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プラリア皮下注60mgシリンジ

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○骨粗鬆症
  • ○関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制

用法・用量

  • <骨粗鬆症>

    • 通常、成人にはデノスマブ(遺伝子組換え)として60mgを6ヵ月に1回、皮下投与する。
  • <関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制>

    • 通常、成人にはデノスマブ(遺伝子組換え)として60mgを6ヵ月に1回、皮下投与する。なお、6ヵ月に1回の投与においても、骨びらんの進行が認められる場合には、3ヵ月に1回、皮下投与することができる。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 低カルシウム血症の患者[8.2、11.1.1参照]
  • 2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 低カルシウム血症を起こすおそれのある患者
低カルシウム血症が発現するおそれがある。[8.2、8.3、11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害のある患者
臨床試験では除外されている。低カルシウム血症を起こすおそれがある。[8.3、11.1.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
動物実験では、サルに妊娠20日から分娩時まで本剤(50mg/kg/4週)を皮下投与した結果、死産の増加、出生児の分娩後死亡の増加、骨・歯の異常、末梢リンパ節の欠損が認められた。[2.3、9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有用性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤を投与した若齢サルにおいて、骨端成長板の異常が認められた。RANKL注)を阻害すると、ラット新生児の骨成長及び歯の萌出が抑制されることが示されている。
注)RANKL:receptor activator for nuclear factor-κB ligand
9.7.2 適応外であるが、骨形成不全症の小児又は若年成人を対象とした海外臨床試験において、急性腎障害を伴う重篤な高カルシウム血症が報告されている。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤はランマークと同一成分(デノスマブ)を含むため、本剤投与中の患者にはランマークの投与を避けること。
8.2 本剤投与開始前に血清補正カルシウム値を確認すること。低カルシウム血症のある患者は、本剤投与前に低カルシウム血症を治療すること。[2.2、9.1.1、11.1.1参照]
8.3 本剤投与により低カルシウム血症があらわれることがあるため、血清補正カルシウム値が高値でない限り、毎日カルシウム及びビタミンDの経口補充のもとに本剤を投与すること。ただし、腎機能障害患者や、既に活性型ビタミンDを使用している患者においては、適宜、活性型ビタミンDを使用するとともに、カルシウムについては投与の必要性を判断し、投与量を調整すること。また、投与開始後早期及びその後も定期的に血清カルシウム値を測定し、血清補正カルシウム値の変動や、痙攣、しびれ、失見当識等の症状に注意すること。
なお、本剤の国内第III相臨床試験では、全ての患者に対して、治験期間中に毎日少なくとも600mgのカルシウム及び400IUの天然型ビタミンDが補充された。また、市販後に低カルシウム血症と報告された症例のうち、発現日が確認できた症例の約半数は、初回投与から7日以内の発現であった。[9.1.1、9.2.1、11.1.1、17.1.1、17.1.2参照]
8.4 顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあり、本剤の長期投与により発現率が増加する可能性がある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には、本剤の休薬等を考慮すること。また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。[11.1.2参照]
8.5 本剤又はビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、本剤の投与開始後にこのような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。[11.1.4参照]
8.6 本剤のシリンジ注射針カバーは、天然ゴム(ラテックス)を含み、アレルギー反応を起こすことがあるので、投与に際し、問診を行うこと。
<骨粗鬆症>
8.7 本剤治療中止後、骨吸収が一過性に亢進し、多発性椎体骨折があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、本剤治療中止後に骨吸収抑制薬の使用を考慮すること。[11.1.5、17.3.1、17.3.2参照]
<関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制>
8.8 関節リウマチの薬物治療について十分な知識・経験を持つ医師のもとで使用すること。
8.9 骨粗鬆症を合併している関節リウマチ患者で、本剤以外の骨粗鬆症治療薬が使用されている場合、これらの薬剤について投与継続の要否を検討すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意
14.1.1 冷蔵保存(2~8℃)下から室温に戻した後、使用すること。
14.1.2 薬液中に気泡がみられることがあるが無害であり、薬剤の損失を防ぐために注射前にシリンジから気泡を抜かないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
皮下注射は、上腕、大腿又は腹部に行うこと。

7.用法及び用量に関連する注意

<関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制>
7.1 メトトレキサート等の抗炎症作用を有する抗リウマチ薬と併用すること。
7.2 6ヵ月に1回の投与においても、関節の画像検査で骨びらんの進行が認められる場合には、併用する抗リウマチ薬の増量等、より適切な関節リウマチの治療への変更を検討し、本剤のベネフィットとリスクを勘案した上で、3ヵ月に1回の投与を考慮すること。

5.効能又は効果に関連する注意

<骨粗鬆症>
5.1 日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。
<関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制>
5.2 本剤は、メトトレキサート等の抗炎症作用を有する抗リウマチ薬による適切な治療を行っても、画像検査で骨びらんの進行が認められる場合に使用すること。
5.3 臨床試験(投与期間:1年間)において、骨びらんの進行を抑制する効果は認められているが、関節症状又は身体機能を改善する効果、関節裂隙の狭小化を抑制する効果は認められていない。「17.臨床成績」の項の内容及び本剤が抗リウマチ薬の補助的な位置付けの薬剤であることを十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[17.1.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康な日本人閉経後女性に本剤1.0mg/kg注)を単回皮下投与したときの血清中デノスマブ濃度推移を図に、本剤0.03、0.1、0.3、1.0及び3.0mg/kg注)を単回皮下投与したときの薬物動態パラメータを表に示す。デノスマブは0.03~3.0mg/kgの用量範囲で非線形の薬物動態を示したが、1.0及び3.0mg/kgではCmax及びAUCはほぼ用量に比例して増加した。
単回皮下投与時の血清中濃度推移
血清中デノスマブの薬物動態パラメータ
投与量(mg/kg)nCmax(ng/mL)Tmaxa)(日)AUC0-t(μg・日/mL)
0.03699.6±25.87.00(7~10)2.06±0.53
0.16492±16612.0(7~21)15.2±6.7
0.361,910±65814.0(7~21)84.3±20.1
1.068,690±2,17014.0(10~21)481±131
3.0627,400±7,88014.0(14~42)1,790±650
mean±SDa)中央値(最小値~最大値)
注)本剤の承認された用法及び用量は、60mgを6ヵ月に1回又は3ヵ月に1回皮下投与である。
16.1.2 反復投与
(1)骨粗鬆症
日本人閉経後女性の骨粗鬆症患者51例に本剤60mgを6ヵ月に1回、計2回皮下投与したとき、血清中デノスマブ濃度に累積は認められなかった。
(2)関節リウマチ
メトトレキサート治療中の日本人関節リウマチ患者82例に本剤60mgを6ヵ月に1回、計2回皮下投与したとき、血清中デノスマブ濃度に累積は認められなかった。また、72例に本剤60mgを3ヵ月に1回、計4回皮下投与したとき、血清中デノスマブ濃度は投与6ヵ月後までに定常状態に達し(6ヵ月時点の平均トラフ濃度:約1,070ng/mL)、定常状態におけるAUCtauの累積は約1.3倍であった。
16.2 吸収
健康な成人、低骨密度又は骨粗鬆症の閉経後女性及びがん患者に本剤を皮下投与したときの絶対バイオアベイラビリティは約62%であった(日本人及び外国人データ)注)
注)母集団薬物動態解析による推定値
16.3 分布
サルに125I標識した本剤1mg/kgを単回皮下投与したとき、組織中の放射活性は、投与部位と腋窩リンパ節を除き、血清中より低かった。血清に次いで鼠径リンパ節、脾臓、卵巣及び肺に高い放射活性が認められた。分布に関する明らかな性差は認められなかった。
16.4 代謝
本剤はヒトIgG2サブクラスに属するモノクローナル抗体であることから、他の免疫グロブリンと同様に生体内での異化により消失すると推察される。
16.5 排泄
サルに125I標識した本剤1mg/kgを単回皮下投与したとき、投与された放射能は投与後56日までに77.9%が尿中に排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能正常者12例及び腎機能障害患者43例(軽度腎疾患13例、中等度腎疾患13例、重度腎疾患9例、透析の必要な末期腎不全患者8例)に本剤60mgを単回皮下投与したとき、血清中デノスマブのCmax及びAUCに、腎機能障害の程度による明らかな差異は認められなかった(外国人データ)。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低カルシウム血症(1.4%)
QT延長、痙攣、テタニー、しびれ、失見当識等を伴う低カルシウム血症があらわれることがある。低カルシウム血症が認められた場合には、カルシウム及びビタミンDの補充に加えて、緊急時には、カルシウムの点滴投与を併用するなど、適切な処置を速やかに行うこと。[2.2、8.2、8.3、9.1.1、9.2.1参照]
11.1.2 顎骨壊死・顎骨骨髄炎(0.1%)[8.4参照]
11.1.3 アナフィラキシー(頻度不明)
11.1.4 大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折(頻度不明)[8.5参照]
11.1.5 治療中止後の多発性椎体骨折(頻度不明)[8.7、17.3.1、17.3.2参照]
11.1.6 重篤な皮膚感染症(頻度不明)
重篤な蜂巣炎等の皮膚感染症があらわれることがあるので、発赤、腫脹、疼痛、発熱等の症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.5~2%未満0.5%未満頻度不明
血液貧血白血球減少
皮膚湿疹脱毛症、扁平苔癬
代謝低リン酸血症
内分泌血中副甲状腺ホルモン増加
精神神経系めまい
循環器高血圧
呼吸器鼻咽頭炎
消化器胃炎、口内炎、歯周炎、胃食道逆流性疾患上腹部痛、口腔ヘルペス、歯肉炎、悪心、嘔吐
筋骨格系背部痛関節痛、四肢痛、筋骨格痛
肝臓肝機能異常、γ-GTP上昇ALT上昇、AST上昇
腎臓尿蛋白陽性
その他注射部位反応(疼痛、腫脹、紅斑等)、発熱、白内障、倦怠感、ほてり薬物過敏症、末梢性浮腫、無力症
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