製品名 イグザレルト錠10mg
イグザレルト錠15mg

一般名
Rivaroxaban
rivaroxaban
薬効分類
凝固・抗血栓薬
 >直接経口抗凝固薬
価格
10mg1錠:368.5円/錠
15mg1錠:524.3円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
  • 深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制

用法・用量

  • 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制

    通常,成人にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する.なお,腎障害のある患者に対しては,腎機能の程度に応じて10mg1日1回に減量する.
  • 深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制

    通常,成人には深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間はリバーロキサバンとして15mgを1日2回食後に経口投与し,その後は15mgを1日1回食後に経口投与する.
禁忌

【警告】

  • [全効能共通]

    本剤の投与により出血が発現し,重篤な出血の場合には,死亡に至るおそれがある.本剤の使用にあたっては,出血の危険性を考慮し,本剤投与の適否を慎重に判断すること.本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されておらず,本剤の抗凝固作用を中和する薬剤はないため,本剤投与中は,血液凝固に関する検査値のみならず,出血や貧血等の徴候を十分に観察すること.これらの徴候が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと.[「禁忌」,「用法・用量に関連する使用上の注意」,「慎重投与」,「重要な基本的注意」,「過量投与」の項参照]
  • [深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制]

    • 深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間の15mg1日2回投与時においては,特に出血の危険性が高まる可能性を考慮するとともに,患者の出血リスクに十分配慮し,特に,腎障害,高齢又は低体重の患者では出血の危険性が増大するおそれがあること,また,抗血小板剤を併用する患者では出血傾向が増大するおそれがあることから,これらの患者については治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ本剤を投与すること.
    • 脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により,穿刺部位に血腫が生じ,神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがある.深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症を発症した患者が,硬膜外カテーテル留置中,もしくは脊椎・硬膜外麻酔又は腰椎穿刺後日の浅い場合は,本剤の投与を控えること.
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • [全効能共通]

    • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
    • 出血している患者(頭蓋内出血,消化管出血等の臨床的に重大な出血)[出血を助長するおそれがある.]
    • 凝固障害を伴う肝疾患の患者[出血の危険性が増大するおそれがある.]
    • 中等度以上の肝障害(Child-Pugh分類B又はCに相当)のある患者[出血の危険性が増大するおそれがある.]
    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
    • HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル,ロピナビル・リトナビル,アタザナビル,インジナビル,サキナビル,ダルナビル,ホスアンプレナビル,ネルフィナビル),オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビルを投与中の患者[「相互作用」,「薬物動態」の項参照]
    • コビシスタットを含有する製剤を投与中の患者[「相互作用」の項参照]
    • アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール,ボリコナゾール,ミコナゾール,ケトコナゾール)の経口又は注射剤を投与中の患者[「相互作用」,「薬物動態」の項参照]
    • 急性細菌性心内膜炎の患者[血栓はく離に伴う血栓塞栓様症状を呈するおそれがある.]
  • [非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制]

    • 腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)の患者[使用経験がない.]
  • [深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制]

    • 重度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者[使用経験がない.]
副作用
注1)
出血
頭蓋内出血(0.09%),脳出血(0.08%),出血性卒中(0.07%),眼出血(0.25%),網膜出血(0.08%),直腸出血(1.31%),胃腸出血(0.78%),メレナ(0.54%),上部消化管出血(0.38%),下部消化管出血(0.23%),出血性胃潰瘍(0.14%),関節内出血(0.17%),コンパートメント症候群を伴う筋肉内出血(0.01%)等の重篤な出血があらわれることがあり,死亡に至る例が報告されている.本剤投与中は観察を十分に行い,重篤な出血等の異常が認められた場合は投与を中止し,適切な処置を行うこと.
なお,出血に伴う合併症として,ショック,腎不全,呼吸困難,浮腫,頭痛,浮動性めまい,蒼白,脱力感があらわれることがある.また,一部の例では貧血の結果として胸痛又は狭心症様の心虚血症状があらわれている.
肝機能障害・黄疸
ALT(GPT)上昇,AST(GOT)上昇を伴う肝機能障害(0.1~1%未満),黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合は投与を中止し,適切な処置を行うこと.
間質性肺疾患(頻度不明)
間質性肺疾患があらわれることがあり,血痰,肺胞出血を伴う場合もあるので,観察を十分に行い,咳嗽,血痰,息切れ,呼吸困難,発熱,肺音の異常等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施すること.間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと.[「重要な基本的注意」の項参照]
血小板減少(頻度不明)
血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
注1)頻度は非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内外第III相試験2試験,及びDVT又はPE患者を対象とした国内外第III相試験4試験の成績を合算している.
注意

次の患者には慎重に投与すること

出血リスクが高い患者
止血障害,凝固障害,先天性又は後天性の出血性疾患,コントロールできない重症の高血圧症,血管性網膜症,活動性悪性腫瘍の患者,活動性の潰瘍性消化管障害の患者,消化管潰瘍発症後日の浅い患者,頭蓋内出血発症後日の浅い患者,脊髄内又は脳内に血管異常のある患者,脳脊髄や眼の手術後日の浅い患者,気管支拡張症又は肺出血の既往のある患者等[出血の危険性が増大する.]
腎障害のある患者(クレアチニンクリアランス49mL/min以下)[本剤の血中濃度が上昇することが示唆されており,出血の危険性が増大することがあるので,本剤投与の適否を慎重に検討すること.(「禁忌」,「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
低体重の患者[低体重の患者では出血の危険性が増大することがある.]
プロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)は本剤の抗凝固作用について標準化された指標でなく,活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)等の凝固能検査は,本剤の抗凝固作用をモニタリングする指標として推奨されない.投与にあたっては,臨床症状を注意深く観察し,出血等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
本剤と他の抗凝固剤との切り替えにおいては,以下の点に留意すること.
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制において,ワルファリンから本剤に切り替える必要がある場合は,ワルファリンの投与を中止した後,PT-INR等,血液凝固能検査を実施し,治療域の下限以下になったことを確認した後,可及的速やかに本剤の投与を開始すること.
深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制において,発症後の初期3週間は,ワルファリンから本剤への切り替えを控えること.初期3週間治療後は,ワルファリンから本剤への切り替え時に抗凝固作用が不十分となる可能性を考慮した上で切り替えの適否を慎重に判断し,切り替える場合は,ワルファリンの投与を中止した後,PT-INR等,血液凝固能検査を実施し,治療域の下限以下になったことを確認した後,可及的速やかに本剤の投与を開始すること.
注射剤の抗凝固剤(ヘパリン等)から本剤に切り替える場合,次回の静脈内又は皮下投与が予定された時間の0~2時間前又は持続静注中止後より,本剤の投与を開始すること.
本剤からワルファリンへの切り替え時において抗凝固作用が不十分になる可能性が示唆されているので,抗凝固作用が維持されるよう注意し,PT-INR等,血液凝固能検査の値が治療域の下限を超えるまでは,ワルファリンと本剤を併用すること.なお,本剤の投与終了後24時間経過するまでは,PT-INRはワルファリンの抗凝固作用を正確に反映しない.
本剤から注射剤の抗凝固剤に切り替える場合,本剤の投与を中止し,次回の本剤投与が予定された時間に抗凝固剤の静脈内投与又は皮下投与を開始すること.
本剤の投与中に手術や侵襲的処置を行う場合,臨床的に可能であれば本剤の投与後24時間以上経過した後に行うことが望ましい.手術や侵襲的処置の開始を遅らせることができない場合は,緊急性と出血リスクを評価すること.本剤の投与は,手術や侵襲的処置後,患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを確認してから,可及的速やかに再開すること.
出血等の副作用が生じることがあるので,必要に応じて血算(ヘモグロビン値),便潜血等の検査を実施し,急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血の徴候が認められた場合には,適切な処置を行うこと.
患者には,鼻出血,皮下出血,歯肉出血,血尿,喀血,吐血及び血便等,異常な出血の徴候が認められた場合には,医師に連絡するよう指導すること.
アスピリン,クロピドグレル硫酸塩等の抗血小板剤,非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤等の血小板凝集抑制作用を有する薬剤との併用により,出血の危険性が増大するおそれがあるので,注意すること.これらの薬剤と本剤の併用については,治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること.抗血小板剤2剤との併用時には,出血リスクが特に増大するおそれがあるため,本剤との併用についてはさらに慎重に検討し,治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ,これらの薬剤と併用すること.[「相互作用」の項参照]
間質性肺疾患があらわれることがあるので,咳嗽,血痰,呼吸困難,発熱等の症状があらわれた場合には,速やかに主治医に連絡するよう患者に指導すること.[「重大な副作用」の項参照]
潰瘍性消化管障害のおそれのある患者には,潰瘍性消化管障害に対する適切な予防に配慮すること.
服用を忘れた場合は直ちに本剤を服用し,翌日から毎日1回の服用を行うよう患者に指導すること.服用を忘れた場合でも,一度に2回分を服用せず,次の服用まで12時間以上空けるよう,患者に指導すること.なお,深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の本剤15mg1日2回3週間投与時に服用を忘れた場合は,直ちに服用し,同日の1日用量が30mgとなるよう,患者に指導すること.この場合,1度に2回分を服用させてもよい.翌日からは毎日2回の服用を行うよう患者に指導すること.
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.]
[非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制]
クレアチニンクリアランス30~49mL/minの患者には,10mgを1日1回投与する.[「慎重投与」及び「臨床成績」の項参照]
クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者では,本剤の血中濃度が上昇することが示唆されており,これらの患者における有効性及び安全性は確立していないので,本剤投与の適否を慎重に検討した上で,投与する場合は,10mgを1日1回投与する.[「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照]
[深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制]
特に深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間の15mg1日2回投与中は,出血のリスクに十分注意すること.
本剤の投与期間については,症例ごとの深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の再発リスク並びに出血リスクを考慮して決定し,漫然と継続投与しないこと.
[深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制]
ショックや低血圧が遷延するような血行動態が不安定な肺血栓塞栓症患者,もしくは血栓溶解療法又は肺塞栓摘除術が必要な肺血栓塞栓症患者に対する本剤の安全性及び有効性は検討されていないので,これらの患者に対してヘパリンの代替療法として本剤を投与しないこと.
下大静脈フィルターが留置された患者に対する本剤の安全性及び有効性は検討されていない.
一般に高齢者では腎機能などの生理機能が低下しているため,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.なお,非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内第III相試験において75歳以上の患者では75歳未満の患者と比較し,重大な出血及び重大ではないが臨床的に問題となる出血の発現率が高かった.

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので,妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと.[動物実験で胎盤通過性(ラット),子宮内出血,母動物に毒性があらわれる用量で総奇形発生率の増加(ウサギ),死産の増加等の胚・胎児毒性,出生児の生存率低下及び一般状態の悪化(ラット)が報告されている.]
授乳中の女性に投与することを避け,やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること.[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている.]
小児等に対する安全性は確立していない.[使用経験がない.]
血中濃度
単回投与
日本人若年健康成人男子32例に本剤5,10,20及び40mgを空腹時に単回経口投与した際,血漿中未変化体濃度は投与後0.5~4時間に最高血漿中濃度(Cmax)に達した.本剤の1回用量の範囲において,投与量に応じた曝露量の増加が認められた.
投与量AUC(μg・h/L)Cmax(μg/L)tmax(h)t1/2(h)
5mg815.5(13.2)141.3(14.5)1.4(0.5~2.5)5.7(19.8)
10mg1,564(24.5)226.9(18.7)1.4(0.5~4.0)7.1(35.3)
20mg2,777(26.9)341.7(29.6)3.3(0.5~4.0)8.9(50.1)
40mg3,051(21.3)329.4(26.1)1.4(0.5~2.0)12.6(40.0)
※:中央値(範囲) 幾何平均値(幾何CV(%)),n=8
反復投与
日本人高齢男女36例に,本剤10,15及び20mgを1日1回7日間食後に反復経口投与した際,初回投与時と比較し薬物動態特性に大きな変動はなく,蓄積性も認められなかった.
投与量測定日AUC0-24(μg・h/L)Cmax(μg/L)tmax(h)t1/2(h)
10mg1日目1,443(21.0)232.6(18.7)3.0(1.0~4.0)5.7(18.2)
7日目1,533(14.9)246.9(10.6)3.0(1.5~4.0)7.7(41.2)
15mg1日目2,080(26.7)347.6(23.0)4.0(1.0~4.0)6.3(35.1)
7日目2,243(21.1)330.6(20.8)3.5(0.5~4.0)8.7(26.9)
20mg1日目2,419(24.6)391.2(21.2)2.5(2.0~4.0)6.1(20.8)
7日目2,839(20.9)398.5(24.8)3.0(1.5~4.0)7.7(23.6)
※:中央値(範囲) 幾何平均値(幾何CV(%)),n=12
症候性DVT患者及び症候性PE患者を対象とした国内第III相試験の血漿中濃度を用いた母集団薬物動態解析による薬物動態パラメータ(推定値)は,以下のとおりであった.
用法・用量AUC0-24,ss(μg・h/L)Cmax,ss(μg/L)
15mg 1日1回2977.5(36.8)276.9(19.8)
15mg 1日2回5955.0(36.8)363.0(26.7)
幾何平均値(幾何CV(%))※:合計72例の血漿中濃度データに基づく推定値
吸収・分布・代謝・排泄
本剤5mg及び20mgを空腹時に経口投与した際の絶対的バイオアベイラビリティは112%及び66%であった.本剤20mgを食後に投与した際のAUCは空腹時投与した際と比較し39%増加した.本剤を静脈内投与した際の分布容積(Vss)は約50L,全身クリアランスは約10L/hであり,投与量の42%が未変化体のまま腎排泄された.健康成人男子4例に[14C]リバーロキサバン10mgを単回経口投与した際,投与量の約2/3は不活性代謝物として尿中及び糞中に排泄され,残りの約1/3が未変化体のまま腎排泄された(外国人における成績).
日本人若年健康成人男子11例に,本剤15mgを空腹時及び食後に単回経口投与した際,食後投与時にはtmaxの遅延が認められたが,AUC,Cmaxに影響は認められなかった.
本剤は主にCYP3A4及びCYP2J2による代謝経路により代謝され,主要な代謝物はモルホリノン環の酸化分解体及びアミド結合の加水分解体である.In vitro試験において,本剤が輸送蛋白であるP-糖蛋白(P-gp)及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質であることが示されている.
蛋白結合
本剤は血漿蛋白と高い結合能を示し,ヒト血漿蛋白結合率は約92~95%であった.主にアルブミンに結合する.
腎障害患者における薬物動態(外国人における成績)
軽度(クレアチニンクリアランス(CLcr):50~79mL/min),中等度(CLcr:30~49mL/min)及び重度(CLcr:15~29mL/min)の腎障害のある患者各8例に本剤10mgを空腹時単回経口投与した場合,健康被験者と比較しAUCはそれぞれ1.4,1.5及び1.6倍に上昇した.第Xa因子活性阻害率は1.5,1.9及び2.0倍に増加し,プロトロンビン時間(PT(秒))も1.3,2.2及び2.4倍延長した.CLcrが15mL/min未満の患者における検討は実施していない.
肝障害患者における薬物動態(外国人における成績)
軽度の肝障害のある肝硬変患者(Child-Pugh分類A 8例)では,本剤10mgを投与した際の薬物動態は健康被験者と比較してほぼ同様であり(AUCは1.2倍上昇),薬力学的効果に差は認められなかった.中等度の肝障害のある肝硬変患者(Child-Pugh分類B 8例)では健康被験者と比較してAUCが2.3倍上昇した,なお,非結合型のAUCは2.6倍上昇した.第Xa因子活性阻害率は2.6倍増加し,PT(秒)も2.1倍延長した.Child-Pugh分類Cの患者における検討は実施していない.
薬物相互作用試験
リトナビル(外国人における成績)
健康成人男子12例にリトナビル600mgと本剤10mgを併用投与した際,本剤のAUCは2.5倍,Cmaxは1.6倍上昇し抗凝固作用が増強された.
ケトコナゾール・フルコナゾール(外国人における成績)
健康成人男子20例にケトコナゾール400mgと本剤10mgを併用投与した際,本剤のAUCは2.6倍,Cmaxは1.7倍上昇し抗凝固作用が増強された.
健康成人男子13例にフルコナゾール400mgと本剤20mgを併用投与した際,本剤のAUCは1.4倍,Cmaxは1.3倍上昇した.
クラリスロマイシン・エリスロマイシン(外国人における成績)
健康成人男子15例にクラリスロマイシン500mgと本剤10mgを併用投与した際,本剤のAUCは1.5倍,Cmaxは1.4倍上昇した.
健康成人男子15例にエリスロマイシン500mgと本剤10mgを併用投与した際,本剤のAUC及びCmaxともに1.3倍に上昇した.
リファンピシン(外国人における成績)
健康成人男子18例にリファンピシン(開始用量150mgより600mgまで漸増)と本剤20mgを併用投与した際,本剤のAUCが約50%低下し,それに伴い抗凝固作用も減弱した.
エノキサパリン(外国人における成績)
健康成人男子10例にエノキサパリン4,000IUと本剤10mgを併用投与した際,本剤の薬物動態に影響はなかった.抗第Xa因子活性は相加的に増加したが,PT及びaPTTには影響は認められなかった.
アスピリン(外国人における成績)
健康成人男子13例にアスピリン500mgを投与した翌日にアスピリン100mgと本剤15mgを併用投与した際,本剤の薬物動態及び抗凝固作用に影響は認められなかった.
クロピドグレル(外国人における成績)
健康成人男子11例にクロピドグレル300mgを投与した翌日にクロピドグレル75mgと本剤15mgを併用投与した際,本剤の薬物動態に影響は認められなかった.別の試験において一部の被験者に出血時間の延長が認められたとの報告がある.
ナプロキセン(外国人における成績)
健康成人男子11例にナプロキセン500mg1日1回反復投与時に本剤15mgを併用投与した際,出血時間の延長は認められなかったが,一部の被験者において抗凝固作用の増強が認められた.
ワルファリン
日本人健康成人男子12例(VKORC1遺伝子1639位のAアレルがホモ接合体を有している被験者)にワルファリンを反復投与し,PT-INRが2.0~3.0に到達した後に,本剤15mg1日1回反復投与に切り替えた際,aPTT,第Xa因子活性阻害及び内在性トロンビン産生能(ETP)への影響は相加的であったが,PT及びPT-INRのピーク値は本剤単独投与時と比較しそれぞれ2.3倍及び2.9倍になった.本剤投与開始後3日目には,ワルファリンの影響は消失した.なお,薬物動態に相互作用は認められなかった.
このほか,ミダゾラム,ジゴキシン及びアトルバスタチンと本剤の併用による薬物相互作用試験を実施したが,薬物動態学的相互作用は認められず,制酸剤(水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム配合剤),ラニチジン及びオメプラゾールは,本剤の薬物動態に影響を及ぼさなかった.
(本剤の承認用法・用量は,「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」では15mg1日1回投与である.なお,腎機能の程度に応じて減量する場合は,10mg1日1回投与である.「深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制」では,発症後の初期3週間は15mg1日2回投与,その後は15mg1日1回投与である.)