今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 松浦誠 岩手医科大学 薬学部 臨床薬学講座 地域医療薬学分野

監修: 中原 保裕 (有)ファーマシューティカルケア研究所

著者校正/監修レビュー済:2024/08/21
参考ガイドライン:
  1. 日本循環器学会:2020年JCSガイドラインフォーカスアップデート版冠動脈疾患患者における抗血栓療法
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、下記の点を加筆・修正した。
  1. 薬剤のメカニズムにフォーカスし、2023年11月現在の薬価収載有無について見直した。

概要・推奨   

  1. 動静脈血栓症には、脳卒中、肺塞栓、心筋梗塞、上腸管膜動脈血栓症などの疾患が含まれ、罹患率も死亡率も高い。
  1. 多くの動脈血栓は、動脈硬化性のプラークは破裂した際に、その部位に多量の血小板の凝集と比較的少量のフィブリン形成が促進され血小板が有意の血栓(白色血栓)を生じ、血流を閉塞する。したがって、動脈血栓の予防には、動脈硬化の予防と、血小板凝集の阻害が有効である。
  1. 一方、静脈血栓は、動脈血栓とは異なり、傷ついた血管損傷部位に形成されることはまれで、多くの場合は、深部静脈や心房細動時の心房内など血流が滞った部位に発生することが多い。これらの血栓は、赤色血栓と呼ばれ、動脈血栓と比較して、血小板は少なく主にフィブリンとそれによって補足された赤血球で構成されている。したがって、静脈血栓の予防には、静脈うっ滞の解消とフィブリン形成の予防が有効である。
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総論 

まとめ  
血栓形成プロセスと薬の作用点

血小板系:血管損傷等が生じると血小板の粘着性は高くなりさらにプロスタグランジンやcAMPの影響を受けてトロンボキサンA2等を放出させて血小板が凝集する。そして血小板がフィブリンや赤血球を取り込んで血栓を形成する。
凝固系:さまざまな凝固因子にプロトロンビンが作用してトロンビンを生成し、それがフィブリノーゲンをフィブリンに変換させる。しかしフィブリンはプラスミノーゲンから作られたプラスミンにより分解される。

 
抗血小板薬:
  1. 抗血小板作用を認める薬剤には、以下の薬剤が存在する。
  1. 非経口薬のトロンボキサンA2合成阻害薬であるオザグレルナトリウム(キサンボン、カタクロット)
  1. 経口の血小板のCOX-1阻害によりトロンボキサンA2の合成阻害作用を機序とするアスピリン
  1. セロトニンの受容体結合を防ぐことにより抗血小板作用を持つサルポグレラート塩酸塩(アンプラーグ)
  1. ホスホジエステラーゼ活性阻害により血小板内cAMPの上昇を起こし抗血小板作用を持つシロスタゾール(プレタール)やジピリダモール(ペルサンチン)
  1. 血小板上の受容体であるP2Y12を阻害することにより選択的に抗血小板作用を持つチエノピリジン系薬であるチクロピジン塩酸塩(パナルジン)、クロピドグレル硫酸塩(プラビックス)、プラスグレル塩酸塩(エフィエント)、チカグレロル(ブリリンタ)
  1. 高純度EPA製剤血小板凝集抑制作用のあるイコサペント酸エチル(EPA)(エパデール、エパデールS)
  1. 非経口トロンボキサンA2合成阻害薬 >詳細情報 
  1. 経口トロンボキサンA2合成阻害薬(アスピリン) >詳細情報 
  1. セロトニン受容体拮抗薬 >詳細情報 
  1. ホスホジエステラーゼ阻害薬 >詳細情報 
  1. P2Y12受容体阻害 >詳細情報 
 
抗凝固薬:
  1. 抗凝固薬は、経口と非経口の薬剤に大きく分かれる。
  1. 現在、非経口抗凝固薬には、ヘパリン、低分子ヘパリン、非経口ファクターXa阻害薬であるフォンダパリヌクス(アリクストラ)、ダルテパリンナトリウム(フラグミン)、非経口トロンビン阻害薬であるアルガトロバン水和物(ノバスタン、スロンノン)、アンチトロンビンガンマ(アコアラン)が存在する。
  1. 経口抗凝固薬としては、経口ビタミンK拮抗薬であるワルファリンと経口トロンビン阻害薬であるダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩(プラザキサ)、経口ファクターXa阻害薬であるリバーロキサバン(イグザレルト)、エドキサバントシル酸塩水和物(リクシアナ)、アピキサバン(エリキュース)が存在する。経口トロンビン阻害薬と経口ファクターXa阻害薬は合わせて直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)と呼ばれることも多い。
  1. ヘパリン製剤 >詳細情報 
  1. 低分子ヘパリン製剤 >詳細情報 
  1. フォンダパリヌクス >詳細情報 
  1. ヘパリン類似薬 >詳細情報 
  1. ワルファリン(経口ビタミンK拮抗薬) >詳細情報 
  1. 非経口直接トロンビン阻害薬 >詳細情報 
  1. 直接作用型経口抗凝固薬DOAC) >詳細情報 
 
血栓溶解薬:
  1. 血栓溶解薬は急性心筋梗塞や重症肺塞栓症、急性脳梗塞の対に血栓を溶解する目的で投与される薬剤である。迅速な血栓溶解により、血流を再回復させることにより、脳梗塞患者では不可逆的な損傷の程度を減らし3カ月後の転帰良好群を増加させることができる。心筋梗塞の患者で、緊急でカテーテル治療が行えない場合などには投与し致死率を減少させる効果がある。
  1. 血栓溶解薬として、ウロキナーゼ(ウロナーゼ)と、組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)であるアルテプラーゼ(グルトパ、アクチバシン)、モンテプラーゼ(クリアクター)が存在する。
  1. これらの薬剤は、プラスミノーゲンをプラスミンに変換し、フィブリン血栓をフィブリン分解物へと分解することを促進することで血栓を溶解する。
  1. 投与方法は、全身に投与される場合と、局所的に選択に投与する場合がある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
松浦誠 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:中原 保裕 : 原稿料(学研)[2024年]

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抗凝固薬・抗血小板薬(薬理)

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