製品名 ワントラム錠100mg

一般名
Tramadol Hydrochloride
薬効分類
鎮痛・解熱薬
 >弱オピオイド(非麻薬)
価格
100mg1錠:113.2円/錠

製薬会社
効能・効果
用法・容量

効能・効果

  • 非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記における鎮痛

    • 疼痛を伴う各種癌
    • 慢性疼痛

用法・用量

  • 通常、成人にはトラマドール塩酸塩として100~300mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。ただし、1日400mgを超えないこととする。
禁忌
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • アルコール、睡眠剤、鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤又は向精神薬による急性中毒患者[中枢神経抑制及び呼吸抑制を悪化させるおそれがある。]
  • モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者、又は投与中止後14日以内の患者(「相互作用」の項参照)
  • 治療により十分な管理がされていないてんかん患者[症状が悪化するおそれがある。]
  • 高度な腎障害又は高度な肝障害のある患者[高い血中濃度が持続し、作用及び副作用が増強するおそれがある。]
副作用
ショック、アナフィラキシー(頻度不明
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、気管支痙攣、喘鳴、血管神経性浮腫等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
呼吸抑制(0.1%)
呼吸抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと(「過量投与」の項参照)。
痙攣(頻度不明
痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
依存性(頻度不明
長期使用時に、耐性、精神的依存及び身体的依存が生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止すること。本剤の中止又は減量時において、激越、不安、神経過敏、不眠症、運動過多、振戦、胃腸症状、パニック発作、幻覚、錯感覚、耳鳴等の退薬症候が生じることがあるので、適切な処置を行うこと。また、薬物乱用又は薬物依存傾向のある患者では、厳重な医師の管理下に、短期間に限って投与すること。
意識消失(頻度不明
意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
*:トラマドール塩酸塩カプセル・注射液又は海外で認められた副作用であるため頻度不明。
注意

次の患者には慎重に投与すること

オピオイド鎮痛剤を投与中の患者[痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すおそれがある(「相互作用」の項参照)。]
腎障害又は肝障害のある患者[高い血中濃度が持続するおそれがある(「薬物動態」の項参照)。]
てんかんのある患者、痙攣発作を起こしやすい患者又は痙攣発作の既往歴のある患者[痙攣発作を誘発することがあるので、本剤投与中は観察を十分に行うこと。]
薬物乱用又は薬物依存傾向のある患者[依存性を生じやすい。]
呼吸抑制状態にある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を来すおそれがある。]
オピオイド鎮痛剤に対し過敏症の既往歴のある患者
ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
本剤を投与した際に、悪心、嘔吐、便秘等の症状があらわれることがある。悪心・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用を、便秘に対する対策として緩下剤の併用を考慮し、本剤投与時の副作用の発現に十分注意すること。
眠気、めまい、意識消失が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。なお、意識消失により自動車事故に至った例も報告されている。
鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。
本剤は徐放性製剤であることから、急激な血中濃度の上昇による重篤な副作用の発現を避けるため、服用に際して割ったり、砕いたり又はかみ砕いたりしないように指示すること。
重篤な呼吸抑制があらわれるおそれがあるので、12歳未満の小児には投与しないこと(「小児等への投与」の項参照)。
重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがあるので、18歳未満の肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は重篤な肺疾患を有する患者には投与しないこと。
薬剤交付時
本剤の投与にあたっては、具体的な服用方法、服用時の注意点、保管方法等を十分に説明し、本剤の目的以外への使用をしないように指導するとともに、本剤を子供の手の届かないところに保管するよう指導すること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
有効成分放出後の基剤(抜け殻)が糞便中に排泄されることがある。
初回投与量
本剤を初回投与する場合は、1日100mgから開始することが望ましい。なお、トラマドール塩酸塩即放性製剤から切り替える場合は、即放性製剤の1日投与量、鎮痛効果及び副作用を考慮して、本剤の初回投与量を設定すること。
投与間隔
本剤の定時投与(1日1回)はできるだけ同じ時間帯に服用すること。
増量及び減量
本剤投与開始後は患者の状態を観察し、適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調整を行うこと。増量・減量の目安は、1日100mgずつ行うことが望ましい。
がん疼痛患者における疼痛増強時の臨時追加投与(レスキュー・ドーズ)
本剤服用中に疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突出痛が発現した場合は、直ちにトラマドール塩酸塩即放性製剤の臨時追加投与を行って鎮痛を図ること。臨時追加投与の1回投与量は、定時投与中の本剤の1日量の1/8~1/4を経口投与すること。ただし、トラマドール塩酸塩としての1日総投与量は400mgを超えないこと。
投与の継続
慢性疼痛患者において、本剤投与開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。
投与の中止
本剤の投与を必要としなくなった場合は、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
がん疼痛患者において、本剤の1日の定時投与量が300mgで鎮痛効果が不十分となった場合、本剤の投与を中止し、モルヒネ等の強オピオイド鎮痛剤への変更を考慮すること。その場合には、定時投与量の1/5の用量の経口モルヒネを初回投与量の目安とすることが望ましい。また、経口モルヒネ以外の強オピオイド鎮痛剤に変更する場合は、経口モルヒネとの換算で投与量を求めることが望ましい。
高齢者への投与
75歳以上の高齢者では、本剤の血中濃度が高い状態で持続し、作用及び副作用が増強するおそれがあるので、1日300mgを超えないことが望ましい(「薬物動態」の項参照)。
慢性疼痛患者においては、その原因となる器質的病変、心理的・社会的要因、依存リスクを含めた包括的な診断を行い、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
高齢者では、生理機能が低下していることが多く、代謝・排泄が遅延し副作用があらわれやすいので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊婦、新生児に対する安全性は確立されていない。また、胎盤関門を通過し、退薬症候が新生児に起こる可能性がある。なお、動物実験で、器官形成、骨化及び出生児の生存に影響を及ぼすことが報告されている。]
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止すること。[静脈内投与(国内未承認)の場合、0.1%が乳汁中に移行することが知られている。]
12歳未満の小児には投与しないこと。[海外において、12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある。]
12歳以上の小児への投与に関する安全性は確立されていない(使用経験がない)。
血中濃度
健康成人
健康成人男性10例にトラマドール塩酸塩徐放錠を空腹時に単回経口投与したとき、トラマドール及び活性代謝物モノ-O-脱メチル体(M1)の血漿中濃度は投与後9~12時間でCmaxに達した後、6~8時間のt1/2,βで低下した。血漿中トラマドール及びM1のCmax及びAUC0-∞はいずれも用量に比例して増加した。
トラマドール塩酸塩徐放錠を単回経口投与後のトラマドール及びM1の血漿中濃度推移
トラマドール塩酸塩徐放錠を投与したときの薬物動態パラメータ
パラメータ\トラマドール
100mg200mg300mg
Cmax(ng/mL)123±39257±89444±117
tmax(hr)9.5±2.89.6±3.211.6±1.3
t1/2,β(hr)6.44±1.076.63±1.996.97±1.08
AUC0-∞(ng・hr/mL)2640±10205500±24809720±2820
パラメータ\M1
100mg200mg300mg
Cmax(ng/mL)25.9±5.956.1±13.886.6±26.1
tmax(hr)11.5±4.09.6±3.612.0±0.0
t1/2,β(hr)7.02±1.377.34±1.897.93±1.51
AUC0-∞(ng・hr/mL)610±1591290±2602090±520
平均値±標準偏差(n=10)
健康成人男性24例に、トラマドール塩酸塩徐放錠(200mg)を単回又はトラマドール塩酸塩カプセル(50mg)を1日4回、空腹時に経口投与したときのトラマドール及びM1の血漿中濃度推移を比較した。両製剤を投与したときのトラマドール及びM1のCmax及びAUC0-∞に差は認められなかった。
トラマドール塩酸塩徐放錠を単回経口投与又はトラマドール塩酸塩カプセルを1日4回経口投与後のトラマドール及びM1の血漿中濃度推移
トラマドール塩酸塩徐放錠又はトラマドール塩酸塩カプセルを投与したときの薬物動態パラメータ
パラメータ\トラマドール
徐放錠
200mg
カプセル
50mg×4回
Cmax(ng/mL)283±66308±67
AUC0-∞(ng・hr/mL)5880±16605810±1770
パラメータ\M1
徐放錠
200mg
カプセル
50mg×4回
Cmax(ng/mL)59.8±23.063.6±21.8
AUC0-∞(ng・hr/mL)1370±4501370±400
平均値±標準偏差(n=24)
健康成人男性9例にトラマドール塩酸塩徐放錠(200及び300mg)を1日1回5日間食後経口投与したとき、投与2日目から最終投与日のトラフ値はいずれの用量においてもほぼ一定の値を示し、投与3日目には定常状態に達しているものと推察された。
食事の影響
標準食
健康成人男性12例にトラマドール塩酸塩徐放錠(200mg)を空腹時及び食後30分に単回経口投与したとき、血漿中トラマドール及びM1濃度推移に差はなく、食事の影響は認められなかった。
高脂肪高カロリー食
健康成人男性29例にトラマドール塩酸塩徐放錠(200mg)を空腹時及び食後に単回経口投与したとき、食後の血漿中トラマドール及びM1のCmaxは空腹時と比べて約50%上昇したが、AUC0-∞は変わらなかった。(外国人によるデータ)
高齢者
健康高齢者20例(66~82歳)にトラマドール塩酸塩カプセル50mgを経口投与したときの血清中トラマドール濃度は、健康非高齢者8例(22~47歳)の結果と同様の推移を示した。一方、75歳以上(8例)では、65歳以上75歳未満(12例)に比べて血清中トラマドールのCmax、AUC0-∞及び尿中排泄量が30~50%増加し、t1/2,β及びMRTが約1時間延長した。(外国人によるデータ)
肝硬変患者
肝硬変患者12例にトラマドール塩酸塩カプセル50mgを経口投与したとき、健康成人と比較して血清中トラマドールのCmax及びAUC0-∞は顕著に増加し、t1/2,βは約2.6倍に延長した。(外国人によるデータ)
腎障害患者
腎障害患者21例(クレアチニンクリアランス:80mL/min以下)にトラマドール塩酸塩100mgを静脈内投与したとき、血清中トラマドールのt1/2,β及びAUC0-∞は健康成人のそれぞれ最大で1.5倍及び2倍であった。(外国人によるデータ)
分布
組織への移行(ラット)
14C-トラマドール塩酸塩を雄性ラットに30mg/kg経口投与した後、放射能濃度はほとんどの組織で投与後1~2時間で最高値に達した。投与後1時間の組織中濃度は肝臓、腎臓及び肺で高く、それぞれ血漿中濃度の約15、13及び11倍であった。脳内の放射能濃度は血漿の約2倍高かった。各組織からの放射能の消失は血漿と同様に速やかであり、放射能濃度は投与後24時間で最高値の10%以下に低下した。
血漿タンパク結合(平衡透析法)
14C-トラマドール塩酸塩の血漿タンパク結合率は、0.2~10μg/mLの範囲で19.5~21.5%であり、結合率に濃度依存性は認められなかった。
代謝
トラマドールの主な代謝経路は、O-及びN-脱メチル化(第一相反応)並びにそれらの代謝物のグルクロン酸又は硫酸抱合(第二相反応)であった。
トラマドールのO-脱メチル化反応にはCYP2D6が、N-脱メチル化反応にはCYP3A4が主に関与していた。
排泄
健康成人男性6例にトラマドール塩酸塩カプセル25、50又は100mgを空腹時に単回経口投与したとき、投与後24時間までの尿中排泄率に用量間で差はなく、投与量の12~16%が未変化体として、12~15%がモノ-O-脱メチル体(M1)、15~18%がM1の抱合体として排泄された。