製品名 エビリファイ持続性水懸筋注用300mgシリンジ
エビリファイ持続性水懸筋注用400mgシリンジ

一般名
Aripiprazole Hydrate
薬効分類
抗精神病薬
 >非定型抗精神病薬(DSS)
価格
300mg1キット:37275円/キット
400mg1キット:45155円/キット

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 統合失調症

用法・用量

  • 通常、成人にはアリピプラゾールとして1回400mgを4週に1回臀部筋肉内又は三角筋内に投与する。なお、症状、忍容性に応じて1回量300mgに減量すること。
禁忌

【警告】

  • 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は高血糖の徴候・症状に注意すること。特に、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与することとし、投与にあたっては、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。
  • 投与にあたっては、あらかじめ上記副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに医師の診察を受けるよう指導すること。(「1.慎重投与(4)」の項、「2.重要な基本的注意(4)、(6)」の項及び「4.副作用1重大な副作用 6)糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]
  • バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。]
  • アドレナリン(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)、クロザピンを投与中の患者(「3.相互作用」の項参照)
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
副作用
悪性症候群(頻度不明
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡することがある。
遅発性ジスキネジア(頻度不明
長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量又は中止を考慮すること。なお、投与中止後も症状が持続することがある。
麻痺性イレウス(頻度不明
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。
アナフィラキシー(頻度不明
アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明
横紋筋融解症があらわれることがあるので、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(頻度不明
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至るなどの致命的な経過をたどることがあるので、本剤投与中は口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、インスリン製剤の投与などの適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意(4)、(6)」の項参照)
低血糖(0.4%)
低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意(5)、(6)」の項参照)
痙攣(頻度不明
痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
無顆粒球症、白血球減少(頻度不明
無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意(11)」の項参照)
肝機能障害(1.3%)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
*:国際共同実薬対照二重盲検試験以外の国内外臨床試験又は経口アリピプラゾール製剤において認められた副作用は頻度不明とした。
注意

次の患者には慎重に投与すること

肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]
心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者[一過性の血圧降下があらわれるおそれがある。]
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]
糖尿病又はその既往歴を有する患者、もしくは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者[血糖値が上昇することがある。](〔警告〕の項、「2.重要な基本的注意(4)、(6)」の項及び「4.副作用1重大な副作用 6)糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)
自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者[症状を悪化させるおそれがある。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
本剤は持続性製剤であり、精神症状の再発及び再燃の予防を目的とする製剤であることから、急性期の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者には用いないこと。また、本剤投与にあたっては以下の点に留意すること。
一度投与すると直ちに薬物を体外に排除する方法がないため、予め本剤投与の必要性について十分に検討し、副作用の予防、副作用発現時の処置、過量投与等について十分留意すること。(≪用法・用量に関連する使用上の注意≫の項、「4.副作用」の項及び「8.過量投与」の項参照)
過去にアリピプラゾールによる治療の経験がない場合には、まず経口アリピプラゾール製剤を投与し、忍容性を確認した後、本剤を投与すること。
過去にアリピプラゾールによる治療の経験がある場合であっても、現在、経口アリピプラゾール製剤以外の抗精神病薬を使用している患者では、原則として、経口アリピプラゾール製剤に切り替え、症状が安定した後に本剤を投与すること。
興奮、敵意、誇大性等の精神症状が悪化することがあるので、観察を十分に行い、悪化が見られた場合には他の治療方法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の高血糖の徴候・症状に注意するとともに、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(〔警告〕の項、「1.慎重投与(4)」の項及び「4.副作用1重大な副作用 6)糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)
低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(「4.副作用1重大な副作用 7)低血糖」の項参照)
本剤の投与に際し、あらかじめ上記4.及び5.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに医師の診察を受けるよう、指導すること。(〔警告〕の項、「1.慎重投与(4)」の項及び「4.副作用1重大な副作用 6)糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、7)低血糖」の項参照)
原疾患による可能性もあるが、本剤投与後に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害があらわれたとの報告がある。衝動制御障害の症状について、あらかじめ患者及び家族等に十分に説明を行い、症状があらわれた場合には、医師に相談するよう指導すること。また、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察し、症状があらわれた場合には必要に応じて減量又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
本剤の投与により体重の変動(増加、減少)を来すことがあるので、本剤投与中は体重の推移を注意深く観察し、体重の変動が認められた場合には原因精査(合併症の影響の有無等)を実施し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
他の抗精神病薬を既に投与しているなど血清プロラクチン濃度が高い場合に本剤を投与すると、血清プロラクチン濃度が低下し月経が再開することがあるので、月経過多、貧血、子宮内膜症などの発現に十分注意すること。
嚥下障害が発現するおそれがあるので、特に誤嚥性肺炎のリスクのある患者に本剤を投与する場合には、慎重に経過を観察すること。
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。(「4.副作用1重大な副作用 10)肺塞栓症、深部静脈血栓症」の項参照)
調製時
本剤の使用にあたっては、〔取扱い方法〕を熟読すること。
用時調製し、懸濁液が均質になるように20秒間激しく振とうし、懸濁させること。
調製後直ちに投与すること。やむを得ず直ちに投与できない場合は、室温で保存し、2時間以内に投与すること。ただし、その場合は投与前に20秒間激しく振とうし、再懸濁させること。
投与時
以下の表に従った注射針を用いること。
臀部筋肉投与時22G(黒)、針の長さ11/2インチ(38mm)
三角筋投与時体重90kg未満の場合:23G(青)、針の長さ1インチ(25mm)
体重90kg以上の場合:22G(黒)、針の長さ11/2インチ(38mm)
筋肉内注射にあたっては、下記の点に注意すること。
注射部位は、臀部の外側上部又は三角筋のみとし、他の筋肉内には投与しないこと。
注射部位は毎回左右交互とし、同一部位への反復注射は行わないこと。
懸濁後の薬剤は、1回で全量を投与すること。
注射部位に疼痛、硬結等をみることがある。
注射部位をもまないように患者に指示すること。
本剤は、臀部筋肉内又は三角筋内のみに投与すること。静脈内には絶対に投与しないこと。
本剤は、初回投与後徐々に血漿中薬物濃度が上昇することから、初回投与後は2週間を目処に、以下の投与量を参考に経口アリピプラゾール製剤の併用を継続するなどの適切な治療を行うこと。
切替え前の経口アリピプラゾール製剤の投与量切替え後の経口アリピプラゾール製剤の投与量(2週間)
6~15mg/日6mg/日
18~24mg/日12mg/日
30mg/日15mg/日
本剤投与の際には、以下の表に従った注射針を用いること。[適切な血漿中濃度が得られないおそれがある。]
臀部筋肉投与時22G(黒)、針の長さ11/2インチ(38mm)
三角筋投与時体重90kg未満の場合:23G(青)、針の長さ1インチ(25mm)
体重90kg以上の場合:22G(黒)、針の長さ11/2インチ(38mm)
本剤とCYP2D6阻害剤(キニジン、パロキセチン等)及び/又はCYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)を併用する場合には、本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるため、以下の表を参考に減量等を考慮すること。なお、本剤はプレフィルドシリンジ製剤であり、300mgを下回る用量は投与できないことから、300mg未満に減量する必要がある場合は、バイアル製剤を用いること。
減量後の本剤の用量
本剤400mg単剤投与に相当する用量
CYP2D6阻害剤又はCYP3A4阻害剤のいずれかを併用する場合300mg
CYP2D6阻害剤及びCYP3A4阻害剤のいずれも併用する場合200mg
本剤300mg単剤投与に相当する用量
CYP2D6阻害剤又はCYP3A4阻害剤のいずれかを併用する場合200mg
CYP2D6阻害剤及びCYP3A4阻害剤のいずれも併用する場合160mg
本剤は持続性製剤であることから、投与中止後も患者の症状を慎重に観察し、副作用等の発現に十分に注意すること。(〔薬物動態〕の項参照)
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。なお、経口アリピプラゾール製剤の臨床試験において流産の報告がある。]
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[経口アリピプラゾール製剤においてヒトで乳汁移行が認められている。]
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
血漿中濃度
単回投与(臀部筋肉内投与)
統合失調症患者11例に本剤300mg(5例)及び400mg(6例)を臀部筋肉内に単回投与したときの血漿中濃度及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す。
図1 統合失調症患者における臀部筋肉内単回投与時の血漿中アリピプラゾールの濃度推移(中央値)
表1 臀部筋肉内単回投与時の薬物動態パラメータ
化合物tmax(hr)Cmax(ng/mL)t1/2,z(hr)AUC(mg・hr/L)
300mg(5例)
未変化体648(96.3-816)136(95.2-791)302(187-660)201(170-250)
主代謝物(OPC-14857984(168.4-1273)25.8(19.1-118)368(222-702)39.1(32.9-57.2)
400mg(6例)
未変化体841(120-1680)126(38.8-168)781(388-984)141(107-267)
主代謝物(OPC-14857841(120-1680)26.1(12.8-35.1)605a(432-760)45.0a(24.4-59.6)
中央値(最小-最大)、:活性代謝物、a:5例
反復投与
臀部筋肉内投与
統合失調症患者28例に本剤300mg(12例)及び400mg(16例)を臀部筋肉内に反復投与したときの血漿中アリピプラゾール濃度は、本剤4回目投与前[初回投与後12週(84日)]までにほぼ定常状態に達した。本剤300mg及び400mg投与後の血漿中アリピプラゾールトラフ濃度の中央値は、初回投与以降、アリピプラゾール錠剤6mg/日投与時の定常状態におけるアリピプラゾールトラフ濃度の中央値(42.980ng/mL)からアリピプラゾール錠剤24mg/日投与時の定常状態におけるアリピプラゾールCmaxの中央値(310.160ng/mL)までの範囲内を推移した(図2、表2)。
図2 統合失調症患者における臀部筋肉内反復投与時の血漿中アリピプラゾールの濃度推移(中央値)
本剤投与開始後2週間は経口アリピプラゾール製剤を併用
表2 臀部筋肉内5回目投与後の薬物動態パラメータ
化合物tmax(hr)Cmax(ng/mL)t1/2,z(hr)AUC28d(mg・hr/L)
300mg(11例)
未変化体120(71.3-672)244(105-409)a(505-808)126(63.1-245)
主代謝物(OPC-14857263(47.3-672)72.8(53.7-107)1030b(544-1720)40.6(26.8-58.3)
400mg(13例)
未変化体95.7(48.0-669)217(124-424)1030c(759-3020)104(71.7-251)
主代謝物(OPC-14857120(8.00-673)68.0(40.5-129)d(884-2440)35.9(20.4-76.2)
中央値(最小-最大)、:活性代謝物、a:2例、b:4例、c:8例、d:2例、-:算出不可
三角筋内投与
統合失調症患者13例に本剤400mgを三角筋内に反復投与したときの血漿中アリピプラゾール濃度は、本剤4回目投与前[初回投与後12週(84日)]までにほぼ定常状態に達した。本剤400mg投与後の血漿中アリピプラゾールトラフ濃度の中央値は、初回投与以降、アリピプラゾール錠剤6mg/日投与時の定常状態における血漿中アリピプラゾールトラフ濃度の中央値(42.980ng/mL)からアリピプラゾール錠剤24mg/日投与時の定常状態におけるアリピプラゾールCmaxの中央値(310.160ng/mL)までの範囲内を推移した(図3、表3)。
図3 統合失調症患者における三角筋内反復投与時の血漿中アリピプラゾールの濃度推移(中央値)
表3 三角筋内5回目投与後の薬物動態パラメータ
化合物tmax(hr)Cmax(ng/mL)t1/2,z(hr)AUC28d(mg・hr/L)
400mg(13例)
未変化体95.8(48.5-262)331(190-595)825a(551-2030)153(69.4-324)
主代謝物(OPC-14857123(94.9-671)96.5(71.0-148)1060b(558-2240)54.6(31.6-89.7)
中央値(最小-最大)、:活性代謝物、a:12例、b:10例
233例の日本人及び外国人の統合失調症患者の成績を対象として母集団薬物動態解析を実施し、構築されたモデルを用いて、400mgを臀部筋肉内又は三角筋内に反復投与したときの定常状態における血漿中アリピプラゾール濃度の推移を推定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について、幾何平均値の比の信頼区間は0.8~1.25の範囲であった。
分布
統合失調症患者における本剤400mgを臀部筋肉内又は三角筋内に反復投与したときの分布容積(Vz/F/BW)の中央値は114L/kg及び44.8L/kgであった。外国の健康成人におけるアリピプラゾール2mg静脈内投与時の分布容積(Vss/BW)の平均値は4.94L/kgであった。アリピプラゾール錠において未変化体の血清蛋白結合率は99%以上で、主としてアルブミンと結合し、蛋白結合においてワルファリンとの結合置換は生じない。また、主代謝物であるOPC-14857の血清蛋白結合率は未変化体と同様である。
代謝
本薬は主としてCYP3A4とCYP2D6によって脱水素化と水酸化を受け、またCYP3A4によってN-脱アルキル化を受ける。脱水素体(OPC-14857)が血漿中における主代謝物である。OPC-14857はアリピプラゾール(未変化体)と同様の代謝酵素及び代謝経路によって代謝される。臀部筋肉内に本剤400mg及び300mg5回目投与後のアリピプラゾールに対するOPC-14857のAUC28dの割合の中央値はそれぞれ約34及び33%であった。また、三角筋内に本剤400mg5回目投与後のアリピプラゾールに対するOPC-14857のAUC28dの割合の中央値は約34%であった。
排泄(外国人による成績)
アリピプラゾール錠の成績を以下に示す。
健康成人に14C標識アリピプラゾール20mgを経口投与したとき、投与放射能の約27%及び60%がそれぞれ尿中及び糞便中に排泄された。未変化体は糞中に約18%排泄され、尿中には検出されなかった。
相互作用
アリピプラゾール錠の成績を以下に示す。
キニジン(外国人による成績)
健康成人において、CYP2D6の阻害作用を有するキニジン166mgとアリピプラゾール10mgの併用により、アリピプラゾールのAUCは107%増加した。
パロキセチン
健康成人において、CYP2D6の阻害作用を有するパロキセチン20mgとアリピプラゾール3mgの併用により、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ39%及び140%増加した。
イトラコナゾール
健康成人において、CYP3A4の阻害作用を有するイトラコナゾール100mgとアリピプラゾール3mgの併用により、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ19%及び48%増加した。
ケトコナゾール(外国人による成績)
健康成人において、CYP3A4の阻害作用を有するケトコナゾール200mgとアリピプラゾール15mgの併用により、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ37%及び63%増加した。
カルバマゼピン(外国人による成績)
統合失調症又は統合失調感情障害患者において、CYP3A4の誘導作用を有するカルバマゼピン400mgとアリピプラゾール30mgの併用投与により、アリピプラゾールのCmax及びAUCはそれぞれ68%及び73%低下した。
その他(外国人における成績)
アリピプラゾール錠の成績を以下に示す。
腎障害
高度の腎機能低下被験者6例(クレアチニンクリアランス<30mL/min)における試験では、腎機能の低下による血中薬物動態への影響は少なかった。
肝障害
肝機能低下被験者19例(Child-Pugh A~C)における試験では、肝機能低下によるクリアランスへの影響は少なかった。
高齢者
健康高齢者(65歳以上)におけるクリアランスは、非高齢者(18~64歳)よりも約20%低かった。
性別・喫煙
薬物動態に性差はみられなかった。また、統合失調症患者でのポピュレーションファーマコキネティクス解析で喫煙は薬物動態に影響を与えなかった。