今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 松浦誠 岩手医科大学 薬学部 臨床薬学講座 地域医療薬学分野

監修: 中原 保裕 (有)ファーマシューティカルケア研究所

著者校正/監修レビュー済:2023/07/19
参考ガイドライン:
  1. 日本骨粗鬆学会日本骨代謝学会骨粗鬆症財団:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. オスタバロ 皮下注カートリッジ1.5 mg(アバロパラチド酢酸塩 骨粗鬆症治療剤)薬価収載に基づき、副甲状腺ホルモンの項について加筆・修正を行った。
  1. その他、全編について加筆・修正を行った。

概要・推奨   

  1. 骨粗鬆症とは、骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる疾患である。日本では、約1,000万人の患者がいるといわれており、高齢者人口の増加に伴ってその数は増える傾向にある。
  1. 高齢の女性に多く、60歳代は2人に1人、70歳以上では10人に7人が骨粗鬆症と診断されている
  1. 骨粗鬆症治療の目的は骨折予防であり、骨折予防効果が確立された治療薬を用いる。
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  1. 「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」では、それぞれの薬剤の推奨グレードを一覧にした表を作成しているが、骨折予防効果の確立された薬剤にはビスホスホネート製剤(BP)、ホルモン補充療法(HRT)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、活性型ビタミンD3製剤、副甲状腺ホルモン薬(PTH)製剤、抗RANKLモノクローナル抗体、抗スクレロスチンモノクロナール抗体がある。
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総論 

まとめ  
  1. 治療薬はその作用の違いにより、以下のように分類される。
  1. 1:骨吸収抑制薬
  1. ビスホスホネート製剤(BP): >詳細情報 
  1. 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM): >詳細情報 
  1. エストロゲン製剤・エストロゲン・プロゲステロン配合薬: >詳細情報 
  1. カルシトニン製剤: >詳細情報 
  1. イプリフラボン製剤: >詳細情報 
  1. 抗RANKLモノクローナル抗体: >詳細情報 
  1. 2:骨形成促進薬
  1. 副甲状腺ホルモン(PTH)製剤: >詳細情報 
  1. 3:骨形成促進・骨吸収抑制薬(デュアルエフェクト)
  1. 抗スクレロスチンモノクローナル抗体: >詳細情報 
  1. 4:骨代謝調整薬
  1. 活性型ビタミンD3製剤: >詳細情報 
  1. カルシウム製剤: >詳細情報 
 
骨粗鬆症治療の選択:
  1. 非薬物治療:
  1. 非薬物治療としては、運動、禁煙・節酒、ビタミンDやカルシウムの積極的摂取と、バランスのよい栄養摂取と紫外線曝露が推奨されている。
  1. 薬物治療:
  1. 標準ファーストライン治療薬はビスホスホネート製剤(BP)となるが、患者の状態により選択する。
  1. ビスホスホネート製剤(BP)
  1. ビスホスホネート製剤(BP)は、骨粗鬆症患者全般に考慮される薬剤である。
  1. 特に、既存脆弱性骨折を有する患者では積極的な治療が望ましい。
  1. ホルモン補充療法(HRT):
  1. 女性の閉経後骨粗鬆症で既存脆弱性骨折を認めない場合で、さらに更年期症状を認める場合はHRTを積極的に検討する。
  1. SERM
  1. 女性の閉経後骨粗鬆症で既存脆弱性骨折を認めず、更年期症状を認めない場合は、ビスホスホネート製剤またはSERM(エビスタ、ビビアント)が考慮される。
  1. 活性型ビタミンD3製剤
  1. 既存脆弱性骨折のない場合で、特にビスホスホネート製剤の使用が困難な場合は、エルデカルシトール(エディロール)も検討対象となる。
  1. 骨折抑制効果におけるファーストライン治療薬と、活性型ビタミンD3製剤(アルファロールなど)やビタミンK2(グラケーなど)との併用療法の、単独療法に対する優越性については十分なエビデンスはない。しかしながら、ビタミンDやビタミンK不足が疑われる場合などでは、併用療法を積極的に考慮する。具体的には、アルファカルシドール(ワンアルファ、アルファロールなど)の併用を考慮する。
  1. 副甲状腺ホルモン(PTH)製剤
  1. 既存椎体骨折が複数もしくは1カ所でも重度の椎体変形を有する場合や、他の薬剤により治療目標を達成できなかった場合には、PTH(テリパラチド[フォルテオ、テリボン]、アバロパラチド[オスタバロ])を考慮する。なお、作用減弱のリスクもあるため、基本的にはビスホスホネートとの併用はしない。
  1. 抗RANKLモノクロナール抗体
  1. 骨吸収に関与するRANKリガンド(RANKL)と呼ばれる受容体を阻害することによって骨粗鬆症を治療する。
  1. このカテゴリーの薬剤に、デノスマブ(プラリア)が存在するが 閉経後女性の骨粗鬆症における椎体・非椎体
  1. 大腿骨近位部骨折の発症を抑制することから、閉経後骨粗鬆症患者の治療に推奨される。
  1. 血清カルシウム値の低下を認めることがあるため、十分なビタミンDおよびカルシウムの補充が必要である。
  1. 抗スクレロスチンモノクロナール抗体
  1. 骨形成の促進と骨吸収抑制を同時に有した新規作用機序の治療薬として骨強度の改善ができる。
  1. PTH製剤同様に、骨強度低下により生じやすくなる骨折のリスクを低下させることができる。
  1. 心血管系事象の発現リスクがあるので投与時には注意が必要である。
  1. 低カルシウム血症の発現予防としてカルシウム剤および活性型ビタミンD3製剤を併用する。
  1. カルシトニン製剤:
  1. 骨痛のある患者によく用いられる。骨密度上昇、椎体骨折を予防する効果はあるが、椎体骨折や大腿骨近位部骨折の予防をする効果は認められていない。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
松浦誠 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:中原 保裕 : 原稿料(学研)[2024年]

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骨粗鬆症治療薬(薬理)

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