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シロスタゾールOD錠50mg「タカタ」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性諸症状の改善
  • ○脳梗塞(心原性脳塞栓症を除く)発症後の再発抑制

用法・用量

  • 通常、成人には、シロスタゾールとして1回100mgを1日2回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の投与により脈拍数が増加し、狭心症が発現することがあるので、狭心症の症状(胸痛等)に対する問診を注意深く行うこと。脳梗塞再発抑制効果を検討する試験において、長期にわたりPRP(pressure rate product)を有意に上昇させる作用が認められた。また、本剤投与群に狭心症を発現した症例がみられた。[8.3、9.1.3、11.1.1、17.1.2参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、頭蓋内出血、消化管出血、尿路出血、喀血、硝子体出血等)[出血を助長するおそれがある。]
  • 2.2 うっ血性心不全の患者[症状を悪化させるおそれがある。][8.4参照]
  • 2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 月経期間中の患者
出血を助長するおそれがある。
9.1.2 出血傾向並びにその素因のある患者
出血した時、それを助長するおそれがある。
9.1.3 冠動脈狭窄を合併する患者
脈拍数増加により狭心症を誘発する可能性がある。[1.、8.3、11.1.1、17.1.2参照]
9.1.4 糖尿病あるいは耐糖能異常を有する患者
出血性有害事象が発現しやすい。
9.1.5 持続して血圧が上昇している高血圧の患者(悪性高血圧等)
遺伝的に著しく高い血圧が持続し脳卒中が発症するとされているSHR-SP(脳卒中易発症高血圧自然発症ラット)において、シロスタゾール0.3%混餌投与群は対照群に比較して生存期間の短縮が認められた(平均寿命:シロスタゾール群40.2週、対照群43.5週)。
9.2 腎機能障害患者
腎機能が悪化するおそれがある。また、シロスタゾールの代謝物の血中濃度の上昇が報告されている。[11.1.7、16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
シロスタゾールの血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で異常胎児の増加並びに出生児の低体重及び死亡児の増加が報告されている。[2.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の脳梗塞患者に対する投与は脳梗塞の症状が安定してから開始すること。
8.2 脳梗塞患者への投与にあたっては、他の血小板凝集を抑制する薬剤等との相互作用に注意するとともに、高血圧が持続する患者への投与は慎重に行い、投与中は十分な血圧のコントロールを行うこと。[10.2参照]
8.3 冠動脈狭窄を合併する患者で、本剤を投与中に過度の脈拍数増加があらわれた場合には、狭心症を誘発する可能性があるので、このような場合には減量又は中止するなどの適切な処置を行うこと。[1.、9.1.3、11.1.1、17.1.2参照]
8.4 本剤はPDE3阻害作用を有する薬剤である。海外においてPDE3阻害作用を有する薬剤(ミルリノン、ベスナリノン)に関しては、うっ血性心不全(NYHA分類III~IV)患者を対象にしたプラセボ対照長期比較試験において、生存率がプラセボより低かったとの報告がある。また、うっ血性心不全を有しない患者において、本剤を含むPDE3阻害剤を長期投与した場合の予後は明らかではない。[2.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
自動分包機を使用する場合には欠けることがあるため、カセットのセット位置等に配慮すること。
14.2 薬剤交付時の注意
14.2.1 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。
14.2.2 本剤は寝たままの状態では、水なしで服用しないこと。
14.2.3 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

5.効能又は効果に関連する注意

無症候性脳梗塞における本剤の脳梗塞発作の抑制効果は検討されていない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人男性にシロスタゾールOD錠100mgを空腹時単回経口投与した時の血漿中薬物動態パラメータを表16-1に示す。
表16-1 シロスタゾールOD錠100mg単回投与時の薬物動態パラメータ
tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(hr)
AUC60h
(ng・hr/mL)
水なし試験(n=20)3.65±1.53587.33±174.9310.13±4.737,134±2,039
水あり試験(n=18)3.50±1.04515.45±152.7313.46±6.908,344±2,843
水なしと水ありは別の被験者である。(平均値±標準偏差)
16.1.2 生物学的同等性試験
<水なしで服用>
シロスタゾールOD錠100mg「タカタ」とプレタールOD錠100mgをクロスオーバー法により、健康成人男子20名にそれぞれ1錠(シロスタゾールとして100mg)を空腹時に単回経口投与し、投与前、投与後1、2、3、4、5、6、8、10、12、24、36及び48時間に前腕静脈から採血した。LC/MSにより測定したシロスタゾールの血漿中濃度の推移及びパラメータは次のとおりであり、統計解析にて90%信頼区間を求めた結果、判定パラメータの対数値の平均値の差はlog(0.80)~log(1.25)の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された。
図16-1 血漿中濃度(OD錠100mg、水なしで服用)
表16-2 薬物動態パラメータ(OD錠100mg、水なしで服用)
判定パラメータ参考パラメータ
AUCt
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
シロスタゾールOD錠100mg「タカタ」7394.3±2488.3645.04±248.593.7±1.117.2±11.2
プレタールOD錠100mg7910.1±3565.6665.99±338.153.8±1.120.2±11.3
(Mean±S.D.,n=20)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
<水で服用>
シロスタゾールOD錠100mg「タカタ」とプレタールOD錠100mgをクロスオーバー法により、健康成人男子20名にそれぞれ1錠(シロスタゾールとして100mg)を空腹時に単回経口投与し、投与前、投与後1、2、3、4、5、6、8、10、12、24、36及び48時間に前腕静脈から採血した。LC/MSにより測定したシロスタゾールの血漿中濃度の推移及びパラメータは次のとおりであり、統計解析にて90%信頼区間を求めた結果、判定パラメータの対数値の平均値の差はlog(0.80)~log(1.25)の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された。
図16-2 血漿中濃度(OD錠100mg、水で服用)
表16-3 薬物動態パラメータ(OD錠100mg、水で服用)
判定パラメータ参考パラメータ
AUCt
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
シロスタゾールOD錠100mg「タカタ」7910.1±2142.2619.94±176.363.9±1.318.9±18.2
プレタールOD錠100mg7410.7±1943.1555.27±190.903.8±1.114.9±10.6
(Mean±S.D.,n=20、なおシロスタゾールOD錠100mg「タカタ」のt1/2はn=19)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
ヒト血漿蛋白結合率は、シロスタゾールでは95%以上(in vitro、平衡透析法、0.1~6μg/mL)、活性代謝物OPC-13015及びOPC-13213はそれぞれ97.4%及び66%であった。
16.4 代謝
健康成人男性にシロスタゾール100mgを経口投与した時、血漿中に活性代謝物としてシロスタゾールが脱水素化されたOPC-13015及び水酸化されたOPC-13213が検出された。
シロスタゾールは肝ミクロゾーム中のチトクロームP450のアイソザイムのうち主としてCYP3A4、次いでCYP2D6、CYP2C19により代謝される(in vitro)。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人男性にシロスタゾール50mg注)を経口投与した時、投与後72時間までに投与量の約30%が代謝物として尿中に排泄された。
注)本剤の承認された用量は1回100mgを1日2回である。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
重度の腎機能障害被験者(クレアチニンクリアランス5~25mL/min)にシロスタゾール1日100mgを8日間連続経口投与した時、健康成人に比べシロスタゾールのCmaxは29%、AUCは39%減少したが、活性代謝物のOPC-13213のCmaxは173%、AUCは209%増加した。軽度(クレアチニンクリアランス50~89mL/min)及び中等度(クレアチニンクリアランス26~49mL/min)の被験者において差は認められなかった(外国人データ)。[9.2参照]
16.6.2 肝機能障害患者
軽度(Child-Pugh分類A)及び中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害被験者にシロスタゾール100mgを単回経口投与した時、血漿中濃度は健康成人と差は認められなかった(シロスタゾールのCmaxは7%減少し、AUCは8%増加した)(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ワルファリン
シロスタゾール100mgとワルファリン25mgを併用投与したところ、シロスタゾールはR-、S-ワルファリンの代謝に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.2 エリスロマイシン
エリスロマイシン500mg(1日3回)を7日間前投与後、シロスタゾール100mgとエリスロマイシン500mg(1日3回)を併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは47%、AUCは87%増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 ケトコナゾール
シロスタゾール100mgとケトコナゾール400mg(経口剤:国内未発売)を併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは94%、AUCは129%増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 ジルチアゼム塩酸塩
シロスタゾール100mgとジルチアゼム塩酸塩180mgを併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは34%、AUCは44%増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.5 グレープフルーツジュース
シロスタゾール100mgとグレープフルーツジュース240mLを併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは46%、AUCは14%増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 オメプラゾール
オメプラゾール40mgを1日1回7日間前投与後、シロスタゾール100mgとオメプラゾール40mgを併用投与したところ、シロスタゾール100mg単独投与に比べてシロスタゾールのCmaxは18%、AUCは26%増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.8 その他
シロスタゾールOD錠50mg「タカタ」はシロスタゾールOD錠100mg「タカタ」と含量が異なる製剤として開発されたことから、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、シロスタゾールOD錠100mg「タカタ」と溶出挙動を比較したところ同等と判断され、両剤は生物学的に同等とみなされた。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝固剤
ワルファリン等
血小板凝集を抑制する薬剤
アスピリン、チクロピジン塩酸塩、クロピドグレル硫酸塩等
血栓溶解剤
ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等
プロスタグランジンE1製剤及びその誘導体
アルプロスタジル、リマプロスト アルファデクス等
[8.2参照]
出血した時、それを助長するおそれがある。
併用時には出血等の副作用を予知するため、血液凝固能検査等を十分に行う。
本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。
薬物代謝酵素(CYP3A4)を阻害する薬剤
マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン等)
HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル等)
アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ミコナゾール等)
シメチジン、ジルチアゼム塩酸塩等
グレープフルーツジュース
[16.7.2-16.7.5参照]
本剤の作用が増強するおそれがある。併用する場合は減量あるいは低用量から開始するなど注意すること。
また、グレープフルーツジュースとの同時服用をしないように注意すること。
これらの薬剤あるいはグレープフルーツジュースの成分がCYP3A4を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇することがある。
薬物代謝酵素(CYP2C19)を阻害する薬剤
オメプラゾール等
[16.7.6参照]
本剤の作用が増強するおそれがある。併用する場合は減量あるいは低用量から開始するなど注意すること。これらの薬剤がCYP2C19を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇することがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 うっ血性心不全(0.1%未満)、心筋梗塞、狭心症、心室頻拍(いずれも頻度不明)[1.、8.3、9.1.3参照]
11.1.2 出血(脳出血等の頭蓋内出血(頻度不明)、消化管出血(0.1~5%未満)、眼底出血(0.1%未満)、肺出血、鼻出血(いずれも頻度不明))
脳出血等の頭蓋内出血の初期症状として、頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺があらわれることがある。
11.1.3 胃・十二指腸潰瘍(0.1~5%未満)
出血を伴う胃・十二指腸潰瘍があらわれることがある。
11.1.4 血小板減少、汎血球減少、無顆粒球症(いずれも頻度不明)
11.1.5 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多を伴う間質性肺炎があらわれることがある。このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.6 肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、Al-P、LDH等の上昇や黄疸があらわれることがある。
11.1.7 急性腎障害(頻度不明)[9.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹、皮疹、そう痒感蕁麻疹光線過敏症、紅斑
循環器動悸、頻脈、ほてり、心房細動・上室性頻拍・上室性期外収縮・心室性期外収縮等の不整脈血圧上昇血圧低下
精神神経系頭痛・頭重感眠気、めまい、不眠、しびれ感振戦、肩こり失神・一過性の意識消失
消化器腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、胸やけ、腹部膨満感、味覚異常口渇
血液貧血、白血球減少、好酸球増多
出血傾向皮下出血血尿
肝臓AST・ALT・Al-P・LDHの上昇
腎臓尿酸値上昇、頻尿BUN上昇、クレアチニン上昇、排尿障害
その他浮腫、胸痛、耳鳴、倦怠感、発熱発汗、疼痛、脱力感、血糖上昇、脱毛結膜炎、筋痛
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