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ドンペリドン錠5mg「YD」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 下記疾患および薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、上腹部不快感、腹痛、胸やけ、あい気)

    • 〔成人〕

      • ○慢性胃炎、胃下垂症、胃切除後症候群
      • ○抗悪性腫瘍剤またはレボドパ製剤投与時
    • 〔小児〕

      • ○周期性嘔吐症、上気道感染症
      • ○抗悪性腫瘍剤投与時

用法・用量

  • 〔成人〕

    • 通常、ドンペリドンとして1回10mgを1日3回食前に経口投与する。ただし、レボドパ製剤投与時にはドンペリドンとして1回5~10mgを1日3回食前に経口投与する。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
  • 〔小児〕

    • 通常、ドンペリドンとして1日1.0~2.0mg/kgを1日3回食前に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。ただし、1日投与量はドンペリドンとして30mgを超えないこと。
      また、6才以上の場合はドンペリドンとして1日最高用量は1.0mg/kgを限度とすること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
  • 2.3 消化管出血、機械的イレウス、消化管穿孔の患者[症状が悪化するおそれがある。]
  • 2.4 プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌を促す。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心疾患のある患者
QT延長があらわれるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で骨格、内臓異常等の催奇形作用が報告されている。[2.2参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。投与する場合は大量投与を避けること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。[16.3.4参照]
9.7 小児等
特に1才以下の乳児には用量に注意し、3才以下の乳幼児には7日以上の連用を避けること。また、脱水状態、発熱時等では特に投与後の患者の状態に注意すること。小児において錐体外路症状、意識障害、痙攣が発現することがある。[8.1、11.1.2、11.1.3参照]
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。[15.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 間脳の内分泌機能調節異常、錐体外路症状等があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ使用すること。[9.7、11.1.2参照]
8.2 眠気、めまい・ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に注意させること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
<ドンペリドン錠5mg「YD」>
ドンペリドン錠5mg「YD」とナウゼリン錠5をクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ドンペリドンとして5mg)、健康成人男子16名に絶食単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-24(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
α相β相
ドンペリドン錠5mg「YD」11.7±5.52.4±1.11.6±1.71.4±0.66.1±4.3
ナウゼリン錠510.4±6.42.5±1.51.2±1.01.4±0.78.0±4.9
(平均値±標準偏差、n=16)
血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
<ドンペリドン錠10mg「YD」>
ドンペリドン錠10mg「YD」とナウゼリン錠10をクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ドンペリドンとして10mg)、健康成人男子15名に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-24(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
ドンペリドン錠10mg「YD」43.3±26.211.8±11.21.1±0.93.7±1.5
ナウゼリン錠1043.0±19.112.8±7.00.7±0.22.8±0.6
(平均値±標準偏差、n=15)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
外国人健康成人7例にドンペリドン60mgを絶食下単回経口投与したときのバイオアベイラビリティは12.7%であった。
16.3 分布
16.3.1 体組織への分布
ラットに14C-ドンペリドン2.5mg/kgを経口及び静脈内投与したとき、いずれも腸管組織、肝臓、膵臓等に高濃度に分布したが、脳への分布は極めて低かった。また、蓄積性も認められなかった。
16.3.2 血液-脳関門通過性
ラットに14C-ドンペリドン2.5mg/kgを経口投与したとき、脳内放射能濃度は定常状態に達した時点では血漿中放射能濃度の約1/5であった。
16.3.3 血液-胎盤関門通過性
妊娠ラットに14C-ドンペリドン2.5mg/kgを静脈内又は経口投与したとき、胎盤内放射能濃度は投与1時間後に最高となり、母体血漿中放射能濃度に比べ静脈内投与では2.7倍、経口投与では2倍であった。
16.3.4 母乳中への移行性
授乳ラットに14C-ドンペリドン2.5mg/kgを静脈内又は経口投与したとき、乳汁中放射能濃度は静脈内投与後30分、経口投与後1~2時間で最高に達した。[9.6参照]
16.3.5 血漿蛋白結合率
ヒト血漿蛋白結合率は以下のとおりであった(in vitro、外国人データ)。
添加濃度(ng/mL)10100
血漿蛋白結合率(%)91.893.0
16.4 代謝
外国人健康成人3例に14C-ドンペリドン40mgを経口投与したとき、尿中の主代謝物はN-脱アルキル体とその抱合体、糞中の主代謝物は水酸化体であった。
16.5 排泄
外国人健康成人3例に14C-ドンペリドン40mgを経口投与したとき、4日以内に総放射能の約95%が排泄された。なお、尿中と糞中への排泄の割合は約3:7であった。尿中には投与後24時間以内に大部分が排泄され、24時間後の尿中排泄率は投与量の29.5%であった。一方、糞中には投与量の約66%が投与後4日以内に排泄された。未変化体の尿中排泄率及び糞中排泄率は、それぞれ投与量の0.39%及び約10%であった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
外国人健康成人15例にドンペリドン(経口剤、20mg注)、単回投与)とイトラコナゾール(200mg/日、5日間反復投与)を併用投与したとき、ドンペリドンのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ2.7倍及び3.2倍増加した。[10.2参照]
注)本剤の成人における承認された用法及び用量は1回10mg、1日3回である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
フェノチアジン系精神神経用剤
プロクロルペラジン
クロルプロマジン
チエチルペラジン等
ブチロフェノン系製剤
ハロペリドール等
ラウオルフィアアルカロイド製剤
レセルピン等
内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現しやすくなる。フェノチアジン系精神神経用剤、ブチロフェノン系製剤は中枢性の抗ドパミン作用を有し、ラウオルフィアアルカロイド製剤は中枢でカテコールアミンを枯渇させる。一方、本剤は血液-脳関門を通過しにくいが強い抗ドパミン作用を有する。
ジギタリス製剤
ジゴキシン等
ジギタリス製剤飽和時の指標となる悪心、嘔吐、食欲不振症状を不顕化することがある。ジギタリス製剤の血中濃度のモニターを行う。本剤は制吐作用を有する。
抗コリン剤
ブチルスコポラミン臭化物
チキジウム臭化物
チメピジウム臭化物水和物等
本剤の胃排出作用が減弱することがある。症状により一方を減量、中止する。又は必要に応じて間隔をあけて投与する。抗コリン剤の消化管運動抑制作用が本剤の消化管運動亢進作用と拮抗する。
制酸剤
H2受容体拮抗剤
シメチジン
ラニチジン等
プロトンポンプ阻害剤
オメプラゾール等
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、両剤の投与時間を考慮する。胃内pHの上昇により、本剤の消化管吸収が阻害される。
CYP3A4阻害剤
イトラコナゾール
エリスロマイシン等
[16.7.1参照]
本剤の血中濃度が上昇する。また、エリスロマイシンとの併用においては、QT延長が報告されている。強力又は中程度のCYP3A4阻害作用により本剤の代謝が阻害される。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(発疹、発赤、呼吸困難、顔面浮腫、口唇浮腫等)を起こすことがある。
11.1.2 錐体外路症状(0.1%未満)
後屈頸、眼球側方発作、上肢の伸展、振戦、筋硬直等の錐体外路症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。なお、これらの症状が強い場合には、抗パーキンソン剤を投与するなど適切な処置を行うこと。[8.1、9.7参照]
11.1.3 意識障害、痙攣(いずれも頻度不明)[9.7参照]
11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
注)発現頻度はナウゼリン錠、細粒及びドライシロップの使用成績調査を含む。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
肝臓肝機能異常(AST,ALT,γ-GTP,ビリルビン,Al-P,LDH上昇等)
内分泌女性化乳房、プロラクチン上昇、乳汁分泌、乳房膨満感、月経異常
消化器下痢便秘、腹痛、腹部圧迫感、口渇、胸やけ、悪心、嘔吐、腹部膨満感腹部不快感、腹鳴、腸痙攣
循環器心悸亢進QT延長
皮膚じん麻疹、発疹、そう痒
その他口内のあれ、発汗、眠気、動揺感、めまい・ふらつき

注)発現頻度はナウゼリン錠、細粒及びドライシロップの使用成績調査を含む。

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