製品名 イルトラ配合錠LD
イルトラ配合錠HD

一般名
Irbesartan
Trichlormethiazide
薬効分類
降圧薬
 >ARB・利尿薬配合薬
価格
1錠:108.8円/錠
1錠:161.7円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 高血圧症

用法・用量

  • イルトラ配合錠LD

    • 成人には1日1回1錠(イルベサルタン/トリクロルメチアジドとして100mg/1mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
  • イルトラ配合錠HD

    • 成人には1日1回1錠(イルベサルタン/トリクロルメチアジドとして200mg/1mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
  • 無尿の患者又は透析中の患者[トリクロルメチアジドの効果が期待できない。]
  • 急性腎不全の患者[腎機能を更に悪化させるおそれがある。]
  • 体液中のナトリウム,カリウムが明らかに減少している患者[トリクロルメチアジドは低ナトリウム血症,低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある。]
  • アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし,他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中,腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。(「重要な基本的注意」の項参照)]
副作用
血管浮腫(頻度不明)
顔面,口唇,咽頭,舌等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
ショック,失神,意識消失(頻度不明)
ショック,血圧低下に伴う失神,意識消失があらわれることがあるので,観察を十分に行い,冷感,嘔吐,意識消失等があらわれた場合には,直ちに適切な処置を行うこと。特に厳重な減塩療法中,利尿降圧剤投与中の患者では低用量から投与を開始し,増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
高カリウム血症(頻度不明)
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと。
低ナトリウム血症(頻度不明)
倦怠感,食欲不振,嘔気,嘔吐,痙攣,意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある(高齢者であらわれやすい)ので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,直ちに適切な処置を行うこと。
腎不全(頻度不明)
腎不全があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸(頻度不明)
AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,γ-GTPの上昇等の肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
低血糖(頻度不明)
低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので,観察を十分に行い,脱力感,空腹感,冷汗,手の震え,集中力低下,痙攣,意識障害等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血(頻度不明)
再生不良性貧血があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止すること。
間質性肺炎,肺水腫
トリクロルメチアジドの類似化合物のヒドロクロロチアジドで,間質性肺炎,肺水腫があらわれることが報告されている。
注意

次の患者には慎重に投与すること

両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「重要な基本的注意」の項参照]
血清カリウム値異常の患者[「重要な基本的注意」の項参照]
重篤な腎障害のある患者[腎機能を更に悪化させるおそれがある。]
肝疾患,肝障害のある患者[肝機能を更に悪化させるおそれがある。イルベサルタンは主に胆汁中に排泄されるため,胆汁性肝硬変及び胆汁うっ滞のある患者では血中濃度が上昇するおそれがある(「薬物動態」の項参照)。トリクロルメチアジドは進行した肝硬変症のある患者では肝性昏睡を誘発することがある。]
重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者[トリクロルメチアジドによる急激な利尿があらわれた場合,急速な血漿量減少,血液濃縮を来し,血栓塞栓症を誘発するおそれがある。]
脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を引き起こし,病態を悪化させるおそれがある。]
本人又は両親,兄弟に痛風,糖尿病のある患者及び高尿酸血症のある患者[トリクロルメチアジドにより高尿酸血症,高血糖症を来し,痛風,血糖値の悪化や顕性化のおそれがある。]
下痢,嘔吐のある患者[トリクロルメチアジドにより電解質失調を起こすおそれがある。]
高カルシウム血症,副甲状腺機能亢進症のある患者[トリクロルメチアジドにより血清カルシウムを上昇させるおそれがある。]
ジギタリス剤,糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTHの投与を受けている患者[「相互作用」の項参照]
減塩療法時の患者[トリクロルメチアジドにより低ナトリウム血症等の電解質失調を起こすおそれがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
交感神経切除後の患者[トリクロルメチアジドの降圧作用が増強される。]
本剤はイルベサルタン100mgあるいは200mgとトリクロルメチアジド1mgの配合剤であり,イルベサルタンとトリクロルメチアジド双方の副作用が発現するおそれがあるため,適切に本剤の使用を検討すること。
イルベサルタンは両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者において,腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,本剤の使用は避けること。
血清クレアチニン値が2.0mg/dLを超える腎機能障害患者においては,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,本剤の使用は避けること。
腎機能障害患者では,血清クレアチニン値上昇のおそれがあるので,定期的に血清クレアチニン値のモニタリングを実施し,観察を十分に行うこと。
トリクロルメチアジドは低カリウム血症を発現させるおそれがあるので,定期的に血清カリウム値のモニタリングを実施し,観察を十分に行うこと。
トリクロルメチアジドは高尿酸血症を発現させるおそれがあるので,定期的に血清尿酸値のモニタリングを実施し,観察を十分に行うこと。血清尿酸値の上昇が観察された場合は,その程度に応じて投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
イルベサルタンは高カリウム血症の患者において,高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,本剤の使用は避けること。また,腎機能障害,コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では,高カリウム血症が発現するおそれがあるので,血清カリウム値に注意すること。
アリスキレンを併用する場合,腎機能障害,高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお,eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については,治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
本剤の投与によって,一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので,そのような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,特に次の患者では低用量から投与を開始し,増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら行うこと。
利尿降圧剤投与中の患者
厳重な減塩療法中の患者
イルベサルタンを含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中に重篤な肝機能障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
降圧作用に基づくめまい,ふらつきがあらわれることがあるので,高所作業,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
トリクロルメチアジドの利尿効果は急激にあらわれることがあるので,電解質失調,脱水に十分注意すること。
連用する場合,トリクロルメチアジドによる電解質失調があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと。
夜間の休息が特に必要な患者には,夜間の排尿を避けるため,午前中に投与することが望ましい。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
原則として,イルベサルタン100mgで効果不十分な場合にイルベサルタン/トリクロルメチアジド100mg/1mgの投与を,イルベサルタン200mg,又はイルベサルタン/トリクロルメチアジド100mg/1mgで効果不十分な場合にイルベサルタン/トリクロルメチアジド200mg/1mgの投与を検討すること。
過度な血圧低下のおそれ等があり,本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされているので,低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[脳梗塞等が起こるおそれがある。]
高齢者では急激な利尿は血漿量の減少を来し,脱水,低血圧等による立ちくらみ,めまい,失神等を起こすことがある。
特に心疾患等のある高齢者では,急激な利尿があらわれた場合,急速な血漿量減少,血液濃縮を来し,血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
高齢者では,トリクロルメチアジドによる低ナトリウム血症,低カリウム血症があらわれやすい。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また,投与中に妊娠が判明した場合には,直ちに投与を中止すること。[妊娠中期及び末期に他のアンジオテンシンII受容体拮抗剤やアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症,胎児・新生児の死亡,新生児の低血圧,腎不全,高カリウム血症,頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮,頭蓋顔面の奇形,肺の発育不全等があらわれたとの報告がある。チアジド系薬剤では,新生児又は乳児に高ビリルビン血症,血小板減少等を起こすことがある。また,利尿効果に基づく血漿量減少,血液濃縮,子宮・胎盤血流量減少があらわれることがある。]
授乳中の婦人への投与を避け,やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[イルベサルタンの動物試験(ラット)において乳汁中への移行が認められている。また,イルベサルタンの動物試験(ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験)の50mg/kg/日以上で哺育期間において出生児の体重増加抑制が認められている。トリクロルメチアジドの類似化合物のヒドロクロロチアジドで母乳中に移行することが報告されている。]
低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
血漿中濃度
本態性高血圧症患者
本態性高血圧症患者14例にイルベサルタン/トリクロルメチアジドとして200mg/1mgを1日1回8日間食後反復経口投与したときの投与1日目及び8日目のイルベサルタン及びトリクロルメチアジドの血漿中濃度の推移及び薬物動態パラメータを図1-1,1-2・表1に示す。両成分の薬物動態に及ぼす反復投与の影響はみられなかった。
図1-1 イルトラ配合錠HD投与時のイルベサルタンの血漿中濃度
図1-2 イルトラ配合錠HD投与時のトリクロルメチアジドの血漿中濃度
表1 薬物動態パラメータ
測定成分名投与日Cmax(ng/mL)Tmax注1(hr)AUC0-inf(ng・hr/mL)T1/2,z(hr)
イルベサルタン1日目3420±7731.5(1.0-4.0)13340±3486
8日目3500±7901.5(1.0-3.0)14360±3887注214.4±5.4
トリクロルメチアジド1日目27.3±5.172.0(1.5-4.0)102.7±18.13
8日目27.5±6.012.0(1.5-3.0)102.4±19.72注22.40±0.34
注1:中央値(最小値-最大値)注2:8日目のAUCはAUC0-τ(測定法:LC/MS/MS)(mean±S.D.,n=14)
食事の影響
健康成人20例にイルベサルタン/トリクロルメチアジドとして200mg/1mgをクロスオーバー法にて単回経口投与(食後及び空腹時)したとき,イルベサルタンのCmaxは食事の影響を受けなかったが,空腹時投与に比べ食後投与でイルベサルタンのAUC0-infは22%低下し,トリクロルメチアジドのCmax,AUC0-infはそれぞれ28%,25%低下した。
腎機能障害患者
イルベサルタンとして,以下の報告がある。
軽・中等度(9例),高度(10例)の腎機能障害患者にイルベサルタン100mgを1日1回8日間反復経口投与したとき,腎機能正常者と比較してCmax,AUCに有意な差はみられなかった。血液透析中の患者を含め,腎機能障害患者に投与した場合にも蓄積傾向はほとんどないことが示唆された。(外国人によるデータ)
肝機能障害患者
イルベサルタンとして,以下の報告がある。
軽・中等度の肝硬変患者10例に,イルベサルタン300mg(承認外用量)を空腹時1日1回7日間反復経口投与したとき,健康成人と比較してCmax,AUCに有意な差はみられなかった。また蓄積傾向がほとんどないことも示唆された。(外国人によるデータ)
高齢者
本態性高血圧症患者14例〔高齢者7例(65~70歳)と非高齢者7例(54~64歳)〕にイルベサルタン/トリクロルメチアジドとして200mg/1mgを1日1回8日間食後反復経口投与したとき,イルベサルタン及びトリクロルメチアジドのCmax及びAUCに年齢の影響は認められなかった。
代謝
イルベサルタンは,主としてCYP2C9による酸化的代謝とグルクロン酸抱合により代謝された。トリクロルメチアジドは,ヒト肝細胞を用いたin vitro試験系ではほとんど代謝を受けなかった。
排泄
本態性高血圧症患者14例にイルベサルタン/トリクロルメチアジドとして200mg/1mgを1日1回8日間食後反復経口投与したとき,最終投与の投与後24時間までの未変化体尿中排泄率の算術平均値は,イルベサルタンは0.287%,トリクロルメチアジドは68.7%であった。
イルベサルタンとして,以下の報告がある。
健康成人に14C-標識イルベサルタンを経口投与した場合,放射能の約20%は尿中に排泄され,約54%は糞中に排泄された。(外国人によるデータ)
薬物相互作用
健康成人男性にイルベサルタン200mg及びトリクロルメチアジド1mgを併用単回投与したときのイルベサルタン及びトリクロルメチアジドの薬物動態は各単剤投与後と差はなく,イルベサルタンとトリクロルメチアジドの間には薬物動態学的相互作用は認められなかった。
ヒト肝ミクロソームを用いて,CYP活性に対するイルベサルタンの阻害作用について検討した結果,CYP1A2,CYP2D6及びCYP2E1に対しては阻害せず,CYP2A6,CYP2C8,CYP2C9及びCYP3A4に対して阻害作用が認められたものの,いずれも阻害の程度は弱かった。
ヒト肝ミクロソームを用いて,CYP活性に対するトリクロルメチアジドの阻害作用について検討した結果,CYP1A2,CYP2B6,CYP2C8,CYP2C9,CYP2C19,CYP2D6,CYP2E1及びCYP3A4/5に対して阻害しなかった。
蛋白結合率
蛋白結合率はイルベサルタンで約97%(ヒト血清),トリクロルメチアジドで85%(イヌ血漿)であった。