製品名 ジクロフェナクナトリウム坐剤12.5mg「日医工」
ジクロフェナクナトリウム坐剤25mg「日医工」
ジクロフェナクナトリウム坐剤50mg「日医工」
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- 一般名
- Diclofenac Sodium
- 薬効分類
-
鎮痛・解熱薬>NSAIDs(アリール酢酸系)
- 価格
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12.5mg1個:19.7円/個
25mg1個:20.3円/個
50mg1個:20.3円/個
- 製薬会社
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- 製造販売元:日医工株式会社
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効能・効果
用法・容量 -
効能・効果
下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
- 関節リウマチ,変形性関節症,腰痛症,後陣痛
- 手術後の鎮痛・消炎
- 他の解熱剤では効果が期待できないか,あるいは,他の解熱剤の投与が不可能な場合の急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)の緊急解熱
用法・用量
成人
- ジクロフェナクナトリウムとして通常1回25~50mgを1日1~2回,直腸内に挿入するが,年齢,症状に応じ低用量投与が望ましい。
低体温によるショックを起こすことがあるので,高齢者に投与する場合には少量から投与を開始すること。
- ジクロフェナクナトリウムとして通常1回25~50mgを1日1~2回,直腸内に挿入するが,年齢,症状に応じ低用量投与が望ましい。
小児
- ジクロフェナクナトリウムとして1回の投与に体重1kgあたり0.5~1.0mgを1日1~2回,直腸内に挿入する。
なお,年齢,症状に応じ低用量投与が望ましい。
低体温によるショックを起こすことがあるので,少量から投与を開始すること。
- 年齢別投与量の目安は1回量として下記のとおりである。
1歳以上3歳未満
6.25mg
3歳以上6歳未満
6.25~12.5mg
6歳以上9歳未満
12.5mg
9歳以上12歳未満
12.5~25mg
- ジクロフェナクナトリウムとして1回の投与に体重1kgあたり0.5~1.0mgを1日1~2回,直腸内に挿入する。
- 禁忌
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【警告】
- 幼小児・高齢者又は消耗性疾患の患者は,過度の体温下降・血圧低下によるショック症状があらわれやすいので,これらの患者には特に慎重に投与すること。
【禁忌】次の患者には投与しないこと
- 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させる。](ただし,「慎重投与」の項参照)
- 重篤な血液の異常のある患者[副作用として血液障害が報告されているため血液の異常を悪化させるおそれがある。](「副作用」の項参照)
- 重篤な肝障害のある患者[副作用として肝障害が報告されているため肝障害を悪化させることがある。](「副作用」の項参照)
- 重篤な腎障害のある患者[腎血流量低下作用があるため腎障害を悪化させることがある。]
- 重篤な高血圧症のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため血圧をさらに上昇させるおそれがある。]
- 重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させるおそれがある。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 直腸炎,直腸出血又は痔疾のある患者[粘膜刺激作用によりこれらの症状が悪化することがある。]
- アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等により誘発される喘息発作)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発する。]
- インフルエンザの臨床経過中の脳炎・脳症の患者(「その他の注意」の項参照)
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
- トリアムテレンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 副作用
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- (頻度不明)
- 下記のような副作用があらわれることがある。
このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。- ショック(胸内苦悶,冷汗,呼吸困難,四肢冷却,血圧低下,意識障害等),アナフィラキシー(蕁麻疹,血管浮腫,呼吸困難等)
- 出血性ショック又は穿孔を伴う消化管潰瘍
- 消化管の狭窄・閉塞(消化管の潰瘍に伴い,狭窄・閉塞があらわれることがある)
- 再生不良性貧血,溶血性貧血,無顆粒球症,血小板減少
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),紅皮症(はく脱性皮膚炎)
- 急性腎不全(間質性腎炎,腎乳頭壊死等)(症状・検査所見:乏尿,血尿,尿蛋白,BUN・血中クレアチニン上昇,高カリウム血症,低アルブミン血症等),ネフローゼ症候群
- 重症喘息発作(アスピリン喘息)
- 間質性肺炎
- うっ血性心不全,心筋梗塞
- 無菌性髄膜炎(項部硬直,発熱,頭痛,悪心・嘔吐あるいは意識混濁等)[特にSLE又はMCTD等のある患者では注意すること。]
- 重篤な肝障害(劇症肝炎,広範な肝壊死等)
- 急性脳症(特に,かぜ様症状に引き続き,激しい嘔吐,意識障害,痙攣等の異常が認められた場合には,ライ症候群の可能性を考慮すること)
- 横紋筋融解症(急激な腎機能悪化を伴うことがある)(症状:筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇等)
- 脳血管障害
- 注意
-
慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
- 消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍を再発させることがある。]
- 血液の異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。]
- 出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがあるため出血傾向を助長するおそれがある。]
- 肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させることがある。]
- 腎障害又はその既往歴のある患者[腎血流量低下作用があるため腎障害を悪化又は誘発することがある。]
- 腎血流量が低下しやすい患者[心機能障害のある患者,利尿剤や腎機能に著しい影響を与える薬剤を投与中の患者,腹水を伴う肝硬変のある患者,大手術後,高齢者等では有効循環血液量が低下傾向にあり,腎血流量が低下しやすいので,腎不全を誘発するおそれがある。]
- 高血圧症のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため血圧をさらに上昇させるおそれがある。]
- 心機能障害のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させるおそれがある。]
- SLE(全身性エリテマトーデス)の患者[SLE症状(腎障害等)を悪化させるおそれがある。]
- 過敏症の既往歴のある患者
- 気管支喘息のある患者[気管支喘息患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれており,それらの患者では重症喘息発作を誘発する。]
- 潰瘍性大腸炎の患者[症状が悪化したとの報告がある。]
- クローン病の患者[症状が悪化したとの報告がある。]
- 高齢者及び幼小児[副作用,特に過度の体温下降・血圧低下によるショック症状があらわれやすい。](「重要な基本的注意」,「高齢者への投与」,「小児等への投与」の項参照)
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で,本剤の長期投与が必要であり,かつミソプロストールによる治療が行われている患者(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが,ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので,本剤を継続投与する場合には,十分経過を観察し,慎重に投与すること。)
重要な基本的注意
- ジクロフェナクナトリウム製剤を投与後にライ症候群を発症したとの報告があり,また,同効類薬(サリチル酸系医薬品)とライ症候群との関連性を示す海外の疫学調査報告があるので,本剤を小児のウイルス性疾患の患者に投与しないことを原則とするが,投与する場合には慎重に投与し,投与後の患者の状態を十分に観察すること。[ライ症候群:水痘,インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後,激しい嘔吐,意識障害,痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着,ミトコンドリア変形,AST(GOT),ALT(GPT),LDH,CK(CPK)の急激な上昇,高アンモニア血症,低プロトロンビン血症,低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である。]
- 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
- 患者の状態を十分に観察し,副作用の発現に留意すること。過度の体温下降,虚脱,四肢冷却等があらわれることがあるので,特に高熱を伴う幼小児及び高齢者又は消耗性疾患の患者においては,投与後の患者の状態に十分注意すること。
- 重篤な肝障害があらわれることがあるので,患者の状態を十分に観察すること。特に連用する場合は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。また,肝障害に先行して,あるいは同時に急激な意識障害があらわれることがある。
- 慢性疾患(関節リウマチ,変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には,次の事項を考慮すること。
- 長期投与する場合には,定期的に臨床検査(尿検査,血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。また,異常が認められた場合には,減量,休薬等の適切な措置を講ずること。
- 薬物療法以外の療法も考慮すること。
- 急性疾患に対し本剤を用いる場合には,次の事項を考慮すること。
- 急性炎症,疼痛及び発熱の程度を考慮し,投与すること。
- 原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
- 原因療法があればこれを行うこと。
- 感染症を不顕性化するおそれがあるので,感染による炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤を併用し,観察を十分行い慎重に投与すること。
- 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
- 高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し,必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
- 本剤投与中に眠気,めまい,霧視を訴える患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意すること。
- 使用時
- 直腸投与による外用にのみ使用すること。
- 本剤はできるだけ排便後に投与すること。
- 高齢者では,副作用があらわれやすいので,少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。(「警告」及び「重要な基本的注意」の項参照)
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与で,胎児に動脈管収縮・閉鎖,徐脈,羊水過少が起きたとの報告があり,胎児の死亡例も報告されている。また,分娩に近い時期での投与で,胎児循環持続症(PFC),動脈管開存,新生児肺高血圧,乏尿が起きたとの報告があり,新生児の死亡例も報告されている。]
- 子宮収縮を抑制することがある。
- 本剤投与中は授乳を避けさせること。[母乳中へ移行することが報告されている。]
- ウイルス性疾患(水痘,インフルエンザ等)の患者に投与しないことを原則とするが,投与する場合には慎重に投与し,投与後の患者の状態を十分に観察すること。(「重要な基本的注意」の項参照)
- 新生児及び乳児は,一般に体温調節機構が不完全なため,本剤の投与により過度の体温下降を起こす可能性があるので,新生児及び乳児には,過度の体温上昇等やむを得ない場合にのみ投与すること。
- 生物学的同等性試験
- ジクロフェナクナトリウム坐剤12.5mg「日医工」及び標準製剤を,クロスオーバー法によりそれぞれ1個(ジクロフェナクナトリウムとして12.5mg)健康成人男子に絶食単回直腸内投与して血漿中ジクロフェナクナトリウム濃度を測定し,得られた薬物動態パラメータ(AUC,Cmax)について分散分析法にて統計解析を行った結果,両剤の生物学的同等性が確認された。
- また,ジクロフェナクナトリウム坐剤25mg「日医工」及び標準製剤をクロスオーバー法によりそれぞれ1個(ジクロフェナクナトリウムとして25mg)投与した場合,並びにジクロフェナクナトリウム坐剤50mg「日医工」及び標準製剤をそれぞれ1個(ジクロフェナクナトリウムとして50mg)投与した場合においても,同様に両剤の生物学的同等性が確認された。
- <ジクロフェナクナトリウム坐剤12.5mg「日医工」>
判定パラメータ 参考パラメータ AUC0→6
(ng・hr/mL)Cmax
(ng/mL)Tmax
(hr)T1/2
(hr)ジクロフェナクナトリウム坐剤12.5mg「日医工」 439.2±63.2 296.7±54.9 0.6±0.2 1.2±0.4 標準製剤
(坐剤,12.5mg)413.7±86.3 280.4±56.2 0.6±0.2 1.2±0.3 (1個投与,Mean±S.D.,n=14)
- <ジクロフェナクナトリウム坐剤25mg「日医工」>
判定パラメータ 参考パラメータ AUC0→6
(ng・hr/mL)Cmax
(ng/mL)Tmax
(hr)T1/2
(hr)ジクロフェナクナトリウム坐剤25mg「日医工」 949.7±165.4 513±116 0.5±0.0 1.3±0.3 標準製剤
(坐剤,25mg)994.3±214.6 568±118 0.5±0.0 1.5±0.4 (1個投与,Mean±S.D.,n=12)
- <ジクロフェナクナトリウム坐剤50mg「日医工」>
判定パラメータ 参考パラメータ AUC0→6
(ng・hr/mL)Cmax
(ng/mL)Tmax
(hr)T1/2
(hr)ジクロフェナクナトリウム坐剤50mg「日医工」 1859.3±352.9 954±186 0.7±0.3 1.2±0.3 標準製剤
(坐剤,50mg)1712.7±229.7 1004±220 0.7±0.3 1.1±0.2 (1個投与,Mean±S.D.,n=12)
- 血漿中濃度並びにAUC,Cmax等のパラメータは,被験者の選択,体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。