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アゼルニジピン錠8mg「YD」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 高血圧症

用法・用量

  • 通常、成人にはアゼルニジピンとして8~16mgを1日1回朝食後経口投与する。なお、1回8mgあるいは更に低用量から投与を開始し、症状により適宜増減するが、1日最大16mgまでとする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.3 アゾール系抗真菌剤(経口剤、注射剤)(イトラコナゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ボリコナゾール)、HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル含有製剤、ネルフィナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、ダルナビル含有製剤)、コビシスタット含有製剤を投与中の患者[10.1、16.7.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
降圧に伴い腎機能が低下する可能性がある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
重篤な肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で妊娠前~初期の投与において着床前及び着床後胚死亡率の増加、出生児の体重低下、妊娠期間及び分娩時間の延長が認められている。妊娠末期の投与において妊娠期間及び分娩時間の延長が認められている。[2.1参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
8mgあるいは更に低用量から投与を開始し、慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。

8.重要な基本的注意

8.1 カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量すること。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること。
8.2 まれに過度の血圧低下を起こすおそれがあるので、そのような場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
8.3 降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
健康な成人男性6例にアゼルニジピン8mgを1日1回7日間連続経口投与したところ、最高血漿中濃度に到達する時間は2~3時間であり、半減期は19~23時間であった。投与後24時間の血漿中濃度は、投与2日目からほぼ一定の値を示し、速やかに定常状態に達した。
アゼルニジピン8mgを1日1回7日間連続経口投与(食後投与)した場合の血漿中未変化体濃度
投与量投与日数Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2α(hr)t1/2β(hr)AUC0-24(ng・hr/mL)
8mg1日目11.8±1.43.2±0.31.3±0.223.1±8.159.7±6.9
7日目14.7±1.62.2±0.31.0±0.119.2±2.281.6±13.4
(n=6、平均値±標準誤差)
16.1.2 単回投与
軽症・中等症本態性高血圧症患者6例にアゼルニジピン8mgを朝食後単回経口投与したところ、最高血漿中濃度に到達する時間は3.7時間、Cmaxは9.4ng/mL、半減期(一相性)は6.1時間、AUC0-24は66.5ng・hr/mLであった。血漿中濃度は健康な成人と同様のレベルと考えられた。
16.1.3 生物学的同等性試験
<アゼルニジピン錠8mg「YD」>
アゼルニジピン錠8mg「YD」とカルブロック錠8mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アゼルニジピンとして8mg)、健康成人男子18名に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-48(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
アゼルニジピン錠8mg「YD」40.94±12.255.52±2.462.7±0.79.8±2.5
カルブロック錠8mg37.56±11.174.85±1.792.8±0.69.9±3.5
(平均値±標準偏差、n=l8)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
<アゼルニジピン錠16mg「YD」>
アゼルニジピン錠16mg「YD」とカルブロック錠16mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アゼルニジピンとして16mg)、健康成人男子20名に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-48(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
アゼルニジピン錠16mg「YD」91.34±24.3911.51±4.653.2±0.910.4±2.7
カルブロック錠16mg84.42±22.2910.20±4.163.1±0.610.9±3.2
(平均値±標準偏差、n=20)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康な成人男性6例にアゼルニジピン10mgを空腹時投与したときCmax及びAUC0-∞は食後投与と比較してそれぞれ38%及び69%であった。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
アゼルニジピンのin vitroの血漿蛋白結合率は90~91%で、主にリポ蛋白に非特異的に結合する。
16.4 代謝
主な代謝部位は小腸及び肝臓であり、CYP3A4によりジヒドロピリジン環が酸化される。[10.参照]
16.5 排泄
健康な成人男性4例に14C-アゼルニジピン4mg注)を単回経口投与したところ、投与後7日までの尿及び糞中への総投与放射能排泄率は、尿中が26%、糞中が63%であった(外国人データ)。
注)本剤の承認用量は1日に8~16mgである。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能低下を伴う高血圧症患者6例(血清クレアチニン1.5~5.3mg/dL)にアゼルニジピン8mgを1日1回朝食後7日間連続経口投与したところ、投与1日目及び投与7日目の最高血漿中濃度は8.6ng/mL及び17.1ng/mL、AUC0-24は67.3ng・hr/mL及び154.5ng・hr/mLと、7日目で有意に大きな値を示したが、投与24時間後の血漿中濃度は6日目以降ほぼ一定の値を示し定常状態に達した。
投与日数Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUC0-24(ng・hr/mL)
1日目8.6±0.874.7±0.679.1±1.3467.3±5.81
7日目17.1±2.08♯1)3.5±0.5619.7±4.86154.5±17.79♯1)
(n=6、平均値±標準誤差)♯1)p<0.01(paired t-test)
16.6.2 肝機能障害患者
軽度・中等度の肝機能障害患者及び健康人各8例にアゼルニジピン8mgを単回経口投与したところ、ほぼ同様の血漿中濃度推移を示した(外国人データ)。
対象Cmax注)(ng/mL)AUC0-∞注)(ng・hr/mL)CL/F(mL/min)
肝機能障害患者6.052.83152.5±2342.2
健康人8.268.02345.2±1449.1
(n=8、平均値±標準偏差)注)幾何平均
16.6.3 高齢者
高齢高血圧症患者(65~84歳)5例にアゼルニジピン8mgを1日1回朝食後7日間連続経口投与したところ、投与1日目及び投与7日目の最高血漿中濃度到達時間はそれぞれ4.4時間及び3.2時間、半減期はそれぞれ6.4時間及び8.6時間、AUC0-24はそれぞれ107.0ng・hr/mL及び242.8ng・hr/mLであり、最高血漿中濃度、半減期及びAUC0-24は7日目に有意に大きな値を示したが、投与24時間後の血漿中濃度は7日目までにほぼ一定の値を示し定常状態に達した。
投与日数Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUC0-24(ng・hr/mL)
1日目15.8±2.14.4±1.06.4±1.7♯1)107.0±16.9
7日目25.7±3.6♯2)3.2±0.58.6±1.6♯2)242.8±48.8♯2)
(n=5、平均値±標準誤差)♯1)n=4♯2)p<0.05(paired t-test)
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾールとの相互作用
健康な成人男性8例にアゼルニジピン8mg及びイトラコナゾール50mgを併用投与したところ、血漿中アゼルニジピンのCmax及びAUCは単独投与に比較してそれぞれ1.6倍、2.8倍に増加した。[2.3、10.1参照]
投与法Cmax注)(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUC0-tz注)(ng・hr/mL)
アゼルニジピン単独12.3(0.4)2.9±0.68.7±1.961.0(0.4)
アゼルニジピン+イトラコナゾール併用19.7(0.2)3.6±1.310.0±1.6170.9(0.2)
(n=8、平均値±標準偏差)注)幾何平均(対数変換後の標準偏差)
16.7.2 ジゴキシンとの相互作用
健康な成人男性16例にアゼルニジピン8mg及びジゴキシン0.25mgを併用投与したところ、血漿中ジゴキシンのCmax及びAUC0-∞は単独投与に比較してそれぞれ1.5倍、1.4倍に増加した。
投与法Cmax注)(ng/mL)Tmax(hr)AUC0-∞注)(ng・hr/mL)
ジゴキシン単独1.1(0.4)1.7±0.69.6(0.7)
ジゴキシン+アゼルニジピン併用1.6(0.4)1.1±0.713.6(0.7)
(n=16、平均値±標準偏差)注)幾何平均(対数変換後の標準偏差)
16.7.3 HMG-CoA還元酵素阻害剤との相互作用
健康な成人男性8例にアゼルニジピン8mg及びシンバスタチン10mgを併用投与したところ、単独投与に比較して血漿中アゼルニジピン濃度はほとんど変化しなかったが、血漿中シンバスタチン濃度はCmax及びAUCがそれぞれ1.9倍、2.0倍に増加した。
投与法Cmax注)(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUC0-tz注)(ng・hr/mL)
シンバスタチン単独1.5(0.5)1.4±0.92.3±0.64.6(0.6)
シンバスタチン+アゼルニジピン併用2.8(0.4)1.9±1.12.7±0.99.2(0.4)
(n=8、平均値±標準偏差)注)幾何平均(対数変換後の標準偏差)
なお、アゼルニジピン8mgとアトルバスタチン10mg又はプラバスタチン10mgの併用投与では、血漿中アゼルニジピン濃度にほとんど変化はなく、血漿中アトルバスタチン濃度はCmax及びAUC0-∞がそれぞれ1.0倍、0.8倍、血漿中プラバスタチン濃度は同じく0.9倍、1.0倍であった。[10.2参照]
16.7.4 グレープフルーツジュースとの相互作用
健康な成人男性8例(23~40歳)にアゼルニジピン8mgをグレープフルーツジュースとともに単回経口投与したところ、水で服用した場合に比較してCmax及びAUCはそれぞれ2.5倍、3.3倍に増加した。[10.2参照]
健康な成人男性にアゼルニジピン8mgを水又はグレープフルーツジュースで単回経口投与した場合の血漿中未変化体濃度
服用法Cmax注)(ng/mL)Tmax(hr)AUC0-24注)(ng・hr/mL)
6.3(5.6~7.0)2.1(1.8~2.4)45.1(39.0~52.0)
グレープフルーツジュース15.7♯1)(12.8~19.2)3.9♯1)(3.0~4.7)147.9♯1)(120.6~181.4)
(n=8、平均値(95%信頼区間))♯1)p<0.01(分散分析)注)幾何平均

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アゾール系抗真菌剤(経口剤、注射剤)
イトラコナゾール(イトリゾール)、ミコナゾール(フロリード)、フルコナゾール(ジフルカン)、ホスフルコナゾール(プロジフ)、ボリコナゾール(ブイフェンド)
[2.3、16.7.1参照]
イトラコナゾールとの併用により本剤のAUCが2.8倍に上昇することが報告されている。これらの薬剤がCYP3A4を阻害し、本剤のクリアランスが低下すると考えられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ)、ネルフィナビル(ビラセプト)、アタザナビル(レイアタッツ)、ホスアンプレナビル(レクシヴァ)、ダルナビル含有製剤(プリジスタ、プレジコビックス)
コビシスタット含有製剤
スタリビルド、ゲンボイヤ、プレジコビックス
[2.3参照]
本剤の作用が増強されるおそれがある。これらの薬剤がCYP3A4を阻害し、本剤のクリアランスが低下すると考えられる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
他の降圧剤過度の降圧が起こるおそれがある。必要があれば他の降圧剤あるいは本剤を減量すること。作用メカニズムの異なる降圧剤の併用により薬理作用が増強される。
ジゴキシンジゴキシンのCmaxが1.5倍、AUCが1.3倍に上昇することが報告されている。必要があればジゴキシンを減量すること。ジゴキシンの腎排泄(尿細管分泌)及び腎外からの排泄を阻害するためと考えられる。
シメチジン
イマチニブメシル酸塩
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン、
クラリスロマイシン等
本剤の作用が増強されるおそれがある。必要があれば本剤を減量あるいはこれらの薬剤の投与を中止すること。これらの薬剤がCYP3A4を阻害し、本剤のクリアランスが低下すると考えられる。
シンバスタチン
[16.7.3参照]
シンバスタチンのAUCが2.0倍に上昇することが報告されている。必要があれば本剤又はシンバスタチンの投与を中止すること。これらの薬剤がCYP3A4を競合的に阻害することにより、相互のクリアランスが低下すると考えられる。腎機能障害のある患者は特に注意すること。
シクロスポリン本剤又はこれらの薬剤の作用が増強されるおそれがある。必要があれば本剤又はこれらの薬剤を減量すること。これらの薬剤がCYP3A4を競合的に阻害することにより、相互のクリアランスが低下すると考えられる。腎機能障害のある患者は特に注意すること。
ベンゾジアゼピン系薬剤
ジアゼパム、
ミダゾラム、
トリアゾラム等
経口黄体・卵胞ホルモン
経口避妊薬等
本剤又はこれらの薬剤の作用が増強されるおそれがある。必要があれば本剤又はこれらの薬剤を減量すること。これらの薬剤がCYP3A4を競合的に阻害することにより、相互のクリアランスが低下すると考えられる。
タンドスピロンクエン酸塩本剤の作用が増強されるおそれがある。必要があれば本剤を減量あるいはタンドスピロンクエン酸塩の投与を中止すること。セロトニン受容体を介した中枢性の血圧降下作用が降圧作用を増強する。
リファンピシン
フェニトイン
フェノバルビタール
本剤の作用が減弱されるおそれがある。これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により、本剤のクリアランスが上昇すると考えられる。
グレープフルーツジュース
[16.7.4参照]
本剤の血中濃度が上昇することが報告されている。降圧作用が増強されるおそれがあることから、本剤の服用中はグレープフルーツジュースを飲用しないよう注意すること。グレープフルーツジュースに含まれる成分がCYP3A4による本剤の代謝を阻害し、クリアランスを低下させるためと考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.1.2 房室ブロック(頻度不明)、洞停止(頻度不明)、徐脈(頻度不明)
めまい、ふらつき等の症状があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~3%未満1%未満頻度不明
過敏症そう痒、発疹血管浮腫、光線過敏性反応
精神神経系頭痛・頭重感立ちくらみ、ふらつき、めまい眠気
消化器便秘胃部不快感、悪心、腹痛、下痢、歯肉肥厚、口内炎
循環器動悸、顔面潮紅、ほてり
血液好酸球増多
肝臓ALT上昇、AST上昇、LDH上昇ALP上昇、総ビリルビン上昇γ-GTP上昇、肝機能異常
泌尿器BUN上昇、尿硝子円柱増加クレアチニン上昇、頻尿
その他尿酸上昇総コレステロール上昇、CK上昇、カリウム上昇、カリウム低下倦怠感、異常感(浮遊感、気分不良等)、浮腫、しびれ、乳び腹水注)

注)低アルブミン血症の患者で起こりやすい。

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