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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○本態性高血圧症(軽症~中等症)
  • ○狭心症
  • ○頻脈性不整脈

用法・用量

  • <本態性高血圧症(軽症~中等症)>

    • 通常、成人にはメトプロロール酒石酸塩として1日60~120mgを1日3回に分割経口投与する。効果不十分な場合は240mgまで増量することができる。
      なお、年齢、症状により適宜増減する。
  • <狭心症、頻脈性不整脈>

    • 通常、成人にはメトプロロール酒石酸塩として1日60~120mgを1日2~3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分及び他のβ遮断剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[本症でみられる心筋収縮力抑制を増強するおそれがある。]
  • 2.3 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
  • 2.4 心原性ショック、肺高血圧による右心不全、うっ血性心不全の患者[心筋収縮力を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
  • 2.5 低血圧症の患者[降圧作用により症状を悪化させるおそれがある。]
  • 2.6 重症の末梢循環障害(壊疽等)のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
  • 2.7 未治療の褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者[7.、9.1.8参照]
  • 2.8 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者
気管支拡張剤を併用するなど慎重に投与すること。喘息等の症状を誘発・悪化させるおそれがある。
9.1.2 うっ血性心不全のおそれのある患者
観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど慎重に投与すること。心筋収縮力を抑制し、症状を誘発するおそれがある。
9.1.3 低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者
血糖値に注意すること。低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である頻脈等の症状をマスクしやすい。
9.1.4 徐脈、房室ブロック(I度)のある患者
心機能に注意すること。心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.5 異型狭心症の患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.6 甲状腺中毒症の患者
(1)休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行うこと。急に投与を中止すると、症状を悪化させることがある。
(2)頻脈等の中毒症状をマスクするおそれがある。
9.1.7 末梢循環障害(レイノー症候群、間欠性跛行症等)のある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.8 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者
本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがある。[2.7、7.参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
排泄が遅延するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
代謝が遅延するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.8参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
・一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
・休薬を要する場合は、徐々に減量する。[8.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 投与は少量より開始し、長期投与の場合は心機能検査(脈拍・血圧・心電図・X線等)を定期的に行うこと。特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には減量又は中止すること。また、必要に応じアトロピンを投与するなど対症療法を行うこと。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。
8.2 類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症の患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意すること。狭心症以外の適用で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をすること。[9.8参照]
8.3 手術前24時間は投与しないことが望ましい。
8.4 めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。[2.7、9.1.8参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康人にメトプロロール40mgを単回経口投与した場合の薬物動態パラメータはつぎのとおりである。血漿中未変化体濃度は、投与後1.9時間に最高濃度に達し、2.8時間の半減期で消失した。
メトプロロール40mg単回経口投与後の薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)AUC0-∞(ng・hr/mL)
41.81.92.8241.9
16.4 代謝
メトプロロールは主として肝において代謝され、腎から排泄される。3H-メトプロロールを経口投与した場合、胃腸管から速やかにかつほぼ完全に吸収されるが、投与量の約60%が肝での初回通過効果を受けるため、約40%が体循環に到達する。なお、メトプロロールの主な代謝酵素はCYP2D6(70~80%)とされている(外国人のデータ)。[10.参照]
16.5 排泄
3H-メトプロロールを経口投与した場合の尿中総排泄率は24時間後で投与量の90%以上である。3~5%が未変化体として排泄される。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
レセルピン
β遮断剤(チモロール等の点眼剤を含む)等
過剰の交感神経抑制を来し、徐脈、血圧低下等があらわれるおそれがあるので、用量に注意すること。共に交感神経抑制作用を有するため。
血糖降下剤
インスリン
グリベンクラミド等
血糖降下作用を増強することがある。また、低血糖症状(頻脈等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。本剤のβ遮断作用により、低血糖からの回復が遅れることがあり、また、低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクする。
カルシウム拮抗剤
ベラパミル
ジルチアゼム等
相互に作用が増強され、過度の降圧又は心機能抑制があらわれることがあるので、用量に注意すること。共に陰性変時・変力作用、降圧作用を有するため。
クロニジンクロニジンの投与中止後のリバウンド現象(血圧上昇)を増強するおそれがある。クロニジンの投与を中止する場合には、本剤を数日前に中止し、経過を観察してから行うこと。クロニジンの投与中止により血中ノルアドレナリンが増加した場合、本剤のβ遮断作用によりα刺激作用(血管収縮作用)が優位となるため。
ClassI抗不整脈剤
ジソピラミド
プロカインアミド
アジマリン等
ClassIII抗不整脈剤
アミオダロン等
過度の心機能抑制があらわれることがあるので、用量に注意すること。共に心機能抑制作用を有するため。
抗不整脈剤
キニジン
プロパフェノン
アミオダロン等
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがあるので、用量に注意すること。これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により本剤の代謝が抑制されると考えられる。
ミラベグロン本剤のAUCが3.29倍上昇したとの報告があり、本剤の作用が増強するおそれがある。ミラベグロンのCYP2D6阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
麻酔剤
セボフルラン等
過剰の交感神経の抑制を起こす可能性があるので心機能等に注意すること。共に交感神経抑制作用を有するため。
ジギタリス製剤房室伝導時間が延長し、徐脈、房室ブロック等があらわれるおそれがあるので、心機能に注意すること。共に刺激伝導速度の抑制作用を有するため。
非ステロイド性抗炎症剤
インドメタシン等
本剤の降圧作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有する腎プロスタグランジンの合成・遊離を阻害し血圧を上昇させることがある。
降圧作用を有する他の薬剤
ニトログリセリン
タダラフィル等
過度の降圧を来すおそれがあるので、用量に注意すること。共に降圧作用を有するため。
シメチジン本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがあるので、用量に注意すること。これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により本剤の代謝が抑制されると考えられる。
選択的セロトニン再取込み阻害剤
パロキセチン等
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがあるので、用量に注意すること。これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により本剤の代謝が抑制されると考えられる。
抗ヒスタミン剤
ジフェンヒドラミン等
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがあるので、用量に注意すること。これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により本剤の代謝が抑制されると考えられる。
ヒドララジン本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強することがあるので、用量に注意すること。ヒドララジンは肝血流量を増加させ、本剤の初回通過効果を減少させると考えられる。
リファンピシン本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。リファンピシンの肝代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
リドカインリドカインの血中濃度を上昇させることがあるので、用量に注意すること。本剤による肝血流量の減少及び肝代謝酵素活性阻害によりリドカインの代謝を遅延させると考えられる。
フィンゴリモドフィンゴリモドの投与開始時に本剤を併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある。共に徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 心原性ショック(頻度不明)
11.1.2 うっ血性心不全(0.2%)、房室ブロック(頻度不明)、徐脈(2.4%)、洞機能不全(頻度不明)
11.1.3 喘息症状の誘発・悪化(0.3%)
11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
視覚障害(霧視等)涙液分泌減少、結膜炎
過敏症発疹(乾癬型等)そう痒光線過敏症
血液血小板減少
循環器動悸末梢循環障害(四肢の冷え・しびれ等)心室性期外収縮、起立性低血圧注)、低血圧
呼吸器息切れ鼻閉、鼻炎、気管支痙攣
精神神経系めまい・ふらつき、頭痛、不眠、眠気、抑うつ悪夢、不安幻覚、感覚異常、注意力障害、神経過敏、健忘、錯乱
消化器腹痛、食欲不振、便秘、下痢、胸やけ、口渇悪心・嘔吐、腹部膨満感
肝臓AST上昇、ALT上昇
その他胸部圧迫感、浮腫、疲労感、耳鳴性欲減退倦怠感、トリグリセライドの上昇、発汗、CK(CPK)の上昇、筋痙直、勃起障害、味覚異常、脱毛、難聴、関節痛、体重増加、乾癬悪化

注)ごくまれに失神を伴うことがある。

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