透析患者を含む高度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者[本剤は主に腎臓を介して排泄されるため、血中濃度が上昇し出血の危険性が増大するおそれがある。「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「薬物動態」の項参照]
  • 出血症状のある患者、出血性素因のある患者及び止血障害のある患者[出血を助長するおそれがある。「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照]
  • 臨床的に問題となる出血リスクのある器質的病変(6ヶ月以内の出血性脳卒中を含む)の患者
  • 脊椎・硬膜外カテーテルを留置している患者及び抜去後1時間以内の患者[外傷性や頻回の穿刺や術後の硬膜外カテーテルの留置によって脊髄血腫や硬膜外血腫の危険性が増大する。]
  • イトラコナゾール(経口剤)を投与中の患者[「相互作用」の項参照]
副作用
出血(消化管出血、頭蓋内出血等)
消化管出血(1.6%)、頭蓋内出血(頻度不明注))等の出血があらわれることがあるので、観察を十分行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(頻度不明注)
間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー(頻度不明注)
アナフィラキシー(蕁麻疹、顔面腫脹、呼吸困難等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性肝不全(頻度不明注))、肝機能障害(頻度不明注))、黄疸(頻度不明注)
急性肝不全、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注)海外において認められている副作用あるいは国内自発報告であるため頻度不明
注意

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

中等度の腎障害(クレアチニンクリアランス30-50mL/min)のある患者[ダビガトランの血中濃度が上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
P-糖蛋白阻害剤(経口剤)を併用している患者[ダビガトランの血中濃度が上昇するおそれがある。(「相互作用」の項参照)]
高齢者[出血の危険性が高い。(「高齢者への投与」の項参照)]
消化管出血の既往を有する患者及び上部消化管の潰瘍の既往のある患者[出血の危険性が増大するおそれがある。]
出血の危険性が高い患者[「禁忌」、「重要な基本的注意」の項参照]

重要な基本的注意

本剤の使用にあたっては、患者の状態(腎機能、高齢者、消化管出血の既往等)による出血の危険性を考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
本剤は主に腎臓を介して排泄されるため、腎障害のある患者では、本剤の血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがある。本剤を投与する前に、必ず腎機能を確認すること。また、本剤投与中は適宜、腎機能検査を行い、腎機能の悪化が認められた場合には、投与の中止や減量を考慮すること。[「禁忌」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「高齢者への投与」、「薬物動態」の項参照]
本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに投与の中止や止血など適切な処置を行うこと。特に「慎重投与」の項に掲げられた患者には注意すること。
本剤投与中の出血はどの部位にも発現する可能性があることに留意し、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血圧の低下あるいは血尿などの出血の徴候に注意すること。特に消化管出血には注意が必要であり、吐血、血便などの症状が認められた場合は投与を中止すること。[「過量投与」の項参照]
患者には出血しやすくなることを説明し、鼻出血、歯肉出血、皮下出血、血尿、血便等の異常な出血が認められた場合には、直ちに医師に連絡するよう指導すること。
本剤と併用することにより、本剤の抗凝固作用が増強あるいは減弱する薬剤があるので、併用する薬剤に十分注意すること。[「相互作用」の項参照]
アスピリン、クロピドグレル硫酸塩等の血小板凝集抑制作用を有する薬剤との併用により、ヘモグロビン2g/dL以上の減少を示すような大出血の危険性が増大することがあるので、注意すること。これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。[「相互作用」の項参照]
出血の危険性が増大する可能性があるので、抗凝固剤や血栓溶解剤との併用は注意すること。[「相互作用」の項参照]
本剤から他の抗凝固剤(注射剤)へ切り替える際には、本剤投与後12時間の間隔を空けること。
他の抗凝固剤(注射剤)から本剤へ切り替える際には、他の抗凝固剤(注射剤)の次回投与予定時間の2時間前から、あるいは持続静注(例えば、未分画ヘパリン)中止時に本剤を投与すること。
ビタミンK拮抗薬(ワルファリン)から本剤へ切り替える際には、ビタミンK拮抗薬を投与中止し、PT-INRが2.0未満になれば投与可能である。
ベラパミル塩酸塩(経口剤)との併用によりダビガトランの血中濃度が上昇することがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮すること。また、本剤服用中に新たにベラパミル塩酸塩(経口剤)の併用を開始する患者では、併用開始から3日間はベラパミル塩酸塩服用の2時間以上前に本剤を服用させること。[「相互作用」の項参照]
aPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)は、出血している患者では過度の抗凝固作用を判断する目安となる可能性がある。日本人を含む第III相国際共同試験においては、トラフ時aPTTが80秒を超える場合は大出血が多かった。
生体組織検査、大きな外傷、細菌性心内膜炎など出血の危険性が増大する場合、出血や貧血の徴候に十分注意すること。
手術や侵襲的手技を実施する患者では、出血の危険性が増大するため危険性に応じて本剤の投与を一時中止すること。可能であれば、手術や侵襲的手技の24時間前までに投与中止すること。完全な止血機能を要する大手術を実施する場合や出血の危険性が高い患者を対象とする場合には、手術の2日以上前までの投与中止を考慮し、従来の抗凝固療法と同様に代替療法(ヘパリン等)の使用を考慮すること。また、手術後は止血を確認した後に、本剤の投与を再開すること。
患者の判断で本剤の服用を中止することのないよう十分な服薬指導をすること。本剤を服用し忘れた場合、同日中にできるだけ早く1回量を服用するとともに次の服用まで6時間以上空けさせること。服用し忘れた場合でも決して2回量を服用しないよう指導すること。
本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時、もしくは重大な出血が予想される緊急を要する手術又は処置の施行時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるイダルシズマブ(遺伝子組換え)の添付文書を必ず参照し、禁忌、慎重投与、重要な基本的注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
本剤は吸湿性があるので、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。また、アルミピロー包装注)のまま調剤を行うことが望ましい。
注)1アルミピロー包装中に28カプセル(14カプセル入りPTPシート×2)を含む。
服用時
カプセルを開けて服用しないこと。
速やかに胃に到達させるため、十分量(コップ1杯程度)の水とともに服用すること。
以下の患者では、ダビガトランの血中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮し、慎重に投与すること。
中等度の腎障害(クレアチニンクリアランス30-50mL/min)のある患者
P-糖蛋白阻害剤(経口剤)を併用している患者
[「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「相互作用」の項参照]
以下のような出血の危険性が高いと判断される患者では、本剤1回110mg1日2回投与を考慮し、慎重に投与すること。
70歳以上の患者
消化管出血の既往を有する患者
[「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照]
本剤を人工心臓弁置換術後の抗凝固療法には使用しないこと。[「その他の注意」の項参照]

高齢者への投与

一般に高齢者では腎機能が低下しダビガトランの血中濃度が上昇する可能性があるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[「慎重投与」、「薬物動態」の項参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で胎児に移行することが認められている。]
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]

薬物動態

血中濃度
本剤は経口投与後速やかに吸収され、エステラーゼで加水分解されて活性代謝物であるダビガトランとなる。ダビガトランの一部は、さらにグルクロン酸抱合を受け、ダビガトランと同様の薬理活性を有するグルクロン酸抱合体を生成する。本剤を健康被験者に対して空腹時に経口投与したとき、投与後0.5~2時間で総ダビガトラン(ダビガトランとグルクロン酸抱合体の総和)は最高血漿中濃度に達する。
日本人健康成人男性に本剤110mg及び150mgを食後に単回投与もしくは1日2回7日間反復経口投与したときの、総ダビガトランの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を示す。
ダビガトランエテキシラート食後経口投与後の総ダビガトランの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ
幾何平均値(%gCVa)
初回投与AUC0-12[ng・h/mL]Cmax[ng/mL]tmaxb)[h]
110mg
N=12
485(19.6)94.4(26.3)4.00(3.00-4.00)
150mg
N=12
623(23.0)116(27.9)4.00(2.00-6.00)
1日2回反復投与AUCτ,ssc)[ng・h/mL]Cmax,ss[ng/mL]tmax,ssb)[h]t1/2,ss[h]
110mg
N=11
818(18.8)124(25.5)4.00(3.00-6.00)10.7(19.8)
150mg
N=12
1100(19.1)169(26.3)4.00(2.00-4.00)11.8(13.7)
a)gCVは幾何変動係数を表す。b)中央値(最小値-最大値)c)τは12時間、ssは定常状態のパラメータを示す。
ダビガトランエテキシラート経口投与後の総ダビガトランの血漿中濃度推移(算術平均値±SD)
食事の影響(外国人のデータ)
高脂質、高カロリーの朝食後に本剤を投与したとき、空腹時投与に比べてAUC0-∞は約27%増加したが、Cmaxは約9%の上昇であった。tmaxは約2時間延長したが、バイオアベイラビリティに顕著な影響はないと考えられる。
代謝、排泄(外国人のデータ)
健康被験者に14C標識ダビガトラン(活性代謝物)を静脈内投与したとき、投与168時間後までに投与量の85%が尿中に、6%が糞便中に排泄された。
腎障害患者における薬物動態(外国人のデータ)
軽度~高度の腎障害患者(軽度:クレアチニンクリアランス50mL/min超80mL/min以下、中等度:30mL/min超50mL/min以下、高度:30mL/min以下)に本剤150mgを単回投与した時の総ダビガトランのAUC0-∞の幾何平均値は健康被験者(クレアチニンクリアランス80mL/min超)に比べて、それぞれ1.5倍、3.2倍及び6.3倍高くなった。
総ダビガトランの薬物動態パラメータに及ぼす腎機能の影響
対象クレアチニンクリアランス[mL/min]例数薬物動態パラメータ
幾何平均値
AUC0-∞[ng・h/mL]Cmax[ng/mL]t1/2[h]
健康被験者80超678178.613.4
軽度腎障害50超80以下6117087.615.3
中等度腎障害30超50以下6246013318.4
高度腎障害30以下11493016627.2
心房細動及び整形外科手術施行患者を対象とした母集団薬物動態解析では、クレアチニンクリアランスが120mL/min以下の患者ではクレアチニンクリアランスが1mL/min低下するごとに本薬のCL/F(みかけのクリアランス)が0.64%低下すると推定された。クレアチニンクリアランスが88mL/minの男性の心房細動患者を基準とすると、クレアチニンクリアランスが50mL/min及び30mL/minに低下した場合、AUCτ,ssがそれぞれ1.4倍、1.9倍に増加すると推定される。
肝障害患者における薬物動態(外国人のデータ)
中等度の肝障害患者に本剤150mgを単回投与した時の総ダビガトランのAUC0-∞は健康被験者と同程度であった。
高齢者(外国人のデータ)
65歳を超える高齢男性被験者における定常状態のAUCτ,ssは、18~40歳の健康男性被験者に比べて約2.2倍であった。若年被験者と高齢被験者との曝露の差は、高齢者ではクレアチニンクリアランスが低下しているためと考えられる。
性差(外国人のデータ)
健康男女被験者を対象とした第I相試験において、女性被験者のAUC0-∞は男性被験者よりも若干高かったが、その差は概して50%未満であった。一般的に女性では男性よりもクレアチニンクリアランスが低いことが、原因のひとつであると考えられた。臨床試験において、男女間で有効性及び安全性に違いがなかったことから、用量調節は必要ないと考えられる。
相互作用(外国人のデータ)
In vitro試験で本剤は薬物代謝酵素P-450によって代謝されず、また、薬物代謝酵素P-450を阻害及び誘導しないことが示されている。臨床試験ではアトルバスタチン、ジクロフェナクナトリウム及びジゴキシンとの経口投与での相互作用を検討したところ、本剤の薬物動態又は薬力学的作用に影響を及ぼさず、また逆に本剤がこれら薬剤に問題となる影響を与えることもなかった。
アミオダロンと本剤を経口投与で併用した場合、総ダビガトランのAUCτ,ss及びCmax,ssの幾何平均値はそれぞれ1.58倍及び1.50倍に増加した。ベラパミルを本剤投与の1時間前に単回経口投与した場合、総ダビガトランのAUC0-∞及びCmaxの幾何平均値はそれぞれ2.43倍及び2.79倍に増加したが、ベラパミルの反復経口投与において、本剤をベラパミルの2時間前に投与した場合、臨床的に問題となる相互作用は認められなかった(AUC0-∞は1.18倍、Cmaxは1.12倍に増加)。ケトコナゾールの単回又は反復経口投与と本剤の併用では、総ダビガトランの曝露量が最大約2.5倍に増加した。キニジンの経口投与との併用では1.53~1.56倍に増加した。リファンピシンの経口投与との併用では、逆に総ダビガトランの曝露量が約1/3に低下した。これらの相互作用はP-糖蛋白の阻害及び誘導によるものと考えられる。
クラリスロマイシンの経口投与との併用では総ダビガトランの曝露量は顕著な影響を受けなかった。