製品名 アブストラル舌下錠100μg
アブストラル舌下錠200μg
アブストラル舌下錠400μg

一般名
Fentanyl Citrate
薬効分類
鎮痛・解熱薬
 >麻薬性鎮痛薬
価格
100μg1錠:564.4円/錠
200μg1錠:790.9円/錠
400μg1錠:1103円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 強オピオイド鎮痛剤を定時投与中の癌患者における突出痛の鎮痛

用法・用量

  • 通常、成人には1回の突出痛に対して、フェンタニルとして100μgを開始用量として舌下投与する。
    用量調節期に、症状に応じて、フェンタニルとして1回100、200、300、400、600、800μgの順に一段階ずつ適宜調節し、至適用量を決定する。なお、用量調節期に1回の突出痛に対してフェンタニルとして1回100~600μgのいずれかの用量で十分な鎮痛効果が得られない場合には、投与から30分後以降に同一用量までの本剤を1回のみ追加投与できる。
    至適用量決定後の維持期には、1回の突出痛に対して至適用量を1回投与することとし、1回用量の上限はフェンタニルとして800μgとする。
    ただし、用量調節期の追加投与を除き、前回の投与から2時間以上の投与間隔をあけ、1日あたり4回以下の突出痛に対する投与にとどめること。
禁忌

【警告】

  • 小児が誤って口に入れた場合、過量投与となり死に至るおそれがあることを患者等に説明し、必ず本剤を小児の手の届かないところに保管するよう指導すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症のある患者
副作用
呼吸抑制(0.9%)
呼吸抑制があらわれることがあるので、無呼吸、呼吸困難、呼吸異常、呼吸緩慢、不規則な呼吸、換気低下等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン塩酸塩、レバロルファン酒石酸塩等)が有効である。
依存性(頻度不明注1)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。連用中に投与量の急激な減量ないし中止により退薬症候があらわれることがある。
また、乱用や誤用により過量投与や死亡に至る可能性があるので、これらを防止するため観察を十分行うこと。
意識障害(頻度不明注1)
意識レベルの低下、意識消失等の意識障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー(頻度不明注1)
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
痙攣(頻度不明注1)
痙攣があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
注1)同一有効成分又は類薬で報告されており、国内でも発生が予想される副作用。
注意

次の患者には慎重に投与すること

慢性肺疾患等の呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
喘息患者[気管支収縮を起こすおそれがある。]
徐脈性不整脈のある患者[徐脈を助長させるおそれがある。]
肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄が遅延し、副作用があらわれやすくなるおそれがある。]
頭蓋内圧の亢進、意識障害・昏睡、脳腫瘍等の脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制を起こすおそれがある。]
口内炎、口腔内出血、口腔粘膜に欠損のある患者[血中濃度が上昇し、副作用があらわれるおそれがある。](「適用上の注意」の項参照)
薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
本剤を癌における突出痛の鎮痛以外の管理に使用しないこと
本剤の使用開始にあたっては、主な副作用、具体的な服用方法、服用時の注意点、保管方法等を患者等に対して十分に説明し、理解を得た上で使用を開始すること。特に呼吸抑制、意識障害等の症状がみられた場合には速やかに主治医に連絡するよう指導すること。
本剤を増量する場合には、副作用に十分注意すること。
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。また、乱用や誤用により過量投与や死亡に至る可能性があるので、これらを防止するため観察を十分行うこと。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤を併用している患者では、血中濃度が高くなる可能性があるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。(「相互作用」の項参照)
眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
本剤を投与する場合には、便秘に対する対策として緩下剤、悪心・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用を、また、鎮痛効果が得られている患者で通常とは異なる強い眠気がある場合には、過量投与の可能性を念頭において本剤の減量を考慮するなど、本剤投与時の副作用に十分注意すること。
本剤の医療目的外使用を防止するため、適切な処方を行い、保管に留意するとともに、患者等に対して適切な指導を行うこと。(「適用上の注意」の項参照)
交付時
強オピオイド鎮痛剤を定時投与中の患者で、かつオピオイド鎮痛剤に忍容性のある患者であることを確認した上で本剤を交付すること。
誤用防止のため、含量の異なる本剤を同時に交付しないこと
誤用防止のため、本剤の使用を中止した場合、用量調節後に使用しなくなった含量の薬剤がある場合、又は本剤開始により使用しなくなった他のフェンタニル速放性製剤がある場合には、未使用製剤を病院又は薬局に返却するよう患者等に指導すること。
本剤の使用開始にあたっては、患者等に対して具体的な服用方法、服用時の注意点、保管方法等を患者向けの説明書を用いるなどの方法によって十分に説明すること。
患者等に対して、本剤には小児に致死的となりうる量の成分が含有されていることを知らせること。
患者等に対して、本剤を指示された目的以外に使用してはならないことを指導すること。
患者等に対して、本剤を他人へ譲渡してはならないことを指導すること。
口内炎、口腔内出血、口腔粘膜欠損等の症状がみられた場合には、本剤の血中濃度が高くなり、副作用があらわれやすくなるおそれがあるので、速やかに医師又は薬剤師に相談するように患者等に指導すること。
服用時
以下の点について、患者等に指導すること。
本剤は吸湿により硬度が低下するため、服用直前にSPシートから取り出すこと。
舌下の奥の方に入れて自然に溶解させ、舌下の口腔粘膜から吸収させること。
本剤は舌下の口腔粘膜より吸収されて効果を発現するため、そのまま飲み込んだり、なめたり、噛み砕いたりしないこと。
誤って飲み込んだ場合も1回の投与とし、再投与は避けること。[再投与により、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。]
水なしで服用すること。ただし、口腔内乾燥がある患者では、本剤服用前に口腔内を水で湿らせてもよい。
服用後
途中で口腔内から出してしまった場合、残った薬剤は決して放置せず、多量の流水で溶かすなどにより、安全に処分するように患者等に指導すること。
保管方法
本剤を小児の手の届かない所に保管するよう患者等に指導すること。
湿気を避けて保管するよう患者等に指導すること。
処方時
突出痛の回数や受診可能な頻度等を考慮して、必要最小限の錠数を処方すること
誤用防止のため、含量の異なる本剤を同時に処方しないこと
投与方法
本剤は舌下の口腔粘膜から吸収させる製剤であるため、なめたり、噛み砕いたりせずに使用すること。[口腔粘膜からの吸収が低下し、バイオアベイラビリティが低下する可能性がある。]
開始用量
他のフェンタニル速放性製剤から本剤に変更する場合でも、必ずフェンタニルとして1回100μgから投与を開始すること。[フェンタニルの含量が同じであっても本剤と吸収が異なるため。]
用量調節と維持
1回の突出痛に対して1回の本剤投与で十分な鎮痛効果が得られるよう、一段階ずつ漸増して、患者毎に用量調節を行うこと。
1回の突出痛に対して本剤の追加投与を必要とする状態が複数回続く場合には、本剤の1回用量の増量を検討すること。
1回あたりの投与錠数は4錠までとすること。
定時投与中のオピオイド鎮痛剤を増量する場合や種類を変更する場合には、副作用に十分注意し、必要に応じて本剤の減量を考慮すること。
1回の突出痛に対してフェンタニルとして800μgで十分な鎮痛効果が得られない場合には、他の治療法への変更を考慮すること。
1日に4回を超える突出痛の発現が続く場合には、癌に伴う持続性疼痛に使用されているオピオイド鎮痛剤の増量を検討すること。
本剤は、他のオピオイド鎮痛剤が一定期間投与され、忍容性が確認された患者で、かつ強オピオイド鎮痛剤の定時投与により持続性疼痛が適切に管理されている癌患者における突出痛(一時的にあらわれる強い痛み)に対してのみ使用すること。
定時投与されている強オピオイド鎮痛剤が低用量の患者(モルヒネ経口剤60mg/日未満、オキシコドン経口剤40mg/日未満、フェンタニル経皮吸収型製剤0.6mg/日注)未満、又は同等の鎮痛効果を示す用量の他のオピオイド鎮痛剤を定時投与中の患者)における本剤の使用経験は限られているため、本剤の必要性を慎重に検討した上で、副作用の発現に十分注意すること。
注)定常状態におけるフェンタニルの推定平均吸収量
高齢者には副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。[高齢者ではフェンタニルのクリアランスが低下し、血中濃度消失半減期の延長が認められている。]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。フェンタニルクエン酸塩注射液において、分娩時の投与により新生児に呼吸抑制、分娩時を含む妊娠中の投与により胎児に徐脈があらわれたとの報告がある。また、動物実験(ラット)で胚・胎児死亡率の高値傾向が認められている。]
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒトで母乳中へ移行することが報告されている。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
吸収
健康成人における血漿中濃度
健康成人に本剤100~800μg(フェンタニルとして)を単回舌下投与した場合、フェンタニルは投与後速やかに吸収され、tmax(中央値)は0.50~1.00時間であった。血漿中フェンタニル濃度の推移、薬物動態パラメータは下記のとおりである。
薬物動態パラメータ
(n=12)
投与量tmax(h)Cmax(ng/mL)AUC0~∞(ng・h/mL)t1/2(h)
100μg0.50
(0.31-2.00)
0.187±0.0610.974±0.3325.02±2.58
200μg0.87
(0.27-4.00)
0.302±0.0921.92±0.536.67±2.01
400μg1.00
(0.50-1.99)
0.765±0.2885.49±1.9313.5±5.0
800μg0.50
(0.25-1.00)
1.42±0.478.95±2.9710.1±3.4
平均値±標準偏差*中央値(最小値-最大値)
バイオアベイラビリティ(外国人)
本剤のバイオアベイラビリティは約50%であった。
肝障害患者における薬物動態(外国人)
肝硬変患者(8例)と肝腎機能の正常な患者(13例)にフェンタニル5μg/kgを静脈内投与したときの薬物動態は両者でほとんど差がなかった。
腎障害患者における薬物動態(外国人)
血液尿素窒素(BUN)が高値(35~111mg/dL)を示した腎不全末期患者(8例)にフェンタニル25μg/kgを静脈内投与したとき、クリアランスとBUNに負の相関が認められた。
分布
体組織への分布(参考:ラット)
雄ラットに3H-フェンタニルクエン酸塩を舌下投与したとき、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、肺、心臓及び精巣等多くの組織に放射能が認められた。
胎児移行性(参考:ラット)
妊娠ラットに3H-フェンタニルを皮下投与したとき、胎児内放射能濃度は母動物の血液中放射能濃度の約1.5~2倍であったことが報告されている。
乳汁移行性(外国人)
分娩時にフェンタニルクエン酸塩を静脈内投与したとき、フェンタニルの乳汁移行が確認されたことが報告されている。
血漿蛋白結合率
89.1~90.0%(in vitro、超遠心分離法、5~20ng/mL)
代謝(参考:ラット、イヌ、in vitro
フェンタニルは主に肝臓で代謝され、主たる代謝物はピペリジン環の酸化的N-脱アルキル化により生じるノルフェンタニルである。ヒト肝ミクロソームを用いた検討により、ノルフェンタニルへの代謝には主にCYP3A4が関与していることが報告されている。
排泄
健康成人に本剤100~800μg(フェンタニルとして)を単回舌下投与後72時間までのフェンタニルの尿中排泄率は、投与量の0.89~1.39%であった。一方、主代謝物であるノルフェンタニルの尿中排泄率(未変化体換算)は、投与量の27.5~36.3%であった。