製品名 オキファスト注10mg
オキファスト注50mg
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- 一般名
- Oxycodone Hydrochloride Hydrate
- 薬効分類
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鎮痛・解熱薬>麻薬性鎮痛薬
- 価格
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1%1mL1管:317円/管
1%5mL1管:1463円/管
- 製薬会社
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- 製造販売元:シオノギファーマ株式会社
販売元:塩野義製薬株式会社
- 製造販売元:シオノギファーマ株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
- 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
用法・用量
- 通常,成人にはオキシコドン塩酸塩(無水物)として1日7.5~250mgを持続静脈内又は持続皮下投与する。
- なお,年齢,症状により適宜増減する。
- 禁忌
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【禁忌】
次の患者には投与しないこと
- 重篤な呼吸抑制のある患者,重篤な慢性閉塞性肺疾患の患者[呼吸抑制を増強する。]
- 気管支喘息発作中の患者[呼吸を抑制し,気道分泌を妨げる。]
- 慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する。]
- 痙攣状態(てんかん重積症,破傷風,ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる。]
- 麻痺性イレウスの患者[消化管運動を抑制する。]
- 急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する。]
- アヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
- 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では,症状の悪化,治療期間の延長を来すおそれがある。]
- ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中又は投与中止後1週間以内の患者[「相互作用」の項参照]
- 原則禁忌
次の患者には投与しないことを原則とするが,特に必要とする場合には慎重に投与すること
- 細菌性下痢のある患者[治療期間の延長を来すおそれがある。]
- 副作用
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- ショック,アナフィラキシー(頻度不明※)
- ショック,アナフィラキシーを起こすことがあるので,顔面蒼白,血圧低下,呼吸困難,頻脈,全身発赤,血管浮腫,蕁麻疹等の症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
- 依存性(頻度不明※)
- 連用により薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,慎重に投与すること。また,連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により,あくび,くしゃみ,流涙,発汗,悪心,嘔吐,下痢,腹痛,散瞳,頭痛,不眠,不安,譫妄,痙攣,振戦,全身の筋肉・関節痛,呼吸促迫,動悸等の退薬症候があらわれることがあるので,投与を中止する場合には,1日用量を徐々に減量するなど,患者の状態を観察しながら行うこと。
- 呼吸抑制(3%未満)
- 呼吸抑制があらわれることがあるので,息切れ,呼吸緩慢,不規則な呼吸,呼吸異常等があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお,本剤による呼吸抑制には,麻薬拮抗剤(ナロキソン,レバロルファン等)が拮抗する。
- 錯乱(1%未満),譫妄(3%未満)
- 錯乱,譫妄があらわれることがあるので,このような場合には,減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 無気肺,気管支痙攣,喉頭浮腫(頻度不明※)
- 無気肺,気管支痙攣,喉頭浮腫があらわれるとの報告がある。
- 麻痺性イレウス,中毒性巨大結腸(頻度不明※)
- 麻痺性イレウスがあらわれることがある。また,炎症性腸疾患の患者に投与した場合,中毒性巨大結腸があらわれるとの報告があるので,これらの症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
- 肝機能障害(5%未満)
- AST(GOT),ALT(GPT),Al-P等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- ※:オキシコドン塩酸塩経口製剤で報告されている副作用
- 注意
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慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 心機能障害あるいは低血圧のある患者[循環不全を増強するおそれがある。]
- 呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
- 肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
- 脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。]
- ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。]
- 代謝性アシドーシスのある患者[呼吸抑制を起こしたときアシドーシスを増悪させるおそれがある。]
- 甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者[呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。]
- 副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者[呼吸抑制作用に対し,感受性が高くなっている。]
- 薬物・アルコール依存又はその既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
- 薬物,アルコール等による精神障害のある患者[症状が増悪するおそれがある。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- 衰弱者[呼吸抑制作用に対し,感受性が高くなっている。]
- 前立腺肥大による排尿障害,尿道狭窄,尿路手術術後の患者[排尿障害を増悪することがある。]
- 器質的幽門狭窄又は最近消化管手術を行った患者[消化管運動を抑制する。]
- 痙攣の既往歴のある患者[痙攣を誘発するおそれがある。]
- 胆嚢障害,胆石症又は膵炎の患者[オッジ筋を収縮させ症状が増悪することがある。]
- 重篤な炎症性腸疾患のある患者[連用した場合,巨大結腸症を起こすおそれがある。]
重要な基本的注意
- 連用により薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,慎重に投与すること。[「副作用」の項参照]
- 眠気,眩暈が起こることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
- 本剤を投与する場合には,便秘に対する対策として緩下剤,嘔気・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用を,また,鎮痛効果が得られている患者で通常とは異なる強い眠気がある場合には,過量投与の可能性を念頭において本剤の減量を考慮するなど,本剤投与時の副作用に十分注意すること。
- 本剤を増量する場合には,副作用に十分注意すること。
- 本剤の医療目的外使用を防止するため,適切な処方を行い,保管に留意するとともに,患者等に対して適切な指導を行うこと。[「適用上の注意」の項参照]
適用上の注意
- 患者等に対する指導
- 本剤の投与にあたっては,具体的な投与方法,投与時の注意点,保管方法等を十分に説明し,本剤の目的以外への使用あるいは他人への譲渡をしないよう指導するとともに,本剤を子供の手の届かないところに保管するよう指導すること。
- 本剤が不要となった場合には,病院又は薬局へ返納するなどの処置について適切に指導すること。
- 投与経路
- オピオイド製剤の癌疼痛における臨床使用方法としては,経口投与又は直腸内投与が不可能なとき,初めて注射を用いる。
- 投与速度
- 急速静注により,アナフィラキシー,重篤な呼吸抑制,低血圧,末梢循環虚脱,心停止が起こるおそれがあるので,静注する場合には緩徐に行うことが望ましい。
- アンプルカット時
- 本品はワンポイントカットアンプルであるが,アンプルの首部をエタノール綿等で清拭してから,カットすることが望ましい。
用法用量に関連する使用上の注意
- 持続投与時
- 初回投与
- 本剤の投与開始前のオピオイド鎮痛薬による治療の有無を考慮して初回投与量を設定することとし,既に治療されている場合にはその投与量及び鎮痛効果の持続を考慮して副作用の発現に注意しながら適宜投与量を調節すること。
- オピオイド鎮痛薬を使用していない患者には,疼痛の程度に応じてオキシコドン塩酸塩として7.5~12.5mgを1日投与量とすることが望ましい。
- モルヒネ注射剤の持続静脈内投与を本剤に変更する場合には,モルヒネ注射剤1日投与量の1.25倍量を1日投与量の目安とすることが望ましい。
- 経口オキシコドン製剤から本剤へ変更する場合には,オキシコドン製剤1日投与量の0.75倍量を1日投与量の目安とすることが望ましい。
- 経皮フェンタニル貼付剤から本剤へ変更する場合には,経皮フェンタニル貼付剤剥離後にフェンタニルの血中濃度が50%に減少するまで17時間以上かかることから,剥離直後の本剤の使用は避け,本剤の使用を開始するまでに,フェンタニルの血中濃度が適切な濃度に低下するまでの時間をあけるとともに,本剤の低用量から投与することを考慮すること。
- 増量
- 本剤投与開始後は患者の状態を観察し,適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調整を行うこと。鎮痛効果が不十分な場合は,レスキュー薬の投与量を考慮して前日の1日投与量の25~50%増を目安として増量を行うこと。
- 減量
- 連用中における急激な減量は,退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。副作用等により減量する場合は,患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。
- 投与の中止
- 本剤の投与を必要としなくなった場合には,退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
- 臨時追加投与(レスキュー薬の投与)として本剤を使用する場合
- 疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突発性の疼痛が発現した場合は,本剤の1日投与量の1/24量(1時間量相当分)を目安に早送りによる投与又は追加の静脈内投与を行い,鎮痛を図ること。ただし,レスキュー薬としての投与を連続して行う場合は,呼吸抑制等の副作用の発現に注意すること。
高齢者への投与
- 一般に高齢者では生理機能が低下しており,特に呼吸抑制の感受性が高いため,患者の状態を観察しながら,慎重に投与すること。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[オキシコドンでは催奇形作用は認められていないが,類薬のモルヒネの動物試験(マウス)で催奇形作用が報告されている。]
- 分娩前に投与した場合,出産後新生児に退薬症候(多動,神経過敏,不眠,振戦等)があらわれることがある。
- 分娩時の投与により,新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
- 授乳中の婦人には,本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
- 新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
薬物動態
- 血漿中濃度
- 持続静脈内投与及び持続皮下投与の定常状態時
- 日本人癌疼痛患者に本剤を持続静脈内投与(69例)及び持続皮下投与(19例)したときの,定常状態におけるオキシコドン及びノルオキシコドンの血漿中濃度と投与量の関係を図1及び図2に示す。
- 図1 持続静脈内投与時の定常状態における血漿中濃度と投与量の関係
- オキシコドン
- n=69
- ノルオキシコドン
- n=69
- 図2 持続皮下投与時の定常状態における血漿中濃度と投与量の関係
- オキシコドン
- n=19
- ノルオキシコドン
- n=19
- 急速単回静脈内投与時※
- 日本人癌疼痛患者7例にオキシコドン塩酸塩注射液2mgを急速静脈内投与※したときのオキシコドン及びノルオキシコドンの血漿中濃度の推移を図3に,薬物動態パラメータを表1に示す。オキシコドンに対するオキシモルフォンのCmax及びAUC0-lastの平均値の比はそれぞれ1%未満であった。
- 図3 急速静脈内投与(2mg)時※のオキシコドン及びノルオキシコドンの血漿中濃度推移
- 表1 急速静脈内投与時※のオキシコドン及びノルオキシコドンの薬物動態パラメータ
投与量 n Cmax
(ng/mL)AUC0-6hr
(ng・hr/mL)AUC0-inf
(ng・hr/mL)T1/2
(hr)2mg 7注1 オキシコドン 18.5±4.11 37.11±10.65 54.38±25.19 3.26±0.774 ノルオキシコドン 1.69±0.528 8.928±2.772 33.02±18.47 12.1±5.81 注1:ノルオキシコドンのAUC0-inf,T1/2のみn=4(測定法:LC/MS/MS)(mean±S.D.) - ※:本剤の承認用法は持続静脈内投与及び持続皮下投与である。
- 高齢者(参考:経口投与)
- 健康高齢者(65~79歳),健康非高齢者(21~45歳)各14例にオキシコドン塩酸塩徐放錠20mgを空腹時単回経口投与したとき,薬物動態に関しては高齢者と非高齢者との間に差は認められなかった。(外国人によるデータ)
- 肝障害者(参考:経口投与)
- 肝障害者12例にオキシコドン塩酸塩徐放錠20mgを空腹時単回経口投与したとき,AUC並びにCmaxはそれぞれ健康成人の約2倍及び約1.5倍と有意に高く,薬力学的評価項目を増強させる傾向がみられた。(外国人によるデータ)
- 腎障害者(参考:経口投与)
- 腎障害者12例(クレアチニンクリアランス:60mL/min未満)にオキシコドン塩酸塩徐放錠20mgを空腹時単回経口投与したとき,AUC並びにCmaxはそれぞれ健康成人の約1.6倍及び1.4倍であった。腎障害者の鎮静作用は健康成人に比べて増加傾向を示した。(外国人によるデータ)
- 分布
- 体組織への移行(参考)
- [3H]-オキシコドン塩酸塩水和物をラットに経口投与したとき,速やかに全身に分布し,ほとんどの組織で投与約1時間後に最高濃度を示し,その後速やかに低下した。作用部位である脳内における消失は,他の組織に比べて緩やかであった。なお,投与72時間後すべての組織において残留することはなかった。
- 母乳中への移行(参考:経口投与)
- オキシコドン塩酸塩とアセトアミノフェンの合剤を授乳婦に経口投与したとき,母乳への移行が認められ,そのときの投与0.25~12時間後におけるオキシコドン塩酸塩濃度の乳汁/血漿中濃度の平均比率は3.4であった。(外国人によるデータ)
- 代謝
- ヒトにおけるオキシコドンの主代謝経路は,N-脱メチル化反応によるノルオキシコドンへの代謝であり,O-脱メチル化反応によるオキシモルフォンへの代謝及びグルクロン酸抱合代謝を受けることが知られている。
- オキシコドンの代謝についてヒト肝ミクロソームを用いて検討した結果,ノルオキシコドンへの代謝についてはCYP3A4が,オキシモルフォンへの代謝についてはCYP2D6が主に関与していることが確認された。
- 排泄(参考:経口投与)
- 健康成人にオキシコドン塩酸塩0.28mg/kgを経口投与したとき,投与後24時間までの尿中に投与量の5.5±2.5%(mean±S.D.)が未変化体として,また,2.3±5.5%がオキシコドンの抱合体として排泄された。また,尿中にはノルオキシコドンとオキシモルフォン抱合体も排泄された。(外国人によるデータ)
- 薬物相互作用
- ボリコナゾール(100~200mg/日,経口投与)とオキシコドン塩酸塩(24~48mg/日,持続皮下投与)を4日間併用した症例(1例)の定常状態時におけるオキシコドンの血漿中濃度は,測定した全症例の平均の3.57倍であった。(国内における臨床試験成績)
また,ボリコナゾール〔400mg/日(2日目のみ600mg/日)〕の経口投与中にオキシコドン塩酸塩(10mg)を単回経口投与した場合,オキシコドンのCmaxが1.72倍,AUCが3.61倍上昇したとの報告がある。(外国人によるデータ)
- リトナビル(600mg/日)の経口投与中にオキシコドン塩酸塩(10mg)を単回経口投与した場合,オキシコドンのCmaxが1.74倍,AUCが2.95倍上昇したとの報告がある。(外国人によるデータ)
- クラリスロマイシン(1000mg/日:承認外用量)の経口投与中にオキシコドン塩酸塩(10mg)を単回経口投与した場合,若年者群(19~25歳)のオキシコドンのCmaxが1.45倍,AUCが2.02倍上昇し,また,高齢者群(70~77歳)のオキシコドンのCmaxが1.68倍,AUCが2.31倍上昇したとの報告がある。(外国人によるデータ)
- リファンピシン(600mg/日)の経口投与中にオキシコドン塩酸塩を単回静脈内投与(0.1mg/kg)した場合でAUCが1/2.2に,単回経口投与(15mg)した場合でAUCが1/7.1に減少したとの報告がある。(外国人によるデータ)
- ボリコナゾール(100~200mg/日,経口投与)とオキシコドン塩酸塩(24~48mg/日,持続皮下投与)を4日間併用した症例(1例)の定常状態時におけるオキシコドンの血漿中濃度は,測定した全症例の平均の3.57倍であった。(国内における臨床試験成績)